表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『西風と冥王星』

作者: 成城速記部

 西風と冥王星が、力比べをすることになりました。なぜでしょう。どこで知り合ったのでしょう。まあ、物語の進行上、どうでもいいことですけど。

 冥王星って、まだ一周していないんですって。あ、正確じゃないですね。冥王星が発見されてからまだ百年たっていないのですが、冥王星の周期は二百五十年くらいなので、まだ三分の一周強というところなのです。それなのに、まだ一周していないのに、惑星から準惑星に格下げだなんて。ま、そのあたりのいらいらを、西風にぶつけた、と、まあ、そんなことにしておきましょう。

 西風のほうは、といいますと、北風や南風のようにはっきりした季節感があるわけでなく、東風のように天神様のおかげで有名になることもなく、偏西風の大きな力にかき消されて、何が西風なのかのはっきりしたイメージもないままに秋の季語に祭り上げられたものの、大して使ってももらえないという悔しさを、冥王星にぶつけた、と、まあ、そんなことがあったようななかったような。

 一本道を、向こうから、速記者が歩いてきまして、速記道具を手放させたほうが勝ち、ということになったのですが、西風は、先ほども言ったとおり、偏西風の大きな流れにかき消されて、気がついてももらえず、冥王星も遠過ぎて、影響を与えることなど、かけらほどもできませんでした。

 これをきっかけに、西風と冥王星は仲よくなりました的な話になると思いますか。冥王星は、どんどん遠ざかっていくので、西風とは百年以上も会わないことになるのでした。



教訓:速記者のじゃまをしなくてよかったな、と。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ