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少し早めのダッフルコート

作者: りゃ

先週くらいから急に寒くなりましたね。街の人たちの服装もポツポツと冬っぽくなってきたなあと思いながら書きました。

駅の改札を抜け、少し離れたいつもの待ち合わせ場所に向かう。

「おはよ」

と先に来ていた彩に声をかける。

「おはよ、寒いねー」

スマホを見ていた彩が顔を上げた。

「もうコートデビューか。いいなー、あったかそう」

制服の上にダッフルコートを着てマフラーを巻いた私の格好を見て彩が言う。11月の半ばの月曜日、昨日の雨の後から一気に空気は冷え込んでいて、ブレザーにマフラーを巻いただけの彼女は寒そうに首をすぼめている。

「朝のお天気で師走並みの寒さが、とか言ってたからね。彩も着てくればよかったじゃん」

「そうなんだけどさ、まだちょっと早いかなって…着てきてあたしだけとかだとなんか嫌だし…」

そう言う彩の気持ちもわからなくはない。同調圧力とまでは言わずとも、なんとなくみんなから浮いた格好になるのは避けたいし、服装の季節感を進めるだけでもちょっとの勇気がいる。実際駅や電車で見た他の高校生たちもマフラーや手袋をした姿は増えてもコートまでは見なかったし、一人だけ私と同じようにコートにマフラーの女子高生を見かけた時は勝手に親近感を覚えたりもした。

「まあ私も家出る前に少し迷ったしね」

そんな会話をしていると後ろから一緒に学校に向かうメンバーのもう一人、実乃莉の声がした。

「おはよぉ、うぅ寒いねぇ」

そう言う彼女は私のより丈の長いダッフルコートにマフラー、手袋、タイツまで履いた完全装備だ。実乃莉は超が付くほど寒がりで、私が今日コートを着てくることに決めたのも彼女がいれば一人だけ気が早いやつになることはないだろうと思ったのもある。

「完全に冬の格好だ。まあ私も今日からコート着てきたけど。」

「だって寒いんだもん。彩ちゃんは?寒くないの?」

「いや、寒いけどさ…」

さっきと同じような話をしながら学校に向かう。歩いているうちに段々と生徒の数も増えてきた。女子はもう大半がマフラーを巻いている。ピーコートやダッフルコートもポツポツとは見られる。様子見の人達もいるだろうしこれから段々と増えるんだろう。

「明日からはあたしもコート出すかー」

彩もこんなこと言ってるし。確か去年も12月になったら大体の女子はコート姿になってた気がする。

男子は女子と比べたら薄着な人が多い。去年も真冬でもコートは着ない生徒も結構いたし、寒くないのかな?あ、でも一人だけピーコートの人がいるな。

そんなことを考えながら私は彩と実乃莉と校門を抜け玄関に向かった。

僕が高校生の頃は男子は制服だけとかそれにプラスでマフラーとかが主流でコートを着てる人は少数派でしたね。女子は結構コート着てる人が多かった気が。僕も例に漏れずマフラーだけで登校していましたが、内心コートを着れる女子たちが暖かそうで羨ましかったです。いや着ればいいじゃんって話なんですがなんか空気的に、、、

そんな経緯があってか今でもピーコートとかダッフルコートみたいなスクールコートっぽい格好が好きです。今では割と真っ先に厚着するタイプでこの話に出てくる実乃莉みたいな感じですね。ちょっとでも冷えるのが苦手でとにかく寒いよりは暖かい方がいいだろとガッツリ着込みます。

でも今の高校生たちってどちらかと言うとダウンとかボアジャケットみたいなカジュアルなアウターを制服の上に着ることが多いんですよね。男の子もアウターを着るようになったりして時代の変化だなあと。

そんな中で先日いかにもスクールコートっぽいダッフルコートを着た高校生を何人か見かけました。やっぱり時期が早いこともあってコートを着ていたのはほんの少しでしたが。やっぱり制服+ダッフル+マフラーはいいなあと昔の制服コートへの憧れとか懐かしさとか、あとは昔の僕とは違って周りに流されずに自分の感覚で服を着られて偉いし羨ましいなあとか思ってこの話を書きました。

彩は何となく周りを気にして寒い思いをしていた昔の僕のイメージ、実乃莉は上でも書いたように今の遠慮なく寒がる僕、主人公の「私」は街で見かけたおそらく冬のアウター一番乗りを果たしたダッフル高校生にちょっとの勇気を持って自分の登校着を選べる昔の僕の憧れを重ねています。

なんだか本文に対して後書きがやたらと長くなってしまいましたが、要は僕の冬の制服フェチとか高校時代の懐古とかそんなものを込めてこのお話を書きましたということです。

もしここまで読んでくれた人がいたら、皆さんの高校時代の冬の格好の話とかコメントに書いてくれると嬉しいです。

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