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詩❲情景❳

風が強い日に

作者: 日浦海里

風が立てる音


草を揺らす音

枝葉を擦る音

壁に当たる音

吹き抜ける音


どれも激しい自己主張

みんな違う音だけれど

私はここだ、と叫ぶ音


私はここだ

私はここだ


私は確かにここに在る

そんな風にさけんでる


風が見せる姿


草を揺らす姿

木を揺らす姿

砂が渦巻く姿

雲が流れる姿


姿の見えない自己主張

みんな違う姿だけれど

私はここだ、と吹く姿


私はここだ

私はここだ


私は確かにここに在る

そんな風におどってる


これは本当に自己主張?

さみしがり屋の叫び声?

誰の目にもうつらない

けれど私はここにいる

そんな風の拙いことば


私はここだ

私はここだ


私は確かにここにいる


私はここだ

私はここだ


消える前に気が付いて


こんなに風の強い日は

さみしがりやの風達が

ここにいるよと懸命に

声を上げておどってる


そんなくだらぬ妄想を

風の音に晒されながら

私は独り、考え、踊る


私はここだ

ここにいる


消える前に気が付いて

最後までお読みいただきありがとうございます


高層階で、風の音を聞き

眼下に揺れる木々を見ていて

ふと浮かんだ言葉です

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― 新着の感想 ―
[良い点]  姿なき者の、発する声に耳を傾けて、読み取ろうとする姿勢こそが。姿なき者たちの、彼らが抱いている伝えたい想いへの、いちばんの報いなのでしょうね。
[良い点] 私も木々の揺れる音が、おしゃべりのように感じることがあり、共感しました。序盤、中盤、終盤の詩の展開が好きです。ありがとうございます。
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