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27.じゃじゃ馬令嬢の愛とプライドを賭けた大作戦〜ヒロインVS悪役令嬢〜

前回から更新期間が随分間が空いてしまいました…

次回は最終話予定です。

よければ最後までご覧下さい☆

貴族会議当日。


「皆のものよく集まってくれた。これより貴族会議を始める」


皇帝アルゴンが言った。


貴族会議にはダニーはもちろん余裕に満ちた表情を浮かべるルノア男爵もしっかり出席していた。


「本日の会議の議題について話をするの前に皆に1つ報告する事がある」


アルゴンが真剣な表情で言った。


「本日、皇太子であるアーノルド・ウィル・ポメニティアとバートン公爵令嬢であるステラ・バートンの婚約婚約関係が結ばれた事をここに宣言する」


アルゴンが言った。


ザワザワ…


アルゴンの言葉にその場がざわついた。


それもそのはずだった。


ステラが自らすでに皇太子妃候補から外れている事は周知の事実だったからだ。


「へ、陛下。恐れながらそれは一体どういう事なのでしょうか?!バートン公爵令嬢は皇太子妃候補を令嬢側から放棄されたはずでは?!」


ルノア男爵は慌てて椅子から立ち上がり不満気な表情で言った。


(一体どうなっているんだ?!殿下はうちのグレイスを皇太子妃に迎えるつもりだったのではないのか?!)


ルノア男爵は苛立ちをどうにか鎮めながらそんな事を考えていた。


「この件については私が直接話をさせてもらう」


アーノルドが真剣な表情で言った。


「確かにバートン公爵令嬢は皇太子妃候補を令嬢側から放棄した。だからそなた達が先程の陛下の言葉を聞き混乱するのも仕方ない事だ。しかし、この度私はバートン公爵令嬢と婚約関係を結ぶはこびとなった」


アーノルドが堂々と言った。


「何故一度皇太子妃候補を放棄したにも関わらず婚約関係を結ぶことになったのですか?納得いく理由を説明して下さい」


ルノア男爵は納得いかないという表情で言った。


「ルノア男爵。納得いく理由と言うがそなたは私に何と言って欲しいのだ?バートン公爵令嬢の家柄、人柄、そして狩猟大会で自分の危険も顧みず私を助けてくれたのだ。十二分に皇太子妃として私の横に立てる方だ。これだけでも十分に婚約関係を結ぶ理由になるのではないか?」


アーノルドは淡々と言った。


(私はステラ嬢が皇太子妃候補を放棄する事を本当は受け入れたくはなかった。ステラ嬢の意思が確固たるものだったから受け入れるしかないだけだった)


アーノルドはそんな事を考えていた。


他の貴族たちはアーノルドの言葉を聞き小さく頷きながら納得した表情を浮かべていた。


ダニーは黙って周りの話を聞いていた。


「では何故殿下は我が娘と2人きりで出かけたりと娘を特別気に掛ける様な事をされたのですか?」


ルノア男爵は不満気に言った。


「それはつまり何故自分の娘ではなくバートン公爵令嬢と婚約をしたのかと?何故自分の娘と婚約しないのか?と言いたいのか?」


アーノルドはサァーと表情を強張らせて言った。


「そ、それは」


ルノア男爵はアーノルドの表情を見て戸惑いながら言った。


(チッ。グレイスの奴は自分が皇太子妃に選ばれると言っていたではないか。どう見ても殿下の表情はそんなつもりはないと言わんばかりじゃないか)


ルノア男爵は苛立ちつつそんな事を考えていた。


「男爵は何か誤解しているようだが私がルノア男爵令嬢と出かけたりしていたのはあくまで皇太子として国の状況を把握する為だ。彼女は慈愛活動を行っているだけあり平民達の暮らしについてよく知っていたからな。しかし、ただそれだけの事だ。彼女との婚約は考えた事もない」


アーノルドははっきりと言った。


(確かにグレイス嬢が私との婚約を意識している事は分かっていたはいたが私自身彼女との婚約を望んだことは一度もない。そういえばステラ嬢も私がグレイス嬢を皇太子妃に迎えると思っていたな)


アーノルドはそんな事を考えていた。


(クソッ。本当に殿下はバートン公爵令嬢と婚約するのか?!これでは皇太子妃の父になり権力を手にする計画が台無しになってしまうじゃいか)


ルノア男爵は苛立ちながらそんな事を考えていた。


(いや、だがしかし今日の会議はラスター公爵の処分に関しての会議だ。一先ずはラスター公爵の処刑処分の決定をこの場で貰うことが優先だな。ラスター公爵には全ての罪を被って死んでもらわないといけないからな)


ルノア男爵はそんな事を考えていた。


「さようでございますか。失言申し訳ありませんでした」


ルノア男爵は苛立ちをグッと抑えてアーノルドへ言った。


「理解してくれたのならばいい」


アーノルドは淡々と言った。


「では、皇太子の婚約についての報告はここまでとし本日の会議の本来の議題であるラスター公爵の処分について話を進めるとしよう」


アルゴンがその場の空気を変えるかの様に言った。


(よし。いよいよ本題だな)


ルノア男爵はニヤリと悪い笑みを浮かべてそんな事を考えていた。


(2日前に捕らえて監禁していたラスター公爵家の使用人と監視していた者が急に消えて行方を探しているが未だに見つかっていない。その日に何者かが侵入したという報告も受けてはいないし部屋の状況からして監視していた者があの使用人2人を連れて逃走したに違いない。使い様によってはあの2人を利用して金を得ることが出来るとでも考えたのだろう。何とも底辺の人間の考える思考だな。しかし、一刻も早く見つけ出し監視していた者を始末して使用人達にグンダリルを摂取させなければならない。ラスター公爵に罪を擦り付ける為の一押しになる者達だからな)


ルノア男爵はそんな事を考えていた。


(だが、この会議でラスター公爵に処分が下されるのは決まっている様なものだからそこまで焦る必要もないか)


ルノア男爵は更にそんな事を考えていた。


(あれだけの証拠が揃っているのだから処刑はま逃れないだろう)


ルノア男爵はニヤリと笑みを浮かべて言った。


(庶子の分際で公爵など酌に障る奴だったから清々するな)


ルノア男爵は更にそんな事を考えていた。


「ラスター公爵の処分については急遽2日後に行う事となった皇太子とバートン公爵令嬢の正式な婚約発表を終えた後に下すとする」


アルゴンが言った。


(何だと?!)


ルノア男爵はアルゴンの言葉に驚愕した表情でそんな事を考えていた。


「陛下、お言葉ですがラスター公爵は我が娘のグレイスに暗殺者を送り暗殺しようと卑劣な事をした者なのですよ?!その者の処分がすぐに下されないなどあまりにも私は悔しくてたまりません」


ルノア男爵は猛抗議をした。


(何が婚約発表だ。そんな事より先にバートン公爵の処刑を下すべきだろう)


ルノア男爵は苛立ちを隠しもせずそんな事を考えていた。


そんなルノア男爵をダニーが無言でじっと見ていた。


「ルノア男爵の気持ちもわかるが何も処分を下さないと言っている訳ではない。皇太子の婚約発表が終わり次第すぐに処分を下すつもりでいるから落ち着くのだ」


アルゴンは圧のこもった声で言った。


(ゔぅっ)


ルノア男爵はアルゴンの圧に一瞬躊躇いつつそんな事を考えていた。


「ルノア男爵は何故その様にラスター公爵の処分について急かすのだ?ルノア男爵令嬢が危険な目に遇ったことで親の心情は理解できるか処分を下すことが判っているのだからその様に急かす事もないと思うのだが」


アルゴンがルノア男爵の目をじっと見て言った。


「そ、その決して急かしてなどおりません。ただ、娘を思う父としての気持ちが前に前に出てしまっただけでございます」


ルノア男爵は慌てて言った。


(チッ。面倒だな)


ルノア男爵は内心は面倒臭そうにそんな事を考えていた。


「そうか。同じ親としては子を思う気持ちはよく理解できる。だが心配せずともきちんと判断した上で処分を下すつもりでいるから安心してくれ」


アルゴンが真剣な表情で言った。


「はい。お気遣い感謝致します」


ルノア男爵が頭を下げながら言った。


(ここは一先ずこれ以上ラスター公爵の処分についての話はしない方がいいだろう。これ以上面倒な事を言われるのはまっぴらだからな。それに遅かれ早かれラスター公爵の処分は下されるのだから問題はないだろう。それよりも今の問題は殿下の婚約だな)


ルノア男爵はそんな事を考えていた。


「あぁ」


アルゴンが頷きながら言った。


「では、皇太子とバートン公爵令嬢の婚約式について話を進めていこうと思う」


アルゴンが気を取り直して言った。


それからアルゴンがステラとアーノルドの婚約式の話を進めた。


しかし、ルノア男爵はアルゴンの話などに一切耳を傾けなかった。


(グレイスが皇太子妃にならなければ何の意味もない。この件についてはグレイスもまだ知らないはずだ。知っていたら大人しくしているわけがないからな。せっかく1度皇太子とバートン公爵令嬢の婚約が取り消されてグレイスが皇太子妃に選ばれるのは時間の問題だったというのに。これはどうにかして2人の婚約を阻止しなければならないな)


ルノア男爵は苛立ちながらそんな事を考えていた。


「と、いうわけで皇太子とバートン公爵令嬢の婚約式の流れは今話した通りだ」


アルゴンが言った。


(ん?話はもう終わったのか?まったく聞いてなかったが陛下は何を話したんだ?)


ルノア男爵はアルゴンの言葉にハッとなりそんな事を考えていた。


「「承知いたしました」」


貴族達が口を揃えて言った。


(チッ。しまったな。陛下の話した内容を聞きそびれてしまって殿下とバートン公爵令嬢の婚約式の流れが分からかい)


ルノア男爵は苛ついた表情でそんな事を考えていた。


「では、本日の貴族会議はこれで終了とする。ラスター公爵の処分についての会議の日取りは追って便りを出すのでその便りに従うように」


アルゴンが言った。


「「承知いたしました」」


貴族達は頷きながら言った。


(この会議の内容に納得していない者もちらほらといるようだが一先ず今日はこれくらいにしておいていいだろう)


アルゴンは貴族達の表情を見てそんな事を考えていた。


そして、貴族達は続々と部屋を出て行き始めた。


「ちょっと待ってくれ」


ルノア男爵が部屋を出ていく貴族達を見て慌てて呟いた。


(チッ。婚約式の流れを誰かに聞いておかなくてはならないというのに皆さっさと帰ろうとしやがって)


ルノア男爵は焦りと苛つきの混じる表情でそんな事を考えていた。


その時…


「ルノア男爵そんなに焦った表情をして何か困りごとでも?」


ダニーがルノア男爵に近寄り言った。


「バ、バートン公爵」


ルノア男爵は驚いた表情で言った。


(よりによってバートン公爵に声をかけられるとは)


ルノア男爵は表情を歪めてそんな事を考えていた。


「い、いえ。特に困ったことなどありませんよ」


ルノア男爵は苦笑いを浮かべて言った。


そんなルノア男爵をダニーはじっと見ていた。


「やはり殿下と婚約するのが自分の娘ではないのが不満なのか?」


ダニーが淡々と言った。


「滅相もありません。もう決まったことですから」


ルノア男爵は引きつり笑みを浮かべ言った。


(不満?!あぁ不満だとも!不満意外何があるというんだ。わざと私にこんな事を言って馬鹿にでもしているのか?!)


ルノア男爵は苛立ちを堪えつつそんな事を考えていた。


「そうか。そうだな。決まった事に対して何かを言ったところで何かが変わる訳ではないしな」


ダニーは淡々と言った。


「お、仰る通りですね」


ルノア男爵は顔を引きつらせて笑みを作り言った。


(クソッ。勝ち誇ったような顔をしやがって)


ルノア男爵は怒りを堪えつつそんな事を考えていた。


「では、私はこれで失礼する。明日から婚約式の準備の為にステラが皇宮で過ごすことになり忙しくなるからな」


ダニーは淡々と言った。


「ご令嬢が皇宮で?!婚約式を済ませる前から皇宮で過ごすなどありえない事です」


ルノア男爵は驚愕しながら言った。


(婚約を済ませる前から令嬢が皇宮入りするだと?!普通は婚約式が終わってから皇宮入りするのものだろう?!なのに何故婚約式より前なんだ?!)


ルノア男爵は戸惑いを隠せないままそんな事を考えていた。


「まぁ、普通ではあまり考えられない事ではあるが殿下きっての提案でだからな」


ダニーは不満気な表情で言った。


「殿下のですか?!」


ルノア男爵は更に驚き言った。


(それほどまで殿下はバートン令嬢を側におきたいというのか?!)


ルノア男爵はそんな事を考えていた。


「まぁそういう事だから私は先に失礼する。ルノア男爵も娘の体調が良いのであれば共に是非婚約式には参加してくれたまえ」


ダニーは淡々と言った。


「承知しました。娘の体調を考慮した上で娘も共に必ず参加させて頂きます」


ルノア男爵は頭を下げながら声を震わせて言った。

頭を下げ下を向いていたルノア男爵の表情は怒りに満ちていた。


そんなルノア男爵をダニーは黙って見ると呆れた表情を浮かべてその場を後にしたのだった。


(バートン公爵め。前々からバートン公爵もその子供達もラスター公爵も気に食わなが今回の事で心から目障りになったな。自分の娘が殿下と婚約するからと更にでかい態度を取りやがって)


ルノア男爵は怒りで体を震わせながらそんな事を考えていた。


そして、ルノア男爵は怒りがおさまらないままルノア男爵邸へと帰宅した。





バァァァーーーン!!


ルノア男爵は邸に到着するなり鬼の面相で玄関の扉を思い切り開けて家に入った。


「ちょっと!お父様!扉をそんなに強く開けないで下ださる?!」


ちょうど2階から下りてきたグレイスが扉の開く音に驚いて言った。


「黙れ!」


ルノア男爵はグレイスを睨みつけて大声で言った。


「はい?!お父様の機嫌が悪いからといって私に八つ当たりはやめてもらてますか?!」


グレイスが不満気に言った。


「誰のせいでこんなに苛立ってると思ってるんだ?!グレイスお前のせいだ」


ルノア男爵は更に怒りを込めてグレイスに向かって怒鳴り言った。


「はい?何故私のせいなのですか?!意味がわかりません」


グレイスは意味がわからないという表情で言った。


「今日の貴族会議で何を聞いたかわかるか?!」


ルノア男爵は表情を歪めて言った。


「何って今日の貴族会議ではラスター公爵の処分についてのお話でしょう?」


グレイスは?という表情で言った。


「それでラスター公爵の処分はどうなったのですか?」


グレイスは呆れた表情でせかすように言った。


「どうもこうもあるか。ラスター公爵への処分は明後日以降に下されるのだ。それも処分の内容も決まってはいない」


ルノア男爵は苛立ちながら吐き捨てるように言った。


「はい?何故明後日なのですか?!意味がわかりません」


グレイスが予想外の言葉に驚き慌てて言った。


「今日の貴族会議での話は皇太子殿下とバートン公爵令嬢が婚約するという内容だった。2人の婚約式が2日後に急遽取り急ぎで行われる事になったからラスター公爵への処分言い渡しは婚約式が終わり次第だそうだ」


ルノア男爵は苛つきながら頭をかきむしり言った。


「はい?殿下がステラ様と婚約ですって?それも2日後に婚約式ですって?」


グレイスは意味がわからないという唖然とした表情で言った。


「そうだ。グレイス、お前言ったよな?自分が皇太子妃に選ばれるのも時間の問題だと。自分が必ず選ばれると。あの様に自信満々に言っておいてこのざまは何だ?!私が会議でどんな気持ちだったかわかるか?!」


ルノア男爵は怒りで体を震わせながらグレイスを睨みつけて言った。


「、、、」


グレイスは黙って下を向いていた。


「おい!聞いているのか?!黙ってないで何とか言ったらどうだ?!」


ルノア男爵は黙り込むグレイスを見て更に苛立ち怒鳴り言った。


「そもそもお前がしっかり殿下の心を掴みきれなかったのがだめなんだ!あれだけ豪語しておいて結局他の女に皇太子妃の座を奪われるなんてな!本当にお前はここぞという時に役に立たないのは相変わらずだな」


ルノア男爵は更にヒートアップしてグレイスに怒鳴り言った。


すると下を向き体を震わせ黙っていたグレイスがゆっくりと顔を上げた。


「大体お前が、、」


ルノア男爵が頭を掻きむしりながら面倒臭そうに言おうとした時急にギョッとした顔つきになり黙り込んだ。


「、、お父様。あまり興奮しすぎたらお体に悪いので少しお茶でも飲んで落ち着かれてはどうですか?お父様と話したいこともありますし」


グレイスがにこりと不気味な笑みを浮かべながら言った。


「そ、そうだな」


ルノア男爵は先程までの威勢など一切消え慌てて頷きながら言った。





ルノア男爵邸でグレイス達がそんな会話をしていた同じ頃バートン公爵邸では…



「それではお父様、お母様、お兄様行ってきますね」


ステラが真剣な表情で行った。


「あぁ。気をつけるのだぞ」


ダニーが心配そうな表情で言った。


「はい」


ステラは頷きながら言った。


「何か不満な事があれば私も父上も騎士団の団長室にいるからすぐに呼んでくれれば飛んで行くからな」


ジョシュアが心配そうな表情で言った。


「はい」


ステラは頷きながら言った。


「本当にこれが最善策なのよね?」


ミシェルが心配そうな表情で言った。


「はい。これが最善策です。今のこの状況でこれ以上の最善策はないほどです」


ステラが困り笑みを浮かべて言った。


「はぁ。最善策が殿下との婚約とはな」


ダニーが不満気な表情で言った。


「まったくです。一度はせっかく皇太子妃候補を放棄したというのに」


ジョシュアも不満気な表情で言った。


「まぁまぁ2人ともそんなにあからさまに不満な顔をするのはやめて下さいよ」


ステラはフッと笑みを浮かべて言った。


「この最善策が公爵様を助ける事がきっとできるのですから」


ステラは困り笑みを浮かべて言った。


「ステラ」


ダニーが切ない表情で言った。


ジョシュアも切ない表情を浮かべて言った。


「さぁさ、辛気臭い雰囲気はやめましょう。今は無事にステラを皇宮まで送り出すことを考えましょう」


ミシェルが空気を変えるかのように言った。


「そうだな」


ダニーは頷きながら言った。


「はい」


ジョシュアも頷きながら言った。


「リサ。皇宮ではステラの事を頼んだわよ」


ミシェルがステラに付き添うリサへ言った。


「承知いたしました。お任せください」


リサが真剣な表情で頷きながら言った。


「では、そろそろ出発しますね」


ステラが笑顔で言った。


「あぁ。本当に気をつけるのだぞ」


ダニーが心配気に言った。


「私たちもすぐに追いかけるからな」


ジョシュアが言った。


「気をつけてね」


ミシェルが心配そうに言った。


「はい。では行ってきます」


ステラが頷きながら言った。


そして、ステラはバートン公爵邸を後にしてリサを連れて皇宮へと向かった。


(バスティンもう少しだけ辛抱して待っててね。絶対にあたしがあんなありえない場所から出してあげるから)


ステラは皇宮へ向かう馬車の中で強く拳を握りしめながらそんな事を考えていた。






ステラが皇宮に到着すると2日間ステラが滞在する為に用意された部屋へと案内された。


ステラの為に用意された部屋は急遽用意されたとは思えない程素晴らしい部屋だった。


(はぁ。ここで2日も過ごさなきゃなんないんだね。せっかくの素適な部屋だけど気分は全然のらないんだけどね)


ステラはため息混じりに部屋を見渡しながらそんな事を考えていた。


(でも、同じ敷地内にバスティンがいるって思うと気持ち的にこの部屋でも過ごすことができそうだね)


ステラは自分に言い聞かせる様に小さく頷きながらそんな事を考えていた。


「リサ、私の部屋から持ってきた荷物はどこかしら?」


ステラが言った。


「恐らくまだ馬車の荷台から運び入れしている途中かと思われます。急ぎ必要なのでしたらすぐに取りに行ってきますがどうなさいますか?」


リサが言った。


「では、お願いできる?」


ステラが言った。


「承知しました。すぐに取ってまいります」


リサが頷きながら言った。


「ありがとう。よろしく頼んだわ」


ステラが微笑みながら言った。


そして、リサはステラがバートン公爵邸から持ってきた荷物を取りに急いだ。


(とりま婚約式の日に必要な物は持ってきたからあとはそれを再度確認しとけばOKだね)


ステラはそんな事を考えていた。


その時…


コンコンッ…


部屋の扉が鳴った。


「はい」


ステラが言った。


「私だが少しいいかい?」


アーノルドが扉の外でどこかソワソワしながら言った。


(はぁ?アーノルド?何しにきたわけ?!)


ステラは外にいるのがアーノルドだとわかるとあからさまに嫌な表情でそんな事を考えていた。


(面倒臭いけどここで言い返すと後々こっちとしても都合が悪くなるからここは対応するしかないか。面倒だけど)


ステラは不満気にそんな事を考えていた。


そして、ステラは面倒臭いと思いながらも扉の方へと向かい扉を開けた。


ガチャ…


「お入りください」


ステラが扉を開けて外にいたアーノルドへ言った。


(あー面倒)


ステラは内心面倒臭そうにそんな事を考えていた。


「あぁ。失礼するよ」


アーノルドはホッとした表情で言った。


そして、アーノルドは部屋へと入った。


「皇太子殿下にご挨拶申し上げます」


ステラはアーノルドが部屋に入るとて丁寧に挨拶をした。


「あぁ。よく来てくれた」


アーノルドは優しい笑みを浮かべて言った。


(あぁ〜今はアーノルドのあの微笑ましい表情見るだけで反吐が出そうになるんだよね。それをどんだけ必死に堪えてることか)


ステラは必死で嫌な気持ちを堪えながらそんな事を考えていた。


「急遽用意した部屋なのだが気に入ってもらえただろうか?」


アーノルドが少し戸惑い気味に言った。


(ステラ嬢の好みが分からないから一先ず最高の家具を急ぎ取り寄せて完成させた部屋だからステラ嬢に気に入ってもらえるだろうか)


アーノルドは内心不安な気持ちを抱きつつそんな事を考えていた。


「はい。急な事なのにも関わらずこのように素適な部屋を用意して頂きありがとうございます。2日間を快適に過ごすことができそうです」


ステラは嫌な気持ちを抑えつつ丁寧に言った。


(傍から見たらこんな高そうな家具の揃った広い部屋を用意してもらって高待遇で羨ましいってなるんだろうけどあたしはこれっぽちも嬉しくもはいって話だよね。だけどバスティンを助ける為なら何だってへっちゃらよ)


ステラは内心呆れたようにそんな事を考えていた。


「そうか。それならば良かった」


アーノルドはほっとした笑みを浮かべて嬉しそうに言った。


(ステラ嬢がそう言ってくれるだけでこんなにも安心して嬉しくなるなんてな。急いで用意した甲斐があったな)


アーノルドは内心とても喜びつつそんな事を考えていた。


「殿下、この度は急なこちらからの申し出にも関わらず快く申し入れてくださりありがとうございます。一度こちらから皇太子妃候補を放棄したにも関わらず受け入れて下さった事感謝しております」


ステラは丁寧に言った。


(一回こっちから皇太子妃候補なんてやってらんないって断った訳だしこっちから婚約関係を結びたいなんて言っても都合が良すぎるって断れる可能性の方が高いと思ってたからプランBの作戦も考えてたけどまさかこんなに簡単に受け入れてくれるなんて思わなかったからね)


ステラがそんな事を考えていた。


「いや、感謝するのは私の方だからな。狩猟大会の日に君には命を救って貰った恩があるからな。これであの時の恩が返すことができると思っているのだ」


アーノルドは優しい笑みを浮かべて言った。


(本当はステラ嬢から婚約の申し出があったと父上から聞いた時に胸が高鳴る程嬉しかった。皇太子妃候補を彼女が放棄した際とても残念だったからな。いつからか皇太子妃として私の横に達生涯を共にする相手はステラ嬢以外は考えられないと思っていたからな。本当は正直に気持ちを彼女に伝たいが今は狩猟大会の時の恩返しと言っておいた方がいいだろうからな)


アーノルドは少し複雑な表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「そう言って頂けると幸いです」


ステラは丁寧に言った。


(あの時アーノルドを助けたのは自分に死亡フラグ立つと思っての行動だったしその後何かお返しをしたいと言われてもアーノルドと関わるのはごめんだと思って断ったけどまさかこんな時にその時の事が役に立つとはね)


ステラな内心苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


「ステラ嬢が婚約を申し出したのは、、」


アーノルドは途中まで言うと一瞬拳を軽く握りしめ続けて言うのをやめた。


ステラはそんなアーノルドに??という表情を浮かべていた。


(いや、これは今は言うのはやめておこう。ステラ嬢が私へ婚約を申し出したのは以前私がラスター公爵と関わるとステラ嬢の評判まで悪なると言う発言をしたからラスター公爵と関わるのをやめて私を選んだのか?と聞きたかったがあえて今聞く必要もないだろう。ステラ嬢がラスター公爵ではなく私を選んだという事実が目の前にあるのだから)


アーノルドは自分に言い聞かせるかのように複雑な表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「いや、何でもない。皇宮まで来るのに疲れただろうし2日後の準備もあり明日からは忙しくなるだろうから今日はゆっくり休むといい」


アーノルドは優しい表情で言った。


(今回の婚約式は何故か急ピッチで行われるのもあり準備が間に合うか心配だが私が寝る間を惜しんででも思い出に残る素晴らしい式にしたい。婚約指輪はどうにも間に合わないようだが指輪は後日渡そう。急ぎ作らせても良いものは作れないからな)


アーノルドはそんな事を考えていた。


「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて今日はゆっくり休ませて頂きます」


ステラは丁寧に言った。


「あぁ」


アーノルドは優しい表情のまま頷きながら言った。


そして、アーノルドが部屋を後にした。


アーノルドが部屋から出て足音が遠のくのを確認すると思い切りベッドへ飛び込んだ。


「ふぁぁぁぁぁ〜」


ステラは体を仰向けにすると体を思い切り伸ばしながら声を漏らした。


「ふぅ~」


ステラは心なしか疲れた表情で言った。


(アーノルドの奴が急に来るから思わず気を張っちゃったわ)


ステラは天井を見上げながらそんな事を考えていた。


(何だかんだでこの状況まで持ち込めて良かった)


ステラは更にそんな事を考えていた。


(今回の策は両陛下の許可もちゃんと貰ったから後はぬかりなく策を実行するだけだよね。この策にバスティン、、いやバスティンとあたしの輝かしい幸せでラブラブな未来がかかってんだから失敗は許されないよね)


ステラはグッと天井に拳を突き上げながらそんな事を考えていた。


そこに…


コンコンッ


「ステラ様戻りました」


部屋の扉が鳴りリサが言った。



「入って」


ステラはニヤリと笑を浮かべて言うと体を起こした。


ガチャ…


「失礼致します」


リサがドアを開けて言うと部屋へ荷物を抱えて入ってきた。


「一先ずはステラ様のお部屋から持ってきた荷物だけを持ってきましたが」


リサが荷物を置きながら言った。


「ありがとう。その荷物だけで大丈夫よ」


ステラがにこりと微笑みながら言った。


そして、ステラは鞄を開けて中身を確認し始めた。


「うん!忘れ物はなく完璧ね」


ステラは鞄の中を見てくすっと笑みを浮かべながら言った。


「本当にここにある物だけで大丈夫なのですか?ステラ様に何かあったら私もですがご当主様や奥様、ジョシュア様もまともではいられません」


リサが鞄の中の物を見ながら心配そうに言った。


(ステラ様が考えた策はいくらラスター公爵様を助けるからとだと言っても危険な目に遭わないとは言い切れないものだわ。だからこそ心配でたまらないわ)


リサはそんな事を考えていた。


「大丈夫よ。心配いらないわ。必ずこの作戦は成功させてみせるから。私に何かあったら公爵様が釈放されたとしても意味がないでしょう?そんな未意味になるなんてありえないわ」


ステラは自信満々に笑顔を浮かべて言った。


「それともリサは私が信じられない?」


ステラが困った表情で言った。


「いえそんなことはありえません。私はステラ様を心から信じています」


リサが慌てて真剣な表情で言った。


「でしょ?だから心配しないでそのまま信じてくれていたらいいから。だからリサもしっかり協力してね」


ステラは笑いながら言った。


「はい」


リサはそんなステラを見て安堵した表情で笑顔を浮かべて言った。


「さぁ、今のうちに下準備を念入りにしておくわよ」


ステラが鼻を鳴らして言った。


「かしこまりました」


リサは気合を入れながら言った。


(泣いても笑っても一発勝負。絶対に勝ってバスティンを思い切りハグするんだから)


ステラは更に鼻を鳴らしながらそんな事を考えていた。


それから婚約式の準備の為にバタバタと時間が過ぎていったのだった……




婚約式当日…


「ステラ様終わりました」


リサが額の汗を手で拭いながら言った。


「ありがとうリサ。完璧だわ」


ステラは鏡に映る自分を見て満足気に笑みを浮かべて言った。


鏡に映るステラはシンプルな淡いクリーム色のドレスを身に着けていた。

ヘアスタイルもシンプルにし全体的に落ち着いた装いだった。

しかし、それにも関わらずステラはとても美しかった。


「例のものもしっかりと詰めておきました」


リサが真剣な表情で言った。


「ありがとう」


ステラは真剣な表情で言った。


「いよいよだわ」


ステラは真剣な表情で鏡を見ながら言った。


「はい」


リサは心配そうな表情で言った。


「リサ、大丈夫って言ったでしょう?」


ステラは困り笑み浮かべて言った。


「はい」


リサは困り笑みを浮かべて言った。


「そろそろお父様達が到着する頃だわ。リサお父様達と殿下に支度が完了したと伝えてきてもらえる?」


ステラは笑顔で言った。


「かしこまりました」


リサはグッと唇を噛み締めながら真剣な表情で頷き言った。


「よろしくね」


ステラはリサを安心させるかのように優しい笑みを浮かべて言った。


そして、リサがステラを一人残し部屋を出ていった。


「ステラ、ここが正念場よ」


ステラはグッと拳を握りながら呟いた。


その時…


コンコンッ…


部屋の扉が鳴った。


「はい」


ステラが扉の方を見て言った。


「ステラ様、ルノア男爵家のグレイスでございます」


扉の向こうからグレイスの声がした。


ステラはじっと扉を見つめると扉へ向かって歩き出した。


(やっぱり来たわね)


ステラが扉を見つめつつそんな事を考えていた。


ガチャ…


「グレイス様?」


ステラは扉を開けると扉の前にいたグレイスへ言った。


「グレイス様どうされました?何故ここへ?」


ステラが不思議そうに言った。


「あの、ステラ様にお祝いの言葉を直接お伝えしたくて来ました」


グレイスは少しもじもじしながら言った。


「、、そうなのですね。わざわざ直接こんな場所まで来てくださらなくても良かったのに」


ステラはにこりと微笑みながら言った。


「せっかくいらしたのですから中へどうぞ」


ステラが微笑みながら部屋の中へ手を向けて言った。


「はい。ありがとうございます」


グレイスは優しい笑みを浮かべて言うと部屋の中へと入った。


「先程、支度を済ませたばかりなので散らかっていますがどうぞおかけになってください」


ステラが笑顔で言った。


「ありがとうございます」


グレイスが言った。


「そのドレスとても素敵ですね」


グレイスがステラをじっと見て言った。


「そうですか?ありがとうございます。殿下が贈って下さったドレスなので褒めて頂けて嬉しいです」


ステラは満面の笑みを浮かべて言った。


「殿下からの贈り物なのですね。さすがは殿下ですね。とてもステラ様に似合っていますから」


グレイスは少し俯き気味に言った。


「ええ。急に決まった婚約式だと言うのにこんな素適な物を用意してくださるなんてさすがは殿下です」


ステラはにこりと微笑み言った。


「、、、本当に急に殿下とステラ様が婚約なさると聞いて驚きました」


グレイスがぼそりと言った。


「あぁ、ステラ様。首元のネックレスが取れかかっていますよ」


グレイスがステラを後ろ姿を見て言った。


「え?本当ですか?やだわ。ここかしら」


ステラはそう言うと首元に手をやった。


「ステラ様、私が直して差し上げますからご安心ください」


グレイスはにこりと微笑みながら言った。


「本当ですか?助かります。宜しくお願いします」


ステラはホッとした表情で言った。


「はい。お任せ下さい」


グレイスはにこりと微笑みながら言うとステラに近づいた。


「本当にうちの侍女はそそっかしいの、、ゔゔぅぅ」


ステラが困り笑みを浮かべながら言ったその時後ろにいたグレイスに突然ハンカチのようなもので口を抑えつけられ鈍い声を漏らした。


「本当にそそっかしい侍女ですね。部屋にステラ様を一人にするなんて、、」


グレイスはステラの口を抑えつけながら悪い笑みを浮かべて呟いた。


ステラはハンカチを取ろうとしたが急に力が抜けて目を閉じたのだった。




バシャッ…

バシャッ…


「んんん」


ステラは何か冷たいものを感じて目をゆっくりと開けながら声を漏らした。


「やっと目が覚めたようだな」


男がステラに向かって苛立ちの混じる声で言った。


「ルノア男爵?」


ステラが顔を上げて男を見て言った。


「それにグレイス様?」


ステラはルノア男爵の後ろに立っていた人影を見て言った。


「やっとお目覚めね」


グレイスはステラの方をゆっくり歩きながら冷たい表情で言った。


「ここは一体どこなのですか?何が目的でこんな事を?」


ステラは冷静に言った。


バチンッ…!!


その場に大きな鈍い音が響き渡った。


グレイスがステラに近づくとステラの頬を思い切り叩いたのだった。


「どうしてこんなことを?何が目的?」


ステラは頬を叩かれたにも関わらず動じる事なく冷静な表情でグレイスを見て言った。


(まさかのまさかだね。悪役令嬢キャラのあたしがヒロインのグレイスに頬を引っ叩かれるなんてね。本当に目の前にいるグレイスがヒロインと呼べるのか疑問だよね。これがグレイスの本性だよね。それにしても思い切り引っ叩いてくれたもんだね)


ステラは内心あんぐりしながらそんな事を考えていた。


グレイスはステラのそんな表情を見て苛立ちの混じりに表情を歪ませた。


「とうして?ですって?」


グレイスは呆れ笑みを浮かべて呟いた。


「グレイス様が何故私にこの様な事をするのか見当もつかないので聞いたまでです」


ステラは淡々と言った。


「ははははは」


するとグレイスが突然大声で笑った。


大声で笑うグレイスをステラは表情を変える事なく見ていた。


(本当にあんな気の狂ったような笑い方してどっちが悪役かわからないっての)


ステラは高々に笑うグレイスを見てそんな事を考えていた。


「本当にそういうところが最初から癪に障ったのよね」


グレイスは急に笑うのを止めてとても冷たい目をしてステラを見下ろしながら言った。


「そういうところ?」


ステラは淡々と言った。


「そういう私は間違ってませんよみたいな正義感振りかざしたような態度が本当に癪に障るのよね。公爵令嬢だからって調子に乗って男爵令嬢の私に説教じみた事を何度も言うしね」


グレイスは冷たい表情で吐き捨てるように言った。


「それにアーノルドは私のものだっていうのにどうしてあんたが邪魔するの?あんたはラスター公爵とよろしくやってたんじゃないの?アーノルドに興味ないふりして実はやっぱりアーノルドを狙ってましたってオチ?」


グレイスは冷たい不気味な笑みを浮かべて言った。


「本当ならアーノルドの横に立ちアーノルドと結婚して皇太子妃になるのはこの私なのよ?それなのにどうしてあんたと婚約するの?ラスター公爵が捕まったからってすぐ乗り換えるわけ?このクソあばずれ女!」


グレイスは冷たい表情を浮かべたかと思うと今度は目を血走せながら言った。


(ちょっとグレイスってば目が血走ってるし口悪すぎない?)


ステラはグレイスが段々と昂ぶる様子を見てそんな事を考えていた。


「お金も権力もアーノルドの愛も全て私のものなのにどうしてあんたはいつも邪魔ばかりするのよ」


グレイスは更に目を血走らせながら言った。


ステラはグレイスの言葉を聞いてことごとく呆れた表情を浮かた。


「悪事を働いた人がお金?権力に愛?皇太子妃ですって?笑わせないでもらえますか?寝言は寝て言えという言葉を知らないのですね」


ステラは軽蔑の眼差しを浮かべて鼻で笑いながら言った。


「悪事?なんのことですか?もしかしてあんたを攫ってここへ連れてきた事を言ってるわけ?」


グレイスは首を傾げながら平然と言った。


「狩猟大会で私を襲うように仕向けたのはあなたでしょう?」


ステラは鼻で笑いながら言った。


「私が?何のこと?私が仕向けたって証拠でもあるの?」


グレイスは呆れ笑みを浮かべて言った。


「まぁ、たとえ証拠がなくてもあなたがした事が結果的に自分に仇となって返ってきた訳だし?だってあの日私が殿下をピンチから救ったから殿下との婚約が決まったのだから私的には感謝しなきゃかしら?」


ステラはふっと鼻で笑いながら言った。


「なんですって?」


グレイスは一瞬で表情を歪ませて言った。


「だからあの狩猟大会の日にあんな事件がなければ今頃殿下の横にいたのはあなただったかもしれないってこと」


ステラは淡々と言った。


(まぁ結局はグレイスの自業自得なんだよね)


ステラはそんな事を考えていた。


「ハッ。本当にどこまでもムカつく女だね」


グレイスは先程までの平然さが嘘のように再び血走った目をして言った。


「それに、、狩猟大会の事だけだと思う?私が知っていることが」


ステラはグレイスとルノア男爵2人を交互に見ながら言った。


「それはどういう事だ?」


先に反応したのはルノア男爵だった。


「グンダリルの流出・強要、嘘の情報流出、ラスター公爵に罪をなすりつけた罪、自作自演による皇室および皇室騎士団へ混乱を招いた罪、殺人未遂および、、殺人。罪という罪しか犯してるわね」


ステラは軽蔑の眼差しを浮かべて言った。


「それに、、町の女の子達を誘拐して売り飛ばそうとしたことも誰も知らないと思っていたの?」


ステラは軽蔑の笑みを浮かべて言った。


「な、何故その事を」


ルノア男爵は一瞬にして表情を歪ませて言った。


(あぁ、やっぱりあたしが巻き込まれた誘拐事件もこの人達の仕業だったんだね。あの事件は最初特にグレイス達とは関係ないと思ってて試しにカマかけてみたらあっさり自分達の仕業だと認めるとはね。でもよく考えたら孤児院のメグがいた時点で孤児院に頻繁に通ってたグレイスが手を回したってのが今ならわかるわ)


ステラは呆れた表情でそんな事を考えていた。


「クソッ」


その時、ルノア男爵が怒りに満ちた表情で吐き捨てるように言った。


そして勢いよくステラの髪の毛を思い切り掴んだ。


「ゔゔぅっ」


思い切り髪の毛を掴まれたステラが声を漏らした。


(この男思い切り髪の毛引っ張ってんじゃん。手足縛られてるから抵抗もできないじゃん)


ステラは腹を立てながらそんな事を考えていた。


「知られてしまったのならお前を始末するのみだ」


ルノア男爵はステラを睨みつけて吐き捨てるように言った。


「お前さえ始末してしまえばいくらでも誤魔化しなどきくからな」


ルノア男爵は悪い笑みを浮かべて吐き捨てるように言った。


(この男馬鹿すぎない?あたしが知ってるって事は=お父様達も知ってるって事だよ?天パりすぎてそんな思考すら働かないわけ?誤魔化せるわけないじゃんか)


ステラは髪の毛を掴まれながらありえないといわんばかりの表情でそんな事を考えていた。


「グレイス、持ってきたナイフをよこせ。俺がズタズにぶっ刺して息の根を止めてやる」


ルノア男爵はステラの髪の毛を掴んだままグレイスに手を出しながら言った。


しかし、グレイスは黙っていた。


「グレイス早くナイフよこせ」


ルノア男爵は苛立ちながら言った。


しかし、グレイスは黙っていた。


「グレイス!!」


ルノア男爵は更に苛立ちながら言った。


「大体、お前がしっかりとやっていたらこんな事にはならなかったんだ。お前がしっかりと殿下の心を掴んでいたらこんな女に横取りされずに済んだしこんな女に俺たちのやった事がバレる事もなかったんだ」


ルノア男爵は怒りに満ちた表情で怒鳴りあげた。


「お前は昔からそうだ。いつも口では自信たっぷりに言うが実際はいつも失敗してばかりだ。親の言う事1つもまともにできずいつも俺の足を引っ張りやがるんだ」


ルノア男爵は更に苛立ちを募らせながら言った。


「実際、お前がラスター公爵家の使用人をあんな信用のかけらもない奴らを雇い見張りを任せたせいで使用人を連れて逃げてしまい計画の一部がだめになったんだぞ?!お前なんかに人材を選ばせるべきではなかったんだ。この何もできない愚かやな奴め」


ルノア男爵は更に怒りを込めて吐き捨てるように怒鳴りつけた。


(おいおい、あんたがグレイスに言える立場はわけ?あんたもグレイスと一緒んなって悪女働きまくってたんだからあんたも同罪なのに人にばっかり文句言っちゃって本当に人としてヤバすぎない?)


ステラはルノア男爵のグレイスへの罵倒を聞き呆れた表情でそんな事を考えていた。


(それにルノア男爵はグンダリルを摂取してるっぽいね。この興奮具合と少しばかり怒鳴ったくらいで息切れしてるし目の周りが不自然なくらい真っ赤じゃん。前世のドラマとかで麻薬中毒者のメイクとかしてる俳優さんとか見たことあったけど本当に中毒者ってわかりやすく顔に出るんだね)


ステラはルノア男爵を見て眉間にしわを寄せながらそんな事を考えていた。


「本当に役立たずの娘だ。本当にお前というやつは、、」


ルノア男爵が更にグレイスを罵倒する言葉を吐き捨てているその時だった…


グサッ…


鈍い音がその場に響いた。


(え?)


ステラは音がしたところを見て目を見開き驚いてそんな事を考えていた。


「お、お前、、ぐゔゔぅぅっ」


ステラがそんな事を考えたのと同時にルノア男爵が表情を歪ませて鈍い声を漏らした。


(嘘でしょ)


ステラは目の前の光景に驚きを隠せずそんな事を考えていた。


何とずっと黙っていたグレイスがナイフでルノア男爵のお腹を刺していたのだった。


シュッ…


グレイスは無表情でナイフを勢いよく抜いた。


ピシャッ…


ナイフが抜けた瞬間にルノア男爵のお腹から勢いよく血が飛び散った。

飛び散った血はグレイスの顔にも体にもべったりと付いていた。

もちろんすぐそばにいたステラの顔にも飛び散った。


グサッ…

グサッ…



そして、驚くステラと表情を歪めているルノア男爵をよそにグレイスは再びルノア男爵のお腹へナイフを突き刺した。


それも何度も何度も…


その度に血がステラとグレイスに飛び散った。


「グハッ」


何度刺されたかわからないルノア男爵は鈍い声を漏らしながらその場に倒れ込んだ。


「お前、、よくも、、」


ルノア男爵は表情を歪めて力を振り絞りグレイスを睨みつけて呟いた。


ルノア男爵に睨まれたグレイスの顔は飛び散った血など気にもしてないかの様に冷たく淡々としていた。


「どうして自分の父親を」


ステラが信じられないという表情で呟いた。


(いくらクズな父親だからってこんなに躊躇いもなく刺せるもんなの?それも何度も何度も。本当に目の前にいるのはあの心優しいヒロイン・グレイスなの?)


ステラは驚きの表情でそんな事を考えていた。


「ふふふ、、ははははは」


その時グレイスが大声で不気味な笑い声をあげた。


ステラとルノア男爵は驚いた。


「父親ですって?」


グレイスの狂気ともよべる笑みを浮かべて言った。


「笑わせないでくれる?こんな奴を父親だなんて思ったことは一度たりともないわ。むしろ死んで当然な奴だと思ってるんだから。こんなクズみたいな男は何度刺したって気が済まないわ」


グレイスは憎しみに満ちた表情を浮かべて言った。


「私が役に立たない奴ですって?役に立たないのはどっちかしら?ラスター公爵家の使用人を私が雇った人間に連れて逃げられた?だから?あんたは知らないでしょうけど別に雇った奴らから使用人達を連れて逃げた男も使用人達も見つけてすでに別の場所で拘束していると連絡をもらってるのよ?その連絡すら耳に入ってないのよね?それにこれまで私が全て計画を立てて上手くいっていたのにあんたがしょうもないミスばかりするから計画が狂っていったのよ?一体どっちが無能なのかしらね?」


グレイスは憎しみと軽蔑の混じる表情で苦しむルノア男爵を見下ろしながら吐き捨てるように言った。


「あんたの方がよっぽど無能なクソ野郎なのがわかんないのかよ」


グレイスはそう言うとルノア男爵の刺された場所を思い切り蹴り上げた。


ドカッ…

ドカッ…


グレイスは何度も同じ場所を容赦なく蹴り上げた。


(一体グレイスはどれだけルノア男爵を憎んでるわけ?!一体2人の間に何があったっていうの?!罪を犯したのは2人とも一緒なんだしお互い様でしょうに)


ステラは目の前の光景を見て驚きを隠せずそんな事を考えていた。


「ぐふっ」


ルノア男爵は蹴られる度に鈍い声を漏らした。


「ちょっとこれ以上は死ぬわよ」


さすがに見かねて思わずステラが言った。


(あんだけ出血してんだからさすがに死ぬじゃん)


ステラは慌ててそんな事を考えていた。


するとステラの声を聞いたグレイスがピタッと蹴るのを止めた。


ステラはそれを見てホッした表情を浮かべた。


(ふぅ。良かった。いくらクズな男でもさすがにここで死なれたら困るもんね)


ステラはホッとしながらそんな事を考えていた。


しかし、ステラがホッとしたのも束の間…


グサッ…


グレイスが再びナイフでルノア男爵の胸めがけて思い切り刺した。


胸を刺されたルノア男爵は一瞬体を仰け反るとすぐに力尽きた。


(ちょっと嘘でしょ?ルノア男爵を殺してしまうなんて)


ステラは息絶えたルノア男爵を見て表情を歪めてそんな事を考えていた。


「ははははは。ついに殺ってやったわ。この手でこの男を殺してやったわ。ざまあみろこのくそ男。地獄に落ちやがれ」


グレイスは高笑いを浮かべて息絶えたルノア男爵を見下ろして言った。


瞳孔が開き目が血走っているグレイスはヒロインの面影などなかった。


(グレイスも、、グンダリル中毒なんだわ)


ステラは目の前のグレイスを見て確信した様にそんな事を考えていた。


「正気の沙汰じゃないわ」


ステラは表情を歪めて呟いた。


「正気の沙汰じゃない?」


グレイスは笑うのを止めて冷たい表情でステラを見て言った。


「あんたなんかに何がわかるって言うの?温室育ちで家族からも愛されてるあんたなんかに私の気持ちがわかるわけないわ」


グレイスは更に冷たい表情で言った。


「こいつのせいで私がどれだけ惨めで辛い思いをしたか想像だってできないでしょ?できるわけないわよね」


グレイスは更に言った。


「二度もこんな奴の娘になった気持ちがあんたにわかるのか?!一度目も二度目も私のお陰で薬で金儲けできたのに汚い仕事は全部私に任せて自分はのうのうと私に命令するだけの無能なクソ野郎なんかが二度も父親になりやがった。一度目はこのクズ野郎のせいで死んだ。今度は私に殺されて当然なんだよ」


グレイスは瞳孔が開きに開き激しい憎しみのこもった表情で叫んだ。


(ちょっと待ってよ。嘘でしょ?グレイスもルノア男爵もあたしと同じ転生者だってこと?!)


ステラはグレイスの言葉を聞きあまりにも驚いてそんな事を考えていた。


「このクソ野郎だけじゃない。私の役に立たないやつ、言うことを聞かないやつ、使い道がなくなったやつなんて死んで突然なんだよ」


グレイスは更に激しく叫んだ。


(前世でもこのくそ野郎のせいでどれだけ不幸な人生だったか。前世の時からこの男を何度殺そうと思ったことか。こんなやつ何度殺しても足りないわ)


グレイスはそんな事を考えていた。


「だからユージャンを殺したの?」


驚いていたステラはグレイスの言葉を聞き一瞬にして表情を歪ませてグレイスを睨みつけて言った。


「ユージャン?あぁ、あの小汚い孤児の事?あのガキはことごとく使い物にならなかったのよね。言われた事もまともに出来ないからあの花祭りの日にどれだけイライラしたか。あの日あんたらと別れてからすぐにあのガキしくしく泣き出して本当に鬱陶しかったのよ。泣けば誰かが助けてくれるとでも思ったのかしら?世の中そんなに甘いもんじゃないっていうのに。鬱陶しすぎて予定より早く殺しちゃったわよ」


グレイスは笑いすら浮かべて言った。


(昔から子供なんて大嫌いだったっていうのにわざわざ孤児院なんかに足を運ばないといけないってだけでストレスだったし気分が悪くて仕方なかったのに。こっちに足を運ばせておいて使えない子供ばかりだったから余計に腹が立ったわ)


グレイスはそんな事を考えていた。


「まだ幼い子供だったのよ?!ユージャンはこれから孤児院で孤児院の子たちと楽しく暮らす予定だったのよ?!それなのに、、あんな無残に殺してしまうなんて」


ステラは悔しさと怒りで震えながらグレイスを睨みつけて言った。


「孤児が1人居なくなったくらいで大袈裟だね。孤児院にいる孤児達なんて貴族にぺこぺこして自分の価値を示すしかない無能なんだから。現に私が持っていくお菓子を何の躊躇いもなく食べてたんだから。お陰でグンダリルの効果が十分にわかったわ。それだけで少し存在価値があったわね。ただそれだけだけどね」


グレイスは淡々と言った。


(存在価値っていっても本当に微々たるもんだったけどね)


グレイスは面倒臭そうにそんな事を考えていた。


「あぁ、ちなみにあのロムってガキは死に損ねたみたいだね。あんたとラスター公爵が助けたんだってね。本当に余計な事ばかりすわね。あのガキ汚い手で私に触ってきたから目障りだったから死んで欲しかったのに」


グレイスは残念そうな表情で言った。


(本当に虫唾が走るくらいうざかったわ。ばい菌だらけの汚い手で触ってくるなんてどれだけあの場でぶっ飛ばしてやりたかったか)


グレイスはその時の事を思い出して苛立ちながらそんな事を考えていた。


「たかがそんな理由で何の罪もない子供を殺そうとしたわけ?」


ステラはもう怒りでおなしくなりそうになりながら言った。


(狂ってる。人じゃないよ)


ステラは怒りの中そんな事を考えながら縛られた手を固く握りしめた。


「そんな理由?高貴な立場になる私に孤児ごときが汚い手で触れたのよ?そんな事が許されるわけないわ」


グレイスが不満気に言った。


(もし彼女が本当のグレイスだったら絶対にこんな事は言わなかったし子供達が辛い目に遭うこともなかっただろうに。本当にこの女イカすぎてる)


ステラは怒りと悔しさでいっぱいな表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「本当に最低ね。何が高貴な立場よ。ただの犯罪者なのに。高貴な立場のラスター公爵を罪もない子供を使って陥れるだけに飽き足らず自作自演までする人が高貴ですって?本当に高貴な人達が聞いて呆れるわ」


ステラはグレイスを軽蔑の眼差しで呆れ笑みを浮かべて言った。


「黙れ黙れ黙れ黙れ」


グレイスはステラの言葉を聞き頭にきたのか血走る目を思い切り見開き叫び言った。


「ラスター公爵も孤児達と何も変わらない人間でしょ?ラスター前公爵の醜く呪われた私生児なんだから。私生児ごときがこの私に虫けらを見る様な目を向けたのよ?あんな奴は汚い牢獄がお似合いだから私がお似合いの場所に連れて行ってあげんたんだから感謝して欲しいくらいだわ」


グレイスは苛立ちを込めて吐き捨てるように言った。


(あんな奴は最初から処刑されるって決まってんだよ。それなに偉そうにしやがって)


グレイスは苛立ちながらそんな事を考えていた。


「感謝ですって?!私生児だろが皇帝陛下に公爵として認められた方よ?男爵令嬢にすぎないあなたが身分が遥か上の公爵様を侮辱したんだからそんな目で見られても仕方がないんじゃないの?」


ステラは淡々と少し小馬鹿にするように言った。


「本当にどこが高貴な人間なのかますます理解に苦しむわ。本当に頭どうかしてるんじゃないの?」


ステラは鼻で笑いながら言った。


(バスティンを侮辱しただけじゃなく濡れ衣まできせてあんな暗くジメってる場所に何日も閉じ込めた女が何が高貴だよ。何が感謝だよ。ふざけるな。こんな頭いっちゃってる人に高貴のこの字もあるわけないでしょう)


ステラは苛立ちながらそんな事を考えていた。


バチンッッッ…


ステラがそんな事を考えているとグレイスが物凄い剣幕でステラの頬を叩いた。


「本当にどこまでも私をイラつかせるクソ女。悪役令嬢の分際で私の邪魔ばかりしやがって」


グレイスは怒りを露わにし大声で吐き捨てた。


バチンッッッ…


「私はこの世界のヒロインなんだ。ヒロインの私が皆に愛されるのは当たり前なんだよ。主人公の横に立つのはヒロインのこの私だ!悪役令嬢のあんたも薄汚い呪われた化け物公爵も孤児達の様に野垂れ死ぬべきなんだよ」


グレイスは更に思い切りステラの頬を叩きながら瞳孔を見開き吐き捨てるように言った。


(この世界のヒロインに転生したと知った時に神様が私を見捨てなかったんだと思ったわ。あのくそ野郎も一緒に転生した事は不幸でしかなかったけどヒロインというだけで私には幸せな未来しかなかったから。ヒロインは何をしても結局幸せになるって最初から決まってるんだから)


グレイスはそんな事を考えていた。


(グレイスはただこの世界に転生したあたしと同じ日本人の転生者じゃないってことね。前世で"オンラブ"を読んでたみたいだね。今の言葉でそれは間違いないね)


ステラは頬がひりつくのを感じつつそんな事を考えていた。


(それにしてもイラッとしたらすぐ叩くの勘弁してよね。グンダリルを摂取してるから余計に気持ちが昂りやすいんだろうけどね。グレイスの爪とな目の下とかよく見ると恐らくまぁまぁの中毒具合だよね。随分前なら摂取してるに違いないね。それにさっきのグレイスの発言からすると恐らく前世でもルノア男爵と親子で薬の売買してたっぽいもんね)


ステラはそんな事を考えていた。


(とりまあたしも転生者だってことは言わない方がよさそうだよね)


ステラは更にそんな事を考えていた。


「私が悪役令嬢ですって?私から見たらあなたの方がよほど悪役令嬢じゃないの?本当の物語のヒロインなら犯罪なんて犯さないんじゃない?この事実が殿下の耳に入ったら彼はあなたをどう思うかしらね?きっと軽蔑の目を向けられるでしょうね」


ステラは鼻で笑いながら言った。


「うるさいうるさい黙れ」


グレイスは怒鳴り言った。


「あんたなんて死ねばいいんだよ。私が最高に苦しい処刑を執行してやるわよ。悪役令嬢にお似合いのね」


グレイスは狂った様な目で言うとナイフをステラの腹に向かって思い切り振りかざした。


(悪役令嬢ステラは処刑される運命なんだよ)


グレイスはそんな事を考えていた。


ステラが覚悟を決めた顔をした時だった。


バーーーーン!!


思い切り扉が蹴り飛ばさた。


扉が蹴り飛ばされた音を聞いたグレイスは突然の事に驚いたが構わずステラの腹目指してナイフを突き刺した。


「ゔゔぅっっ」


ステラが鈍い声を漏らした。


「ステラーー」


「スーー」


その光景を見たダニーとジョシュアが血相を変えて叫び中へと入ってきた。


そう…

扉を蹴り飛ばしたのはダニーだった。


ダニーとジョシュアに続いてペーターも中へ入ると瞬時にグレイスをステラから離しグレイスの体を動けない様に拘束した。


「離せ」


グレイスが抵抗しながら言った。


しかし、ペーターは思い切り力を入れてグレイスの手足を押さえ込んでいたのでびくともしなかった。


「ステラ」


「スー」


ダニーとジョシュアはすぐにステラの体を支えてステラを横たわらせた。


ステラの腹にはグレイスが刺したナイフが刺さったままだった。


「ははははは。ざまあみろ!私がやってやったわ。悪役令嬢を処刑しめやったわ。これで私の邪魔をする奴らはいなくなったわ。ははははは」


グレイスはステラにしっかりナイフが刺さり大量の出血をしているのを見ると甲高く笑いながら狂ったように言った。


「貴様」


ダニーがそんなグレイスを睨みつけて言った。


「ステラ嬢」


そこへ慌てて走り入ってきたアーノルドが言った。


急に皇宮から消えてしまったステラを探していたアーノルドがサティスの誘導でその場にやってきたのだった。


「ステラ嬢、、?」


アーノルドは中に入るやいなやダニーとジョシュアに腕の中で横たわり腹にナイフが刺さり大量の血が流れているのを見て表情を歪めて言った。


(ど、どういう事だ?何故ステラ嬢がこんな場所で刺されて血を流しているのだ?)


アーノルドは目の前の光景が理解できず表情を歪めたまま唖然とそんな事を考えていた。


「で、殿下がどうしてここへ、、?」


急にやってきたアーノルドを見てグレイスが顔色を悪くさせて呟いた。


(え?何で?何でここにアーノルドがいるの?アーノルドは皇宮にいるはずでしょ?)


グレイスは戸惑いながらそんな事を考えていた。


「グレイス嬢、、?まさか君がステラ嬢を刺したのか?それに、、ルノア男爵も?」


アーノルドはグレイスとルノア男爵の遺体に気づき表情を歪めて言った。


「い、いえ、その私は、、私ではありません」


グレイスは更に顔を真っ青にして戸惑いながら言った。


(違う。アーノルド違うのよ)


グレイスは戸惑いながらそんな事を考えていた。


そんなグレイスをアーノルドはとても冷たい表情で見下ろした。


「殿下?」


グレイスは今まで自分に見せたことのない冷たい表情が自分に向いているのを見て驚きのあまり呟いた。


「ど、どうしてそのような、、」


グレイスが戸惑いながらそう呟いた。


(何でアーノルドがヒロインで愛する私をそんな目で見るの?いつどんな時でもそんな目で私を見たことなんてないじゃないの)


グレイスは驚きを隠せずそんな事を考えていた。


「何が違うというのだ?君以外の二人は刺されて倒れているのだぞ?君以外に誰がその様な事をするのだ」


アーノルドは怒りを露わにして大声で言った。


「ち、違う。私じゃありません。私はその悪役令嬢に嵌められたのです。私はヒロインなのですよ?ヒロインの私がそんな恐ろしい事をする訳がありません。そんな訳、、」


グレイスはアーノルドの態度に戸惑いおどおどしながら呟いた。


(違う。こんな状況ありえないわ)


グレイスは戸惑いつつそんな事を考えていた。


「誰に嵌められたですって?」


その時、むくっと起き上がったステラがグレイスを睨みつけて言った。


「ステラ嬢」


起き上がったステラを見てアーノルドが慌てて言ってステラの元へ駆け寄った。


「ど、どうして?」


グレイスはステラを見て驚き言った。


(どうして?確かに私に刺されて死んだんじゃないの?)


グレイスは戸惑いながらそんな事を考えていた。


「どうしてですって?」


ステラは淡々と言った。


「それはね」


ステラはそう言うと刺さったナイフを抜き取り刺された場所をナイフで切り始めた。


ビリ…

ビリビリ…


「何をする気だ」


アーノルドが慌てて言った。


「これがどうして?の理由よ」


ステラはそう言うと何を切り取った場所を指さした。


「あなたが刺したのは私のお腹ではなくこの豚ブロックコルセットと絵の具で作った大量の血糊よ」


ステラが指を差したまま言った。


「そんなまさか」


グレイスは驚きを隠せないまま言った。


「一体どういうことなんだ?」


アーノルドは状況が掴めず戸惑いながら言った。


「全てこうなる事を予想した上での作戦だったのです」


ステラは淡々と言った。


「何ですって?作戦?」


グレイスは顔を歪めて意味がわからないという表情で言った。


(何を言ってるの?)


グレイスはそんな事を考えていた。


「作戦だと?待て。君の言っている意味がよく分からないのだが」


アーノルドは更に戸惑い言った。


(一体どういうことなんだ?意味がわからない)


アーノルドはそんな事を考えていた。


「私が計画した作戦はラスター公爵様を陥れた犯人を暴き出して公爵様の無罪を確実に証明する為のものです」


ステラが堂々と言った。


「ラスター公爵の無実を証明する為ですって?」


グレイスは顔を引きつらせながら言った。


アーノルドは驚いた表情を浮かべていた。


「まさか、バートン公爵達もステラ嬢の計画を知っていたのか?」


アーノルドは戸惑いの表情を浮かべて言った。


「はい。私がお父様やお兄様に計画の協力をお願いしましたから」


ステラは淡々と言った。


(そ、そんな)


アーノルドは唖然としたままそんな事を考えていた。


「あんたはこうなる事を予想して計画を立てたとでも言うの?!」


グレイスは更に顔を引きつらせて言った。


(そんな馬鹿なこと)


グレイスはそんな事を考えていた。


「その通りよ。あなたもルノア男爵もとことん自分の罪を認めそうになったから計画したのよ。きっと私が殿下と婚約したと聞けば居ても立っても居られなくなって私に近づいてくるとふんだのよ。実際思った通りに私に会いに皇宮に来たでしょう?」


ステラは淡々とグレイスを見て言った。


「まんまとあなたとルノア男爵は私の立てた計画に引っ掛かってくれてあなた達親子が犯してきた罪を認めてくれたわ。ラスター公爵に濡れ衣を着せた事も簡単に自白してくれて助かったわ。あなたがルノア男爵を殺したのは予想外だったけどあなた達は私たちの手のひらで上手く転がされていたのよ」


ステラは淡々と続けて言った。


「ステラ・バートンよくも」


グレイスは怒りに満ちた表情で言った。


(このくそ女よくも私を


ステラの話を聞いてアーノルドは驚きを隠せない表情を浮かべていた。


(やっぱりこの計画を立てて正解だったね。絶対グレイスはあたしもアーノルドの婚約話を聞いたらどうして自分との婚約ではないのかとあたしに接触してくると思ってたんだよね。心優しいヒロインのグレイスではなく犯罪者のグレイスなら頭に血が昇るだろうって読んでたわけだしね。まぁまさかグレイスもルノア男爵も転生者だったのは驚きも驚きだったけどね)


ステラはグレイスを淡々と見つめながらそんな事を考えていた。


ステラが立てた計画はこうだった…



〜回想〜


ステラがバスティンと会った後…


「お父様達に折り入ってお話というのは公爵様の無実を確実に証明する為にルノア男爵とグレイス様をおびき寄せ2人に公爵様に濡れ衣をきせた以外もこれまで犯してきた自らの罪の数々を自白させるのです」


ステラは真剣な表情でダニー達へ言った。


ステラが立てた計画はこうだった。


まず、ステラとアーノルドの婚約を認めてもらいあえてバスティンの処分が下される貴族会議でステラとアーノルドの婚約話を発表してもらうこと。

そして、あえて先にステラとアーノルドの婚約式を行いその後にバスティンの処分を言い渡すという報告をしてもらうこと。


そうする事でルノア男爵は怒りと焦りを覚えてステラとアーノルドの婚約話をグレイスにするだろうと。


話を聞いたグレイスはきっと婚約式の日を狙ってステラに接触してくるはずだとふんでいたステラはグレイスを迎え撃つために婚約式までの短い時間で万全の備えをきした。


子供だろうと何の躊躇いもなく殺してしまう程のグレイスは必ずステラを殺害しようと企むと予想したステラは自分が囮になる為にアルイの所へと行き万が一刃物で刺されても大丈夫な様にと豚のブロック肉を加工して作った防弾チョッキならぬ防御コルセット(血糊袋いり)を完成させた。


他にもステラは自分がグレイス達に連れ去られる場合も考えてクロロホルムなどの麻酔薬が効かない様にする為の薬を入手し連れ去られる際に目印をつける為に暗闇で光る小さな玉も入手した。


ステラはこれらの物全てをリサに婚約式の為の荷物の中に入れておくよう伝えた。


ステラが囮になる事をダニー達家族を始め計画を知っているごくわずかの他の人達も危険だと反対したがステラが自分が囮になる事が相手を一番油断させて計画をやり遂げられると強く言い切ったのでダニー達は泣く泣くステラが囮になる事に首を縦に振ったのだった。


こうして短期間で考えた作戦を実行に移してステラ達は見事にやり遂げったのだった。


〜回想終了〜


「グレイス・アルノ。あなたはもう逃げられはしないわ」


ステラがグレイスを睨みつけながら淡々と言った。


(どう足掻いても何をしても無駄よ)


ステラはそんな事を考えていた。


「まだ、私がラスター公爵に濡れ衣をきせたという確たる証拠があるわけじゃないでしょ?」


グレイスはニヤリと笑みを浮かべて言った。


(まだ、とうにかなるチャンスはあるわ)


グレイスはそんな事を考えていた。


「はぁぁ。もしかしてまだ自分には手札が残っているとでも思っているの?」


ステラはため息つき呆れた表情で言った。


(本当にどこまで往生際が悪いわけ?)


ステラはそんな事を考えていた。


「言っている意味がわからないわ」


グレイスは余裕の笑みを浮かべて言った。


(こっちにはラスター公爵家の使用人達を握ってるんだから。あの使用人達さえこっちの手の中にいるならまだどうにでもなるわ。罪だってあのくそ野郎に全部擦り付ければいいわけだしね。死人に口なしだから)


グレイスはそんな事を考えていた。


「ラスター公爵家の使用人達なら既に保護されているわよ?」


ステラはにこりと微笑みながら言った。


「そんなはず、、」


グレイスは慌てて言うもすぐにハッとなり口をつむんだ。


「そんはずないと言いたかったの?あぁ、そういえば先程ルノア男爵に向かって既に自分の元に居なくなったラスター公爵家の使用人達をあなたが手配した者たちが匿ってるんだったかしら?」


ステラはふっと笑みを浮かべて言った。


(どうせドンクさん達が自分達の手の中にあるとでも思ってまだ余計な企みでもしてたんだろうけどそうはさせるかって話だよ)


ステラはそんな事を考えていた。


「な、何を言っているの?そんな事言った覚えはないわ。私には何の事だかわからないわ」


グレイスは慌てて言った。


(クソッ。本当ならここであの女を殺して上手くやり切るつもりだったのに。でも、ラスター公爵家の使用人達は確かに私が雇った奴らが確保したと連絡があったわ。となるとわざとカマをかけてるの?!)


グレイスは戸惑いつつそんな事を考えていた。


「そう?あなたが知らないはずはないんだけれどね」


ステラは首を傾げながら言った。


「だって、あなたが雇った人達は私が嘘の情報をあなたに流す為に私が手配した人達だもの。その人達が証言すれば雇った人物があなただとすぐにバレるわよ?」


ステラは冷ややかな表情で言った。


(バスティンだけじゃなくドンクさん達も危険な目に遭わせた罪は軽くないんだよ)


ステラはそんな事を考えていた。


そう…

ステラはルノア男爵邸からドンク達を救出したのちアルイの知り合いに協力してもらいわざとグレイスに近き上手くグレイスの懐に入り偽の情報を流していたのだった。

そうとも知らないグレイスはまんまとその人達の偽りの情報を信じ込んでしまったのだった。


「ステラ・バートン!!」


グレイスは怒りに満ちた表情で言った。


(クソッたれ。本当に何から何まで私の邪魔ばかりしやがって)


グレイスは今にもステラを殺してしまうのではないかという程ステラを睨みつけてそんな事を考えていた。


「本当にグレイス嬢にそのような事を、、?」


今まで黙っていたアーノルドが愕然とした表情でグレイスを見て言った。


「ち、違います。私ではありません」


グレイスは慌てて言った。


「はぁぁ。ペーター様、グレイス様をお連れして下さい」


ステラは呆れた表情でため息をつきながら言った。


「しっかりと拘束しておけ」


ダニーがグレイスを冷たい目で睨みつけながらペーターへ言った。


「承知しました」


ペーターが頷きながら言った。


そして、ペーターはグレイスの手首を強めに縛り上げた。


「離して!離しなさいよ」


グレイスは必死に抵抗しながら言った。


ペーターはそんなグレイスを無視してグレイスの体を持ち上げ無理矢理立たせて外へと連れ出そうとした。


(だめ!このままではだめよ)


グレイスは必死にそんな事を考えていた。


「殿下、本当に私は何も知らないんです。どうか助けて下さい」


グレイスは外に連れ出される途中涙目で必死にアーノルドを見て言った。


(アーノルドはヒロインである私を愛してるんだから絶対に助けてくれるはず)


グレイスは自分に言い聞かせるかのようにそんな事を考えていた。


しかし、アーノルドは複雑な表情で黙っていた。


「どうして何も言ってくれないのですか?!殿下!」


グレイスは涙を流しながら必死にアーノルドへ訴え言った。


(アーノルドどうしてなの?私はヒロインであなたが見つけたたった1つの愛を受け取る女なのよ?)


グレイスは必死にそんな事を考えていた。


しかし、アーノルドは下向き黙ったままだった。


グレイスはそんなアーノルドを見て愕然としていた。

その時、グレイスの目にサティスが留まった。


「サティス様。私は本当に知らないんです。私はやっていません。お父様が全て仕組んだことなのです」


グレイスは泣きながら切実な表情をしてサティスへ訴え言った。


(サティスはグレイスに恋をしている人だから私がお願いしたら上手く殿下に言ってくれるはずよ)


グレイスはそんな事を考えていた。


「何を今更、、」


サティスはグレイスを軽蔑するような眼差しで見ながら呟いた。


(え?どうしてあんたまでそんな目で私を見るの?私の事好きなんでしょ?)


グレイスは予想外のサティスの眼差しを見て表情を歪ませてそんな事を考えていた。


「サティス様。私は気づいてるのですよ。あなたが密かに私を想いを寄せていることを」


グレイスは慌てて言った。


「どうしたらその様な思考に?虚言もいいところだ。ペーター様彼女を引きずり出して下さい」


サティスはとてつもなく嫌悪した表情でグレイスを冷ややかな目で見て言うとすぐにペーターへ視線を移し言った。


(本当にこの女は狂ってるな。自分が死にかけた原因を作り尚且つ俺たちが襲われる姿を陰から見ていた奴にどうしたら好意が持てると言うんだ。好意どころか殺意すら覚える程の嫌悪しかないというのに)


サティスは冷たい表情でグレイスを見てそんな事を考えていた。


ペーターは頷くと強引気味にグレイスを外へと出した。


「あんたこそ奴隷だった分際で何偉そうにしてんのよ。私の施しを受けてたくせにそんな態度を取るなんて不敬にあたるわ」


グレイスはペーターに強引に外へと連れ出されながらサティスの態度に我慢ができずにサティスを睨みつけながら言った。


「殿下、この男は私に不敬な態度を取ったのです。この物語のヒロインで殿下の想い人の私に。こんな奴隷だった奴など不敬罪で処刑して下さい。殿下。殿下。私は皆から愛され殿下の愛を一身に受ける女なのです。こんな事が許されるはずありません。殿下!」


グレイスは目を見開きながらまるで何かに取り憑かれたようにアーノルドを見て叫んだ。


「ステラ・バートン。全てあんたのせいだ。あんたは悪役令嬢なんだから死ぬ結末しかないだんだ!さっさと死んで私の目の前からいなくなれ。ステラ・バートン!」


グレイスはステラに視線を移すと怒り狂った様に叫んだ。


その時、ダニーがペーターを見て軽く頷いた。

それを見たペーターも軽く頷いた。


そして…


ドンッ…


ペーターは暴れ叫ぶグレイスの首元を強めに叩いた。


すると、グレイスはフッ…と気絶して力なくなったのだった。


「では、グレイス嬢は連れ帰り牢獄に拘束しルノア男爵の遺体は一先ず騎士団本部に運び入れておきます」


ペーターが言った。


「わかった。よろしく頼んだ」


ダニーが頷きながら言った。


「はい」


ペーターは頷きながら言うと気絶したグレイスを連れて持ちその場を離れたのだった。


「本当に彼女はあの優しいグレイス嬢なのか?」


アーノルドは唖然とした表情で呟いた。


(アーノルドがあんな風になるのは仕方ないよね。愛するグレイスのあんな狂った様な姿を見せられたらね。まぁグレイスはグレイスでも中身はあたしと同じ転生者で前世でも現世でも犯罪者だったんだけどね)


ステラはアーノルドを見て複雑な表情でそんな事を考えていた。


「ステラ本当に大丈夫なのか?」


ダニーがステラの体を隅々まで見ながら心配そうな表情で言った。


「はい。大丈夫です。見ての通り豚肉がしっかり守ってくれましたから」


ステラはにこりと微笑み言った。


「作戦だとわかっていても心臓が止まるかと思ったではないか」


ダニーは心配そうな表情のまま泣きそうになり言った。


「心配かけて申し訳ありません」


ステラは申し訳なさそうに言った。


「いいのだよ。ステラが無事ならそれで。作戦を許可したのは私なのだしな」


ダニーは眉を下げながら言った。


「そうだよ。スーが無事ならそれでいいしスーの作戦も上手くいったのだから」


ジョシュアがステラの頭を優しく撫でながら優しい表情で言った。


「ただ、その頬の腫れは見逃せないね」


ジョシュアが急に冷たい表情になりステラの頬を見て呟いた。


「ジョシュアの言う通りだな」


ダニーも冷たい表情でステラの頬を見て言った。


(ははは。あたしも想像以上に引っ叩かれたから驚いてんだよね。まぁこの頬の腫れだけでも十分にグレイスの罪を問えるわな)


ステラは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


(それよりも今は)


ステラはすぐに真剣な表情になりそんな事を考えていた。


そして…


「殿下、色々と状況が把握でききれていらっしゃらないかもしれませんがお話があります」


ステラは唖然とするアーノルドへ真剣な表情で言った。


「話しとは一体何なのだ?それより頬の腫れが」


アーノルドはステラの言葉にハッとなり慌てて言った。


(本当に目の前の状況に困惑しているが先にステラ嬢の体調や頬の腫れが大丈夫かを確認せねば)


アーノルドはそんな事を考えていた。


「頬の腫れは大丈夫です。皇宮へ戻ったら侍女に処置をしてもらいますので」


ステラが言った。


「そ、そうか。では、先に皇宮へ戻り頬の手当てをしてから話を聞くことにしよう」


アーノルドは少しホッとした表情で言った。


(状況を把握する為にも話を聞かなければならないが先ずはステラ嬢の事が一番だからな。ステラ嬢の作戦だったはいえ婚約式当日にこの様な事になってしまったことの収拾もしなければならないしな)


アーノルドはそんな事を考えていた。


「いえ。私の事は後で構いませんから先にお話をさせて頂きます」


ステラが真剣な表情で言った。


「しかし」


アーノルドは慌てて言った。


「分かった。では先に話を聞こう」


しかし、ステラの真剣な表情を見て仕方なくアーノルドが言った。


「私が作戦を立て実行したのはラスター公爵様の無罪を証明する為だと言いましたよね?その為にラスター公爵様を陥れた犯人を確実に暴く必要があると」


ステラが真剣な表情で言った。


「ああ」


アーノルドは頷きながら言った。


「私は公爵様が拘束されてすぐ皇宮へ行き殿下とお話した際に公爵様は無実だと言ったのを覚えておられますか?どう考えても状況的に犯人は公爵様ではなく公爵様は誰かに嵌められたのだと」


ステラが言った。


「ああ、覚えている」


アーノルドが言った。


「そして実際にルノア男爵邸に押し入りグレイス様を襲ったというのは彼女とルノア男爵の自作自演でした。そしてグンダリル事件の犯人もルノア男爵とグレイス様でした」


ステラは更に続けて言った。


「公爵様の身分を証明する物もグレイス様が孤児を使い盗み出したものでした」


ステラは更に続けて言った。


「しかし、あの時はラスター公爵の仕業という物的証拠が揃っていたから」


アーノルドはステラの話を聞き慌てて言った。


(何故だろうか。ステラ嬢はただ説明をしてくれているだけだというのに不安になるのは)


アーノルドはふと戸惑いつつそんな事を考えていた。


「殿下」


ステラがアーノルドの目を見て真剣な表情で言った。


「この度の作戦で立てた計画は他にもあるのです」


ステラが続けて言った。


「他にもある?」


アーノルドは眉をひそめて言った。


(一体どういう事だ?)


アーノルドは戸惑いつつそんな事を考えていた。


「はい。殿下との婚約です」


ステラがばっさりと言った。


「何と?私との婚約?」


アーノルドは一瞬意味がわからないという表情で言った。


「はい。殿下との婚約も作戦の一つなのです」


ステラははっきりとアーノルドの目を見て言った。


「何を、、言っているのだ?私とステラ嬢の婚約も作戦の一つだと?では、婚約の話は本当はないのか?いや待て。婚約など勝手に偽れるものではない。父上の許可がなければそもそも成立しないのだぞ?」


アーノルドは驚きを隠せないまま戸惑い言った。


(ステラ嬢との婚約自体がステラ嬢の作戦の一つだと?!一体どういうことだ?!では、ステラ嬢から私へ婚約の申し入れがあったというのも事実ではないのか?!)


アーノルドは困惑しつつそんな事を考えていた。


「はい。仰る通り陛下の許可なしには殿下と私の婚約など成立しません。ですので陛下にも協力頂きました」


ステラは何の迷いもなくはっきりと言った。


「父上に協力してもらった?」


アーノルドは豆鉄砲でも喰らったかのような表情で呟いた。


「はい」


ステラは頷きながら言った。


「一体どうしてだ?一体どうしてその様な事を?」


アーノルドは信じられないという気持ちと混乱とが入り混じるような切ない表情で言った。


「先程言いましたよね?この作戦はラスター公爵様を陥れた犯人を明確にする為のものだと」


ステラは少し怒りのこもった表情で冷静に言った。


「言っていた。だが言っている意味がわからない。一体何だというのだ?!」


アーノルドは感情がぐちゃぐちゃにやりつつ言った。


(ステラ嬢との婚約を喜び浮かれていたのは私だけだというのか?!)


アーノルドは表情を歪めてそんな事を考えていた。


「殿下はグレイス様がグンダリル事件に関わっていると気づいたにも関わらず黙っていましたよね?」


ステラはアーノルドの目を真っ直ぐ見て言った。


「何だと?」


アーノルドはステラの言葉に一瞬目を見開き驚き言った。


「殿下は花祭りの日にグレイス様がグンダリル事件に関わっていると気づいたのではありませんか?」


ステラは更にはっきりと言った。


「な、何を言っているのだ?そんな事を私が」


アーノルドは戸惑った表情で慌てて言った。


(まさか、ステラ嬢は気づいていたのか?)


アーノルドは困惑気味にそんな事を考えていた。


「いいえ。間違いなく気づいていたはずです。あの花祭りの日、グンダリルの苗を見た時の殿下の表情は間違いなく何かに気づいた表情でした。花祭りの日には分かりませんでしたが私が皇宮で殿下とラスター公爵様の話をしている時に気づいたのです。あの日殿下はグレイス様がグンダリル事件に関わっている事に薄々気づいていながらその事を誰にも話さなかった事に」


ステラは怒りを込めた目でアーノルドを真っ直ぐ見て言った。


「ステラ嬢それは」


アーノルドはステラの言葉に慌てて言った。


(本当にステラ嬢が気づいていたなんて)


アーノルドは焦りと驚きと戸惑い混じりの感情でそんな事を考えていた。


「た、確かにあの花祭りの日にグンダリルの苗を確認した際にグレイス嬢に対して不信感を持ったのは確かだ。しかし、だからといってまだ不確かな事を話して混乱を招きたくなかったのだ」


アーノルドは慌てて言った。


「グンダリル事件についてはどんな些細な情報でも必要だったことは事件の捜索を一緒に行っていた殿下もよくご存知ですよね?不確かだからと黙っていてよいことでしたか?」


ステラは爆発しそうな怒りを必死に抑えながら言った。


(不確かだろうが何だろうが黙ってていい話じゃない事くらいバカでもわかるでしょうが)


ステラはそんな事を考えていた。


「それに殿下は黙っていただけではなくラスター公爵様がグンダリル事件の主犯だと拘束された際も公爵様が犯人ではないとわかっていたのにグレイス様がグンダリル事件に関わっているだろうということも黙っていました。黙っていたということはグレイス様やルノア男爵と同じように公爵様を陥れた事と変わりません。皇太子殿下以前に人としてやってはいけない事をなさったのです」


ステラは腹が立ちすぎて涙を必死に堪え唇を噛み締めながら言った。


(あんたもグレイス達と同罪なんだよ。このくそったれ野郎)


ステラは怒りでそんな事を考えていた。


「あ、、」


アーノルドはステラの表情を見て言葉を聞いて表情を歪めて呟いた。


「地が、、。私はただ」


アーノルドは顔を真っ青にして唖然とした表情で呟いた。


(違うんだ。私は別にラスター公爵を悪者にしたかった訳ではないのだ。ただ、、ただ公爵が拘束されればステラ嬢が彼に対する想いが変わるかもしれないと一瞬思っただけなのだ)


アーノルドは悲痛の表情でそんな事を考えていた。


「ふぅぅぅ」


ステラが一度深呼吸をした。


「ですから陛下にその旨をお伝えして今回の私と殿下の婚約話をあえてルノア男爵も参加する貴族会議でして欲しいとお願いしたのです」


ステラが一呼吸置き気持ちを落ち着かせて言った。


「話を聞いた両陛下は驚かれていましたが一国の主君として協力すると仰られました。狩猟大会で私が殿下をお守りした借りも返せるとも仰られました」


ステラが更に続けて言った。


「殿下の軽はずみな行動で公爵様を陥れただけでなく両陛下まで悲しませてしまわれたという事をどうかしっかりと受け止めて頂きたいです」


ステラは更に続けて言った。


「いくらグレイス様に想いを寄せていたとはいえ自分の想い人が悪に手を染めている可能性が少しでもあるのかと思ったのであれば相手の為に黙っているのではなく正直に言う事が相手の為だとも言えたのではないですか」


ステラが眉をひそめて言った。


(アーノルドがヒロインであるグレイスを好きなのは嫌ってくらい分かるけど黙ってる事がグレイスの為になるなんて本気で思ってたって事がありえないよ。それにこれまでだってアーノルドはグレイスがバスティンを屈辱しても何のお咎めだってしてない訳だしね。本当に2人揃ってバスティンに辛い思いをさせたんだから許せるわけないわ)


ステラは不快そうにそんな事を考えていた。


「いや私はグレイス嬢に、、いや、何でもない」


アーノルドが唖然としたまま呟いた。


(ステラ嬢は私が黙っていたのはグレイス嬢に気持ちがあるからと思っていたのだな。私がグレイス嬢と2人で行動する機会がこれまで何度かあったのだから私の行動がそう思わせていたのだな。私が想いを寄せているのはステラ嬢だというのに。想いを伝える前に彼女との婚約が決まり天に上る様な嬉しい気持ちになっていたが実は彼女の作戦の一つだったとはな。これが黙っていた罰なのだろうか)


アーノルドはとても切なく悲しそうは表情でそんな事を考えていた。


「もし、黙ってなければ今頃」


アーノルドが俯いたままぼそりと呟いた。


(何か私とステラ嬢の関係は変わっていたのだろうか?私が気持ちを伝えたら君はどんな事を思っただろうか?などと今更聞いたところで無意味だな)


アーノルドは寂しそうな表情でそんな事を考えていた。


「はい?」


ステラはアーノルドが何を言ったのか聞こえず言った。


「いや、何でもない」


アーノルドは切ない表情のまま言った。


「サティス、皇宮へ戻ろう。戻ったら両陛下の元へ向かう」


アーノルドはどうにか悲痛な気持ちを抑えながら言った。


(こうなったのは全て自分のせいなのだから自分自身でこの件についてケリを付けなければいけないからな。最後くらいステラ嬢に愚かな姿は見せれないからな)


アーノルドはそんな事を考えていた。


「承知しました」


サティスはとても複雑な表情を浮かべて言った。


(やはり殿下はあの花祭りの日に気づいていたんだな。俺もあの時の殿下の表情には??と思ったからな。しかし、今回の件で殿下に何らかの咎めがあったとしても俺は殿下についていくのみだ。奴隷だった俺を拾ってくれた恩人だからな)


サティスは複雑な表情でそんな事を考えていた。


(アーノルド。サティスに感謝しなさいよね。サティスは今回あたしたちの作戦に協力してくれてアーノルドが大切な事を黙ってたのも知った上であんたの側にいることを選んだんだからさ)


ステラは外へと出ようとするアーノルドとサティスを見てそんな事を考えていた。


そして、アーノルドはサティスと共に皇宮へ向かったのだった。


「はぁぁぁ。ようやくこの作戦も終わりましたね」


ステラがダニー達を見て疲れた笑みを浮かべて言った。


(まさか"オンラブ"の主人公とヒロインがこんな事になるなんて思ってもみなかったけどね。バスティンと幸せになりたくてバスティンと自分の為にシナリオを変えてきたけどこんな事になるなんてね)


ステラは複雑な気持ちでそんな事を考えていた。


「あぁ、そうだな」


ダニーが優しい表情で言った。


「本当によくやったよ。さすが私の自慢の妹だな」


ジョシュアが優しく言った。


「さすがステラだがまずはその頬の腫れを早急に手当てしなければな。早く腫れをどうにかしなければミシェルが怒るぞ」


ダニーは呆れ笑みを浮かべて言った。


「いえ、まずは公爵様に会うのが先です」


ステラは堂々と言った。


「何だと?!バスティンの無実が証明された今頬の手当てをしてからでもいいだろう」


ダニーは不満気に言った。


「父上の言う通りだ」


ジョシュアも不満気に言った。


「いいえ。そうはいきません。公爵様の会うまで頬の手当てなんてしません」


ステラは断固として言った。


「ステラ」


「スー」


ダニーとジョシュアは同時に言った。


そんな2人を見てステラは思わず笑ってしまったのだった。





そして…

ステラはダニーとジョシュアに連れられてバスティンが拘束されている地下へと急ぎ向かった。


ステラが地下に到着した時ちょうどバスティンが牢獄から出たところだった。


「公爵様!!」


ステラがバスティンの姿を見て猛ダッシュで走りながら言った。


「ステラ嬢?!」


バスティンはステラを見て驚き言った。


そして、ステラは猛ダッシュのままバスティンの元に飛び込み抱きついた。


その姿を見たダニーとジョシュアは顎が外れるかというくらい大口を開けて唖然としていた。


「良かったです。ようやくあんなジメジメして汚くて薄暗いふざけてるのかって程の場所から出ることができて」


ステラはバスティンに抱きついたまま嬉しそうに言った。


「ま、待て。まずは離れてくれないか?」


バスティンが慌てて言った。


「え?」


ステラはバスティンの体から手を離すと愕然とした表情で言った。


「いや、違うぞ?嫌だとかではなくその、、コホン。何日も風呂に入っていないから汚いからな」


バスティンは慌てて言うもすぐに少し恥ずかしそうにモゴモゴと言った。


(さすがに色々と臭などあるだろうからな)


バスティンはそんな事を考えていた。


バスティンのその言葉を聞いたステラはパァァァっと目を輝かせた。


「なーんだ。そんな事を気にしてるのですか?そんなの気にする事ではありませんよ」


ステラは満面の笑みを浮かべて言うとすぐにまたバスティンに思い切り抱きついた。


(なーんだ。そんな事か。も〜バスティンったらなんて可愛いの?!恥ずかしいのを隠そうとしてるバスティンに課金させてくれよ〜もはやバスティンの体臭すらもレア中のレア!最高でしかない。もっと嗅がせてクレメンス)


ステラはニヤつきながらそんな事を考えていた。


「ス、ステラ嬢、本当に離れた方がいい。君が汚れてしまう」


バスティンは更に抱きつくステラに慌てて言った。


「そうだぞステラ!バスティンから早く離れなさい」


その光景を見ていた鬼の面相をしたダニーが言った。


「バスティン!お前も嫌ならばもっと真剣にスーの体を離せ」


ジョシュアも同じく鬼の面相で言った。


ステラが振り返りそんな2人を見た。


(黙ってもらえますか?!)


と言わんばかりの顔でステラは2人にしっかり目で訴えた。


ステラに目で訴えられた2人はしょんぼりとして黙ったのは言うまでもなかった。


「モーマンタイ(無問題)です」


ステラはバスティンの方に顔を戻し満面の笑みで言った。


「モーマンタイ?」


バスティンは??という表情で言った。


「あっ、無問題という意味ですよ」


ステラは慌てて言った。


(おっとっと。前世用語がたまに出ちゃうんだよね)


ステラはそんな事を考えていた。


「それより無事にここを出ることができて良かったですね、、バスティン」


ステラは嬉しそうに言った。


バスティンはステラに名前を呼ばれて少し驚いた表情を浮かべた。


「無実が証明されてここから出れたら名前で呼んでもいいと言ったでしょう?」


ステラはニヤリと微笑みながら言った。


「あぁ。そうだったな」


バスティンはふっと笑みを浮かべて言った。


「ふふふふ」


ステラはそんなバスティンを見て幸せそうに微笑んだ。


「ここから出ることができたのもステラ嬢のお陰なのだろう?」


バスティンが困った笑みを浮かべて言った。


(あの日、彼女は必ずここから私を出してくれると迷いなく言っていた。あの後にきっとステラ嬢が色々と動いてくれたのだろうからな)


バスティンはそんな事を考えていた。


「私が絶対ここから出してあげると言ったでしょう?女に二言はありません。愛するバスティンの為なら何だってできるんですから。私の手にかかればバスティンをここから出すのなんて朝飯前でしたよ」


ステラは自信満々に笑いながら言った。


(だが、きっとステラ嬢の事だから無理をしたに違いない。ここは薄暗くて分かりにくいが頬が腫れている。きっと危害を加えられたのだろう。私がこんなところにいたせいで彼女を危険な目に遭わせてしまった)


バスティンはステラの頬をチラリと見て複雑な表情でそんな事を考えていた。


「私のせいでステラ嬢に大変な思いをさせてしまったみたいで申し訳ないな」


バスティンは申し訳なさそうに言った。


「何を言っているのですか?!大変な思いなんてこれっぽちもしていませんよ?!何故そんな風に言われるのですか?!」


ステラはムッとした表情で言った。


(何でそんな事言うのよ。バスティンはなーんも悪いことはんてしてないんだから自分を責めないでよ。私がバスティンの為にしたことなんだから)


ステラはそんな事を考えていた。


「愛してると言ってくれたくせに」


ステラはムッとしたまま呟いた。


「何だと?!バスティンお前はステラに愛してるなどと言ったのか?!ステラが私の娘だと知ってのことか?!」


地獄耳かと思うくらいにダニーが鬼の面相でバスティンへ叫んだ。


(ちょっとどんだけ地獄耳なわけ?)


ステラがぽかんとした表情でそんな事を考えていた。


「何勝手にステラに愛を呟いているんだ」


ジョシュアも鬼の面相でバスティンへ叫んだ。


(まったく。疎かにしたら疎かにするなと怒るし愛してるって素敵な単語なのにそれ言っても怒るとかどゆこと?!本当に2人のあれには困ったもんだ)


ステラは苦笑いを浮かべてそんな事を考えていた。


そして、ステラは再びダニー達の方を振り返った。


「本当にこれ以上私たちの会話を邪魔するのでしたら今度いう今度は本当にお2人と口はききませんからね!わかりましたか?!」


ステラは2人を睨みつけて言った。


「あぁ」


「わかったよ」


ステラに念を押されたダニー達は再びしょんぼりした表情で言った。


そして、ステラはバスティンの方を向いた。


「あの愛しているといった言葉は嘘だったのですか?」


ステラは不満気に言った。


「いや嘘ではない。愛しているからこそ自分のせいで君を危険な目に遭わせてしまったのではないかと思うと申し訳なくてな」


バスティンは複雑な表情で言った。


(愛しているからこそ怖いのだ。君はいつも危険を顧みず動くから)


バスティンは不安気にそんな事を考えていた。


「愛し合いされている私達の間柄で申し訳ないと思ってるんですね?」


ステラはムッとした表情のままバスティンの顔をじっと見て言った。


「あぁ」


バスティンは困った表情で言った。


「そうですか。では本当に申し訳ないと思ってるのでしたら今日から私の事をステラとお呼び下さい」


ステラが笑顔で言った。


「なに?」


バスティンは予想外の言葉に唖然として言った。


「だから申し訳ないと思っているなら私の名前を呼んでください」


ステラは笑いながら言った。


「申し訳ないと思ってるんですよね?」


ステラはニヤリと笑みを浮かべて言った。


(バスティンが負い目を感じてる事には腹が立ったけど真面目なバスティンの性格を考えたら仕方ないかもしれないよね。しかも実際あたしバスティンには内緒でまぁまぁ危ない作戦計画したわけだしね。でもこれで私の名前を呼び捨てにするしかなくなったでしょ?)


ステラは満足気にそんな事を考えていた。


「はぁぁ。まったく、、本当に君にはこの先も敵わない気がしてならないよ」


バスティンは困り笑みを浮かべて言った。


(私の申し訳ないという気持ちまで上手く別の視点に持っていくのだな。だがそのお陰で今後は申し訳ないという気持ちよりも彼女の為にはどうしたらいいのかをまず考える事にしよう)


バスティンはステラを愛おしそうに見つめながらそんな事を考えていた。


「心から愛しているよ。ステラ」


バスティンがとても優しい笑みを浮かべて言った。


その言葉を聞いてステラを大きく目を見開いた。


(神様今のは空耳ですか?!いいえ空耳じゃぁござーせん。確かに!確かにバスティンがあたしの事をステラと呼びました。だあぁぁぁこの世の誰よりもバスティンに名前呼ばれる事が幸幸幸でございます)


ステラは昇天しそうな表情になりそんな事を考えた。


そして…


チュッ


ステラはバスティンに不意打ちでキスをした。


不意打ちキスにバスティンは驚き目を見開いた。


「前にここでキスの邪魔をされたでしょう?だからあの時の続きです」


ステラは満面の笑みを浮かべて嬉しそうに言った。


「ははは」


バスティンは思わず笑ってしまった。


(本当に敵わないな)


バスティンは笑いながらそんな事を考えていた。


「バスティン貴様ーー」


「許さないぞバスティン」


ステラがバスティンにキスをするのを見たダニーとジョシュアが先程のステラの忠告など忘れたかの様に額の血管をむき出しにしながら剣を抜きバスティンの方へ鬼の面相で向かってきたのだった。


その後2人がステラをとことん怒らせたのは言うまでもなかった。


こうして、ステラの愛とプライドを賭けた大作戦はバスティンの無実を証明することができ無事に終わったのだった…

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