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8.じゃじゃ馬令嬢は推しとのデートに奮闘し悶絶する(その①)

ステラがバスティンとデートする日が訪れた……


その日の朝…ステラはすでにバートン公爵邸まで迎えにきたバスティンと共にラスター公爵家の馬車の中へと乗り帝都へ向かっていたのだった。


(ふぅ〜…一先ず馬車に乗れて良かった…。お母様がお父様とお兄様を上手く引き止めてくれなかったら今頃どうなってたことやら…。)


ステラはホッとした様に考えていた。


(それにしても…。)


ステラはそう思いながらチラりとバスティンを見て考えていた。


(今日のバスティン…最高に素敵すぎじゃない?!事前に今日はお互いラフな格好でとお願いしてたけど…ラフなバスティン…最&高…尊い…たまんない…。オンラブの話中ではアーノルドの無駄に多い洋服コレクションみたいなのはいっぱい描かれてたけどバスティンのラフな格好なんてほぼ描かれてなかったからこうして…生で拝めるなんて……。あぁ…神様仏様バスティン様…。)


ステラはバスティンを見ながら心の中での悶絶しながら表情をニヤつかせて考えていた。


(あぁ〜出来ることならこの目の前のバスティンを写真におさめて拡大コピーしてポスターにして額に入れて飾りたい……。)


ステラは更に悶絶しながら一人考えていた。


(……まずいわ…。馬車に乗ったからか急に…眠気が襲ってきてきまった…。昨夜はバスティンとのデートが楽しみすぎるのとデートプランを考えたりしてたら結局ほぼ徹夜状態になっちゃったんだよね…。)


ステラは急に睡魔に襲われながら考えていた。


(でも…ここで寝てしまったらせっかくの馬車の中でのバスティンとの時間が削られてしまう…。そんな時間を無駄にする訳にはいかないっていうのに…。)


ステラは更に睡魔が押し寄せてくるのを感じながら考えていた。


「どうした?眠いのか?」


バスティンがそんなステラを見て声をかけた。


「はい…。少し眠くて…。」


ステラは目をしょぼしょぼさせながら言った。


「昨夜寝なかったのか?」


バスティンがステラへ言った。


「ハハハハ…実は今日が楽しみなあまり眠れてなかったのです…。」


ステラは半分目を閉じながら笑いながら言った。


そして…ステラは自分の起きてないといけない意志に負けて睡魔の限界がきてしまいそのまま目を閉じて寝てしまったのだった。


ステラは体を前のめり気味にしていた為眠ってしまったと同時に前に倒れ込んでしまった。


「危ないっ!」


バスティンは倒れ込んだステラを見て思わず声を出しながらステラの体を支えた。


バスティンは支えたステラの体を椅子へもたれかけさせた。


「まったく……。」


バスティンはスヤスヤ眠るステラを見て呆れた表情で呟いた。


(自分から出かける事を提案しておいて寝るとは…。何が楽しみで眠れなかっただ。ただ夜ふかししただけだろうに…。やはり今日出かける事を提案したのも令嬢の気まぐれだろう…。)


バスティンはステラの寝顔を見ながら少し苛ついた様に考えていた。


(しかし…別に令嬢が寝ようと構わないが何故…この様に苛つくのだろうか…。)


バスティンは自分が苛ついている事を疑問に感じながら考えていた。


ガタンッ!!


その時馬車の車輪が何かに当たったのが馬車が揺れた。

その揺れでステラの体がバランスを崩して横に倒れようとしていた。


それを見たバスティンが咄嗟にステラの体を手で支えた。


「ふぅ〜…危ないところだった…。」


バスティンはホッとした表情で呟いた。


そしてステラを元の場所に戻して椅子にもたれかけさせた。


「…………。」


バスティンはステラをもたれかけさせるとステラをじっと見て何かを考えていた。


「はぁ……。」


バスティンは何かを考えた後大きくため息をついた。


そして…バスティンはステラの横に座りステラの体を自分の肩へもたれかけさせたのだった。


「令嬢の気まぐれで出かけたとはいえ令嬢に怪我でもされたら師匠とジョシュアに何を言われるか分からないからな…。」


バスティンは少し面倒くさそうに言った。


すると…


パサッ…


ステラのスカートのポケットから何かが落ちた。


「なんた…?」


バスティンはステラのスカートのポケットから落ちたと思われると紙を拾いながら言った。


そして紙を拾ったバスティンは何気なしに紙を見た。

紙を見てバスティンは驚いた表情を浮かべた。


その紙にはステラが書いたであろう項目でぎっしり埋まっていたのだった。



"《バスティンとの初デート計画書♡


最高に楽しい1日にするぞ!!


1.帝都で人気の大道芸を見る

(剣を使った大道芸もあるみたいだから騎士のバスティンでも楽しめると思う。)


2.帝都で食べ歩きをする

(バスティンの食べたいもの沢山食べてもらおう。)


3.私の誰にも教えてないとっておきの場所へ案内する

(バスティン以外には教えないって決めてる素敵な場所でバスティンを癒やしてあげたい)


4.程度の町で今人気の好きな人と食べたら願いが叶うと噂のハートパンを買ってバスティンと一緒に食べる。

(想像しただけで顔がにやける)


あわよくばこの日でお互い名前で呼べ合える様になるといいな…。"


と紙には書かれていた。



バスティンはその紙をじっと見つめたいた。


(……こんなものを考えて書くために徹夜したのか…。)


バスティンは紙を見て自分の肩に寄りかかるステラをチラりと見て考えていた。


(お互いの名前を呼ぶか……。すでに自分は私の事を勝手に呼び捨てにしているではないか…。)


バスティンはやれやれといった表情で考えていた。


「バスティン!!」


その時…バスティンの脳内に満面の笑みでバスティンの名前を呼ぶステラの声が響いた。


バスティンは咄嗟に自分に寄りかかるステラを見た。

ステラは変わらず眠っていた。


(今のは何なのだ…。何故か…私の名を呼ぶ令嬢が頭を浮かんだ…。)


バスティンは意味がわからないという表情で考えていた。


(だが…嫌な気はしなかった…。私は普段…女性から名前を呼ばれる事を嫌悪しているというのに…。)


バスティンはふとそんな事を考えていた。


(……馬車に入るなり寝てしまう程…練った作なのであれば…まぁ…付き合ってやるしかなさそうだな。)


バスティンは自分自身で気づかぬうちにフッと笑みを浮かべてそんな事を考えていた。


そしてバスティンはそっと拾った紙をステラの側に置いたのだった。


まさか…自分の練った作がバスティンに知られてしまった事など知らないステラは熟睡していたのだった。





そして…馬車が帝都に到着した。


「令嬢…そろそろ起きろ!帝都に到着したぞ!」


バスティンがステラへと言った。


「んん…んん…お母様…もう少し寝かせて………。」


ステラは眠そうに言うと急に目をサッと開けてバッと体を起こした。


「わ…私…寝てしまって……。」


ステラは自分が寝てしまっていた事に気づくと表情をゾッとさせて呟いた。


「あぁ…。それで…もう眠気はおさまったか?」


バスティンがステラへ尋ねた。


「え?あ…はい。お陰様で…。」


ステラが少し恥ずかしそうに言った。


(まさかの失態…。まさか…睡魔に負けるとは…。せっかくのバスティンとの二人の時間が減ってしまったじゃんよぉ。でも…バスティンに寄りかかって寝る夢を見れたし何だか凄く心地よかったからまぁ…よしとしよう。あぁ…夢だとしてもバスティンの肩に寄りかかれるとか最高すぎ…。いつか現実でもバスティンに寄りかかって幸せな時間を過ごしたいなぁ。)


ステラは恥ずかしながらそんな事を考えていた。


「そうか…。では…馬車から降りよう。」


バスティンがステラの恥ずかしそうにするもスッキリした表情を見て言った。


「は…はい!」


ステラは慌てて言った。


(よし!こっから挽回してバスティンとのデート全力で楽しんでバスティンにも楽しんでもらうぞー!!)


ステラはグッと拳を握り気合を入れる様に考えていた。


そして…二人は馬車から降りた。


「それで…何をするつもりなのだ?」


バスティンはステラの計画書を見て知っていたがあえて尋ねた。


「はい。まずは…帝都にある大きな広場で大道芸が行われている様でそれを見ようと思います。」


ステラが笑顔で言った。


(ふふふ…徹夜で考えた私のデート計画!!順に制覇していくぞ!おぉー!!)


ステラはバスティンに応えながらもニヤリとした表情を浮かべながら考えていた。


「…分かった。では…それを見に行こう。」


バスティンは頷きながら言った。


(計画書通りに動いて行くのだな…。大道芸か…。遠い昔にラスター公爵家に養子に入る前に一度だけ街に出てきてどこぞやの小屋の屋根に登って見たことがあったがそれ以降見ることはなかったな…。)


バスティンはふと昔のことを思い出しながら考えていた。


「はい!」


ステラは目を輝かせて嬉しそうに言った。


そして二人は広場に向かって歩き出した。


広場に向かって歩いているとステラの目にある見出しが目に入った。


(あ…れは……!!)


ステラはその見出しを見て思わず食いつき気味に考えていた。


ステラが目にした見出しは近くにあった公園に立てられた看板に貼られていた。


それには…


"パン・飴食い障害物競走


1位になったら豪華景品&お好きな相手と写真撮影"


と記されていた。


(豪華景品なんていらないけど…しゃ…写真撮影ですって?!しかも…好きな相手と…?!なんてこったぁー!!バスティンと写真を撮れるチャンスじゃんか!!こんなのやらない訳にはいかなにじゃんよー!)


ステラは見出しを見て興奮気味に考えていた。


そして…


「あ…あの…公爵様…。」


ステラが足を止めてバスティンへ言った。


「どうした?」


バスティンは不思議そうに言った。


「あの…もしよければ…大道芸を見る前に…。」


ステラがもじもじしながら言った。


「何だ?!トイレか?」


バスティンはもじもじしているステラを見て言った。


「違います!!あれです!あれ!」


ステラはバスティンの言葉に思わずに恥ずかしくなり慌てて公園の方を指さして言った。


「パン・飴食い障害物競走…?」


バスティンはステラが指差す方向を見て看板に記されてる文字読み呟いた。


「はい!そうです!大道芸を見る前にあちらの障害物競争へ参加してもよろしいでしょうか?!」


ステラは物凄い勢いでバスティンへ言った。


「令嬢が出るのか?!」


バスティンは思わず驚き言った。


(貴族令嬢が…平民の催しものに…よりよって障害物競争に出たいだと?!)


バスティンはステラの予想外すぎる言葉を聞き驚いたまま考えていた。


「はい…。だめでしょうか?」


ステラは困り顔で言った。


「いや…だめではないが…。貴族の令嬢が障害物競争など…。」


バスティンは何とも言えない表情で言った。


「大丈夫です!心配しなくても必ず一位を取ってみせますから!」


ステラは自信満々にどや顔で言った。


(いや…そういう事ではなく貴族の令嬢が障害物競争などできるわけがないと言いたかったのだが…。)


バスティンはあまりにも自信満々のステラを見て苦笑いを浮かべて考えていた。


「……まぁ…令嬢がやりたいのであればやればいい。」


バスティンは言おうとしたことを飲み込みながら言った。


「ありがとうございます!では申込みをしてきますので公爵様もあちらの見物場で見ていてくださいね!」


ステラは嬉しそうな笑みを浮かべてバスティンへ言うと足早に受付の方へと向かった。


(本当にあの令嬢は迷いというものがないな…。平民の遊びに恥をかかなければいいがな…。)


バスティンは受付へ向かうステラを見ながら考えていた。


(写真〜♫〜写真〜♫バスティンと写真〜♫)


ステラはルンルンでそんな事を考えながら受付まで向かったのだった。



そして…ステラは受付を済ませ主催側が用意してくれた動きやすい服装に着替えると障害物競争のスタート地点へと向かった。


障害物競争の挑戦者はステラを含めて10人程だった。

男性・7名 女性・3名

だった。


ステラ以外の挑戦者達はステラに釘

付けになっていた。

見物場にいた人達もステラばかり見ていた。


ステラは服装が地味になっても劣ることない容姿だった。

そんな美しいステラを周りの人達が見ない訳がなかったのだ。

女性ですらもステラの美しさに魅入っていたのだった。


見物場の後ろの方にある木の陰にバスティンは立っていた。

バスティンの噂は帝都の人々の中で囁かれていた為あえて目立ちにい場所へ立ったのだった。、


「しかし…あの真ん中にいる少女?女性?は綺麗だな…。」


「あぁ…。あんな綺麗な人今まで見たことはいぞ。」


「地味な服装をしてるがどこぞやの令嬢だろうな。」


「そうだろう。あんな平民がいるなら巷で大きな噂になってる決まってるからな。」


「あんな綺麗な人と一度でいいから付き合ってみてぇな。」


「俺もだ。」


「あんな人に好意を抱かれる野郎は幸せもんだな。」


「本当だな。羨ましいぜ…まったく…。」


「俺たちなんて相手にもしてもらえないだうな…。」


バスティンが木の陰にいると近くの男たち数人がステラの話をしいていた会話が聞こえてきた。


その会話を聞いたバスティンは無意識にフッとどこか勝ち誇った様な笑みを浮かべていた。


「でもよ…こんな平民の催しものに参加するなんてよほどあの豪華景品が欲しいんだろうか。」


「そりぁれしか考えられねぇだろうよ。でなけりぁ令嬢が参加するわけないだろう。」


「俺たち平民にも人気だが…令嬢達にも人気があるんだな。」


「そんなの当たり前だろう。むしろ…令嬢達の方が夢中だろうよ。」


バスティンは男たちの会話を聞くと1位の者に渡される豪華景品へ目をやった。

バスティンはその景品を見て表情を歪ませたのだった。


そんな事など知らないステラはスタート地点でにこにこしていた。


(あぁ〜早くバスティンと写真撮りたいな♫他の挑戦者には悪いけどこの勝負は私が勝たせてもらうわ!前世で運動会の障害物競争は常に1位だったしパン食い競走も飴食い競走も町内会の運動会で何回も参加したし得意だもんね!)


ステラは勝利を確信した表情で考えていた。


「あの令嬢は1位になるのは難しいだろうな…。」


「あぁ。そりぁそうだろうよ。何ならパン食い競走なんて知らないんじゃないのか?飴食いなんて顔が汚れるってのにそれも知らず景品だけ見て参加したのかもしれないな。」


「そうに違いねぇな。」


「まぁ…最下位のやつにも景品があるみたいだからそれでももらえりぁいいだろうよ。」


ステラがそんな事を考えていた頃バスティンの前で男たちはステラを見て話していた。


(まぁ…確かにあの者達がそう思うの無理はないな…。私も同意見だ。いくら弓が上手いといっても弓と平民の催しものとはえらく違うからな。貴族の令嬢にはとうてい1位を取るのは無理だろうな…。だが…1位を取れなければ…景品をもらうことはないのだな…。)


バスティンはモヤモヤしたものを感じながら考えていた。


そして…


「はい!それでは参加者の方が揃いましたのでこれより競技を始めたいと思います!」


参加者の元に主催者がやってきて言った。


「「わぁぁぁ〜〜〜!!」」


周りの見物してる人達が声を上げその場が盛り上がりだした。


「それでは…早速スタートします!」


主催者が言った。


「いちについて〜よ〜い…スタート!!」


そして参加者がスタートラインに並ぶと主催者がスタートの合図を出した。


主催者の合図と共に参加者が一斉にスタートした。


スタートしたと同時にステラが誰よりも早く前に出た。


ステラは最初の障害物である丸太渡りを難なく渡ると次の魚網くぐりも止まることなくくぐり次の縄跳びも片足跳びも余裕の表情で難なくこなすと次の飴食いに辿り着いた。

大きな浅い木箱の中に小麦粉がぎっしり入った中から飴を探す飴食い…

もちろん顔も汚れるし平民の女性でも汚れる事が恥ずかしく躊躇する競技であるにも関わらずステラは迷いなく箱に顔を入れた。


挑戦者や見物客らはもちろんバスティンも予想外すぎる展開の目を丸くしてステラを見ていた。


ステラはそんな事などお構いなしといわんばかりにわずか10秒で飴を見つけて口に含んだ。

ステラは飴を主催者に見せ確認してもらうと飴をガリガリと噛み砕いて次のパンがある場所へ移動した。


そして…パン食いも何の迷いなくジャンプして一番高いパンを一度で口取りしたのであった。


そしてステラはパンを口から手に持ち替えるとゴールまで一直線に走って見事に1位でゴールしたのであった。


ステラがゴールした時に他の挑戦者はまだ縄跳びと片足跳びのあたりで苦戦していたのだった。


あまりにも軽々と難なくゴールしたステラを見てその場にいた人は開いた口が閉まらない…という表情をしていた。


しかし…


「おめでとうございます。1位でゴールでございます!!」


主催者がゴールしたステラを手差しして興奮気味に言った。


「「わぁぁぁ〜〜!!!」」


主催者がそういうと先程まで目を丸くして口をポカンとあけていた見物客達も興奮気味に歓声をあげたのだった。


(よし!予想以上に余裕だったなぁ。これでバスティンと写真が撮れる!やった〜!!)


ステラは見物客達が歓声をあげる中一人ニヤリとしながら考えていた。


そして…そうこうしているうちに他の参加者達も次々にゴールした。


「はい!それでは…1位になられた…ステラさんには豪華景品が贈られます!」


主催者が参加者が全員ゴールしたのを確認してステラへ言った。


「はい!ありがとうございます!」


ステラは嬉しそうに笑顔で言った。


(いよいよ…バスティンと写真が撮れる!)


ステラは嬉しそうにそんな事を考えていた。


「早速なのですが写真を撮って頂けますか?」


ステラは主催者へ目を輝かせて言った。


「え?写真ですか?えっと…はい…。分かりました。写真はどなたとお撮りすればよろしいですか?」


主催者はステラの言葉を聞き少し驚いた表情を浮かべながら言った。


「??あ…一緒に撮影する方は決まってるので連れてきますね。」


ステラは驚く主催者を見て??という表情で言うと見物場へと足早に向かった。


ステラは見物場を見渡してバスティンを探した。


(あっ!)


ステラは見物場の木の陰にいたバスティンを見つけると嬉しそうにしながら一目散にバスティンの元へと向かった。


「公爵様…私と一緒に主催者さんのところまで来てくれませんか?」


ステラがバスティンの元までくるとバスティンへ言った。


ステラがバスティンに元へとやって来たのを見てバスティンの近くでステラの話しをしていた男たちが驚いた表情を浮かべていた。


「……私が行く必要はないだろう…。」


バスティンが言った。


「いいえ。公爵様と一緒でなければ意味がないんです。だからね?お願いします。」


ステラは首を振りながら真剣に言った。


(なぜ…景品を貰うのに私までいなければならないのだ…。)


バスティンはモヤつきながらそんな事を考えていた。


「……分かった…。」


バスティンは少し不満げな表情で言った。


「ありがとうございます!!」


ステラは満面の笑みで言った。


そしてステラはバスティンと共に主催者の元へと戻った。


「お待たせしました。」


ステラが主催者へ言った。


主催者は応えず表情を歪ませてバスティンを見ていた。


主催者だけではなく周りの人々も先程まで盛り上がっていたとは思えな程に静まり返っていた。


(え?何?なんで急に静かに?)


ステラを急に変わった空気を不思議に感じつつ考えていた。


「あれは…ラスター公爵じゃないか…。」


「何故こんなところにいるんだ?」


「あの眼帯の下は呪われた証なんだろ?」


「確か公爵は元々平民で母親は街の娼婦だったよな。」


「近づくと前公爵達の様に呪われるぞ…。」


「怖いわね…。」


ステラがそんな事を考えていると周りの人達がバスティンを見てまるで嫌なものでも見ている表情を浮かべていコソコソと話しをしていた。


(……。帝都の人達までそんな噂を信じているわけ?!何も知らず私が…自分の欲のためにこんな場に来てしまったから…バスティンが嫌悪に晒されるなんて…。オンラブではこんな細かい部分まで書かれていなかったから知らなかった…。バスティンは…一体これまでどれだけありもしない事を言われてこんな辛い思いをしてきたの?)


ステラは周りの人達が話すのを聞きながら胸が締め付けられる様な気持ちで考えていた。


(バスティン…。)


そしてステラは今にも泣いてしまいそうな辛そうな表情でバスティンを見た。


「…私は大丈夫た。こんなことには慣れている。さぁ…景品を貰い早くここを立ち去ろう。」


バスティンはそんな顔をしているステラを見て淡々と言った。


「………。」


ステラは黙っていた。


「……令嬢…。」


バスティンはそんなステラに呆れた表情で言った。


「いいえ…。このままでは帰れません!」


ステラは納得いかないという表情で言った。


そして…


「皆さん…私はバートン公爵家のステラ・バートンと申します。皆さんは噂だけで公爵様に対してその様な事を話されているのですか?!」


ステラが真剣な表情で周りの人達へ言った。


その場にいた人達はステラの言葉に驚いた表情を浮かべて静まり返った。


「皆さんは自分の目で見て耳で聞いたものより噂を信じて愚かだとは思いませんか?」


ステラは更に言った。


「令嬢!何を言いだすのだ!」


バスティンが少し不機嫌そうにステラへ言った。


「公爵様は黙っていていてください!」


ステラは強気でバスティンへ言った。


(私のバスティンがこんな不理屈な訳の分かんない理由で蔑まれるなんて許せるわけないじゃんよ。)


ステラはそんな事を考えていた。


「公爵様が元々は平民だから何だと言うのですか?元々平民だった人間は公爵になってはいけないのですか?公爵様が公爵の爵位を継承されたのは陛下が公爵様を認めた上でだという事は皆さんもわかっているはずです。ですので元々平民だった事やお母様の事で公爵様に対してその様な物言いは極めて失礼かと思います。」


ステラは真剣な表情で言った。


「それに皆さんが今のように平和な生活を遅れているのは誰のお陰だかご存知ですか?もちろんこの帝国を守って下さっている陛下を筆頭にですが…公爵様が騎士団の第2部隊の団長として長い間他国との戦いをして勝利してくださった事で陛下も安心して帝国を守る事ができているのです。命をかけて戦いの場で戦ってくれている公爵様に対して皆さんは敬意を払うべきなのです。」


ステラは更に言った。


「人は噂話が好きです。ですが…まずは噂を鵜呑みにするよりも自分の目で見て耳で聞いて何が間違いで何が正しいかを見極めて行動すべきです。」


ステラは更に声をはり言った。


「それに…何が呪いが移るですって?!そんなもの移る訳がないしそもそも呪いな訳がありません!」


ステラは威勢よく言った。


そして…


「ほら!この通り!私は公爵様の近くにいてもこうして手を握っても何も起こりません!そんなの当たり前です!呪いでもなんでもないのですから!公爵様が眼帯や手袋をしてらっしゃるのは相手に対して驚かせたり不快にしてはいけないとう配慮の表れなのです。むしろ…公爵様のこの傷は生命の証なのです。普通の人ならば死んでいたであろうところを生き延びた証なのです!私はこうして傷があろうと公爵様が生きて居てくれてる事に感謝しています。生きていてくれたから公爵様に出会えたのですから!」


ステラはバスティンの手袋をしている手をギュッと握り周りの人々に見せつけるようにして言った。


バスティンはそんなギュッと握りしめられた手からステラの温もりを感じてかどこか胸に温かいものを感じたのだった。


ステラの真剣な言葉を聞いた周りの人達がソワソワし始めた。


そして…


「あの…公爵様…その…これまで噂を鵜呑みにして公爵様に対して無礼を働いてしまい…申し訳ありませんでした…。ご令嬢の言うとおり公爵様が騎士団としての職務を果たして頂いているお陰で我々帝都の人々が平和に暮らせているのは身を持って知っています。国を守る為に最前線で戦って頂きありがとう…ございます。」


主催者の男がバスティンの元へやってきて深々と頭を下げて申し訳なさそうな表情でバスティンへ言った。


バスティンはそんな主催者の態度と言動を見て驚いた。


主催者のそんな姿を見た他の人々も次々とバスティンへと謝罪の言葉を口にした。


「ふふ…。皆さんに理解して頂けて良かったです。」


そんな人々を見てステラは素直に嬉しくなり笑顔で皆へ言った。


人々は少し気まずそうにしつつもステラの言葉を聞いて笑顔を浮かべていたのだった。


「公爵様…良かったですね!公爵様への誤解が解けて!」


ステラはとても嬉しそうにバスティンへ言った。


(良かった〜!ここにいる人達が今の話を色んな人に話すだろうからバスティンに対する帝都の人達の見方がすぐに良い方向に変わるのもあっという間に違いないね!街の人達が私の話を聞いて考えを改めてくれて本当に良かった。)


ステラはそんな事を考えていた。


「……あぁ…そうだな…。」


バスティンは何かを考えている様な表情を浮かべながらも言った。


(はっきり言って…ラスター公爵家に養子に入ってから今までずっと周りの嫌悪を感じていた。もちろん師匠やジョシュアやペーターはじめ私に対して嫌悪を感じないものたちもいた。初めは何故私が…と傷ついた事もあったがあまりに露骨な嫌悪と暗殺未遂のこともありいつの間にかそんな事に慣れて気にもしなくなっていた。たが…いざこうして人々の感情が変化する事にどこか安堵するとはな…。)


バスティンはそんな事を考えていた。


(私の置かれている状況に感情を隠すことなく泣きそうな表情をしていたかと思えば一歩も引かず何の迷いもなく真剣な表情で私の事を話すときた…。まったくこの令嬢には驚かされることばかりだ…。)


バスティンはフッと口角を上げながら考えていた。


「はい!それでは皆さんの誤解も解けたようですし気を取り直して写真撮影お願いしてもいいですか?」


ステラは手をパンッと叩くと笑顔で主催者へ言った。


「あ…はい!写真撮影…そうでしたね!それでは写真撮影は公爵様と撮られるのですか?」


主催者はステラに言われて慌てて言った。


「もちろんです!」


ステラは自信満々に言った。


(だってそのために1位になったんだんね♫バスティンと写真♫バスティンと写真♫)


ステラはルンルン気分で考えていた。


「?!令嬢…写真とは何のことだ?」


バスティンはステラの言葉に驚き言った。


「はい?ですから…1位の豪華景品の好きな人と写真撮影を撮るのです!私の好きな人といったら公爵様以外にいないでしょ?」


ステラは満面の笑みで言った。


「そのために…競技に出たのか?」


バスティンが言った。


「??はい。そうですけど?」


ステラは??という表情で言った。


「あの…ご令嬢お話中申し訳ないのですが写真撮影は豪華景品のおまけの様なものなのですよ…。」


主催者は苦い笑いを浮かべてステラへ言った。


「?えっと…よく意味がわらないのですが…。」


ステラは本当に意味が分からないという表情で言った。


「写真撮影はあくまであちはの景品のおまけみたいなものなのですよ…。景品を獲得した記念にといった形でしょう…。」


主催者は景品が置いてある方を指差しながらステラへ言った。


ステラは主催者が指さした方を見て目を見開き驚いた。


「あれが…1位の豪華景品なのですか…?」


ステラは驚愕しながら主催者へ言った。


「はい。あちらは今回の目玉景品である皇太子殿下グッズでございます!」


主催者は目を輝かせながらどや顔で言った。


(げっ…うわっ…。何なのあの景品は…アーノルドの人形に似顔絵にキーホルダー?的なものまで…。いくらなんでも作者は主人公贔屓がいきすきじゃない?オンラブ内にまでオタクが食いつきそうなものを盛り込んでくるなんて…。でも…いらなさすぎるんだけど…。どうせならバスティングッズにしてくれよ!)


ステラはアーノルドグッズを見てゾッとした表情で考えていた。


「あの…あれって絶対貰わないといけないんですか?」


ステラは苦笑いを浮かべて主催者へ言った。


「はい?と…いいますと?」


主催者は??という表情で言った。


「ですから…私は写真撮影だけを望んでますのであちらの景品はいらないのですが…。」


ステラは苦笑いで主催者へ言った。


「い…いらないですか…?」


主催者は驚いた表情で困惑気味に言った。


主催者が驚きを隠せないでいるとステラはあるものを見つけてひらめいた。


「あの…あちらの狼の人形は何位の景品でしょうか?」


ステラが困惑している主催者に更に困惑させる様なことを言った。


「へ?あ…あれは…最下位の方の景品であちはの女性の景品になります…。」


主催者が言うと近くの女性に手をかざして言った。


(え?!あれが最下位の景品?!最下位の景品が一番魅力的ってどういうことよ?!)


ステラは主催者の言葉を聞いてそんな事を考えていた。


そして…ステラは最下位だという女性の方へと向かった。


「あの…こんな事を急に言われても困ってしまうのを承知でご相談なんですけど…私の皇太子殿下グッズとそちらの人形を交換して頂くことはできませんか?」


ステラが女性の元へと行くと女性へ提案をした。


「え…?この…人形とですか?」


女性はステラの提案に驚いた表情で言った。


「はい…。やはり…難しいですよね…?」


ステラは残念そうに言った。


「あ…いえ…。交換するのはいいのですけど…本当にいいのですか?誰もが欲しがる皇太子殿下のグッズですよ?」


女性は驚きを隠せぬまま戸惑いながら言った。


「え?!いいのですか?!ありがとうございます!私はそちらの人形の方が好みですのでむしろ交換して頂けて感謝しかありません。」


ステラは女性の言葉を聞き嬉しさのあまり目を輝かせて少し興奮気味に言った。


「いえ…こちらこそ交換して頂けて本当に嬉しいです。皇太子殿下のグッズは人気でなかなか手に入らない物でしたので。」


女性は嬉しそうに言った。


(こんなアーノルドのグッズがオタク以外にも人気があるんだね…。まぁ…アーノルドの人気はオンラブの話中でも凄かったもんね…。)


ステラは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「いえ…喜んで交換して頂けて良かったです。」


ステラは笑顔で言った。


(あの狼の人形…見れば見るほどバスティンと雰囲気が似てて可愛いなぁ。)


ステラは最下位の景品の人形を見てニヤつくのを堪えつつそんな事を考えていた。


「と…いう訳で…本人同士が景品交換に同意しているので交換してもよろしいですか?」


ステラが笑顔で主催者へ言った。


「え?えぇ…。それは構わいませんけど…。」


主催者は少し困惑気味に言った。


「ありがとうございます!」


ステラは満面の笑みで言った。


そして、ステラは自分の景品と最下位の女性の景品を交換した。


(やった〜!!この人形に眼帯をつけてベットに飾って毎日一緒に寝よう〜っと!)


ステラは嬉しそうに交換した景品の人形を抱えて考えていた。


そしてステラはバスティンの元へと戻った。


「公爵様…申し訳ありません…。お待たせしてしまって…。」


ステラがバスティンへ申し訳なさそうに言った。


「いや…構わない。それよりも景品の交換などしてよかったのか?令嬢も殿下の景品が欲しかったのではなかったのか?」


バスティンがステラへ言った。


「いえ!私がこの競技に参加したのは公爵様と一緒に写真を撮る為だったので。あんな訳のわからない景品つきなんて知りもしませんでした…。でも…無事に欲しいと思った景品とも交換もしてもらいましたし結果としては良かったです!」


ステラは満面の笑みでバスティンへ言った。


(本当に…令嬢は殿下の景品目当てではなかった様だな…。)


バスティンはステラの言葉を聞き表情を見てどこかホッとした気持ちで考えていたのだった。


(なっ…。私は何をホッとしているのだ…。)


バスティンは自分が安心しているのに気づきハッとなり考えていた。


「さぁ!公爵様…私と一緒に写真を撮ってください!その為に1位を勝ち取ったのですから!」


ステラがドヤ顔を浮かべてバスティンへ言った。


「……私は写真を撮るのが好きではないのだが…。」


バスティンは困った表情で言った。


「そこを…何とか…お願いします…。」


ステラは切実にバスティンへお願いした。


(バスティン〜!!お願いよ〜!!一緒に写真撮ってよ〜!愛しい推しとのツーショットを欲しいのよ〜!)


ステラはバスティンにお願いしながらそんな事を考えていた。


(本当に私と写真が撮りたいがために競技に参加したのだろうな…。自分の顔を汚してまで…。)


バスティンはステラの顔を見てそんな事を考えていた。


そして…


「分かった…。」


バスティンは少し間を開けて言った。


「本当ですか?!ありがとうございます!」


ステラは目を輝かせて嬉しそうに言った。


「写真を撮る前に顔を拭いた方がいいのではないか?」


バスティンがステラの顔を見て言った。


「え?!顔ですか?!」


ステラはバスティンに言われて??という表情で言った。


「…ここが粉で汚れているぞ…。」


バスティンは自分の顔の口周りを指さしながらステラへ言った。


バスティンに言われたステラは自分の口周りを触った。


「あ……。」


ステラは口周りに飴食いの時の粉がついたままなのに気づいて声を漏らした。


「きゃぁぁぁ〜!」


ステラは一気に恥ずかしくなり言った。


(ちょっと…今までずっと粉ついたままでバスティンと話をしていたってこと?!うわぁぁあ〜!一生の不覚…恥ずかしすぎる…。穴があったら入りたいってこのこだよね…。)


ステラは恥ずかしさの中でそんな事を考えていた。


「ほら…。これを使うといい。」


そんなステラを見てバスティンは少し口角を上げて言うと自分のハンカチをステラへ差し出した。


「え?あ…ありがとうございます。」


ステラはまだ恥しそうにしていたがバスティンの差し出してくれたハンを受け取り言った。


そして…ステラはハンカチで口元を拭いた。


(バスティンの…バスティンのハ…カンカチ…。心なしかバスティンの匂いがする様な…あぁ…まさかバスティンのハンカチを使う時が訪れるとは…。前世の私よ…私は今世でバスティンからハンカチを貸してもらってるんだよ…。)


ステラはハンカチで口元を拭きながらそんな事を悶々としながら考えていた。


そして…



「公爵様…ハンカチありがとうございました…。あの…汚れてしまったので洗って返してもよろしいですか?」


顔を拭いたステラがバスティンへ言った。


「わざわざ返さなくてもいい…。」


バスティンが言った。


「え?返さなくてもいい…?では…このまま頂いてもいい…のですか?」


ステラはバスティンの言葉に驚いた表情を浮かべて言った。


「??あぁ。」


バスティンはステラが何を驚いているのか意味が分からないという表情で言った。


「………。」


ステラは黙ってハンカチを見つめていた。


「……私のハンカチなど…貰っても困るのか?」


バスティンはステラが驚いた上に黙ってハンカチを見ているのを見てどこか傷ついた様な表情をして言った。


(…こんな化け物と呼ばれている私のハンカチなど貰っても困るというわけか…。私は一体何を嫌な気持ちになっているのだ…。いくら令嬢が私の事を好いてくれているといっても…私の使っているものなどは…使うのを躊躇するのだろ…。)


バスティンは胸が軽くチクリとなるのを感じながら考えていた。


「……ません…。」


ステラがボソりと呟いた。


「なんだ?」


バスティンが聞こえず言った。


「困る訳がありません!!むしろ土下座してでもお礼を言いたいくらいです!あぁ…公爵様のハンカチ…。家宝にさせて頂きます!」


ステラは興奮気味に鼻息を荒立てながら言った。


あまりのステラの勢いにバスティンは驚いていた。


(あぁ…神様仏様…バスティン様…ありがとうございます…。私にバスティンのハンカチをくださって〜!!こんな事ってある?!あぁ〜粉で顔を汚した甲斐があったわぁ。あぁ…バスティンの私物GETできるなんて…早く帰って保管したいわ…。)


ステラはニヤニヤしながらそんな事を考えていた。


「そうか…。」


バスティンが驚いたまま言った。


(ふっ…どうやら令嬢が困るなど私の杞憂だった様だな…。)


バスティンはフッと口角を揚げながら安堵した様に考えていたのだった。


「あ…あの…そろそろ写真撮影を行いたいのですが…。」


主催者がステラへ言った。


「あぁ!そうですね!お待たせして申し訳ありません!」


ステラはハッとなり言った。


「さぁ…公爵様…主催者の方をお待たせするのはよくありませんから早く写真を撮ってもらいましょう!」


ステラは目をキラキラさせながらバスティンへ言った。


「あぁ。」


バスティンが言った。


そして…ステラとバスティンは写真撮影する場所へと移動した。


「はい!それでは撮影しますね!」


主催者が二人にカメラを向けて言った。


「はい!」


ステラが言った。


「はい!では…お二人も笑顔で…ポーズなども決めてもらっても構いませんよ。」


主催者が二人へ言った。


「公爵様…笑ってください!」


ステラがバスティンへ言った。


「それは無理だ!」


バスティンはきっぱりと言った。


(くっそ〜…やっぱり簡単にバスティンを笑顔にさせるのは無理か…。オンラブの話中でもバスティンが笑うなんて事書かれてなかったくらいだもんね…。うなったら…。)


ステラはバスティンに言われそんな事を考えていた。


「……公爵様見て下さい!」


ステラは何かを考えた後にバスティンへ言った。


バスティンは??という表情でステラを見た。

そしてバスティンはステラを見て驚いた。


バスティンが見たステラは思い切りゴリラの様な変顔をしていたのだった。


「どうですか?ゴリラに似てませんか?」


ステラは変顔をしながらバスティンへ言った。


すると…


「プッ…!」


バスティンがステラの変顔を見て思わず吹き出した。


そして…


「クククッ……!」


バスティンが思わず笑ったのだった。


(やった!笑った!)


そんなバスティンを見たステラが嬉しそうに考えていた。


ステラはそんなバスティンを見て嬉しそうに愛おしそな笑みを浮かべたのだった。


カシャッ!


そんな二人を見て主催者がここぞとばかりにカメラのシャッターを押したのだった。


バスティンが笑っている姿を見て主催者をはじめ周りの人々は驚いているようだったがステラはそんな事などまったく気にしていなかったのだった。


カメラのシャッター音を聞いたバスティンはハッとなった。


(私は…今笑ってしまったのか…?!この私が?!……私はもう何年もこの様に笑った事などなかったというのに…。)


バスティンは思わず笑ってしまった自分に気づきそんな事を考えていた。


「やっと笑ってくれましたね!」


ステラは笑顔で嬉しそうにバスティンへ言った。


「コホンッ…。そう…だな…。」


バスティンはどこか気まずそうに言った。


そんなバスティンをステラはニコやかに見ていた。


(はい!バスティンの笑顔頂きました!いつかバスティンを笑顔にしてやる!って意気込んで変顔の練習してた甲斐があったってもんね!)


ステラはニヤつきながらそんな事を考えていた。


「もう一枚お撮りしますね!」


主催者がステラ達へ言った。


「はい!公爵様…次は指をこうしてください!指ハートのポーズです!」


ステラは自分の指でハートを作りバスに見せて言った。


「なぜ…写真を撮るのにその様な…ことをする必要があるのだ…。」


バスティンは意味が分からないという表情で言った。


「いいですから!やって下さい!」


ステラはそんなバスティンにお構いなしに言った。


「分かった…。」


バスティンは呆れつつ言った。


そしてバスティンは呆れつつも指で指ハートを作った。


「はい!ではいきまーす!ハイ!」


主催者はそう言うとカメラを二人へ向けてシャッターを押した。


カシャッ!


「はい!撮れました!」


主催者が言った。


「はい!こちらが撮影したお写真です!こちらの2枚になります!」


主催者がステラとバスティンの元へ近づき写真を手渡した!


「わぁ〜ありがとうございます!!」


ステラは嬉しそうに写真を受け取りながら言った。


(オンラブの作者が謎にオンラブの世界の写真をポラロイドにしてくれたお陰でその場で写真がGETできてラッキー!!あぁ〜夢にまで見たバスティンとのツーショット写真…。)


ステラは写真を手にして幸せを噛み締めながら考えていた。


「公爵様…私の我儘に付き合って頂きありがとうございました!はい!1枚は公爵様に差し上げますわ!」


ステラが笑顔でバスティンへお礼を言うと写真を1枚手渡した。


「いや…。私はいいから令嬢がもらっておくといい…。」


バスティンが言った。


「ですが…。……分かりました。では…私が2枚とも貰いますね!」


ステラはバスティンに無理強いをするのは良くないと思い言った。


「あぁ。」


バスティンが言った。


そして…ステラとバスティンは写真と交換してもらった人形を手にして公園を後にしたのだった……


(デートプランから脱線しちゃったけど思わぬ収穫が出来たなぁ!それに街の人達のバスティンへの誤解?も解けた様だし良かったなぁ。バスティンが悪役なされるなんてあたしが許さないんだからねぇ!バスティンは誰よりも素敵な人って事をこれからも皆に知ってもらわないとね!)


ステラは公園を後にしながらそんな事を考えていた。


「私の都合で予定が少し狂ってしまい申し訳ありませんでした…。では…大道芸を見に行きましょう!」


ステラは申し訳なさそうにバスティンへ言うと気を取置しすぐに笑顔で言った。


「あぁ。」


バスティンは頷きながら言った。


(令嬢の突拍子もない行動には驚かされるが…悪くはないな…。)


バスティンは公園での出来事を思い出しながらそんな事を考えていたのだった………


そして二人は大道芸を見に広場へと歩き出したのだった…


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