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最終話.じゃじゃ馬令嬢はシナリオ無視して全力で推しを守り愛し共に幸せになることができました

最終回です。

最後までお読み頂けると幸いです。

ルノア男爵親子の悪事がばれバスティンの無実が証明されステラ達がバスティンの元へ訪れていた同じ頃アーノルドはサティスと共に皇宮へ戻り両陛下の元を訪れた。


ステラから既にアーノルドの事を聞いていたアルゴンとシャルルはとても複雑な表情でアーノルドを迎えた。


「父上、母上、この度大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」


アーノルドは2人の元へ訪れるなり不覚頭を下げながら本当に申し訳なさそうな表情で言った。


「バートン公爵令嬢から聞いた話は事実だと認めるのだな?」


アルゴンは複雑な表情で言った。


「はい。彼女の言ったことは全て事実です。私はルノア男爵家のグレイス嬢がグンダリル事件に関わっているかもしれないと感じた際にもラスター公爵にグンダリル事件の容疑をかけられた拘束された際もその事を黙っていました。この国の皇太子として恥ずべき不敬をしてしまいました」


アーノルドは表情を歪めて言った。


(本当にアーノルドはルノア男爵令嬢に疑うべき点があったにも関わらず黙っていたのだな)


アルゴンは何ともいえない表情でそんな事を考えていた。


横にいたシャルルもとても複雑な表情を浮かべていた。


「グンダリル事件はそなた自ら自分

も捜査に加わりたいと申したから私は皇太子としての経験にもなる上に少しでも早くグンダリル事件が解決してくれたらと思いそなたの参加を許可したのだ。にも関わらず事件の解決に繋がる情報を黙っていた。その事でラスター公爵が関わってもいないグンダリル事件の犯人として拘束されただけではなくバートン公爵令嬢の身を危険にさらしてしまう事態にまでなってしまったのだ。どれだけそれが重大な罪なのか理解しているのだろうな?」


アルゴンは厳しい表情で言った。


(アーノルドは大切な我が息子だ。しかし父である前に私はこの国の皇帝として皇太子である息子へ処罰を下させねばならないとは何ともいえない気持ちだな。きっとシャルルも同じように思っていることだろう)


アルゴンはシャルルをちらりと横目に見てそんな事を考えていた。


(アーノルドは幼い頃からあまり手がかからず聡明で心優しい子だったわ。皇太子としても立派に日々を過ごしていたというのに一体どうしてこんな事になってしまったのかしら)


シャルルは皇后ではなく1人の母として複雑な表情でアーノルドを見てそんな事を考えていた。


(私は本当に父上と母上に息子としても皇太子としても本当に愚かな事をしてしまったのだとお二人の表情を見ると改めて思うな)


アーノルドはアルゴンとシャルルの複雑な表情を見て何ともいえない表情でそんな事を考えていた。


「はい。十分に自分が犯してしまった事については理解しております」


アーノルドは真剣な表情で言った。


「皇太子であるそなたがこの様な愚かな判断をしたということに国民達大きな不満と不安を募らせるだろう。この件はとても許される事ではない」


アルゴンは厳しい表情で言った。


「はい。承知しています」


アーノルドはアルゴンの目を真っ直ぐ見て頷きながら言った。


「アーノルド。そなたへの処分は日を追って下すとする」


アルゴンが皇帝の顔つきで言った。


「処分が下るまでは皇太子宮にて警備をつけての軟禁とする。処分が下るまでは皇太子宮から一歩も外へと出てはならぬ」


アルゴンは更に厳しく言った。


「承知致しました」


アーノルドは頷きながら真剣な表情で言った。


「皇太子宮の警備については全面的に騎士団に任せる事とするのでサティスはそれに従うように」


アルゴンがサティスの方を見て言った。


「承知致しました」


サティスが頭を下げながら言った。


アルゴンとシャルルへの謁見を終えたアーノルドとサティスが部屋を出ると騎士団の騎士二人がアーノルド達を待っていた。


「皇太子殿下を皇太子宮までお送り致します」


騎士の一人が言った。


「頼んだぞ」


アーノルドは穏やかな表情で言った。


そして、アーノルドとサティスはき騎士達同行の元皇太子宮へと向かった。


(今頃ステラ嬢はラスター公爵の元へ向かっているのだろうな)


アーノルドが皇太子宮へ向かう道中窓の外を見ながらそんな事を考えていた。


(今更何かが変わるわけではないが私がステラ嬢の様に嘘偽りなく相手に自分の正直な気持ちを伝えて行動をしていればステラ嬢に私の想いが伝わっていただろうか。そうすればステラ嬢が私がグレイス嬢に想いを寄せているなどと誤解を招くこともなかったのだろうか)


アーノルドはどこか切ない表情で更にそんな事を考えていた。


(数年ぶりにステラ嬢と再会した時はまさか自分が彼女に恋をするなど考えもしなかった。彼女と接すれば接する程に惹かれていった。ステラ嬢がラスター公爵に想いを寄せていた事を知った途端に生まれて初めて嫉妬という感情が芽生えた。彼女の真っ直ぐな誠実さに心惹かれたのであれば私も誠実さを忘れてはいけなかったのだ。それを私は自分の嫉妬と欲だけで愚かな判断をしてしまった。結局は彼女に私の気持ちを伝えるどころか自分で自分の首を締めた上に自分の行いで守らなければならない国民達の事も裏切る形となってしまったのだな。今思えば真っ直ぐにラスター公爵へ想っているステラ嬢が私との婚約話を彼女の方から持ちかけてくるなんて不思議に思うべきだったのだな。まさか私との婚約もステラ嬢の計画した作戦の一部だったとはな。私はステラ嬢がラスター公爵ではなく私との婚約を決めてくれた事が嬉しいという気持ちが大きすぎて不思議になど一つも思わなかったからな)


アーノルドは切なく表情を歪めてそんな事を考えていた。


(もし、ステラ嬢に会うチャンスがあるのならわがままかもしれないが今後の自分の改めた行動を見届けて欲しいと伝えたいものだな)


アーノルドは切ない笑みを浮かべてそんな事を考えていたのだった。



一方、バスティンが収容されていた場所とは違う完全に孤立した重罪を犯した者が収容される監獄へと連れてこられたグレイスは目を覚ましてグレイスを連れてきたペーターを含めその場にいた看守達も呆れる程に騒ぎ散らかしていた。


「何故、私がこんな薄汚い場所に閉じ込められてないといけないんだ」


グレイスはグンダリルを摂取した影響で目は血走らせたままペーター達を睨みつけて叫び言った。


(くそったれ!気絶させられてる間にこんなところに連れてきやがって)


グレイスは苛立ちながらそんな事を考えていた。


「私はヒロインなんだ。アーノルドのがたった一つ見つけた愛を全て注がれる相手なんだ。これから皇太子妃として婚約をして結婚をするのに何故こんな場所に閉じ込められないといけないんだ。さっさとここから出して本当の悪である悪役令嬢のステラ・バートンを連れてきて処刑しろよ」


グレイスは癇癪混じりに叫び言った。


(全部全部悪役令嬢のステラのせいだ。あの女だけは絶対に許せない。ヒロインの私をこんな目に遭わせるなんて)


グレイスは苛立ちながらそんな事を考えていた。


「本当に貴族の令嬢なのか?とてもじゃないけど貴族と呼ぶには野蛮すぎるぞ」


「あぁ。それに先程からヒロインだの殿下の名前を呼び捨てにするだのバートン公爵令嬢の事を悪役令嬢だのとおかしな事ばかり言っているしな」


「バートン公爵令嬢は我々は下っ端の看守にも優しく接して下さった方だというのに何が悪役令嬢だよな」


「彼女の方がよっぽど悪役令嬢だろうに。犯罪を犯しただけでなく更には自分の父親までも殺害したらしいからな」


看守達がグレイスを見て呆れた表情でこそこそとそんな事を話していた。


「何をこそこそと言ってんだ」


グレイスが看守達を睨みながら言い放った。


「お前たち口を慎め」


ペーターがこそこそと話をしていた看守達に注意した。


「「し、失礼致しました」」


看守達が慌てて言った。


「ゴミくずみたいな人間のくせにこそこそと。私が皇太子妃になったあかつきには覚えてなさい」


グレイスが看守達を睨んだまま吐き捨てる様に言った。


(私が皇太子妃になったら私に少しでも楯突いた奴らは皆処刑にしてやるんだから)


グレイスは強い怒りをあらわにしながらそんな事を考えていた。


(看守達に口を慎めと言ったが看守達がああ言うのも無理もないかもな。目の前の彼女は貴族の令嬢とはかけ離れたただの薬物中毒の犯罪者にしか見えない。グンダリルを日常的に摂取するとあの様になってしまうのだろうか。あの場でもだったがここで目が覚めた後もずっと自分がヒロインだの何だのと戯言を発しているからな。まったく目の前の自分が置かれている立場を理解していないようだからな)


ペーターはグレイスを呆れた表情で見ながらそんな事を考えていた。


(しかし、グンダリルが国中に出回っていたら本当に大変な事になっていただろうな。過剰摂取で彼女みたいになる人間が国中に溢れる事態になっていたと想像するだけで恐ろしい事だな)


ペーターは表情を歪めてそんな事を考えていた。


「とにかくここから早く私を出してアーノルドのところに連れて行きなさいよ」


グレイスは苛立ちながらペーターに吐き捨てる様に言った。


「あなたがここから出ることはできませんし殿下とお会いする事もできません」


ペーターは淡々と言った。


「ふざけるな。戯言はいいからさっさとここらから出しなさいよ。平民出身の騎士ごときが私に楯突くつもり?!」


グレイスは苛つきながらペーターに叫び言った。


(こんな奴が私に楯突くなんて許されないわ)


グレイスはそんな事を考えていた。


「罪人の分際でよくもその様な物言いができるものだな」


そこへとても怒りのこもった冷たい表情をしたダニーがやってきて言った。


「団長」


ペーターが慌てて言った。


(てっきりステラ様と副団長と共にバスティンのところへ向かった思っていたがそうではなかったのだろうか)


ペーターは突然やってきたダニーとジョシュアを見て驚きそんな事を考えていた。


「バスティンのところへ向かったのではないのですか?」


ペーターがダニーに近づき小声で言った。


「行ったのは行ったのだがな」


ダニー急に悲しそうな表情で呟いた。


ペーターはダニーの悲しそうな表情を見てすぐそばにいるジョシュアの表情を見た。


(あぁ、これはバスティンのところへ向かってステラ様と何かあったんだな。2人の表情を見れば一目瞭然だな。バスティンの話をした途端ここへ来た時の表情から打って変わって悲しそうな表情になったからな)


ペーターは2人を見て何かを察したようにそんな事を考えていた。


「まぁ、それはいいとしてこの者は目を覚ましてからずっとこの調子なのか?」


ダニーはすぐに話題を変えて不満気な表情でペーターへ言った。


「はい。目を覚ましてからずっと先程の様な態度です」


ペーターは呆れた表情で頷きながら言った。


「そうか」


ダニーは呆れた表情でそう言うとグレイスに近づいた。


「その様な振る舞いをするのは勝手だがそなたはを待っているのは重罪人として裁かれる事だけだ。そなたが殿下に会うこともなければ皇太子妃になるなどありえないことだ」


ダニーはとても冷たく圧のこまった表情でグレイスを睨みつけて言った。


ダニーの態度に思わずグレイスは体を小さくビクつかせた。


ガシャッンッ…


「悪役令嬢の父親という脇役の分際で偉そうに私に指図するな」


グレイスは一瞬怯んだもののすぐに鉄格子を思い切り掴みダニーを睨みつけて吐き捨てるように言った。


「脇役は脇役らしく引っ込んでなさい。ステラ・バートンも本当に憎たらしく邪魔な女だけれどあんたたちも本当に目障りだった。公爵家だから何だっていうの?公爵家だろうが何だろうが脇役に変わりはないのよ。バスティン・ラスターもそうだ。公爵家の呪われた醜い私生児で周りから気持ち悪い目で見られる存在だというのにステラ・バートンと共に私の邪魔ばかりする害虫なだけであんた達は悪役令嬢の父と兄だってだけで死ぬ運命なんだからステラ・バートンもバスティン・ラスターもおんた達も大人しく死ねばいいものよ」


グレイスは目を血走らせながら狂ったように叫び言った。


そんな彼女の発言をこっそりとグレイスの様子を見にやってきて彼女から見えない場所でステラとバスティンが聞いていたのだった。


グレイスの言葉を聞いてステラはバスティンの手を優しく握った。


(グレイスったらグンダリルが全然体から抜けないみたいだね。目も血走ってるし物言いが完全に貴族の令嬢じゃなくて前世の彼女っぽいもんね。いくら彼女が前世で"オンラブ"の原作を読んで知ってるとはいえあそこまではっきり言うなんて人でなしすぎるでしょ)


ステラはグレイスの言葉に腹を立てつつもバスティンを心配そうな目で見ながらそんな事を考えていた。


バスティンは優しく自分の手を握って心配した表情を浮かべるステラを見た。


(きっとステラは先程のルノア男爵令嬢の言葉を私が聞き心を傷めていると思って心配してくれているのだろう。しかし、不思議な事に彼女が横にいて手を握ってくれているだけでルノア男爵令嬢の言葉にも全く心が傷ついていないのだからな。本当にステラが私を変えてくれたのだな)


バスティンは心が傷つくどころか温かな気持ちになり優しい表情でそんな事を考えていた。


そして…


(大丈夫だ)


バスティンは心配そうな表情で見つめるステラに優しい表情で口パクで伝えた。


バスティンの口パクを読みとったステラはホッとした表情を浮かべた。


(行きましょう)


ステラは口パクデバイスへ伝えた。


ステラの口パクを読みとったバスティンは頷いた。


そして、ステラとバスティンはそっとその場を離れたのだった。


(前世のグレイスはアーノルド推しだったのかなぁ。だとしても自分が"オンラブ"の原作を知っててヒロインに転生したからって悪事を働いても許される訳ないもんね。ヒロインだろうか悪役令嬢だろうが罪を犯したならその事実から目を逸らすべきじゃないよね。ましてや人を手にかけて命まで奪ってんだから尚更ね)


ステラはその場を離れながらちらりとグレイスのいる方を見てそんな事を考えていた。


(主人公のアーノルドは愛するグレイスの為にグレイスの罪を見て見ぬふりをした事で"オンラブ"の原作とはかけ離れた結果になってしまったしなぁ。もしも、転生したのが彼女ではなく本物のグレイスみたいに心優しい子だったならこんな結末にはならなかったのかなぁ)


ステラは複雑な表情を浮かべてそんな事を考えていた。


("オンラブ"の原作ファンとしては本当に複雑な心境だよね)


ステラは更にそんな事を考えていたのだった。




「脇役は脇役らしくとっとと消え失せてサティスを呼んで私をアーノルドのところに連れて行きなさいよ」


グレイスは更に叫び言った。


「醜いな」


そんなグレイスを目の前で見ていたダニーが呆れた表情で言った。


「何ですって?!」


グレイスはダニーの言葉に表情を歪めて言った。


「グンダリル中毒者だとしても酷い有様だな。私利私欲の為に国中に混乱を招こうとしただけでなく幼い子供の命までも平気で奪い尚且つ我が娘のステラに手をあげた挙句に殺そうとしたのだぞ?そんな奴が太陽の下を歩けるとでも?戯言もここまできたらただただ醜いだけだと言ったんだ」


ダニー冷たい表情で淡々と言った。


(ステラは今回だけではなくルノア男爵親子のせいで何度も命を危険に晒されたのだぞ?!本当ならば私の手でルノア男爵親子の息の根を止めてやりたいくらいだというのに。先程から聞いていればステラを悪役令嬢だの我々を脇役だの格上でもあるバスティンを侮辱するだの頭がおかしいとしか思えないな)


ダニーは怒りをどうにか堪えながらそんな事を考えていた。


(あの父親にしてこの娘ありだな。親子で見苦しいとはな。うちのステラを見習えと言ってやりたいとこだな。まったく殿下もこのような頭のおかしい女のどこが良かったのか。このような者の為に皇太子という立場を忘れて失態するとはな)


ダニーは更にそんな事を考えていた。


「これ以上そなたの戯言を聴く価値もないので我々は陛下のところへ向かうとしよう」


ダニーはさっとグレイスに背を向けるとジョシュアへ言った。


「そうですね。本当に聴く価値もない上に本当に何から何まで醜いですからね」


ジョシュアはグレイスを冷たい嫌悪した表情で頷きながら言った。


「待ちなさいよ。私に向かってそんな言葉を言っておいて逃げるつもりなの?!許さないわ!絶対に許さいない」


グレイスは背を向けたダニーや冷たい表情を向けるジョシュアに叫び言った。


(私はこんなとこでは終わらないわ。ヒロインの先にはハッピーエンドしかないんだから)


グレイスは怒り狂った表情でそんな事を考えていた。


「ペーター、すぐに数人の隊員達へここへ向かうように伝えておくからすまないがそれまで頼んだぞ」


ダニーがペーターへ言った。


(あの者に対して監視は看守数人とペーターに任せておけば問題ないと思ったが予想以上に酷い有様だからな。他にも数人人をよこしておいた方がよさそうだからな。本当にこの者は悪い意味でこの国の歴史に残るであろうな。まったく彼女こそが悪役令嬢に相応しいものだ)


ダニー呆れた表情でそんな事を考えていた。


「承知致しました」


ペーターが頷きながら言った。


そして、ダニーとジョシュアはその場を離れて行ったのだった。


ガシャン…

ガシャン…


「待ちなさいよ。逃げるなー!ああああー!」


グレイスはダニー達がその場を離れていくのを見て鉄格子の柵を思い切り揺らしながら叫び言った。


「許さないんだからーーー」


グレイスは更に狂ったように叫び言った。


(本当に狂気とは今の彼女のような事を指すんだろうな。団長達にまであの様な物言いをするとは正常な状態だとは言えないな)


ペーターは叫ぶグレイスを見て呆れた表情でそんな事を考えていた。


(こんなの絶対認めないわ。前世では散々な思いばかりしてきたんだもの。今世で


その後もグレイスは少し離れた場所にまでも聞こえる程の声で狂った様に叫び続けたのだった。




グレイスの元を後にしたステラとバスティンは2人でラスター公爵邸へと戻った。


ドンクとハナはバートン公爵邸で休養中なのでラスター公爵邸は静まり返っていた。


「本当に酷いわ」


そんな静まり帰った公爵邸を見たステラは表情を歪めて呟いた。


(何なのこれ?!さすがにありえなくない?!)


ステラは目の前の光景を見て表情を歪めたままそんな事を考えていた。


静まり返った公爵邸はグンダリルの捜索の為に入られたままの状態で荒れて酷い有様だった。


「こんな状態のままにしておくなんてありえないし許される事ではありません」


ステラは怒りに満ちた表情で言った。


(ここへ捜索へ来たのはサティスを除いたアーノルドの近衛騎士達だったよね?本当に胸糞悪すぎるわ。少なくとも公爵の家なんだよ?!それを捜索だからってこんなに荒らして荒らしたままバスティンだけ拘束するなんてさ。本当に主君があれなら部下もそれに見合った奴らってことだよね。本当に部下までクズ野郎じゃん)


ステラは怒りがおさまるどころかどんどんと込み上げながらそんな事を考えていた。


「今からでも殿下の近衛騎士達に講義してバスティンに謝罪してもらいましょう」


ステラは怒りに満ちた表情で言った。


「そこまでしなくても大丈夫だ」


バスティンは平然とした表情で言った。


「どうしてですか?!」


ステラは驚き言った。


「私が父に引き取られてこの公爵邸に来た時から私が爵位を継いだ今までこの屋敷にはいい思い出などなかった。だからなのか目の前に見る光景にも特に怒りなどは感じないのだ」


バスティンはどこか切ない表情で言った。


(むしろ荒らしてくれて良かったのかもしれないとまで思うほどだ。これまでこの屋敷にいい思い出など一つもなくいっその事燃やしてしまうか手放そうかとも思ったくらいだからな。しかし、騎士団として働く様になってからは屋敷に帰れない事も増た事もあるしドンクとハナが私の為に残り屋敷の事を任せていることもありいつの間にかここに住み続けていただけだからな)


バスティンは昔の事を少しばかり思い出しながらそんな事を考えていた。


「バスティン」


ステラはバスティンの言葉を聞き複雑な表情を浮かべ言った。


(そうだよね、、。バスティンにとってこの屋敷は前公爵や公爵夫人達による悪夢のような嫌な思い出しかないよね。んも〜推しの気持ちも汲み取れずに先走るなんてあたしのバカバカバカ。推しにあんな顔させて嫌なこと思い出させちゃったよ)


ステラは落胆した表情でそんな事を考えていた。


「しかし、私の代わりに怒ってくれてありがとう」


バスティンが落胆するステラを見てクスッと笑みを浮かべて言った。


(別に彼女は何も悪いことなど言っていないのに自分を責めているな)


バスティンはやれやれといった表情でそんな事を考えていた。


そんなバスティンの言葉を聞いたステラは複雑な表情を浮かべていた。


「それに、ステラがこの屋敷へ訪れるようになってからは屋敷に帰るのも悪くないと思ってたのだぞ?」


バスティンは困り笑みを浮かべて優しく言った。


「え?!それは本当ですか?!私に気を使った虚言ではありませんよね?!」


ステラは急にバスティンに近づき目を見開いて言った。


「あぁ。本当だとも」


バスティンはそんなステラを見て笑いながら言った。


(ま?それはつまり嫌な思い出しかないところにあたしが入り込んで一瞬でもいい思い出ができたって解釈でおk?)


ステラは先程まで落胆したとは思えない程目をキラキラさせてそんな事を考えていた。


「それならばバスティンと私、それからドンクさんとハナさんも一緒に今日から心機一転ラスター公爵邸でこれまでの嫌な思い出なんて思い出せないくらい沢山のいい思い出を作っていきましょう」


ステラは目を輝かせて満面の笑みを浮かべてバスティンの腕に抱きつきながら言った。


そんなステラに一瞬バスティンは驚いた表情を浮かべた。


(本当に彼女の言葉はまるで魔法のようだな。ステラと一緒ならいい思い出しか作れそうにない気しかしないのだからな。彼女と一緒ならあの悪夢のような日々の中毒が体を回っても生きていたのは彼女に出会う為だったのではないかと錯覚すら覚えてしまうな)


バスティンはにこにこと嬉しそうなステラを見てそんな事を考えていた。


「そうだな。これからはいい思い出ばかりを作っていけるといいな」


バスティンは優しい笑みを浮かべて言った。


「へへへ」


ステラはバスティンの言葉にとても嬉しそうに笑った。


「では、そうと決まれば善は急げですね。早速片付けから始めましょう」


ステラは鼻を鳴らしながら気合いを入れて言った。


「そうだな」


ステラは頷きながら言った。


そして、ステラとバスティンは早速荒らされたままの屋敷の片付けを始めた。

ステラのてきぱきさとバスティンの段取りの良さで屋敷を片付けるのにはさほどの時間はかからなかった。


片付いた頃には時計の針は0時を回っていた。


ステラとバスティンはステラが作った軽食を食べてお風呂を済ませるとバスティンの寝室へ居た。


(おいおいおいおい。待って待って待って。バスティンの風呂上がり姿がもはや神よりも偉大すぎて死ぬ。鼻血出る。ヤバい。服着てるのに色気がヤバい。え?無理すぎるくらい尊いんですけど?!今すぐカメラにおさめたいよぉ。カメラをクレメンス)


ステラは風呂上がりのバスティンを見て平常心を保つふりして内心は悶絶しながらそんな事を考えていた。


「ステラは疲れているだろうからベッドを使うといい。私はソファーで寝るから」


バスティンが少し緊張の混じる表情で言った。


(いつもは一人で使っている部屋にステラが居るとは何だか不思議な感じがしてたまらないな)


バスティンはそんな事を考えていた。


(それに風呂上がりの彼女の姿をまともに見れないな。この状況を師匠とジョシュアが見たら間違いなく殺されてしまうな)


バスティンは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「そんな私だけベッドを使わせてもらうなんて出来ません。バスティンこそ拘束中にきちんと寝ることも出来てなかったでしょうからベッドを使って下さい」


ステラは慌てて言った。


(バスティンのベッドの匂いを嗅げてバスティンが使ってる布団でぬくぬくしてhashasできるチャンスだとはいえあんな薄暗くて汚い場所に閉じ込められてたんだからちゃんと寝て体を休ませなきゃだもん)


ステラはそんな事を考えていた。


「本当に私は大丈夫だから気にせずベッドを使ってくれ」


バスティンは慌てて言った。


(さすがにステラをソファーで寝かせるなどできるわけがない)


バスティンはそんな事を考えていた。


「そ、それならば一緒にベッドを使えばいいではないですか」


ステラが少し慌て気味に何故か声を張って言った。


ステラの声の張り具合と言葉にバスティンが驚いた表情をして固まった。


(やってしまった、、。願望丸出しの心の声を声に出してしまったよ。見よ、あのフリーズしたバスティンを。さすがに女性からこんな言葉言ったら驚くよね。てか引いてないよね?!ね?!前世なら女性からアピールしてもおかしくもなんともないけど今世は女性からグイグイアピールなんてないからね。いや、でもあたしは最初からバスティンにグイグイアピールしてたし大丈夫か?いや、だとしても今のはさすがにないか?!)


ステラは表情をコロコロ変えながら一人そんな事を考えていた。


「本当にいいのか?」


バスティンが戸惑いながら言った。


(あまりにも予想外な言葉に思わず声を失ってしまったな)


バスティンはそんな事を考えていた。


「へ?」


ステラは予想外のバスティンの言葉にぽかんとした表情を浮かべて言った。


(ホントウニイイノカ?って聞こえましたよ?)


ステラはぽかんとしたままそんな事を考えていた。


「今、本当にいいのか?と言われましたか?」


ステラは更に言った。


「あぁ」


バスティンは戸惑いつつ頷き言った。


(うわぁぁぁー。神様仏様バスティン様あざーーす)


ステラは内心両手を挙げて喜びそんな事を考えていた。


「もちろんですとも。さぁどうぞお入り下さい」


ステラを目をギラギラさせながらバスティンを手招きして言った。


「あ、ああ」


バスティンは戸惑いながら言った。


(そう言ったものの本当にいいのだろうかと今更緊張が押し寄せてくるな)


バスティンは緊張した表情でそんな事を考えていた。


そして、バスティンは緊張気味のままステラのいるベッドへ歩いた。


「では、失礼する」


バスティンは緊張した表情でそう言うとそっと布団へ入った。


(師匠、ジョシュア最初に謝っておきます。嫁入り前のステラと一緒の布団に入ります)


バスティンは心の中でダニーとジョシュアへ謝罪した。


「私も失礼します」


ステラはバスティンが布団へ入ったのを確認するとそう言って自分も布団へ入った。


布団へ入った2人はしばし沈黙した。


(いざ、同じ布団に入ると緊張してきちゃったよ。緊張だけじゃないけども緊張も混じって心臓がうるさいったらありぁしない。すぐ横に私の愛する推しが寝てる。心なしかいい匂いがするんだけど?それに離れててもバスティンの体温が伝わってくる気がするけど?!)


ステラは心臓がドキドキするのを感じながらそんな事を考えていた。


(やばい。2秒前まで緊張してたのにもう悶々的な気持ちが押し寄せてきてるよ。オタクの性だよね。バスティンに近づきたい。でも、この状況ではダメな感じ?我慢すべき?愛する推しが真横にいても耐え抜いて羊でも数えて寝るべき?!)


ステラは邪念と闘いながらそんな事を考えていた。


(だけど全世界のオタクが夢にまで見た推しとの添い寝だよ?!夢じゃなくリアルだよ?!くっそー。どうしたらいいのぉ)


ステラは更にそんな事を考えていた。


そんなステラとは対照的にバスティンは複雑な表情で天井を見上げていた。


脳内で必死に邪念と闘っていたステラがふとバスティンのそんな表情に気づいた。


「バスティン?」


ステラが思わず声をかけた。


「ん?あぁどうした?」


バスティンはハッとなり慌てて言った。


「いや、バスティンがボーっと天井を見つめてたのでどうしたのかのと思いまして」


ステラが少し心配気に言った。


「あぁ、そうだったのか。いや少し考え事をしていたのだ」


バスティンが複雑な表情で再度天井を見つめながら言った。


(ハッ。もしや)


ステラはバスティンの表情を見て言葉を聞いてゾッとした表情で急に何かを思い出したかのようにそんな事を考えていた。


「ま、まさか私と同じ布団で寝ることが嫌だとかですか?!」


ステラはこの世の終わりのような表情で恐る恐る言った。


(オーマイガー。バスティンが布団に入ってきたから嫌だと思ってたなんて想像もしなかったよ。でも、あたしに気を使って布団に入ってきてくれたんだとしたらあんな儚げな表情してるのも納得いくよ)


ステラは先程までの邪念など吹っ飛んだかの様にこの世の終わりみたいな表情でそんな事を考えていた。


「ま、待て待て。誤解するな。ステラと共に寝ることが嫌な訳ではない」


バスティンはステラの言葉に慌てて言った。


「え?では、何故その様な儚げな表情を浮かべているのですか?布団に入ってからその様な表情になったので私はてっきり」


ステラは少し驚いた表情で言った。


(あたしと寝るのが嫌なわけじゃないならどうしてそんな顔してんのよ)


ステラはそんな事を考えていた。


「そんなに儚げな顔をしていたか?」


バスティンは慌てて言った。


(自分では特にそんな気はなかったのだが)


バスティンはそんな事を考えていた。


「はい」


ステラは頷きながら言った。


「そうなのか」


バスティンは戸惑いつつ言った。


「いや、ただ、、このまま眠りについて明日目が覚めたらステラと出会ってから今までの事がすべて夢であったらと急に不安になってしまったのだ」


バスティンは複雑な表情を浮かべて言った。


(私は望まれて生まれてきた人間ではない上にこのような容姿になり非難や侮辱など日常化していきいつの日かそんな事にも何も思わなくなっていた。師匠やバスティンやペーター、騎士団の皆のように私を一人の人間として隔たりなく接してくれる者たちもいたがステラに出会い人生の全てが変わってしまった。人に愛される喜び幸せ。そして人を愛する喜び幸せ。それを知ってしまった今これが本当は夢で目が覚めたら隣にステラが居なかったらどうしようと不安が押し寄せていた。もうステラが隣にいない人生など送ることができない程に彼女を愛してしまったからだ)


バスティンは胸が少し苦しくなるのを感じながらそんな事を考えていた。


(バスティン。そんな事を考えてたんだね。でも、バスティンのこれまでの事を考えたらそう思ってしまっても可笑しくないよね。これまで沢山苦しんで悲しい思いをしてきたんだもんね。でもね、大丈夫だよバスティン。これからはあたしが不安に思う暇ないくらいに沢山の愛と幸せを贈るからね)


ステラはバスティンを見てそんな事を考えていた。


そして…


ステラがバスティンの手をギュッと握った。


「それならこうして手を繋いで寝ましょう。そうしたらこれが夢なんかではない事がわかるでしょう?明日目が覚めても私がこうして手を離しませんから」


ステラは満面の笑みを浮かべて当たり前のように言った。


そんなステラにバスティンを小さく目を見開いた。


(温かい。あぁ、本当にステラには敵わない。私が不安になる度にこうして彼女にとっては何でもないかのように当たり前に不安を消し去り幸せな気持ちにさせてくれるのだからな)


バスティンは胸が締め付けられてとても幸せな気持ちに包まれつつそんな事を考えていた。


「そうしてくれるととてもありがたいな」


バスティンはそう言うと優しく微笑みながらステラの手を優しく握り返した。


「ふふふ」


ステラは嬉しそうに笑った。


「どうしたのだ?」


バスティンが急に笑いをこぼしたステラを見て言った。


「こんなシチュエーションに憧れていたので嬉しくて幸せだなと思ったのです」


ステラは嬉しそうに言った。


(もうぶっちゃけのところ幸せなんて言葉では言い表せないよ。昇天しかけてるよ。前世でバスティンの抱き枕と手を繋いでこーゆーシチュエーション何度想像したことか。抱き枕のバスティンの手は冷たかったけど本物のバスティンの手は温かくて最高すぎる。あぁ〜本当にこの温もり感じると本物のバスティンが横にいるんだなって改めて実感するよ。全世界のバスティンオタク達よ。バスティンを独り占めすることを許してくれ)


ステラは脳内では悶絶混じりに想像しながらそんな事を考えていた。


「それにこれからはこういうシチュエーションがまだまだ沢山あると思うと今夜は寝れそうにないです」


ステラは笑いながら言った。


「本当にステラはいつもぶれないな」


バスティンは愛おしそうにステラに微笑みながら言った。


チュッ…


「もちろんですよ。今もこれからもずっと私は私ですから」


ステラは不意にバスティンにキスをして幸せそうに微笑みながら言った。


(不意打ちキスいただきました)


ステラは内心ニヤニヤしながらそんな事を考えていた。


チュッ…


「そうだな」


内心ニヤついていたステラに不意打ちキスをしたバスティンが優しい笑みを浮かべて言った。


「ふ、不意打ち返しはズルいです」


ステラは慌てて言った。


(不意打ち返しはだめだって。破壊力がはんぱないって)


ステラはもう脳内がぶっ飛ぶくらい悶々しながらそんな事を考えていた。


「たまにはな」


バスティンが笑いながら言った。


「もう」


ステラは頬を膨らませながら言うもすぐに表情を緩めて嬉しそう笑った。


「それにしても師匠とジョシュアが絶対にここへ乗り込んでくると思ったが結局来ずだったな」


バスティンが苦笑いを浮かべて言った。


「来れるわけありませんよ。今日ここへ来れる程お父様もお兄様も肝が据わってませんから」


ステラは呆れ気味に言った。


(まぁ来たとしても即刻追い出してたけどね。まぁでも今回はさすがにいくらあの2人でも来れるわけないよね)


ステラは呆れた表情のままそんな事を考えていた。


(肝は据わりすぎるくらい据わってるいるで有名な2人だがステラに関しては肝があるようでないのだな)


バスティンは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


(次に2人に会ったら私は生きていられるのだろうか)


バスティンは更に苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「お父様達の話なんていいですから私のこれからの事を話しましょう」


ステラが気を取り直して笑顔で言った。


「ああ。そうしよう」


バスティンは頷きながら言った。


この日、ステラとバスティンは夜が更けても二人仲良く過ごしたのだった。





バスティンの無実が判明してから半月が経過した。


半月の間で皇室はもちろん他の貴族達や騎士団も多忙な日々を送っていた。


そして半月経過したこの日にアーノルドとルノア男爵及びグレイスへの処分が決定したのだった。


皇太子であるアーノルドは廃嫡は免れたものの廃太子となった。

廃太子となったアーノルドは皇族が罪を犯した際に幽閉される場所である東の塔へ幽閉される事となった。

アーノルドは国民を危険に晒し兼ねない行動をした事から幽閉という重めの処分が下されたのだった。

アーノルドは謹んで処分を受け入れたのだった。

アーノルドの近衛騎士であるサティスは生涯アーノルドに仕えると心に決めていたのでアーノルドが反対しても東の塔で共に過ごしアーノルドを支える選択をしたのだった。

皇帝であるアルゴンはサティスの強い意志と父として息子の心配も含めサティスの選択を尊重し許可したのだった。

その他のラスター公爵邸の捜索にあたった近衛騎士達は騎士としての資格を剥奪されたのだった。

どうしてもモヤモヤがおさまらなかったステラが密かにアルゴンに近衛騎士達の行動に異議を申し立てた事で今回の処分が決まったのだった。


ルノア男爵は既に死亡していたが爵位の剥奪と領地没収の上罪人として国中にルノア男爵の罪状を知らしめたのだった。

ルノア男爵遺体は骨が残らない程に焼かれて処分された。

ルノア男爵の罪に加担した者たちも一人残らず処分が下されたのだった。


グレイスは最も罪が重く国で最も重い街の広場に鉄格子の小さな檻を置きその中で水一滴も与えられず5日間国民に晒されて過ごし人々にからどんな仕打ちを受けようとも逃げる事も許されず5日経った日にお火炙りの刑に処される極刑が下されたのだった。

グレイスが入る檻の横には罪人としてのルノア男爵の遺影が置かれる事も同時に決まった。


アーノルドは処分が下された日に罪人が着用する服に着替え両親であるアルゴンとシャルルへ挨拶をしたのち東の塔へ向かった。


(やはりステラ嬢に会うことは出来なかったか)


アーノルドは東の塔へ向かう道中に切ない表情を浮かべてそんな事を考えていたのだった。


アーノルドが東の塔へ向かうのと同じ頃にグレイスが街の広場へ連れてこられ檻へと入れられた。

ルノア男爵親子が主犯だと判明してから半月の間グレイスはグンダリルを摂取しないのもあり禁断症状が酷く出ていた。

それもあってからグレイスは半月前とは別人のような容姿になっていた。

とてもヒロインとは思えない程肌も髪もカサつき禁断症状のせいで食事もまともに摂れなかったせいで頬がこけかけていたのだった。

それに加え常に小さく何かを呟いていたのだった。

そんなグレイスが檻の中に入れられ檻の横にルノア男爵の遺影が置かれた。

グレイスを連れてきた騎士達がその場から離れるとすぐに街の人々が広場へ群がってきた。



「この極悪人め」


「お前のせいでうちの娘は誘拐事件に巻き込まれて今でもそれがトラウマなんだぞ」


「この殺人鬼め」


「孤児院の子供達を利用する極悪非道な悪魔め」


「よくも俺たちを騙してくれたな」


「親子共々地獄に堕ちやがれ」


「何度死んでも罪は償えないからな」


街の人々が怒りのこもった表情でグレイスに向かって罵倒した。


「愚かな下衆どもが、、」


グレイスが罵倒する人々を睨みつけて嘲笑うかのような表情で呟いた。


そんな狂気じみたグレイスを見た人々は怒りが爆発した。


そして、人々はグレイスの入る檻とルノア男爵の遺影に向かって石を投げつけ始めた。

柵の隙間から入った石は何個も何個もグレイスに当たった。

しかし、グレイスはいくら石を当てられても悲鳴をあげるどころか人々を黙って睨みつけていたのだった。

そうした模様が5日間続いた。

5日間のうちにメグとアンも広場へ足を運んでいた。


「ユージャンを返してよ!孤児院の子供達を傷つけた事を謝ってよ!私を誘拐事件に巻き込んだ事を謝ってよ!あなたの事は一生許さないんだから」


メグは石は投げつけなかったものの悔しそうに泣きながらグレイスへ叫んだ。


「あなたのせいで誘拐事件に巻き込まれた私たちは今でもあの時の事で苦しんでるの。それに両親にまで悲しい思いをさせた事を絶対に許さないわ」


アンも泣きながら怒り言ったのだった。


5日間の間でグレイスの姿とルノア男爵の遺影が隠れてしまうくらい石が投げつけられていた。

それほど国の人々がルノア男爵親子に怒りをおぼえていたるという証だった。


そして、5日が経ちグレイスの火炙りの刑が執行される時がやってきた。


騎士団達によりグレイスは広場の真ん中に立てられた十字になった太いの棒にしっかりと縛り付けられた。

そして皇帝自らがその場に立ち会い刑の執行を命じた。


グレイスの処刑を見届けようとステラとバスティンは密かに広場へ足を運んでいた。


「これで本当に終わりですね」


ステラが小さく呟いた。


「そうだな」


バスティンも小さく呟いた。


("オンラブ"の原作ではこの場所でアーノルドの手によってステラとバスティンが処刑された。アーノルドの横にはぴったりとグレイスがいた。だけどこの世界では処刑されるはずの私たちはこうして見届ける側で主人公とヒロインに罰が下されてるんだよね。もしもグレイスに転生したのが彼女じゃなかったら何か変わってたのかなぁ。あたしとバスティン。アーノルドとグレイス。二組が幸せになれる選択があったんじゃないかと思うと少し感傷的な気持ちも湧いてくるけどその結末はなかったんだもんね。主人公とヒロインだろうが罪は消えないからね)


ステラは複雑な表情でグレイスを見つめながらそんな事を考えていた。


そして、グレイスの足元に置かれた大量の薪に火が放たれた。


段々と火が強くなりグレイスに火が移り着いた。


熱さと苦しさにグレイスの表情が歪んだ。

あっという間に火がグレイスの体を包みこんだ。


「誰が何と言おうと私がヒロインよ」


グレイスは火に包まれながらも最後にそう叫んだ。


叫んだ直後にグレイスは息絶えたのだった。


(どうか来世では幸せな人生を歩めますように)


ステラはグレイスの最期を見ながらそんな事を願っていたのだった。


こうして国中を騒がせたグンダリル事件の幕は完全におろされたのだった……




2年後…



「は〜い!皆さん1列に並んでください。皆さん周りの人を押したり順番を抜かしたりしてはいけませんよ。きんちんと並んでる方全員分用意してありますからね」


グンダリル事件から2年経ってもステラは変わらず元気で声を張っていた。


「ステラこれはここに置けばいいのか?」


バスティンは2年前よりも更に雰囲気に柔らかさを出しながら言った。


「ええ。それはこちらでそれはあちらへ置いてちょうだい」


ステラが笑顔で言った。


「わかった」


バスティンが頷きながら言った。


この2年でステラとバスティンはより仲を深めてステラはバスティンに対して敬語を使うのをやめていた。

敬語を使わなくなった事でより仲の良さが感じられていた。


「アルイ、そろそろ販売を始めれそうか?」


バスティンがアルイへ言った。


「はい。大丈夫です」


アルイが頷きながら言った。


「ルイルイ会計係よろしく頼んだわよ」


ステラが笑顔で言った。


「ああ」


アルイが自信満々に言った。


「それでは皆さんお待たせしました。これよりアルスタ、うちわを販売を開始しますのでお一人づつ購入個数と仕様をお伝え下さい。会計は右横にいる店主が行いますので個数と仕様を伝えられた方は右横へお進み下さい」


ステラが列の後ろの方まで聞こえる程の大きな声で言った。


「では、販売を開始致します」


ステラは満面の笑みで言った。


この日はステラが2年前に自分の推し活の為に考案したアルミスタンド(通称アルスタ)とうちわの販売を行っていた。


ステラは2年前にグンダリル事件が解決した少し後に自分のバスティンへの愛を綴った自己満のノート・【one true love】(通称・ワンラブ)を作成していた。

ある日、そのワンラブを誤って落としてしまった為に必死に探していたところステラのワンラブを拾ってくれた人物と遭遇したのだった。

ワンラブを拾ってくれた人物は街の新聞社の社長だったのだ。

たまたま拾ったワンラブを何気なく読んでしまった社長は持ち主のステラへステラの綴った文章を小分けにして新聞の一部で連載してみないかと提案してきたのだった。

最初ステラは乗り気ではなかったけれど街の人々が新聞を読むことでバスティンがどれほど最高で最愛で最高で最愛で最高なのかを解ってもらえるいい機会だと思い社長の提案を承諾したのだった。

すると連載当初からあっという間に人気になったのだった。

そして、ステラの思惑通り新聞を読んだ人々はバスティンへの見方が変わったのだった。

そして、掲載内容の一部にステラがアミスタとうちわを何個も持っているという内容の影響で街の人々が貴族平民男女問わずアミスタとうちわへの問い合わせをインビンシブルにしてきた事がきっかけでアミスタとうちわの販売が決定したのだった。

ステラがバスティンに対する欲の為に考案した推しグッズが何と帝国中で大ヒットを遂げたのだ。

ちなみに【ワンラブ】の書籍化も決まったのだった。


「うぅ〜ん。今日もあっという間に売り切れたわね」


ステラが体を伸ばしながら言った。


2時間ほどで商品が完売したので早々に片付けをしていたのだった。


「本当にまさかここまで人気に拍車がかかるとはな」


バスティンは少し疲れた表情で言った。


「それは私もびっくりしてるわ」


ステラは困り笑みを浮かべて言った。


(でも、まさか前世でも爆発的に人気だった推し活グッズが今世でも売れるとはオタクしては嬉しよね。まぁここでは推し活っていうよりは家族や恋人、夫婦、友達とかとの写真をアミスタやうちわにしてるけどね。それでもこうやって推し活グッズを色んな人と共有できるのは嬉しよね)


ステラはそんな事を考えていた。


「インビンシブルも2年前では考えられないくらい繁盛しているしな」


バスティンが言った。


「いや、本当にその通りですよ。2年前は騎士団への仕事以外ではよくて2、3人のお客さんが来るくらいだったので」


アルイは苦笑いを浮かべて言った。


(ステラが幸運を招いた事は間違いないな。2年前に初めて会った時から衝撃な奴だったが本当にステラと出会って良かったと改めて感じるな)


アルイはチラりとステラを見てそんな事を考えていた。


「もう帝国でステラを知らない人は居ないな」


バスティンが優しい表情で言った。


「あら、バスティンもよ?」


ステラは嬉しそうに言った。


「そうだな」


バスティンはフッと笑みを浮かべて言った。


(2年前までは悪い意味で私を知らない者はいなかったが今はステラのお陰でいい意味に変わったからな)


バスティンはそんな事を考えていた。


「これからもこうして国中が笑顔に溢れるといいわね」


ステラは笑顔で言った。


「そうだな」


バスティンは優しく微笑み言った。


その時だった…


「ステラ」


「スー」


ダニーとジョシュアがやって来た。


「あら、お父様とお兄様」


ステラは驚き言った。


「そにエスティン♡」


ステラが満面の笑みで言った。


「マー、マー」


ステラが笑顔を向ける先には小さな男の子がダニーに抱かれてステラに向かって言っていた。


そう…


この男の子は1歳を迎えたばかりのステラとバスティンの息子だった。


2年前のバスティンが釈放されラスター公爵邸にて二人で夜を過ごした日に授かったのが愛息子【エスティン】だった。


「エスティン」


ステラはダニーからエスティンを渡されるとエスティンの頬にキスをしながら笑顔で言った。


「片付けが終わったらバートン公爵邸へ迎えに行こうと思っていたのにこんなところまで来て何かあったのですか?」


ステラが慌てて言った。


「いや、エスティンが早くステラとバスティンに会いたがったものだからな。こうして連れてきたわけだ。なぁ?私の可愛いエスティンや」


ダニーはデレデレした表情でエスティンの頬を優しく触りながら言った。


「だぁぁ」


エスティンは笑顔で言った。


「ああ、本当にエスティンはどうしてそんなに可愛いのだ」


ジョシュアがエスティンの笑顔を見てデレデレしながら言った。


「お父様もお兄様もエスティンがバスティンに似て可愛いのはわかりますが顔をどうにかしてください」


ステラはダニーとジョシュアの表情に呆れた表情で言った。


(親ばか妹ばかだったのが孫ばか甥ばかが追加されて手がつけられたもんじゃないよね。まぁエスティンが可愛すぎるから仕方ないけどね)


ステラはそんな事を考えていた。


「仕方ないだろう」


ダニーはデレデレしたまま言った。


「本当にこればかりは仕方ないのさ」


ジョシュアもデレデレしたまま言った。


「まぁそうですね。エスティンが可愛すぎるから仕方ないですね」


ステラも結局デレデレして言った。


「では、そろそろ帰るとしよう。帰ってからもやらなければならい事が沢山あるからな」


バスティンがそう言うとステラからエスティンを自分の元へ抱えて言った。


「そうですね。いよいよ今週ですからね」


ステラが笑顔で言った。


「パー、パー」


エスティンがバスティンの顔をペチペチ触りながら言った。


そんなエスティンをバスティンはとても愛おしそうな表情で見つめていた。


(あぁぁぁぁ。尊い尊い尊い。バスティンとエスティンとか何億回見たとしても尊い)


ステラはバスティンとエスティンを見て内心拝みながらそんな事を考えていた。


そんな様子をダニー、ジョシュア、アルイは微笑ましく見ていたのだった。




それから6日後…


「新郎新婦のご入場です」


この日はステラとバスティンの結婚式だった。


二人の結婚式は孤児院で行われていた。

ステラとバスティン二人の提案で結婚式は孤児院でしようとなったのだった。

公爵家同士の婚姻の為に後日ラスター公爵邸で結婚パーティーを開く予定いた。


グンダリル事件以降ステラとバスティンは頻繁に孤児院へ訪れていた。

孤児院の院長、子供達はグンダリル事件の衝撃がとても大きく事件解決直後はメグを始め情緒不安な子供達が多発したのだった。

そんな子供達を心配したステラとバスティンが頻繁に孤児院を訪れ子供達のケアをしていたのだった。

バスティンは自分も幼少期に辛い日々を過ごしたこともありより子供達の明るい未来の為にケアに力を入れていたのだった。


エスティンが生まれてからもエスティンを孤児院へ連れて孤児院の子供達との交流をさせた。

ステラきってのお願いでエスティンの乳母としてメグを指名した。

それもあり自然と結婚式は孤児院で身内だけで行う流れになったのだった。


ステラとバスティン、孤児院の子供達が一生懸命用意した結婚式は最高の形を無事に迎えた。


「新郎、バスティン・ラスターは生涯新婦、ステラ・バートンを愛することを誓いますか?」


神父役のアルイが言った。


「はい。誓います」


バスティンが真剣な表情で言った。


「新婦、ステラ・バートンは新郎、バスティン・ラスターを生涯愛する事を誓いますか?」


「はい。誓います」


ステラはドヤ顔で自信満々に言った。


(つ、ついにこの時がやってきたぁぁぁー!!愛する推しとの結婚!先に愛する推しとの愛の結晶を先走っちゃったけどね)


ステラはそんな事を考えていた。


「では、指輪の交換を」


アルイが言った。


アルイがそう言うと歩きたてのステファンがメグに付き添われてよちよちと一生懸命指輪を持ってステラとバスティンの元へ歩いてきた。


(うちの息子天使すぎて辛い)


ステラは一生懸命のエスティンをデレデレした表情で見ながらそんな事を考えていた。


ダニーとジョシュアもステラと同じくデレデレしながらエスティンの写真撮影していた。


バスティンはエスティンをとても愛おしそうに見つめていた。


「だぁぁ」


そして、エスティンがステラ達の元へやってきてそう言いながら二人へ指輪を渡した。


「ありがとうエスティン」


ステラは満面の笑みを浮かべてそう言うと指輪を受け取った。


「ありがとうエスティン。よく頑張ったな」


バスティンは優しく微笑みエスティンの頭を優しく撫でながら言った。


「パー、マー」


エスティンはそう言うと満面の笑みを浮かべた。


そして、エスティンはメグに抱きかかえられると席へ戻った。


そして、ステラとバスティンは指輪の交換をした。


(この2年待ちに待ったバスティンとの結婚指輪。二人で沢山話し合って決めた指輪。死ぬまで、いや死ぬまで外さないんだから)


ステラは指にはめられた指輪を見てニヤニヤしながらそんな事を考えていた。


(ステラが今何を考えているかすぐわかるな)


バスティンはそんなステラを見ながら優しく微笑みながらそんな事を考えていた。


「それでは誓いのキスを」


アルイが言った。


そして、バスティンがステラに近づいた時…


ガバッ!


ブチュ〜!


ステラが思い切りバスティンを自分の方へ引き寄せ思い切りキスをしたのだった。


いきなりの事にバスティンは少し驚いた表情を浮かべたがすぐに目をつむりキスを受け止めて優しくステラを抱きしめた。


「おまっ!バスティン」


「バスティン」


そんな光景を見てダニーとジョシュアが慌てて言った。


そんな光景を見たその場の人達は大笑いをした。


「ステラ様らしい」


リサが苦笑いを浮かべて呟いた。


「まったく同感ね」


ミシェルは呆れた表情を浮かべて言った。


「コホン。では、ここに二人の婚姻を認めます。今日この時から二人は夫婦となります」


アイルが苦笑いで言った。


パチパチ…

パチパチ…


その場が拍手が巻き上がった。


「これでもう本当の本当に正真正銘の夫婦ですね」


ステラが唇をバスティンから離して満面の笑みで言った。


「ああ、そうだな」


バスティンは優しい表情で言った。


「改めて私と出会い私を愛してくれて幸せにしてくれてありがとう。本当に心から愛しているしこれからも愛している」


バスティンが愛おしそうにステラを見て言った。


「バスティン」


ステラはバスティンの言葉に目頭が熱くなりながら言った。


(ずっとずっと前世でバスティンを推してる時からずっとバスティンを幸せにしてあげたいって思って転生してバスティンに会ったらもっともっと幸せにしてあげたいって思った。自分がどれだけバスティンを好きがずっと伝えてきてバスティンも同じ気持ちになってくれて嬉しくて嬉しくて幸せだって思っけどこうして改めてバスティンを本当に幸せにしてあげられたんだって思ったら何て表現したらいいんだろう。何て表現していいかもわからないくらい今本当に幸せだなぁ)


ステラはそんな事を考えていた。


「言ったでしょう?私は最初から何があっても必ずバスティンを幸せにすると」


ステラは笑顔で言った。


(今こうして本当にバスティンが幸せだと思ってくれる事が何よりも幸せなのは間違いないよ)


ステラは改めて目の前の現実を噛み締めながらそんな事を考えていた。


「私もバスティンと会った時から今もこれからもずっとずっとあなたを愛してるわ」


ステラはとても愛おしそうにバスティンを見て言った。


(前世からずっとだけどね)


ステラはそんな事を考えていた。


「だぁぁぁ」


そんな二人を見てエスティンが笑いながら言った。


「エスティンおいで」


ステラが笑顔で言った。


するとエスティンはメグに椅子から下ろしてもいよちよちとステラとバスティンこ元まで歩いてきた。


「エスティンは本当にあんよが上手ね」


ステラが笑顔で言った。


そしてバスティンがエスティンを抱き上げた。


「これからも幸せな家庭を築いていこう」


バスティンが優しくステラへ言った。


「ええ。もちろんよ。これからもバスティンとエスティンを全力で幸せにしてみせるわ」


ステラは自信満々に笑いながら言った。


「ハハ。私も負けてられないな」


バスティンが相変わらずのステラに笑いながら言った。


こうしてステラとバスティンは晴れて夫婦となったのだった。



ステラとバスティン夫婦はのちに帝国一のおしどり夫婦となるのだった…


その後、ステラとバスティンはエスティン含め二男一女をもうけていつまでも幸せに暮らしたのだった…


こうしてある日突然推しがいる世界に転生したじゃじゃ馬令嬢のステラは全力で推しを愛し愛され幸せになりましたとさ…♡




END

後日、番外編などを掲載予定です。

ここまで読んで下さった皆様ありがとうございました☆


☆【日間】 異世界〔恋愛〕ランキング - 完結済

2024.11.4  75位

2024.11.5 58位

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