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慌ただしい街

作者: 963special

ワイリーは高台にある公園の芝生の上から

街を見下ろしていた


鉄道が慌ただしく流れて

いつも道路は渋滞

疲れた顔のヤツらが歩く慌ただしい街を

彼は今日出ていく


「疲れた」


そんな彼の足元に子犬がまとわりついてきた


「ダメだよナット!」


小さな男の子が子犬と一緒についてきた


「ごめんなさいおじさん」


謝る男の子にワイリーは笑顔で答えた


「大丈夫ナットとおじさんは友達になったみたいだ

君とも友達になろう

名前を教えてくれるかい?」


男の子の名前はボルト

パパとママとナットと暮らしている

この街で生まれ育ち

そしてきっと忙しく働く大人になる


ワイリーは3年前に仕事を求めて街に来たが

必死に働くのに嫌気がさして出ていく男


ひとしきり話を聞いたあと

彼はボルトとナットを撫でながら言った


「いつまでも無邪気でいてくれ」


もちろん意味など解りはしない


「よしそろそろ行かなくちゃ

また遊ぼうフレンズ」


手をあげて去り行く男に


「またここで会おうねワイリー!」


とボルトは言ってくれ

ナットは隣で尻尾を振っていた


公園の隅に停めた車に乗り込むと

ワイリーは悲しそうな笑顔で呟く


「この街ではじめての友達だ

まだ小さな子供と犬だけどつまらない大人達より

よほど素敵なハートを持ってる

この街に来て最後にやっと良いことがあったよ」


ボロい車は重々しくエンジンを回すと

ゆっくり坂道を下って行った



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