3話 変化
「…んっ………」
ここは夢か?…なんだかふわふわする。ふわふわした感覚の中、体を起こして辺りを見渡してみた。
見覚えのない天井、白い壁、白い扉。まるで銀世界にいるようだ。
…だんだんと意識がはっきりしてきた。
「病院か…俺生きてるのか、よかった。」
ひとまず生きているであろうことに安心した。だがいろいろと不思議なことに気が付いてきた。
まず、なんで病院にいるのだろうか。家の鍵はちゃんと閉めていたはずだ。
それに上京して一人暮らしだったから友達もこっちにはいないし人が来るはずもない。
…まぁいい。とりあえず助けてくれた人がいて、俺は助かった。後でお礼すればいいじゃないか。
それよりも今は俺自身の体のことだ。1つは髪が長いこと。もう一つは肌が白いこと。
どれくらい眠っていたのだろうか。とりあえず医者か看護師さんに聞いてみよう。
会社にも連絡しないといけないからな。うんうん、社畜社畜!
そう思い立ってベッドから降りようとしたときに違和感を感じた。
「あれ?足元が見づらいな。医者に相談してみよう。」
そう少し声に出したとき、声も高く感じた。まるで女の子みたいな声に聞こえた。
だが聞こえてないことにした。聞こえてないと思いたかったので聞こえてないことにした。
そんなこんなでベッドから立ち上がり、一歩踏み出したとき転びそうなった。
「おわっ!…とっ!!」
転ぶのは回避したが、体制を崩していたためそのままドアに激突した。
「いっててて……」
頭を打ったドアの前でぺたんと座り込み、頭をさすっていると、激突したドアがスッと開き2人の看護師さんが目に入った。
「あっ…あのお医「あっ!起きたんですね!!!!よかった!!!!先生~~~!!!」」
一人は俺を見たと同時に嵐のようにどこかに行ってしまった。
「あぁ…どっか行っちゃったよ…」
そう思っているともう一人の看護師さんが
「とりあえずベッドに座って待ちましょう。体調も万全ではないでしょうし、その体にまだ慣れてないでしょうから。あと、さっき頭を打ったところ見せてください。」
…なにか意味深なことを言われた気がするが素直に「はい」とだけ言い、待つことにした。