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その1

____雪のような白い肌、

____黒炭のような黒い髪、

____血のような赤い唇、

____華奢で儚げで、

____そして自分よりも美しい白雪姫、


そんな白雪姫に嫉妬の業火で身を焦がす王妃様のお話です。

白雪姫を暗殺する為ならどんな努力も惜しみません。


……

…………

………………



「あの女は不死身の化け物か!?」


王妃はたった今聞いたばかりの魔法の鏡の回答に戦慄が走った。

くらっと半瞬眩暈に暗転しそうになるも、湧き上がる怒りを力に持ちこたえ、鏡に詰め寄り怒声を上げた。


「ちょっと嘘でしょ!? もういい加減にして! アイツ何で死なないの!? これで三度目よ!? 一度目は雇った猟師が白雪を逃がしちゃったから仕方ないとしても、後の二度はこの私がわざわざ老婆に化けて殺しに行ったんだから! 二度ともアイツが白目剥いてぶっ倒れたのを見たのよ!? なのにおかしいじゃない! いい? 鏡! もう一回聞くわ! 今度こそ本当の事を答えなさい! 世界で一番美しいのは誰? もちろんそれは私でしょ? 白雪姫は死んだの! 私が殺してきたんだから! さあ! どうなの!?」


『……ですから王妃様、先程もお答えしましたが世界で一番美しいのは、今回で三度目の暗殺も失敗に終わり、一命を取り留めただけでなく驚異的な回復力で復活なさった白雪姫です。姫は生きてます。元気です。美人です。世界一です。で、王妃様は世界第二位です。いいじゃありませんか、二位でもたいしたもんですよ』


疲れた声の鏡が言うと、


「うるさい! 今まではずーーっと私が世界一だったの! 二位じゃ嫌よ、クソッタレ! 白雪め……次こそ……次こそ、必ず殺してやる……!」

    

王妃は顔を真っ赤にしながら拳を握り、力強くこう宣言したのだった。







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