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1.じゃじゃ馬悪役令嬢爆誕

新連載です★

読んで頂けたら幸いです★


「あなたが好きです。私があなたを必ず愛し守り幸せにします。ですので私と結婚して下さい…。」




ここはポメニティア帝国…


私はこの国の2大公爵家と呼ばれている公爵家の1つ…

バートン公爵家の娘で…名前は…


ステラ・バートン 15歳。


しかし…

そんな私には誰にも言っていない秘密があった…


それは…

私には前世の記憶を持った転生者だということ。


自分が転生者だと気づいたのは私が10歳の年だった。


庭にあるレモンの木に登りレモンを採ろうとした際に誤って木から落ちてしまったのが原因で前世の記憶が頭を過ぎり自分がこの世界に転生したのだと気づいたのだった。


しかも…

私が転生したこの世界は…私が前世でどハマりしていた小説の世界だったのだ。



私の前世は日本に暮らす"柊鈴音"という20歳の大学生だった。

幼い頃に両親が他界しその後は祖父に育てられた。

祖父も早くに祖母を亡くしていたので私は祖父と二人暮らしだった。


合気道の道場を営んでいた祖父の影響で私は幼い頃から合気道と触れ合う機会が沢山あった。

文武両道という言葉がぴったりな程に頭も賢ければ運動神経も抜群だった。

中高と弓道、剣道にも励んでいた。

中高6年間通して全国優勝するほどだった。

その上…容姿も母親に似て上の上レベルだった。


しかし…

合気道…剣道…弓道と相手が男性だろうが向かうところ敵なし状態だった事に加えて幼い頃から父の影響で小説や漫画…アニメも大好きだった。


そしていつしか周りからは…

"オタクメスゴリラ"

とあだ名がつけられた程だった。


そんな私が大学に入学してすぐのことだった。

祖父が病に侵されこの世を去ったのだ。


祖父の死がショックで私は当分立ち直る事ができないでいた。

そんな時に友達が気晴らしにでもなったらと話題になっていた恋愛小説を貸してくれたのだった。


友達が貸してくれた恋愛小説の題名は…

《Only one true love》通称・オンラブ



オンラブはイケメン主人公の皇太子がたった1つの真実の愛を見つけるという王道の恋愛小説だった。



小説がコミカライズ化される程の人気小説で特に主人公の皇太子がイケメンすぎると話題になり皇太子フィーバーが起きていた。


私は気づいたらオンラブにどハマりしていた。


しかし…

私がどハマりした理由は皇太子がイケメンすぎるからではなかった。


小説に出てくるサブキャラの愛を知らない不遇冷淡眼帯公爵こと"バスティン"に一瞬で恋にしてしまったのだ。


小説のキャラに恋なんておかしい…気持ち悪いと思われるだろうがそんな事関係なかった。

とにかく小説のキャラだろうが何だろうが恋してしまったらもう止められないのだから。

冷淡と言われていたバスティンというキャラの事を知れば知るほど好きになれずにはいられなかったのだ。


バスティンは私の推しキャラでもあり初恋の人でもあった。


しかし…

バスティンは悪役令嬢と共にヒロインを殺害しようとした罪で処刑されるという結末を迎えるキャラだったのだ…


私はバスティンの死をとても悲しんだ…


もし…私がオンラブの登場人物になれたら私がバスティンを死なせる事なく幸せにしてあげるのと心から思っていた。


そんなある日…

オンラブのコミカライズ化記念イベントに参加することになった。

この日はイベント限定グッズが発売される事もあり私はイベント会場へ向かっていた。


しかし…

その道中で老人を助ける代わりに自分が呆気なく車にはねられ死んでしまったのだ。


『私…このまま死んじゃうのかな…。死んだら小説で死んでしまったバスティンに会えるかな…。』


私は薄れる意識の中そんな事を考えながら目を閉じたのだった。


が…

何がどうなってそうなったのか…

私が目を開けるとそこはまさにオンラブの世界だったのだ。


始めは現実な訳ない…

死んじゃったからこれは夢だ…

と思ったけれど…

どうやら現実だったみたく私はオンラブの世界へ転生したのだった。


正直…戸惑いはしたが自分がどハマりしていたオンラブの世界に転生した事は不安よりもワクワクがこみ上げてきた。

だって…オンラブの世界に転生したという事はバスティンに会えるからだった。


自分が死ぬかもしれないと思った時に願った事を神様が叶えてくれたのかもしれないと神様に感謝をしながらルンルンで自分は何のキャラに転生したのかを確かめるべく鏡で自分の姿を確認したのだった。



しかし…私は鏡で自分の姿を見た瞬間唖然とした。

鏡に映る自分は…

とても綺麗な輝く金髪にエメラルドグリーンの綺麗な透き通った瞳をした絶世の美少女だった。


(ギャァァァァー!こ…こ…この姿は…悪役令嬢のステラじゃんかーー!!)


私は鏡に映る自分の姿を見ながら声に出したらまずいと手で口を覆って心の中で思い切り叫びながら言った。


(何故…?よりによってステラに転生するなんて…。おいおい!神様!あんたー血も涙も同情もないのかー!!やってくれな!一番転生したらだめなキャラに転生させるなんて…。)


私は半泣きになりながら天を仰いで心の中で思い切り言った。


(はぁ…数年後に私のせいでバスティンが死んでしまうと考えると絶望じゃん……。)


私は先に見える状況を知ってるだけに肩を落としに落としていた。


しかし…

私はその時ふと考えた。


私がステラに転生したからといってバスティンの死亡フラグが立つわけじゃないと…。


そう…

私はその時に思った。


それは…

小説のシナリオを無視して私自身がバスティンを守り幸せにして全力で愛そうと…


(そうよ!小説の世界に転生したからってシナリオ通りにする必要なんてないわけだよね?!そもそもステラだって元は悪役令嬢じゃなかったわけだしね。)


私は絶望からの希望の光が見えた事に歓喜しながらそんな事を考えていた。


オンラブの悪役令嬢ステラは元々は悪役令嬢気質ではなかった。

家族から沢山の愛情を注がれとても素直で純粋な令嬢だった。

しかし…皇太子に恋をした事で変わっていった。

皇太子へ純粋に恋い焦がれていたのにも関わらずヒロインの存在で徐々にステラの精神が崩壊していったのだ。

最終的にステラは皇太子に恋い焦がれるあまりヒロインを殺害しようとした結果悪事がばれて処刑されたのだ。


(今のステラは10歳…。オンラブのストーリーが始まるまであと5年…。5年もあれば十分に色々と準備が出来そうだよね…。)


私はそんな風に考えていた。



そして…

5年後の今に至っていた。



私はこの5年間でステラとして生きてきた。

そして…バスティンを幸せにする為に準備も進めてきた。


ステラという人物は前世の私と似ている部分が沢山あった。


容姿…学力…運動神経…前向き…


お陰で特にステラとして生きるのに苦戦はしなかった。


私はこの5年間で…

令嬢としてのマナーはもちろん勉強も難なくこなした。


お母様の体調が優れなく私が8歳の時お母様に付き添う為に公爵家の別邸で生活しているからお父様とお兄様とは離れて数年暮らしてきた。


逆にチャンスだと思った私は別邸で朝から前世の記憶を生かして別邸にあるお父様とお兄様の訓練場で弓と木刀を使い訓練もした。


《バスティンは帝国騎士団の第2部隊団長でもあるからいつでも騎士団に潜入できる様に。》


前世では毎日の様に料理家事をしていたから別邸でも使用人達に反対されながらも料理や家事などを手伝った。

もちろん、裁縫も練習した。


《バスティンがいる騎士団で少しでも役に立てる機会があった時の為に。》


帝国の軍事的な事や経済についても勉強をした。


《将来、バスティンに嫁ぐ事を夢見て。いつ公爵夫人として嫁いでもバスティンの力になりたい為。》


もちろん、美容的な事にも手を抜かなかった。


《バスティンにいつでも綺麗だって思われたいから。》



私はとにかくバスティンの事だけを考えてバスティンに会える日を楽しみにこの5年間を過ごしてきた。


まあ…

そんな私の行動がお父様とお兄様の耳に入らない訳がなかったが私の事を溺愛している二人はそんな私のお転婆な行動にも微笑ましく耳を貸していたようだった。




そしてステラとステラの母であるミシェルがミシェルの休養を終えて帝都に戻る日がやってきた。



そして…

いよいよ小説オンラブのストーリーが始まろうとしていた。


オンラブのストーリーは皇太子であるアーノルドの18歳の誕生日パーティーから始まる。


この年に…


ステラは15歳になったので皇太子アーノルドの誕生日パーティーで初めての社交場に出席しアーノルドと数年ぶりに再会して更にアーノルドへの恋心へ火を付ける。



(一先ず…これがストーリーの序盤よね…。オンラブでは中盤のストーリーでステラがアーノルドと出会ったきっかけが描かれてたよね…確か…ステラが…7歳の時に父に連れられて初めて宮殿へ行った時に偶然アーノルドに会ってステラがアーノルドへ一目惚れをするんだったよね…。そこから初めての社交場で再会するまで二人は会うことはなかったけどステラはその間もアーノルドの事を想い続けたてたんだったよね。それで久しぶりの再会で成長したアーノルドを見た事で想う気持ちが強くなったんだったよね。アーノルドはそんなステラの気持ちに薄々気づいてて容姿が完璧なステラの気持ちを悪くないと思って誕生日パーティーの日にステラに優しく微笑みかけるんだったよね。その笑みで更にステラはアーノルドに夢中になったんだよね…。ステラをその気にさせといてヒロインに会った途端にたった一つの愛を見つけたとか……ないわー。何がたった1つの愛を見つけたよ。それまで散々ステラに思わせぶりな態度してた癖に…。主人公とはいえなーんであんな腹黒ペテン師野郎が人気キャラなんだか。いわば悪役令嬢ステラの誕生はアーノルドのせいだっていうのに。まぁ…でも私がステラに転生したからにはアーノルドを好きになる事なんて1ミリもないからそこはスルーするとし…問題は…バスティンを初拝み出来るって事なんだよね…。騎士団第2部隊の団長でもあるバスティンは騎士団の団長としてではなくラスター公爵家の当主として誕生日パーティーに出席するんだったよね。生のバスティン…私の初恋の人…バスティン…。前世ではバスティンのグッズが少なすぎて自作でバスティングッズを作るまでして部屋中

をバスティン色に染める程好きだったバスティンに会える…。そう考えるだけで胸が苦しくて緊張する…。あぁ…。会いたいのに会ったら自分の中のバスティンへの愛が炸裂しそう。)


ステラは前世の記憶を辿りながらそんな事を考えていた。



「ステラ様?えらく考え事をされてる様ですがまた何か企んでるのですか?」


侍女のリサが髪の毛結ってもらいながら考え込んでいるステラを見て声をかけた。


「え?あぁ…。」


ステラはリサに声をかけられてハッとなり言った。


(おっと…危ない。リサに髪を結んでもらっていたんだった。)


ステラはハッとなりながら考えていた。


「それより…リサー…何か企んでるって酷くない?」


ステラは頬をプクーっとさせながら鏡越しにリサを見て言った。


「酷くありませんよ!何年ステラ様に振り回されてると思っているのですか?この間なんて布団を人の形にしていかにもステラ様が寝ている様に見せかけてバルコニーからこっそりと抜け出していたじゃないですか。もぅ…あの瞬間どれだけ肝が冷えたことか…。」


リサはムスっとした表情でステラへ言った。


「あれ?そうだった?覚えてないかな…。ハハハハ…。」


ステラは明後日の方向を向いて誤魔化しながら言った。


(あの時は朝方に乗馬の練習をしようとしたんだよね…。乗馬の練習したいって言うと皆が駄目だって止めるんだもんね…。となるとこっそりやるしかないんだもん。)


ステラはリサに言いながらそんな事を考えていた。


「まったく…ステラ様は昔から少々おてんばな所がありましたけどここ数年は拍車をかけてお転婆度が増してるんですから…。ステラ様に何かあったらご主人様や奥様に何とお詫びしたらよいのかわかりませんよ…。」


誤魔化すステラにリサは呆れながら言った。


「リサごめんね…。リサには沢山迷惑をかけて悪いと思ってわ…。でも…これからもきっとリサの目玉が飛び出る程驚かせる事があると思うけどよろしくね。」


ステラは申し訳なさそうな表情をして言うもすぐに満面の笑みを浮かべながらリサへ言った。


「目玉が飛び出る程って…!!」


リサはステラの言葉に驚いた表情で言った。


「へへへ…。それでもいつも私の事を思っくれるリサが大好きよ!」


ステラはヘラ〜とした笑みを浮かべるとリサの方を振り向いてリサにぎゅ〜と抱きつきながら言った。


「……。まったく…ステラ様には敵いませんね。」


リサはステラに抱きつかれて驚くも優しい笑みを浮かべながらステラへ言った。


(ステラ様は本当にお転婆が過ぎるけれど…本当に素直で真っ直ぐで何事にも一生懸命で純粋だから本当に可愛いお方なのよね。平民出身の私にも隔たりなくずっと優しくしてくださるのだから…。)


リサはステラに抱きしめられながらそんな事を考えていた。


「ふふふふ…。」


ステラはそんなリサに笑顔を浮かべた。




そして…

ステラとミシェルが帝都に戻る為に馬車へと乗り込みバートン公爵家の本邸へと向かったのだった。


「お母様…長時間の馬車辛くないですか?」


ステラが心配そうな表情でミシェルへと言った。


「えぇ。心配しなくても大丈夫よ。もうすっかり体調も良くなったから。」


ミシェルは優しい表情でステラへ言った。


「それならいいのだけど…。辛くなったらすぐに言って下さい。」


ステラが言った。


「えぇ…ありがとう。」


ミシェルはにこりと微笑みながら言った。


「これからは家族皆で暮らせますね。楽しみですね。」


ステラは嬉しそうにミシェルへ言った。


(前世では早くにパパとママが死んじゃったし家族で過ごせた時間て短かったけど現世では沢山楽しい時間を過ごしたいな。)


ステラはミシェルに言いながらそんな事を考えていた。


「ふふ…。そうね。何年も体調を崩してしまっていたのもあってダニーやジョシュアにも迷惑をかけてしまったしステラもダニー達と過ごせなかったものね…。でも…本当にこれからは家族一緒よ。」


ミシェルは少し申し訳なさそうな表情を浮かべるも笑みを浮かべてステラへ言った。


「はい!」


ステラは嬉しそうに言った。


馬車に揺らる事半日…


馬車がバートン公爵家へ到着した。


到着すると玄関外にはバートン公爵のダニーとステラの兄のジョシュアがステラとミシェルを出迎えする為に立っていた。


「ミシェル…ステラ…おかえり。よく戻ってきたね。長時間の移動で疲れただろう。さぁ…中に入って休みなさい。」


ダニーは馬車の中から降りてきたステラとミシェルへ優しい表情を浮かべて言った。


「ダニー…ただいま。長い間本邸を空けてしまってごめんなさいね…。」


ミシェルは申し訳なさそうな表情を浮かべてダニーに言った。


「いいんだよ。君が元気になってくれたのだから…。」


ダニーは優しく微笑みながら言うとミシェルをそっと抱きしめた。

そんなダニーをミシェルは抱きしめ返した。


「母上…おかえりなさい。ステラもおかえり。」


ジョシュアもステラとミシェルへ言った。


「ジョシュア…ただいま。あなたにも苦労かけたわね。」


ミシェルが申し訳なさそうにジョシュアへ言った。


「いえ…母上が元気になられて何よりだよ。」


ジョシュアが笑顔で言った。

そんなジョシュアへミシェルも微笑みかけた。


「お父様、お兄様…ただいま帰りました。」


ステラがダニーとジョシュアへ笑顔で言った。


「あぁ。ステラ…おかえり。ミシェルの側についてやってくれてありがとう。」


ダニーは笑顔でステラへ言った。


そんなダニーにステラは思い切り抱きついた。

そんなステラが可愛くて仕方ないダニーは嬉しそうにステラを抱きしめ返した。


「ステラ…兄の事は抱きしめてくれないのか?」


ジョシュアが笑顔でステラへ言った。


「お兄様…ただいま!」


ジョシュアに言われたステラはダニーから離れると笑顔でジョシュアへ言ってジョシュアへ思い切り抱きついた。


「あぁ。お帰り。」


ジョシュアは思い切り抱きついてきたステラを抱きしめ返してステラの頭を優しく撫でながら優しい表情で言ったのだった。


その後…

ステラとミシェルは自室で休息をとった。


夜になり家族で家族団欒で夕食を食べ食後のお茶を飲んでいた。


「ステラ…こちらへ戻ってきてばかりですまないが…。来週行われる皇太子殿下の18歳の誕生日パーティーの件なのだが…。」


ダニーはお茶を一口飲むとステラへ言った。


「はい。私の初の社交場になるのですよね。」


ステラがダニーへ言った。


「あぁ。しかしパーティーまでの期間があまりないから本当はもう少しゆっくりさせてやりたいのだがそうもいかなくなりそうなんだよ。パーティーまでの期間で急ぎ社交デビューの準備をしなければならないかな…。」


ダニーは申し訳なさそうな表情で言った。


「お父様。気にしないで下さい。私は休まなくても大丈夫なので殿下の誕生日パーティーまでの期間は急ぎ準備しますので。」


ステラは気を使って言ってくれたダニーへ笑顔を浮かべて言った。


「そうか…。そう言ってくれると気が楽になるよ。」


ダニーは優しい表情で言った。


「ダニー…私もステラを手伝うから心配しないで。」


ミシェルが優しくダニーへ言った。


「ミシェルありがとう…。君がついていてくれると心強いよ。」


ダニーはミシェルへ言った。


「私にも力になれることがあれば遠慮なく言ってくれていいからね。」


ジョシュアが笑みを浮かべてステラへ言った。


「ありがとう…お兄様。」


ステラが笑顔でジョシュアへ言った。


「父上…殿下も18歳になられる事ですしそろそろ皇太子妃選びも本格的なものになるのでしょうか…。」


ジョシュアがダニーへ言った。


「恐らくはそうなるだろうな…。この度の誕生日パーティーでも我が娘をぜひにとアピールしてくる貴族達は沢山いる事だろうな…。」


ダニーは難しい表情を浮かべつつ応えた。


(皇太子妃ね…。もう皇太子妃はヒロインである男爵令嬢のグレイスって決まってるんだけどね。まぁ…そんな事は皆知らないんだから我が我がと貴族の令嬢がアーノルドに媚を売りつつアピールするよね…。まーステラも例外じゃなかったけどね。まぁ…私には関係ないことだしね。)


ステラはダニーとジョシュアの話を聞きながらそんな事を考えていた。



「そういえば…ラスター公爵は元気にされているの?長年の遠征の任務を終えて帝国に戻られているよね?もう…何年もお会いしていないけれど…。」


ミシェルが思い出した様にダニーへ言った。


「ん?あぁ…ラスター公爵…バスティンは変わらず元気にしているよ。相変わらず帝国騎士団第2部隊の団長としても国の為に誠心誠意努めているよ。」


ダニーが応えた。


「そうなのね。それは良かったわ。」


ミシェルがダニーの言葉を聞き言った。


(バスティン…そう…。元気にしてるんだ。良かった…。)


ステラはダニーとミシェルの会話を聞きながらそんな事を考えていた。


「父上…余計なお世話かもしれませんがバスティンも帝国に帰ってきた事ですし公爵の爵位も継承したのでそろそろ結婚相手を決める事を考えてもよい頃合いですね。」


ジョシュアがダニーへと言った。


(ちょっと!お兄様…バスティンの結婚相手を決めるですって?!確かに…お兄様はオンラブの小説の中でも唯一バスティンが信用して友と呼べる間柄だけれど…ちょい待ち!バスティンに結婚相手を見つけるなんてそんな早まらないで!私がバスティンを幸せにするって決めたんだから!)


ステラはジョシュアの言葉にギョッとした表情を浮かべてそんな事を考えていた。


「そうだな…。しかし…バスティンにも色々な事情があるからな。その事に関してはこちらから話を振らずバスティン本人に任せよう…。それよりもバスティンが帝国に戻ってきたのだから騎士団の皆で飲みの席を設けてバスティンを誘ってやろうじゃないか。」


ダニーは複雑な表情を浮かべて言うとすぐに表情を明るくしてジョシュアへ提案した。


(お父様…グッジョブ!!お父様、お兄様…心配しなくても私が絶対バスティンを心から愛するし幸せにしてみせますからね!)


ステラはダニーの考えを聞きホッとした表情でそんな事を考えていた。


「そうですね…。バスティンも自分の事はきちんと考えているでしょうからね。飲みの席も賛成です。久々にバスティンと飲めるのは楽しみですね。遠征での話も色々と聞きたいですしね。」


ジョシュアはダニーの意見に賛同しながら言った。


「あぁ。よし…明日からは忙しい日々が続くから今日はゆっくり休もう。」


ダニーが皆へ言った。


「そうね…。」


「「はい。」」


ダニーの言葉に3人が応えた。


そして…

ステラはこの日もバスティンの事を考えながら眠りについたのだった。



翌日からは皇太子の誕生日パーティーとステラの社交デビューに向けての準備で慌ただしい日々が続いた。


そしてあっという間に皇太子の誕生日パーティーの日を迎えた……


ステラ達バートン公爵家は馬車で皇宮へと向かっていた。


ステラは小説のストーリーが始まるこの日にまずやらなければいけない事があった。


それは…

家族に自分はバスティンに想いを寄せているという事を伝える事だった。


(まずは…私のバスティンを幸せにする計画の第一ミッションね…。この先の私の行動の事を考えるときっと家族には前持って伝えておいた方がいいもんね…。急展開になって驚かせるのは気が引けるしね。それに…私の事を溺愛しているお父様ならきっと私の話を了承してくれるだろうしね。相手が信頼を寄せるバスティンなら尚更ね。)


ステラは馬車の中で家族をちらりと見ながら考えていた。


そして…


「お父様?本日は…その…ラスター公爵様も参加されるのですよね?」


ステラは少しもじもじしながらダニーへ尋ねた。


「ん?ラスター公爵…バスティンか?あぁ。帝都へ戻ってきているから今日の殿下の誕生パーティーは参加すると聞いているぞ。だが…何故そんな事を聞くのだ?」


ダニーはステラに尋ねられて少し驚いた表情でステラへ言った。


(あぁ〜バスティンもパーティーに来る…バスティンも来る…バスティンに会える…生のバスティンに…前世でもあれ程会いたくてたまらなかったバスティンに…どうしよう…嬉しさと緊張で心臓が口から出そう…。)


ステラはダニーの言葉を聞いて膝の上の手をギュッと握りながら脳内はバスティンだらけな事を考えていた。


「ステラ…?聞いているのか?」


ダニーがえらく考え込んでいるステラを見て声をかけた。


「え?あぁ…はい。聞いています…。」


ステラはハッとなり慌てて応えた。


(おっと…バスティンの事を考えるあまり自分の世界に浸ってしまっていたわ…。)


ステラはダニーに声をかけられてそんな事を考えていた。


「あの…その…何故お聞きしたかというと…。」


ステラはもじもじしながらモゴモゴと言った。


(よし…言うのよステラ…。)


ステラはグッと拳を握りながら考えていた。


「ステラ?大丈夫?何だか…先程からずっと考えてるようだけど…。」


あまりにも悩むステラを見てジョシュアが心配そうに声をかけた。


(よし!)


ステラは考えがまとまったと言わんばかりに心の中で自分に言った。


「……お父様…お母様…お兄様…私…その…ラスター公爵様の事を想っているのです。それで…その…出来る事なら将来…ラスター公爵様の元へ嫁ぎたいと思っているのです!!」


ステラは意を決して真剣な表情で家族へ思い切って言った。


「「…………?」」


ステラの言葉を聞いたダニー達3人は呆気にとられた表情をしていた。


(あれ…?3人にも固まってるけど…どうしたのかな…。私の言葉聞こえなかったのかな。)


ステラは3人の反応を見てそんな事を考えていた。


「?お父様…?お母様?お兄様…?あの…私の言葉お聞きになりましたか…?」


ステラは首を傾げながらダニー達へ尋ねた。


「ス…ス…ステラ…い…今…何と?」


ダニーが驚きと何が起きたのかわからないといわんばかりの表情でステラへ言った。


「え?あ…ですから…私はラスター公爵様を想っているのです。ですので将来ラスター公爵様に嫁ぎたいと思っています。」


ステラは??という表情でもう一度ダニーへ言った。


バッ…!!


ステラの言葉を聞いた瞬間にダニーとジョシュアが頭を抱えだした。


「え…?お…お父様?お兄様?!」


そんな二人を見たステラは驚き慌てて二人へ言った。


ミシェルはそんな二人をクスクス笑いながら見ていた。


「ゆ…許さん…。」


ダニーが頭を抱えたままぼそりと呟いた。


「私も…そんな事…許さない…。」


ジョシュアも頭を抱えながらぼそりと呟いた。


「えっと…。」


ステラはそんな二人を見て戸惑いながら言った。


(な…何?!二人共どうしたの?!それに…許さないって言わなかった?!)


ステラは戸惑いながらもそんな事を考えていた。


「許さない!ステラが結婚など私は許さない!その相手が誰だろうと許さない!ステラが嫁いで…我が家を出ていくなど…考えただけで恐ろし事だ!」


ダニーが急に物凄いけんまくでステラへ言った。


(え…?えええええぇぇぇーーー!!ゆ…許さないですってーー?!)


ステラはダニーの言葉が予想外過ぎた事に驚いた表情を浮かべて心の中でを思わず叫んだ。


「そ…そんな………。」


ステラはあまりに衝撃なダニーの言葉に呆然として呟いた。


(何で…?!どうして?!まさかの反対?!)


ステラらは内心混乱しながら考えていた。


「とにかく…相手が誰であろうとステラを嫁に出すなど今は考えていないからな!」


ダニーは悲しげな切なげな表情でステラに言い切った。


「父上の言うとおりだよ!スーが誰かの元に嫁ぐなど許さない!せっかくこれからスーと共に暮らせるというのにやすやす他所に行かせるなど…。」


ジョシュアも切なげな表情を浮かべて唇を噛みながらステラへ言った。


「え…で…ですが…私も…社交デビューするわけですし結婚も…。」


ステラは二人を見て慌てながら言った。


「社交デビューだろうが何だろうがとにかく許さない。この話はもう終わりだ!わかったね?!」


ダニーは慌てるステラなど関係なく一方的に話を終わらせた。


「………はい……。」


ステラはしょんぼりした表情を浮かべて仕方なく応えた。


(そんな…そんな…。まさか…二人がこんなに反対するなんて…。想定外すぎる。これじゃぁ…私のバスティンを幸せにして愛する作戦が始めれないじゃん…。)


ステラは肩を落としながらそんな事を考えていた。


そんなステラ達を見てミシェルはやれやれといった表情を浮かべていたのだった。

そうこうしているうちにバートン公爵家の馬車が皇宮へ到着した。




(うわぁ〜ここが皇宮か…。前世の記憶を思い出してからは初めて皇宮に来たけど…こうして生で見ると迫力あるな〜。)


ステラは馬車から降りると皇宮を見上げて目を輝かせながら考えていた。


(よし…!オンラブのストーリーがいよいよ始まるわね…。ここから私のシナオリ無視してバスティンを幸せにして私もバスティンと幸せになる計画スタートよ!!)


ステラはフンッと鼻を鳴らしながら考えていた。



そして…

皇太子であるアーノルドの誕生日パーティーが始まった。


爵位の高い順に皇帝…皇后…皇太子へ挨拶を行った。


ポメニティア帝国の爵位の順番は王族を除くと大二公爵と言われるバートン公爵家とラスター公爵家が高爵位だった。


バートン公爵家の挨拶の順番がやってきた。


「皇帝陛下…皇后陛下…皇太子殿下にご挨拶申し上げます。この度は皇太子殿下の18歳のお誕生日おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。」


ダニーが皇帝達に挨拶すると頭を下げた。

それに続きステラ達家族も頭を下げた。


「バートン公爵…祝の言葉感謝する。」


皇帝であるアルゴンがバートン公爵家へ言った。


「この度は…私の誕生祝いにお越し頂き感謝する。」


皇太子であるアーノルドがアルゴンに続いてバートン公爵家へ言った。


「皇帝陛下…皇太子殿下…嬉しいお言葉ありがとうございます。」


ダニーは二人へ感謝の意を述べた。


ステラはチラりとアーノルドを見た。


すると…

アーノルドもステラの方を見ていたのかバチっと目が合った。


(はっ…さすがオンラブの主人公だけあるなぁ…。コミカライズ通りのイケメンじゃん。アーノルド推しがキャーキャー言うのも分かんない事もないわね。)


ステラはアーノルドと目が合うも冷静にそんな事を考えていた。


アーノルドはそんなステラへ国宝級の笑みを溢した。


しかし…

ステラはそんなアーノルドを呆れた表情で見ていた。

そんなステラを見てアーノルドの顔から笑みが消えて小さく首を傾けた。


(どうやらアーノルドは国宝級の笑みを私に向けたのにも関わらず私がまったくその笑顔に反応しないから不思議に思ってんでしょうね…。お生憎様!私はあんたになんて一ミリも興味なんてないわけ。この先も一生あんたの笑顔にキュンとする事なんてないつーの。)


ステラは首を傾げるアーノルドを見て更に呆れた表情でそんな事を考えた。


そして

バートン公爵家の挨拶が終わった。


(いよいよ…バスティンが登場する…。私の推しであり愛するバスティンが…。)


ステラは皇帝達への挨拶が終わって次はラスター公爵の挨拶だと思いながら心臓をバクバクとさせてそんな事を考えていた。


その時だった…


「何?!ラスター公爵が?!分かった…。」


アルゴンが言ったのがステラの耳に入った。


(何?!バスティンがどうしたっていうの!!まさか…バスティンの身に何かあったんじゃないよね?!)


ステラはアルゴンの言葉を聞いてギョッとした表情で考えていた。


「父上…ラスター公爵がどうかなされたのですか?」


アーノルドがスティーブへ尋ねた。


「あぁ…。ラスター公爵は少し遅れるみたいと知らせがあった様だ。バートン公爵の身に何か起こったとかそういう事ではない様だ。」


アルゴンがアーノルドへ応えた。


「そうなのですね。」


アーノルドが言った。


(はぁ…何だ…ただ遅れるだけか…。バスティンの身に何か起こったのかと思って焦ったわ〜。でも…バスティンが来るのが遅れるならバスティンに会えるのはもう少しお預けか…。でも…その間に心の準備ができていいや。)


ステラは耳ダンボしてアルゴンとアーノルドの会話を聞きながらホッとした表情で考えていた。


その後…

ステラは家族と共に色々な貴族へ挨拶へ回った。

ある程度挨拶をした頃にはステラは初めての事でぐったりしていたのでダニーにお願いして少し離れた場所で休憩させて貰える様に頼んだのだった。


ダニーの了承を得たステラはテラスへと出た。


(はぁ…。貴族って大変だわ…。前世では一般ピープルだったしオンラブの小説読んでるだけでは貴族の大変さなんて現実的に伝わってくるものじゃなかったもんね…。次から次に挨拶…愛想笑い…挨拶の繰り返し…乙すぎる…。)


ステラはテラスに出て風に当たりながら空を見上げてそんな事を考えていた。


「はぁ…風が気持ちいいわ…。」


ステラは風に当たりながら呟いた。


(しっかし…アーノルドの周りはえらい事になってるなぁ…。令嬢という令嬢がアーノルド囲ってんじゃん…。オンラブの小説だとステラもあそこにいてとにかくアーノルドとお近づきなりたがってたよね…。本当に生のアーノルド見てもなーんにも思わないなぁ…。)


ステラはチラっと部屋の中を見て苦笑いを浮かべながらそんな事を考えていた。


(それより…バスティンは遅れるみたいだけどいつ来るのかな…。もうすぐかな?あぁ〜どうしよう…バスティンに会えると思うとまた緊張してきた…。)


ステラはまた空を見上げてそんな事を考えていた。


その時…


ニャ〜〜…ニャ〜オ…ニャ〜〜…


どこからか猫の鳴き声が聞えてきた。


「猫…?の鳴き声よね…。どこから聞こえてくるんだろう…。」


猫の鳴き声を聞いたステラは辺りを見渡した。


ニャ〜〜オ……ニャ〜〜…


「あっ!いた!でも…猫なら簡単におりれるんじゃないのかな……って、あっ!もしかして足怪我してる?だからおりられないのかな…。」


ステラはテラスから見える木に猫がいるのを見て言った。


「………。猫ちゃん…待ってて!私が助けてあげるからそこで大人しくしててね。」


ステラは少し考えた後に木にいる猫に向かって言った。


そしてステラは猫のいる所へ向かった。


「お父様…私少し庭に出てきますね。木に猫がいて足に怪我を負ってる様で下におりられないようなんです…。ですので私が助けてきますね。では…。」


ステラは猫の所へ向かう途中にあっ!と思いダニーの元へと向かいダニーに一言言って猫のいる木へと急いで向かったのだった。


「え…?なに…?猫だと…?…木にいる?!ちょっ…ステラどういう事だ…待ちなさい!」


ダニーはステラの言葉を聞き一瞬考えて理解すると慌てて言ったがステラの姿はすでになかったのだった。


「ジョシュア!何やらステラが庭の木にいる猫を助けに行ったようなんだ。ステラは木に登るつもりでいるんだ!もしステラが木に登り落ちて怪我などしたら大変だ。我々もすぐにステラの所へ向かうぞ。」


ダニーはすぐにジョシュアのところへ向かい慌ててジョシュアへ事情を伝えた。


「なんですって?!ステラが?!分かりました。すぐに向かいましょう。」


ジョシュアはダニーから事情を聞きギョッとしに表情で行った。


そしてダニーとジョシュアは夫人達と話をしていたミシェルにも事情を説明して3人は急いでステラ元へと向かったのだった。


その頃…

ステラはとっくに庭へと到着して、慣れた様子で木を登り猫がいる場所に辿り着いた。


「あらあら…やっぱり足を怪我しているのね…。登る途中に小枝か何かがひっかかったみたいね…。可哀想に。痛かったでしょう?でも…もう大丈夫よ。私が来たから。早く木からおりて手当してもらいましょうね。」


ステラは猫の頭を優しく撫でながら優しく猫へ言ったのだった。


(よし…さっさとおりようっと……う〜ん…登るときは問題なかったけどおりる時にドレスって物凄い邪魔じゃないの。本当はドレス破って身軽になりたいとこだけど…さすがに貴族の令嬢がそれをするのはまずいよね…。はぁ…仕方ない…。ゆっくりおりるか…。)


ステラは木からおりようとすると自分の着ているドレスがおりるのに邪魔だと考えながら悩んでいた。


そして、ステラは猫を抱えながらゆっくりと木をおりはじめた。


その時…


ズルッ……


ステラのスカートが木に擦れて足を滑らせてしまったのだった。


(まずい!落ちる…!)


ステラがそう思い目をギュッと瞑った瞬間だった。


ドサッ…


(あれ…?落ちたのに痛くない…?)


ステラは体が全く痛くない事に気づくとゆっくり目を開けた。


「大丈夫か?」


ステラが目を開けたのと同時に男性に声をかけられた。


「あっ……はい…大丈夫です…ありがとう…。」


ステラはどうやら自分が落ちる前に上手く誰かが受け止めてくれたのだと気づいてお礼を言おうとした時だった……


ステラは自分を受け止めてくれた男性を見て言葉を失った…


ステラを受け止めてくれた男性こそが…

ステラの推しであり…愛する人…

バスティン・ラスターだったのだ。


月の明かりで輝く漆黒の髪…

グレイの瞳…

がたいの良い体…

そして…左目の眼帯…


(バスティン…あぁ…バスティン…私の推しであり…愛する人…。)


ステラはバスティンの顔を見た瞬間に感情が込み上げてくるのを感じながら心の中で呟いた。


そして…

ステラは感情の込み上げがピークに達したのか涙を溢した…


「生きてる…。」


そしてステラは涙を流しながらボソリとそう呟いた。


その時…


「ステラ!」


ダニー達が慌てて走りながら庭にかけつけステラの姿を見て叫んだ。


「ステラ!……と…バスティン?!」


ダニーはステラを抱きかかえている男性がバスティンだと気づき言った。


「師匠…?」


バスティンがダニーへと言った。


「スー!何故泣いてるんだ?何があった?!…もしや…バスティン…。」


ダニーの横にいたジョシュアがステラが涙を流している事に気づき血相を変えて言うとバスティンの方をキッと見た。


「ジョシュア…。もしや…とはどういう意味だ…?」


バスティンはジョシュアの言葉にジョシュアを目を細めて軽く睨みながら言った。


「お父様!お兄様!変な誤解をしないで下さい…。私はラスター公爵様に落ちそうだったところを助けて頂いたのです。」


ステラは空気が変な方向へと向かってる事に気づき慌てて言った。


「では…何故泣いているんだい?」


ダニーは心配そうにステラへ尋ねた。


「それは……。」


ステラは少し俯き気味に言った。


(バスティンが生きている事が嬉しくなり思わず感情が溢れて泣いてしまったなんて言えないよね…。)


ステラは俯きながらそんな事を考えていた。


そして…

ステラはもう一度バスティンの方を見た。


(あぁ…やっぱりバスティンが生きている事が嬉しくてたまらない…。バスティンを見ると色々な感情が溢れてきちゃうわ…。前世で読んでいたオンラブでは死を遂げてしまったバスティン…。でも…バスティンは今私の目の前にいる…温かい体温を感じる…バスティンが愛おしくてたまらない…。)


ステラはバスティンを見てまた感情が溢れ出してそんな事を考えていた。


「事情は分かった…。バスティン…娘を助けてくれてありがとう。ジョシュアの失言も謝罪しよう…。」


ダニーがバスティンへと言った。


「バスティンすまない…。つい…気が動転してしまい…酷いことを言ってしまった…。」


ジョシュアは申し訳なさそうにバスティンへ謝罪した。


「バスティン…そろそろ娘を…ステラをおろしてやってくれないか?いくら助けたとはいえ体が密着しているのはいかがなものかと…。」


ダニーはモヤモヤした表情を浮かべてバスティンへ言った。


そして…

バスティンがダニーとジョシュアの言葉を聞きステラをおろそうとしたその時だった…


「あなたが好きです。私があたなを必ず愛し守り幸せにします。ですので私と結婚して下さい…。」


ステラはバスティンの服を掴みながら目を輝かせて勢いよくバスティンへと言ったのだった………


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