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16.じゃじゃ馬令嬢は推しが侮辱されるのを許しません



 

16.じゃじゃ馬令嬢は推しが屈辱されるのを許しません


「リサ、、これは悪夢なの?」


ステラは自室で苛立ちを混じえた不機嫌MAXの表情を浮かべて目の前に置いてある一枚の招待状を見て言った。


「いえ。現実です。」


リサは淡々と言った。


「はぁ、、。最悪だわ、、。最悪以外の何ものでもないわ、、。」


ステラは盛大なため息を付きながらげっそりとした表情で言った。


「ねぇ、、リサ。皇太子なら急なお茶会の招待状を送っても許されるの?」


ステラは招待状を指差しながら苛いた表情で言った。


「許されるからこうして送ってきているのでないですか?」


リサがやれやれといった表情で言った。


「はぁぁぁ、、。」


ステラはまたも盛大なため息をついた。


(ついさっきまでバスティンと幸せな時間を過ごしてたっていうのにアーノルドのせいで幸せな気持ちを一気にぶち壊されたわぁ!天国から地獄ってこういう事いうんだよねぇきっと、、。本当にイライラするんだけど!)


ステラは招待状を睨みつけながらそんな事を考えていた。


(明後日のお茶会の招待って何なの?!お茶会ってのは事前に準備して余裕を持って開くべきものじゃないわけ?というかアーノルドからのお茶会の招待状もらって皆がテンション上げて喜ぶと思ってんの?!バッカじゃないの?!)


ステラはイライラが増しながらそんな事を考えていた。


(それもよりによってあたしが寮母の仕事最終日の日って、、。え?何?新手のいじめ?!)


ステラはそんな事を考えていた。


(何で急にお茶会なんてやるって言い出したのかも謎すぎるしねぇ。そもそもオンラブのストーリーにはこの時期にアーノルドが開くお茶会の場面なんてあった?!いや、なかったよね?!)


ステラは首を傾げて小説の内容を思い出しながら考えていた。


「まぁ、、私がこの日に優先すべきはお茶会ではないから気にしなくていいか。せっかくの幸せな気分をこんな地獄みたいな展開にこれ以上だめされるなんて嫌だからね。」


ステラはケロッとした表情で言うと招待状をゴミ箱へ向かって投げた。


スポッ…


見事に招待状がゴミ箱へと入った。


「ナイシュー!!」


ステラはガッツポーズを作って満足そうに言った。


「さぁ!公爵様との幸せな時間を脳内再生しながら狩猟大会で公爵様に渡すものでも作り始めますか!」


ステラは笑顔で言った。


ステラがこの日に購入した材料を机に置き作り始め様とすると…


リサがゴミ箱から拾ってきた招待状をサッとステラの前へと置いた。


「リサどういうつもり?」


ステラはギョッとした表情を浮かべてリサへ言った。


「ステさ様。さすがにお断りするのは無理があるかと思います。」


リサが淡々と言った。


(いくらステラ様がラスター公爵様を想ってらしても皇室からの、、皇太子殿下からの招待を断るのステラ様に対してはよくない印象が残るのね。)


リサはそんな事を考えていた。


「寮母のお仕事が最終日だというのは存じていますがそれを理由に皇太子殿下からのお誘いをお断りするにはステラ様にとってプラスになる事ではありません。皇太子殿下直々に令嬢を集めてのお茶会を開くという意味はステラ様もお分かりでしょう?」


リサが言った。


(恐らくステラ様は皇太子妃候補の有力視されてる人物でしょうからね。)


リサはそんな事を考えていた。


「分かってるわよ、、。皇太子妃を選ぶ為の一つの催しものでしょう。」


ステラは不満そうな表情で言った。


「その通りです。ステラ様が招待されたという事はそういう事なのです。ですからステラ様の判断で勝手にお断りするというのはバートン公爵家にとっても悪い印象を持たれかねません。ステラ様にとっては行きたくない場所かもしれませんが今回の招待は受けるべきかと思います。」


リサは真剣な表情で言った。


(こんな形でバートン公爵家やステラ様の印象が悪くなんて嫌だもの。)


リサはそんな事を考えていた。


「リサってたまにお母様みたいな事を言う時があるわよね。」


ステラは苦笑いを浮かべて言った。


ステラの言葉にリサはにこりと微笑んだ。


(いつもステラ様には振り回されてばかりだけれどいつでもステラ様の幸せを願っているからたまには私もビシッと言うのですよ。)


リサはそんな事を考えていた。


「はぁ、、。はいはい。分かりましたよ。行けばいいのでしょう。分かったわ。行きますとも。」


ステラは大きなため息をつきながら嫌そうな表情を浮かべて言った。


「はい。」


リサは微笑みながら言った。


「本当は行きたくないのよ?私は別に皇太子妃になんてなりたくないんだからね?」


ステラは不機嫌そうに言った。


「はいはい。よ〜く存じています。まったく、、。皇太子妃になんてなりたくないなどと言うのはこの国の令嬢の中ではステラ様しかいないでしょうね。あれ程素敵な方ですのに。」


リサは呆れた表情で言った。


(ステラ様がラスター公爵様を好きだということはステラ様の言動、行動とこの部屋を見たら嫌でもわかるけどやっぱりそれはそれで皇太子殿下が素敵な事に変わりないものね。)


リサはそんな事を考えていた。


「逆に皇太子妃にというより殿下と結婚したいなんて思う人の方が信じられないわ。」


ステラは嫌そうな表情を浮かべて言った。


(リサったらまだアーノルドが素敵なんて言っちゃって。まさかワンチャンあたしとアーノルドがくっつくのをまだ密かに楽しみにしてるとかないよね?!)


ステラはそんな事を考えていた。


(皆、あの腹黒ペテン師野郎の笑みに騙されてるだけなんだから。それに皇太子妃になるのはグレイスだって決まってんの!だから本当はお茶会なんて必要ないわけ!無駄な時間だって知ってるからこそ余計に腹が立つんだよね。そんな無駄な時間の為にバスティンを拝める時間が減るなんて、、。)


ステラはそんな事を考えていた。


「とにかく行くから招待状の返事を出しておいてちょうだい。はい!この話は終わりよ!私は公爵様の為の愛活(愛の活動)をするから下がってていいわ。」


ステラが気持ちを切り替える様に言った。


「かしこまりました。」


リサが言った。


(本当に相変わらずステラ様はラスター公爵様の事しか頭にないわね。)


ステラはそんな事を考えながら部屋を出ていった。


(よし!作り始めますか!狩猟大会でバスティンに渡す刺繍ハンカチならぬバスティンとステラの愛があふれるマスコットキーホルダーを♡)


ステラは目を輝かせながらそんな事を考えていた。


そして、早速買ってきた材料を使ってマスコットキーホルダーを作り始めたのだった。


(前世でもバスティングッズが少なかったからこうして自作のバスティンキャラマスコットを作ってたなぁ。作ってる時間も楽しくて幸せなんだよね♫推しを思いながら作るの最高〜♡)


ステラはにこにこと微笑みながらそんな事を考えつつ作業を進めていたっのだった。




ステラが嫌だ嫌だと思うもあっという間にアーノルド主催のお茶会の日が訪れた。


ステラはリサを連れて嫌々重い腰を上げて馬車に乗り皇宮へ向かっていた。


「あぁ、、行きたくないわ、、。」


ステラは馬車の中で面倒臭そうな表情を浮かべて言った。


「昨日は、公爵様が急遽狩猟大会の為の準備に駆り出されたから公爵様を結局拝む事が出来なかったから公爵様が足りないわ、、。」


ステラは馬車の中まで持参した昨夜完成したばかりの手作りバスティン抱き枕を抱きしめながら言った。


(バスティン!バスティン!バスティン!一日会えないだけでバスティンが元気にしてるか心配だよ〜!)


ステラはそんな事を考えていた。


「ステラ様、、それは一体何なのですか?」


リサが呆気にとられた表情で言った。


「これ?これは昨日の夜に完成した手作りバスティン抱きまくらよ!」


ステラはドヤ顔でリサに見せながら言った。


「また凄いものをお作りになりましたね。」


リサは苦笑いを浮かべて言った。


(どんどんステラ様のお部屋がラスター公爵様で埋め尽くされていくわね。それもほとんどステラ様自作の公爵様コレクションで、、。)


リサはステラの部屋の中を思い浮かべながら考えていた。


「そうなのよ!今回も力作なの!何を隠そうこのシャツは公爵様本人の私物なのよ!心なしか公爵様の匂いと体温を感じる気がするわ!」


ステラは自信満々に目を輝かせて言った。


「ラスター公爵様の私物ですか?!そんなものどこで?!まさか、、。」


リサはギョッっと驚いた表情で言った。


「黙って持って帰ったりなんてしてないわよ!ちゃんと公爵様へ許可を得てもらって帰ってきたのよ!もう使わなくなったシャツだから!」


ステラはムッとながら言った。


「そうだったのですか、、。安心しました。」


リサはホッとした表情で言った。


「主人を疑うなんて、、。」


ステラは苦笑いを浮かべて言った。


「申し訳ありません。ラスター公爵様に関してだとありえるかもしれないと思いましたので。」


リサは真顔で言った。


「リサ!」


ステラはギョッした表情で言った。


そんなステラを見てリサはくすくす笑っていた。


「まったく、、。」


ステラは頬を膨らませながら言った。


ガタンッ…


「ステラ様、到着したようです。」


その時、馬車が停まるとリサが馬車の外を見て言った。


「もぅ、、着いたのね、、。はぁ〜。」


ステラは大きなため息をつきながら面倒臭そうに言った。


そして、ステラとリサは馬車を降りてお茶会が開かれる皇宮の中庭まで案内された。


(皆早くから足を運んでご苦労なことだねぇ。)


ステラは中庭に着くと早々と到着していた他の令嬢達を見て考えていた。


「ステラ様にご挨拶申し上げます。」


「ご挨拶申し上げます。」


ステラが案内された席へ座ろうすると令嬢達がステラへ挨拶をしてきた。


「皆様、こんにちは。」


ステラはにこりと微笑みながら令嬢達へ言った。


(はぁ〜このよそ行き笑顔作るのも面倒臭いんだよね。今すぐにでも帰りたいから笑顔が保てるか心配だよね。)


ステラはそんな事を考えていた。


ステラ達はお互い挨拶を済ませると席へと座った。


「ステラ様。ご挨拶申し上げます。」


ステラ達が席へ座るとすぐグレイスがステラの元へとやってきて挨拶をした。


「グレイス様。こんにちは。」


ステラは作り笑みを浮かべて言った。


そしてグレイスも席へと座った。


令嬢達が座る席はアーノルドの席を一番上座にして順に爵位の高い順に決められていた。


しかし、男爵家にも関わらずグレイスの席はステラの向かいだった。


グレイスが座る場所を見た令嬢達やその侍女達は驚愕していた。

もちろんステラの後ろに控えていたリサも同じだった。

それもそのばずだった。


皇太子妃を選別する為に設けた場で男爵家の令嬢が招待されているだけでも異例だというのにそれに加えて男爵家より爵位の高い家の令嬢達を差し置いて公爵家の令嬢であるステラとほぼ同格の席へとグレイスが座っているのだから令嬢達が驚くのも無理はなかった。


ステラ以外の令嬢達は心穏かやではない表情を浮かべていた。


(まぁ、他の令嬢達があんな顔するのも無理はないよね。普通に考えたらグレイスがあたしの目の前に座ってるなんてありえないもんね。)


ステラは一人表情一つ変えずそんな事を考えていた。


(でもね、、ここはオンラブの世界だからありえるのよ。それもグレイスはヒロインだから例えありえない事でもヒロインフィルターでありえる事になるのよ。)


ステラは更にそんな事を考えていた。


(こんな場面もオンラブのストーリーにはなかったけど、、まさかこんなところでもアーノルドはグレイスを既に特別扱いをしてたってわけね、、。狩猟大会前にこんな出来事があったならステラは狩猟大会前に気がおかしくなり始めてたかもね、、。まぁ、あたしはおかしくならないけどね。)


ステラはそんな事を考えていた。


(たけどさぁ、いくらグレイスが特別だからって何の説明とかもなくグレイスをあの席に座らせるのはどうなの?!あたしは興味ないからいいとして他の令嬢達は納得いかないでしょ。ここへ皇太子妃の座を狙って来てんだからさぁ。アーノルドが自分はグレイスを愛してるってはっきり言えば令嬢達も諦めるしかないだろぉにこれはいくら何でもやり方がこすいというかキモいわ。)


ステラは呆れた表情で考えていた。


「グレイス様、、。何故あなたがそちらの席にお座りなのですか?座る席を間違えていらっしゃる様ですが、、。」


ステラがそんな事を考えていると痺れを切らした一人の令嬢が不満げな表情でグレイスへ言った。


「え?いえ、、。間違えてはいません。こちらの席にと案内されましたので、、。」


グレイスは戸惑いながら言った。


「ですがそちらの席は、、。」


令嬢が更に不機嫌そうに言おうとしたその時…


「皇太子殿下がおみえになられました。」


アーノルドと共に中庭へやってきたサティスが令嬢達へ言った。


「「皇太子殿下にご挨拶申し上げます。」」


令嬢達は一斉に席を立ち上がりアーノルドの方を向き言った。


「皆、本日は急な招待にも関わらず参加してくれてありがとう。礼を言う。今日は時間が許す限り楽しい時間を過ごしてくれ。」


アーノルドが令嬢達へ笑顔を見せて言った。


そんなアーノルドの笑顔を見て令嬢達も侍女達もうっとりしていた。

リサも例外ではなかった。


しかし、それを除きステラだけは面倒臭そうな表情を浮かべていた。


(はぁ〜。本日も変わらずアーノルドスマイル全開なことでご苦労さんだわ〜。)


ステラはアーノルドを見て呆れながらそんな事を考えていた。


「「ありがとうございます。」」


令嬢達がアーノルドへ言った。


バチッ!


ステラが何やら視線を感じると思い視線が感じる方を見たらサティスと目が合った。


(げっ!)


ステラはサティスと目が合うとそんな事を考えていた。


サティスはステラと目が合うとにこりと優しい笑みを浮かべていた。


そんなサティスにステラは一生懸命作り笑みを浮かべ微笑んだ。


(何でこっち見んのよ!グレイスでも見てればいいのに!あなたに微笑まれたら逆に怖いし無理なんだけど。)


ステラはそんな事を考えていた。


こうしてお茶会が始まった。


アーノルドが席へ座った。


アーノルドがグレイスが座っているの席について特に言及することはなかったのでステラ以外の令嬢達は困惑気味な表情を浮かべていて空気も微妙な空気が流れていた。


(はぁ、、。何この微妙な空気は。アーノルドもグレイスが何故私の目の前の席に座ってるかを話しなさいよ!あなたが話さないから令嬢達はやきもきしてんのわかんないわけ?!あなた達二人が良ければそれでいいわけ?!まったく主人公やヒロインなら何でもありなわけ?!作者さん!どうなってるんですか?!)


ステラは不満気にそんな事を考えていた。


「殿下、もうすぐ狩猟大会が行われますね。」


そんな空気の中グレイスが口を開き言った。


「そうだな。」


アーノルドが言った。


「殿下の狩猟大会でのご活躍楽しみにしています。」


グレイグが微笑みながら言った。


「あぁ。今年も去年同様にいい獲物に巡りあればいいのたがな。」


アーノルドが微笑みながら言った。


(はいはい。その獲物はグレイスに渡すんでしょう。)


ステラはそんな事を考えていた。


(オンラブの話中では前年の狩猟大会がどんなだったかとは書かれてなかったよね。狩猟大会の事っていったらアーノルドとグレイグの距離が一気に縮まり、そしてステラが悪役令嬢になるきっかけにもなったストーリー展開だったよね。

狩猟大会のストーリー展開では騎士団に所属するお父様やお兄様はもちろんバスティンの事は軽く書かれていたくらいだったから実際狩猟大会がどんな感じなのかあんまりわかんないだよね。)


ステラはそんな事を考えていた。


(一つ確実だと言えるのはオンラブのストーリー通り狩猟大会では女性が相手の無事と健闘を願う意味でもある刺繍入のハンカチを想い人に渡す。そして男性は獲ってきた獲物を想い人に捧げるということ。)


ステラはそんな事を考えていた。


「殿下でしたらきっといい獲物が獲れますわ。」


グレイスが微笑みながら言った。


「えぇ。グレイス様の仰る通り殿下でしたらたくさんいい獲物をお穫りになれますわ。」


「そうですわ。楽しみですね。」


「本当に。」


グレイスに賛同する様に他の令嬢達も笑顔で言った。


(あらあら、、皆、アーノルドに媚びまくりなこって。ご苦労様だねぇ。それに自分の獲物をくれと言わんばかりの表情、、。)


ステラは令嬢達を見て呆れた表情を浮かべて考えていた。


「ステラ様。今年もバートン卿はバートン公爵様と共に狩猟大会に参加されるのですか?」


令嬢の一人がステラへ言った。

 

「はい。今年も兄は父と共に参加予定です。」


ステラが微笑みながら言った。


(あたしも参加する予定だけどねぇ。)


ステラはそんな事を考えていた。


「そうなのですね。」


令嬢の一人が嬉しそうに言った。


(おっと、、。令嬢Aさん。あなたは殿下だけじゃなくお兄様の事も狙ってるってわけね。欲深いこと、、。残念ながらお兄様はあなたに興味なんてさらさらないと思うけどね。)


ステラは令嬢の表情を見て考えていた。


「そういえば、ステラ様は騎士団寮の寮母のお仕事をしていると殿下からお聞きしました。」


グレイスが微笑みながらステラへ言った。


(ん?グレイス?今アーノルドから聞いたってさらっと言ったけど?そんな他の令嬢にマウントとる様な言い方しても大丈夫なわけ?というかアーノルドは何故わざわざそんな話をグレイスにしたわけ?あなたごときがあたしの話をやすやす教えるなって話なんだけど?)


ステラはそんな事を考えていた。


「はい。寮母さんが少し長めの休暇を取られるとの事でしたので。寮母さんが居ないと騎士の方達が大変そうでしたので私でお力になられる事があればなりたいと思いまして。」


ステラが顔が引きつるのを必死で抑えながら笑顔で言った。


「そうなのですか。本当に素晴らしいですね。」


グレイスは笑顔で言った。


「ステラ嬢は本当に騎士団での寮母の仕事を完璧にこなしていると報告があがっている程だからな。」


アーノルドが笑顔で言った。


「騎士団の寮母のお仕事なんてなかなかできる事ではありませんわ。」


「えぇ。それを完璧にこなされているなんてステラ様は素晴らしいですね。」


「バートン公爵様も鼻が高いでしょうね。」


令嬢達がアーノルドの言葉を聞いた途端にステラを褒めるように言った。


(何この空気は、、。別にあなた達に褒めて欲しくてやってる訳じゃないんでけど?!ていうかその寮母の仕事も今日が最終日だってのにこんなつまんないお茶会に招待されてるんだけど?!)


ステラは笑みを作りながらそんな事を考えていた。


「グレイス様も慈愛活動を積極的にされているとお聞きしています。慈愛活動に力を入れられているグレイス様も素晴らしいですわ。誰もが出来る事ではありませんから。」


ステラは話をすり替える様に言った。


「いえ、、そんなことはありません。私は少しでも慈愛活動をする事で困っている方々のお役に立ればと思っているだけですので。」


グレイスは照れた様に微笑みながら言った。


(さすがヒロイン!照れた表情が何故か輝いて見える!ヒロインフィルター恐るべし!)


ステラはグレイスを見てそんな事を考えていた。


「グレイス嬢。慈愛活動は本当に誰にでも出来る事ではないのにも関わらず君はよくやっていると思う。私も見習わないといけないと思っているのだ。」


アーノルドは優しく言った。


「殿下、、そんな勿体ないお言葉です、、。」


グレイスは恥ずかしそうな表情で慌てて言った。


「そんな謙遜する事はないさ。実際にグレイス嬢の活動でここにいるサティスの様な他国から来た者たちも慈愛活動によって不憫な思いをすることなく過ごせていると聞いてる。」


アーノルドが微笑みながら言った。


(グレイス嬢は慈愛活動にも真剣に取り組んでいるという事は知ってはいるが唯一あの日が頭にちらつくことがある、、。グレイス嬢に似た女性が暴行されている者を見て助けも呼ばず放置していた時の事を、、。あの日グレイス嬢は首都の街へは出てないと言っているからきっとそうなのだろう。しかし、何故かあの日の事が脳裏にやきついているのは事実だ、、。)


アーノルドはふとそんな事を考えていた。


「私でもお役に立てているなら光栄です。」


グレイスは微笑みながら嬉しそうに言った。


しかし、サティスはその会話を聞いて一瞬グレイスを見ると表情を暗くした。

一瞬の事にそんなサティスの表情を誰も気づいていなかった。


(はい!二人の世界は他所でやってください!そして早くあたしを開放して下さい!)


ステラはアーノルドとグレイスのやり取りを見ながらしらけた表情で考えていた。


他の令嬢達はアーノルドとグレイスのやり取りを見て悔しそうな妬ましい表情を浮かべていた。


「話は戻りますが、、騎士団の第二部隊にはラスター公爵様がいらっしゃいますよね?ですから何だかステラ様が心配です、、。」


グレイスが心配げな表情を浮かべて言った。


「私が心配、、?なぜですか?」


ステラが急に笑みを消してグレイスを真っ直ぐ見て言った。


「えっ、、?何故って、、ラスター公爵様には色々とよからぬ噂がありますからステラ様が危ない事に巻き込まれたりしないか心配ということです、、。慈愛活動をしている中でも街の方々もラスター公爵様に対してあまりよい感情をお持ちではありませんでしたし、、。」


グレイスは心配気な表情を浮かべて言った。


(はぁ?!何それ。何?その意味分かんない心配!あたしがバスティンのせいで危ない事に巻き込まれるかもって?!そんなんある訳ないじゃん!本当に何訳のわかんないこと言ってんの?!)


ステラは思わず表情を歪ませながらそんな事を考えていた。


「心配して頂きありがとうございます。ですが、、ラスター公爵様はそのような方ではありません。騎士としても公爵家の当主としてもとても立派で素敵な方ですよ。」


ステラはどうにか歪ませた表情を直して笑みを浮かべてグレイスへ言った。


(むしろバスティンは最高の男よ!バスティンはあなたの大好きなアーノルドよりも百倍、、千倍、、いや一万倍はいい男よ!)


ステラはそんな事を考えていた。


「そうなのですか、、?ですが噂が多い方といらっしゃるとステラ様の評判まで悪くなってしまいます。」


グレイスは心配気な表情を浮かべて言った。


「ラスター公爵様の眼帯と手袋の下には酷い痕があると聞きました。」


「えぇ。触れると呪われるとか。」


「前公爵様ご一家もラスター公爵のせいで亡くなっと聞きました。」


「騎士団の方々も本当はラスター公爵様とお仕事をされるのを嫌だと思われているかもしれませんね。」


「ラスター公爵様のお母様は娼婦だったとお聞きしました。」


グレイスの言葉を聞いた他の令嬢達が小声で話しだした。


アーノルドがその場の空気に戸惑った表情を浮かべていた。


(人が大人しく話聞いてりぁ好き放題言ってくれちゃって、、。何にも知りもしないでよくもあたしのバスティンを侮辱してくれたわね、、。)


ステラは怒りという怒りが込み上げてきながら考えていた。


そして…


「ラスター公爵様が近くにいると私の評判が悪くなる?私は評判が落ちる事くらい何ともありませんわ。」


ステラは怒りのこもった表情でグレイスを見ながら言った。 


「え?それは、、。」


グレイスはそんなステラに戸惑いながら言った。


「それに、、グレイス様は何を根拠にその様な事を仰っているのですか?たかが噂話を鵜呑みにしただけでその様な事を私に仰っているのですか?」


ステラは更に強めにグレイスへ言った。


(ヒロインだからってバスティンを侮辱する様な事言っても許されると?!ふざけないで!ヒロインだろうが何だろうが許される訳ないでしょ!)


ステラはそんな事を考えていた。


「あなた方も何を根拠にその様な話をしているのですか?ラスター公爵様に近づいたら呪われる?前公爵様一家が亡くなったのは公爵様のせい?あなた方は自分のその目で呪われた人を見たのですか?前公爵様一家が亡くなるところを見たのですか?」


ステラは他の令嬢達にも怒りの表情を浮かべて強めに言った。


その場の空気が一気に静まり返った。


「醜い痕があったらいけないのですか?母親が娼婦だといけないのですか?」


ステラは更に強めに言った。


「ラスター公爵様に近づいたら呪われるですって?あなた方は殿下の誕生日パーティーで私と公爵様が踊っているのを見てましたよね?その時私は呪われましたか?毎日公爵様と過ごしている騎士団の方々は呪われましたか?どなたか実際に呪われている人を見ましたか?」


ステラが更に言った。


「「それは、、。」」


令嬢達が戸惑いながら呟いた。


「見てませんよね?当たり前です。呪われた人などいないのですから。それをたかが噂話を鵜呑みにしてそのような無礼極まりない発言を平気でなされるなんて、、。あなた方のような方々が公爵様のありもしない噂を広めているといっても過言ではありませんね。」


ステラは怒りと呆れの混じった表情で言った。


「グレイス様、、。私の事が心配と言われましたが男爵令嬢であるグレイス様がかりにも国の大二公爵家の一人であるラスター公爵様の事を侮辱する様な発言をされるとはどういうつもりですか?」


ステラは冷たい表情でグレイスを真っ直ぐ見て言った。


(バスティンの事を何も知らないくせに勝手な事を言うなんて許すわけにはいかない。)


ステラはそんな事を考えていた。


「そっ、それは、、。」


グレイスは戸惑いながら言った。


「それに私はラスター公爵様の事を何も知りもしないでその様な軽率な事を言われる方に私は心配などされたくもありません!」


ステラは冷たい表情のままグレイスへ言った。


「私はただ、、ステラ様の事が心配だっただけで、、不快にさせてしまったのなら申し訳ありません、、。」


グレイスは目に涙を浮かべながら言った。


「ステラ嬢。一旦落ち着いて話そう。グレイス嬢もこうして謝っているのだから。」


アーノルドがグレイスの表情を見て慌ててステラへ言った。


(ステラ嬢は相当怒っているようだからこのままではグレイス嬢が、、。)


アーノルドはそんな事を考えていた。


(はぁ?!)


ステラはアーノルドにそんな事を思っていた。


「お言葉ですが殿下。謝るくらいならば最初からその様な軽率な言動は控えるべきです。貴族としての適切な言動だとは思えません。それに殿下は何故ご令嬢達の話を聞いていて黙ってらしたのですか?ラスター公爵様は国のために何年も国を離れて戦ってこられたのですよ?その事は殿下もご存知のはずです。ご存知なのにも関わらず何故令嬢達の軽率な言動を黙って聞いていたのですか?」


ステラは冷たい表情を浮かべたままアーノルドへ言った。


(ステラ嬢は私を軽蔑しているのか、、?私が何も言わなかったから?確かに私はラスター公爵が噂の様な人物でないことは知っている。だが、、私もグレイス嬢の様にどこかでステラ嬢がラスター公爵と共にいるとステラ嬢の悪い噂がたつと思い心配していた、、。ステラ嬢の事になると何故か上手く思考が回らない。だから空気が悪くなっても黙っていた、、。)


アーノルドは戸惑いながらそんな事を考えていた。


「それは、、。その、、ステラ嬢の言っている事はごもっともだ。」


アーノルドはバツの悪そうな表情を浮かべて言った。


(ごもっともですって?!ハッ!本当にこの男は嫌なヤツ。アーノルドがもっと早く話に割り込んできてバスティンはそんな人じゃないって一言言ってくれたら令嬢達だってそれ以上好き勝手に言わなかったはずなのに。本当にこの男、、いけすかないどころか大っ嫌いだわ。)


ステラはアーノルドを嫌悪しアーノルドを冷たい表情で見ながらそんな事を考えていた。


「私はラスター公爵様が侮辱される事は許せません。今後、、今日のようにラスター公爵様の事を侮辱する様な発言をされた方はバートン公爵令嬢である私が許しません。どうかその事を肝に命じておいて下さい、、。」


ステラは怒りをどうにか抑えながらも冷たい表情でアーノルドやその場の令嬢達へ言った。


(私の大切なバスティンを侮辱する奴らは私がただじゃおかないわ!地獄の果まで苦しめてやるんだから!)


ステラはそんな事を考えていた。


そんなステラを見てグレイスは更にしくしくと泣いていた。


(まったく、、ヒロインって泣けば許される傾向あるのどうにかならないわけ?!本当に勝手すぎるわ。)


ステラは泣くグレイスを見てそんな事を考えていた。


「殿下。私は少々気分が優れませんので失礼させて頂きます、、。」


ステラは毅然とした表情でアーノルドへ言った。


「本日はお招き頂きありがとうございました。せっかくのお茶会の席を台無しにしてしまい申し訳ありません、、。本日の事で処罰をお望みでしたら家族には関係ありませんので私一人に処罰をお申しつけ下さい。」


ステラが更にアーノルドへ言った。


そして、ステラは他の令嬢達にも毅然とした態度で綺麗な礼をした。


「それでは、、失礼致します、、。リサ行くわよ。」


ステラがアーノルドや令嬢達に言うと後ろに控えていたリサへ言った。


「承知しました。」


リサが言った。


「ス、ステラ嬢!」


アーノルドが慌てて言った。


しかし、ステラはリサを連れて馬車停めへと向かった。


(本当に胸糞悪いったらありぁしない!行きたくもないお茶会に参加しただけでもストレスだってのにあんな事言われて耐えろなんて無理に決まってる!ムカつく!)


ステラは足早に歩きながら表情を歪めて考えていた。


(本当にムカつく、、。バスティンの事を侮辱するなんて、、。)


ステラはあまりのムカつきさに悔し涙が目に浮かびながら考えていた。


「ステラ様、、。」


そんなステラを見てリサが心配そうな表情で言った。


(まさかあんな事態になるなんて、、。)


リサはそんな事を考えていた。


そして、ステラとリサはバートン公爵家の馬車へと戻ってきた。


ステラは馬車の中に置いていたバスティンの抱き枕を手に取り思い切り抱きしめた。


ステラは抱き枕を抱きしめながら悔し涙を必死で引っ込めていた。


(今日は寮母の仕事がラストの日なんだから涙を堪えないと目が腫れちゃうわぁ、、。悔しすぎて涙出るなんて何年ぶりだって話くらいムカつきがおさまらないよぉ。あの場でグレイスが泣いてるとあたしは完全に悪役令嬢そのものだったよね。)


ステラはそんな事を考えていた。


(待って、、!グレイスが泣いたくらいでまさかあたし処刑にならないよね?!あんなの勝手にグレイスが泣いただけだし別にあたしは悪いことは言ってないもんね?!うん!大丈夫!大丈夫よ!)


ステラは急にハッとなりそんな事を考えていた。


そして…


「よし!!」


ステラは抱き枕をしばらく抱きしめた後に涙をきちんと引っ込めて言った。


(気持ちに切り替えていこー!いつまでも引きずるのはあたしらしくないもんね!)


ステラはそんな事を考えていた。


「リサ。騎士寮に行ってくるわ!」


ステラが笑顔で言った。


「はい。承知しました。」


リサはステラの表情を見て安堵した表情を浮かべると笑顔で言った。


「リサは先に戻ってて。抱き枕は私の部屋に戻しておいてね!」


ステラは笑顔で言った。


「承知しました。お任せ下さい。」


リサが笑顔で言った。


そして、その後リサは馬車でバートン公爵邸へ戻った。


ステラは騎士寮へ向かうと着替えを済ませて寮母の仕事を始めた。


(よし!泣いても笑っても今日で最後の寮母の仕事!思い切りやり切ろう!さっきの嫌な事なんて忘れて楽しんで仕事してやるんだから!)


ステラはそんな事を考えながら意気込んだ表情を浮かべた。


ステラはその後も掃除に洗濯に武器の整理と在庫管理といつもの様に仕事をいつもより更に念入りに進めていった。


(あぁ、、。何で今日に限ってバスティンに会えないんだろうか、、。)


ステラは寮の庭の草むしりをしながら残念そうな表情を浮かべて考えていた。


(昨日も会えてないし今日こそは絶対バスティンと会いたかったのにさぁ〜。)


ステラはげんなりしながら考えていた。


(あぁ〜バスティンに会いたい、、会いたい〜!!バスティンが足りなさすぎて耐えられないよ〜!!)


ステラは草を抜きながら寂しそうな表情で考えていた。


(騎士さん達の話だとバスティンもお父様達も今日も狩猟大会関連の仕事で駆り出されてるみたいだしね、、。狩猟大会の仕事なんてどうでもいいお茶会開いてるアーノルドにやらせたらいいのにさ!本当に主人公ってだけで大変な仕事はやらないってどういう事だって話だよね!)


ステラはそんな事を考えていた。


そして、ステラはその後も寮母の仕事が終わる時間まで仕事をやり続けた。


その後、ステラと騎士団の騎士たちは挨拶をする為に寮の食堂へ集まった。


ステラが食堂へ到着すると非番だったペーターと騎士たちが既に集まっていた。


「ペーター様、本日は非番だとお聞きしていましたけど、、。」


ステラがペーターを見て驚き言った。


「はい。そうなのですが本日はステラ様が寮母としての最後の日ですのできちんと直接お礼をお伝えしたいと思いましたので。」


ペーターは微笑みながら言った。


「そうなのですか?!お気遣い頂きありがとうございます。」


ステラは微笑みながら言った。


「いえ。ステラ様が寮母として騎士団に来て下さったお陰で私も含め騎士達も自分達の任務を快適に遂行する事が出来ましたのでステラ様には本当に感謝してます。短い間でしたが本当にありがとうございました。」


ペーターが姿勢を正して礼儀よくステラへ言った。


「「本当にありがとうございました。」」


ペーターに続いて他の騎士たちも礼儀正しくステラへ言った。


「こちらこそ寮母として働けてとても充実した日々を過ごす事が出来ましたし騎士団の皆様がどれだけ大変な任務をされているのかを知る事も出来ました。私にとって本当によい経験になりました。騎士団の皆様には色々と力になって頂きとても感謝しています。私の方こそ本当にありがとうございました。」


ステラは笑顔でペーターと騎士たちへ言った。


「今後もたまにでいいですので騎士団の皆の顔でも覗きに来てやってください。」


ペーターが微笑みながら言った。


「はい!もちろんです!」


ステラは嬉しそうに言った。


(だめだって言われてたって騎士団の稽古場には来るつもりだったしね!)


ステラはそんな事を考えていた。


「あっ!こちらはささやかながら騎士団全員からの感謝の気持ちです。本当はバートン団長からお渡しする予定だったのですが急遽バートン団長が不在になってしまいましたので私が代表でお渡しさせて頂きます。」


ペーターが言うとステラへ花束を手渡した。


「これを私にですか?綺麗な花束、、。ありがとうございます。こんな素敵な花束まで頂けるなんて本当に嬉しいです。皆様ありがとうございます。」


ステラは嬉しそうに満面の笑みを浮かべて言った。


(何か嬉しくて目頭が熱くなっちゃうよ、、。本当に寮母として働けて良かったし、あたしが騎士団の役に立てたみたいで良かったよ。)


ステラはそんな事を考えていた。


そんなステラを見てペーターや騎士達はほっこりした笑みを浮かべていた。


「もう少ししたらバートン団長達が戻ってくると思うのですが団長達が戻られる前に帰られますか?」


ペーターがステラへ言った。


「そうなのですか?、、いつもでしたら先に帰宅しますが今日は父と兄を待っています。父と兄と共に帰ることにします。」


ステラは少し考えて言った。


(お父様もお兄様もたまにはあたしと一緒に帰りたいって言ってたもんね!今日くらいは一緒に帰ってあげますか!)


ステラはそんな事を考えていた。


「そうですか。分かりました。では、こちらの食堂でお待ち下さい。」


ペーターが微笑みながら言った。


「はい。ありがとうございます。」


ステラが微笑みながら言った。


「あ!もちろんバスティンもバートン団長達と一緒に戻ってきますよ。」


ペーターは微笑みながら言った。


「本当ですか?!」


ステラは目を輝かせて言った。


「はい。」


ペーターはそんなステラを見てクスクス微笑みながら言った。


(やったー!!バスティンに会える♡まさかギリギリで会えるなんてラッキー!寮母としては今日が最後だし記念に一緒に写真でも撮りたいな〜!バスティン撮ってくれるかなぁ。あ!でも、お父様達がやんやん言ってきそうだよね。まぁ、そこはどうにでもなるか!)


ステラは嬉しそうにそんな事を考えていた。


そして、ステラはバスティン達が戻ってくるまでペーターと騎士たちと共に食堂で過ごすことにした。


ステラは待っている間に昼間に騎士寮への食料配達員のダンテにお土産にと貰ったジュースがあるのを思い出して騎士たちへジュースを注いで配った。


「ステラ様、ありがとうございます。これはどうされたのですか?」


ペーターがお礼を言うとジュースを見て尋ねた。


「あぁ。これは昼間にダンテさんが来た際に良かったら飲んでくれとお土産で頂いたジュースです。任務や稽古でお疲れの皆さんが糖分摂取するのにちょうどいいなと思いまして。」


ステラが笑顔で言った。


(ダンテさんって前世で隣に住んてた家のおっちゃんみたいで凄い話しやすいんだよねぇ。ダンテさんと話してると懐かしい気持ちになるんだよねぇ。)


ステラはそんな事を考えていた。


「そうだったのですね。ジュースが土産なんてダンテらしいですね。」


ペーターが言った。


「はい。ダンテさんはいつも甘いものをお土産で下さっていたので。」


ステラは笑顔で言った。


そして、ペーターや騎士達はステラが注れてくれたジュースを飲み始めた。


「?!これは、、!」


ペーターがジュースを一口飲むと驚いた表情で言った。


「ステラ様!飲んではいけません!」


ペーターは慌ててステラへ言った。


「え?」


ステラは驚き言った。


しかし、ステラは既にジュースを飲んだ後だった。


「あっ、、。」


ペーターはまずいという表情を浮かべて言った。


「あれ、、?何だか、、頭が、、。」


ステラは急に目の前がぼやけて頭がふわふわする感覚に陥りながら呟いた。


そして…


ステラが一瞬にしてその場に倒れ込んだ。


「ステラ様!!」


ペーターが倒れるステラを見て慌てて言った。


(あれ?これって、、もしかして、、ジュースじゃなくて、、お酒、、?頭がクラクラする、、。てか、久々のお酒美味し、、。てか、ステラってお酒弱すぎない、、?一口で倒れるとかありえないくらい弱いんだけど、、。)


倒れ込んだステラは頭がふわふわするのを感じながらそんな事を考えていた。


「「ステラ様!!」」


ペーターや騎士達が慌てた様子でステラの名前を呼んだ。


しかし、ステラは周りの慌てる声が遠くに聞こえだし段々と意識が朦朧してきた。


(あぁ、、バスティンまだ戻ってきてないのに、、。バスティンに会いたいのに、、。)


ステラは意識が朦朧とする中そんな事を考えながら目を閉じたのだった。



(ん?何だか、、暖かくて心地よい、、。)


ステラはふわふわする感覚を覚えながらそんな事を考えていた。


そして…

ステラは目をそっと開けた。


「気がついたか?」


するとバスティンがステラが目を開けたのに気づき言った。


「えっ、、?バスティン、、?どうして?」


ステラはぼやける視界の中目の前にバスティンの顔が見え言った。


(あれ、、?何でバスティンがいるの、、?何でバスティンの腕の中に、、?あたし確か、、間違えてお酒だったジュースを飲んで意識が朦朧として、、そして、、。)


ステラは頭がふわふわする中そんな事を考えていた。


「あぁ、、これ夢か、、。あたしの妄想と願望が混じった夢なんだわ。じゃなきゃあたしがバスティンの腕の中になんているはずないもんね、、。」


ステラはニヤニヤしながら言った。


「いや、、これは夢では、、。」


バスティンが呆れた表情で言った。


(まったく、、任務から帰ってみれば騎士寮の食堂が騒がしく覗いて見てみれば倒れているステラ嬢を皆が囲み大騒ぎになっていとは、、。倒れているステラ嬢を見てどれだけ肝が冷えたことか、、。)


バスティンは自分の腕の中にいる目が虚ろのステラを見て考えていた。


(だが、話を聞くとジュースを酒と間違えて飲んで倒れたと。たかが酒を一口飲んで倒れるのかと信じられなかった。数年前に騎士団に所属していた平民出身の女性騎士は男達にも負けない程酒を飲んでいたからな。いくら成人してないとはいえたった一口で倒れる程酒が弱いとは、、。師匠とジョシュアは化け物なみに酒が強いというのに本当にステラ嬢は師匠の娘なのか?!)


バスティンは更に考えていた。


(まったく、、この娘にはいつも驚かされてばかりだな、、。)


バスティンはそんな事を考えていた。


(次にダンテに会ったら未成年に酒は渡すなときつく言っておかないとな。それに、ペーター達がいながらこんな事になるなどあの者たちにもきつく言っておかないとな。)


バスティンは更に考えていた。


(師匠とジョシュアが任務からまだ戻っていなかったから仕方なく私がステラ嬢を連れ帰る事になったが、、師匠とジョシュアが戻ったらまた一波乱ありそうだな。あの二人はステラ嬢の事となると更に人格が変わるからな。面倒な事に巻き込まれないようにステラ嬢を送り届けたらすぐに自邸へ戻るとしよう。)


バスティンはそんな事を考えていた。


「しかし、人の気も知らず呑気なものだな、、。」


バスティンはニヤつくステラを見て呆れた表情で呟いた。


「あぁ、、バスティンの腕の中、、暖かくて心地よいわぁ〜、、。最高だよ、、。愛するバスティンの腕の中にいるなんて、、。このまま死んだって悔いはないくらいだよ、、。」


ステラはニヤニヤしながら言った。


「バスティン〜、、会いたかったよ〜。会いたくて死にそうだったよ〜。夢でも会えるなんて嬉しいよ〜。夢最高〜!」


ステラはニヤニヤしながら言うとバスティンを思い切り抱きしめて言った。


「お、おい!ステラ嬢!」


バスティンはステラに抱きしめられて慌てて言いながらステラを体から離そうとした。


「夢なんだから抱きしめさせてくれてもいいでしょうが〜、、。現実だと抱きしめたくて手が出そうになっても我慢してるんだから、、。」


ステラは更にバスティンの体にがっちりくっつき抱きしめた。


「今日はさ、、いつも以上にバスティンが恋しかったのよ〜。」


ステラはバスティンの胸に顔をすりすりしながら言った。


「わかっから一旦離れろ!」


バスティンはそう言うとステラを自分の体から離そうとした。


(この娘ときたら本当に何なのだ?!いくら酔っていて夢だと勘違いしてるにしろこんな事をするなど。)


バスティンは困惑気味に考えていた。


「嫌ですよ〜。私はバスティンから一生離れないし離さないからね〜。」


ステラはニヤニヤしながらバスティンの体から意地でも離れず言った。


(何という馬鹿力なのだ。)


バスティンはステラを自分から離そうにも離れない力を感じつつ考えていた。


「今日はさ〜せっかく寮母としての仕事が最後の日だっていうのにさ〜朝から行きたくもないあの腹黒ペテン師野郎主催のお茶会に参加してさ〜。」


ステラはバスティンの胸に顔をべったりとくっつけながら言った。


「腹黒ペテン師野郎とは誰の、、殿下のことか?」


バスティンが言った。


「そうですとも。殿下以外に誰がいるというのやら、、。」


ステラは頷きながら言った。


(ステラ嬢は殿下のお茶会に参加していたのか、、。殿下主催のお茶会ということはステラ嬢も皇太子妃候補というわけか、、。)


バスティンは胸がチクリとするものを感じながら考えていた。


(いくらステラ嬢が私の元へ嫁ぎたいと言っても殿下がステラ嬢を皇太子妃に選ぶのであれば個人の気持ちだで断る事はまず難しいだろう、、。)


バスティンは更にズキと胸に感じながら考えていた。


「ペテン師野郎主催のお茶会ってだけでも嫌だというのに加えて集まった令嬢達も最悪だった始末、、。」


ステラは鼻息荒くムスッとした表情で言った。


「バスティンの事なーんにも知らない癖にバスティンの事を侮辱して許せなかった、、。」


ステラは怒りと悲しみの混じった表情で言った。


「バスティンがこれまでどんなに悲しく辛い目に遭ったかなんて知らない癖に噂を鵜呑みにしてありもしない事ばかり言ってバスティンを侮辱して、、。バスティンがどれだけいい男なのを知りもせずあちこちで噂ばかり立ててる様なクソみたいな令嬢達も話を止めなかったペテン師野郎も全員豚に蹴られて泥まみれになったらいいのよ、、。」


ステラが鼻息を鳴らしながら言った。


「ステラ嬢、、口が悪いぞ。」


バスティンが言った。


「口が悪くたって構いませんよ!どうせ夢なんだから、、。それに、あたしははっきりとあの場で今後バスティンを侮辱する人は絶対にあたしが許さない言ってきましたから!バスティンを侮辱されてあたしが暴言吐いて罰を受けなきゃいけないならいくらだって受けてやるって話です!バスティンがこれ以上侮辱されないなら針千本だって飲むし、熱湯風呂だって入ってやるし、逆さ吊りにされたって受けて立ってやるわ!」


ステラは目が虚ろのままバスティンを見てニタ〜と微笑みながら言った。


「だから、バスティンは安心して変わらないいい男バスティンでいて私に愛されてね〜。あたしは死ぬまで、、いや死んでもバスティン一番の味方だからね〜。」


ステラはニタ〜っと笑いながら言うとそのまま眠ってしまったのだった。


「言いたいことだけ言って寝てしまったな、、。しかも、、離れないまま、、。」


バスティンはステラが眠ってしまったのを見てやれやれといった表情で呟いた。


(、、ステラ嬢はいつも私の事で怒っているな。それも私が悪く言われると、、。昔、師匠に陰で私を悪くいう者たちがいた際にそれを鵜呑みにすると私が傷つくだけだから気にせず自分らしく生きろ、、それに私の事をきちんと理解してくれている者は沢山いる事を忘れるなと、、。)


バスティンは眠るステラを見てそんな事を考えていた。


(まさか自分を理解してくれる者の中にこれ程ある意味強烈な理解者が現れるなどあの頃の私には想像もつかなかったことだな。まったく、、国の皇太子殿下をペテン師野郎などという人間はステラ嬢くらいだろうな。だが、何故がステラ嬢が殿下に好印象を持っていないということに安堵した自分がいた、、。この気持ちは何なのだろうか。)


バスティンはそんな事を考えていた。


そして、ステラとバスティンが乗る馬車がバートン公爵邸へ到着した。


馬車が到着したのでリサが出迎えた。


しかし、出迎えたリサが馬車から降りて来た人物を見て驚いた表情を浮かべた。


「ラスター公爵様と、、ステラ様?!」


リサが馬車から出てきたステラをお姫様抱っこしたバスティンを見て驚き言った。


「出迎えてもらって申し訳ないが公爵夫人を呼んできてもらいたいのだが頼めるだろうか?」


バスティンが冷静にリサへ言った。


「は、はい。かしこまりました。すぐに呼んでまいります。公爵様はどうぞ中へとお入り下さい。」


リサは慌てて言った。


「ありがとう。よろしく頼む。」


バスティンが言った。


「はい。」


リサが言うと急ぎミシェルを呼びに言った。


そして、しばらくすると玄関へ急ぎミシェルがやって来た。


「ラスター公爵様!お待たせして申し訳ありません。」


ミシェルは慌ててバスティンへ言った。


「いえ。構いません。こちらこそ急な訪問申し訳ありません。」


バスティンが丁寧にミシェルへ言った。


「それは構いませんがこれは一体、、。」


ミシェルはバスティンに抱きかかえられるステラを見ながら言った。


「それがですね、、。」


バスティンはミシェルへステラを連れ帰ったここまでの状況を説明した。


「公爵様、、ステラが、、娘が大変ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした、、。」


ミシェルはバスティンから事情を聞き呆れた表情を浮かべるもすぐに申し訳なさそうな表情でバスティンへ謝った。


(ステラったら本当に何をやってるのやら、、。呑気に寝てる場合ではないというのに、、。)


ミシェルはそんな事を考えていた。


(ステラ様、、。よだれが垂れてます、、。)


リサは呆れた表情を浮かべて考えていた。


「その様に謝る必要はありません。師匠とジョシュアの代わりに連れ帰っただけですのでお気になさらないで下さい。それよりもステラ嬢を引き受けて貰ってもよろしいでしょうか?」


バスティンは冷静に言った。


「広いお心に感謝致します。すぐにステラをお引き受け致しますね。リサお願い。」


ミシェルが丁寧に言うとリサへも言った。


「はい。」


リサは頷きながら言うとバスティンからステラを引き受けようとした。


しかし…


「いや!バスティンから離れない!」


ステラが断固としてバスティンから離れ様とせずバスティンの首に手を回して思い切りバスティンに抱きつき寝ぼけながら言った。


そんなステラを見たバスティンは慣れた様な表情を浮かべた。

ミシェルとリサは驚愕していた。


「ステラ!」


ミシェルがさすがに大声で寝ているステラへ言った。


しかし、ステラは起きることなくバスティンに抱きついたままだった。


そんなステラにミシェルは頭を抱えた。


「公爵様、、本当に申し訳ありません、、。」


ミシェルはただバスティンに謝った。


「いえ、、大丈夫です。夫人、もし失礼でなければ私がステラ嬢を部屋まで運びましょうか?いつまでもこのままではあれですので。」


バスティンがミシェルへ言った。


(この場に師匠とジョシュアがいないのが不幸中の幸いだな。しかし、、夫人は大変そうだな、、。)


バスティンはそんな事を考えていた。


「え?そんな事までしていただくのはさすがに、、。」


ミシェルは戸惑いながら言った。


(いくらダニーと師弟関係にあるラスター公爵でもさすがにそこまでして頂く訳にはいかないわ、、。)


ミシェルは頭を抱えつつそんな事を考えていた。


「ステラ嬢を運ぶ事は容易いことですから。それよりも早くステラ嬢をどこかへ下ろさなければこの状況で師匠達が帰宅する方が大変な事になるかと思います。」


バスティンは冷静に言った。


「確かに、、。それはその通りですね。では、、公爵様。お言葉に甘えてステラを部屋まで運んでもらってもよろしいでしょうか?」


ミシェルはバスティンの言葉にハッとなり言うと申し訳ない表情になりバスティンへ言った。


(こんなところをダニーとジョシュアが見たらどうなるかなんて見なくても想像つくわね、、。)


ミシェルは更に頭を抱えて考えていた。


リサもミシェル同様ダニー達が今帰宅してこの状況を見たらどうなるかを想像してギョッっとした表情を浮かべていた。


「分かりました。では、部屋までの案内をお願いします。」


バスティンは頷きながら言った。


「はい。では、こちらへお願い致します。」


ミシェルが頷きながら言うと階段の方へ手をかざし言った。


そして、バスティンはステラを抱えたままミシェルとリサと共にステラの部屋へと向かった。


(しかし、、騒ぎの本人がここまでぐっすり寝ているとはな。満足そうに眠っているな。ステラ嬢らしいといえばらしいな。)


バスティンは自分に抱きつくステラを見て考えていた。


「公爵様、こちらがステラの部屋です。」


ミシェルがステラの部屋の前まで来て言った。


「分かりました。」


バスティンは頷きながら言った。


「では、申し訳ありませんが部屋のベッドにステラを下ろして頂いてもよろしいでしょいか?」


ミシェルは申し訳なさそうな表情で言った。


「はい。分かりました。」


バスティンは冷静に頷きながら言った。


「奥様!」


ミシェルがステラの部屋を開けようとした時リサが戸惑いながら慌てて

言った。


「どうしたの?」


ミシェルがリサへ言った。


『奥様、、。ステラ様の部屋に公爵様をお入れして大丈夫でしょうか?』


リサが複雑そうな表情を浮かべてミシェルに小声で耳打ちした。


『どういうこと?』


ミシェルは意味が分からず小声で言った。


『ですから、、ステラ様の部屋の中には、、。』


リサが気まずそうな表情を浮かべ小声で耳打ちした。


『ステラの部屋の中って、、っ!!あっ、、。』


ミシェルはリサの言葉の意味をようやく理解したのかギョッとした表情を浮かべて小声で言った。


『すっかり忘れていたわ、、。』


ミシェルはギョッとした表情を浮かべて小声で呟いた。


リサも気まずい表情を浮かべたままだった。


(どうしたんだ?やはりこの様な状況だとしても私のような者がステラ嬢の部屋の入るのはよく思えないのだな、、。)


バスティンはミシェルとリサが急に気まずそうな表情を浮かべて小声で話をするのを見てズキっと胸が痛むのを感じながら考えていた。


「もし、私がステラ嬢の部屋へ立ち入るのが不快でしたら別の部屋へ案内して頂いても構いません。」


バスティンは平然とした態度でミシェル達へ言った。


(夫人達も私本人を目の前にしてなかなか嫌だとは言えないだろうからな。)


バスティンはそんな事を考えていた。


「そんな!不快だなんて!そんな事は決してありませんわ!」


ミシェルはバスティンの言葉を聞き慌てて言った。


「でしたら、、。」


バスティンが眉間にしわを寄せて言った。


「あの、、。ステラの部屋に入る事で逆に公爵様を不快にさせてしまうかもしれないので躊躇していただけでして、、。」


ミシェルは苦笑いを浮かべて気まずそうな表情で言った。


「それは一体どういう意味でしょう?私は不快な思いをする事に慣れますのでご心配なく。それよりも早くステラ嬢を下ろしたいので。」


バスティンが冷静に言った。


バスティンの言葉にミシェルとリサは顔を見合わせた。

そしてミシェルが小さく頷いた。


「分かりました。では、、よろしくお願いいたします。」


ミシェルはバスティンに言うと部屋の扉を開けた。


「どうぞ。お入り下さい。」


ミシェルはそう言うとバスティンを

部屋の中へ招き入れた。


「失礼します。」


バスティンはそう言うと部屋の中へ入った。


部屋へ入ったバスティンは部屋の中を見て呆気にとられた。


(私が不快に思うか、、。こういう事だったのか。)


バスティンはステラの部屋の中を見ながら考えていた。


そんなバスティンを見たミシェルとリサは頭を抱えていた。


「公爵様、、。一先ずこちらのベッドへステラを下ろして頂けますか?」


ミシェルは申し訳なさそうにバスティンへ言った。


「分かりました。」


バスティンはすぐに冷静になり頷きながら言った。


「リサ。公爵様がステラを下ろしやすい様に布団をはがしてちょうだい。」


ミシェルがリサへ言った。


「はい。」


リサが急ぎベッドの上の布団をステラを寝かせやすい様にはいだ。


そして、バスティンは寝ているステラをそっとベッドへ下ろした。


「後はこちらでやりますので、、。ご迷惑おかけした上にこんな事までして頂き本当にありがとうございました。何とお礼を言っていいか、、。」


ミシェルはげっそり疲れた表情を浮かべて申し訳なさそうに言った。


「そして、、この部屋ですが、、。本当に申し訳ありません、、。不快に思われたでしょう。ステラには全て片付けさせる様に言い聞かせますので、、。」


ミシェルは苦笑いを浮かべて言った。


(私も知らぬ間にこんなに色々と増えてるなんて、、。ステラの行動力は本当に母親の私も驚かされるわ。これはリサも公爵様を部屋に入れるのを躊躇するはずだわ。)


ミシェルはそんな事を考えていた。



バスティンは、ステラのベッドの上に置いてあった眼帯をつけた狼の人形とバスティンのシャツを使った抱き枕を見た。

更にベッド横のライトの下にバスティンとのツーショットの写真が入った写真立てと3個並べられたアルミスタンドを見た。

更に視線を上を向けて棚の上に綺麗に並べられた"愛しのバスティンコレクション"と書かれたアルバムや壁にかけられた額縁の中に入ったバスティンがステラにあげたハンカチを見ていた。


(私が不快に思うか、、。確かに普通ならばそう思っていたかもしれないが、、あまりにもステラ嬢らしい部屋だからだろうかまったく不快な気持にならない自分に驚くほどだな。自分の写真が飾られているというのに何故だか温かみを感じる部屋だな。)


バスティンはそんな事を考えていた。


そして、ミシェルがふとバスティンの顔を見た。

そして、ミシェルはバスティンの表情を見て驚いた。


バスティンは部屋の中を見ながら優しい表情を浮かべていたからだった。


(あらあら、、。)


ミシェルはバスティンの表情を見て優しく微笑みながらそんな事を考えていた。


(もしかしたら、、ステラの独りよがりではないのかもしれないわね、、。)


ミシェルは優しい表情でそんな事を考えていた。


「夫人。私は不快になど思っていませんからこの部屋はこのままにしてあげておいて下さい。」


バスティンがミシェルへ言った。


「それから、ステラ嬢はきっと明日は二日酔いで体が辛いでしょうから私は明日も一日狩猟大会に向けての任務がありますので我が邸に来ずゆっくり休む様に伝えておいて下さい。」


バスティンが言った。


(ステラ嬢のことだ。きっと明日になれば今日の事を聞かされてまた突拍子もない行動をするだろうからな。)


バスティンはそんな事を考えていた。


「分かりました。ステラが目を覚ましましたら伝えておきますね。」


ミシェルは優しく微笑みながら言った。


「公爵様、本日は本当にありがとうございました。」


ミシェルは改めてバスティンへお礼を言った。


「いえ。」


バスティンが言った。


「では、私はこれで失礼しますね。そろそろ事情を聞きつけた師匠達が戻られるでしょうから。」


バスティンが言った。


「そうですね。分かりました。馬車までお送り致します。」


ミシェルが言った。


「ありがとうございます。」


バスティンが言った。


「リサ、私は公爵様をお送りしてくるからミシェルの着替えを済ませておいてあげてちょうだい。」


ミシェルがリサへ言った。


「かしこまりました。」


リサが頷きながら言った。


そして、バスティンとミシェルはステラの部屋をあとにした。


リサはステラの着替えを始めた。


「ん〜バスティン〜、、、。」


ステラは幸せそうな笑みを浮かべながら寝言を言った。


「まったく、、。こんな騒ぎになっているなど知らず幸せそうにして、、。」


リサはステラを見てやれやれといった笑みを浮かべて呟いた。


「ステラ様の仰る通りラスター公爵様は噂とはまったく違う方でしたね。今まで噂を信じていたのが恥ずかしくなりました、、。きっとあのあの方と一緒になられたらステラ様は幸せになれますね。ステラ様いい夢を見て下さいね。」


リサは微笑みながらステラを見て呟いた。


ステラは幸せそな表情を浮かべて深い眠りについていたのだった……

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