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お出迎え

 

 錬太郎は空港の到着ロビーの椅子に座り、もうすぐ到着する妹を待っていた。


 久しぶりの家族との再開だ、嬉しさ半分恥ずかしさ半分でワクワクしながら、今か今かと再開を待つのが普通だろう。しかし、錬太郎の気持ちは恐怖と絶望の色で染まっていた。


 その原因は…


 「どうしたの?顔色悪いけどお腹でも痛い?」


 咲良が心配そうな顔を向ける。


 そう、妹の大嫌いな咲良も一緒に出迎えにきていたのだ。


 なんと錬太郎の母親が咲良に、妹の日本行きの事を話していた。雫は咲良の事を嫌っているが、どういうわけか母親は昔から咲良の事が大のお気に入りだった。母親も雫の気持ちを知ってはいたが、頼りない息子よりしっかり者の咲良も一緒にいてくれた方が安心すると考えたのだろう。


 しかし、錬太郎は雫が咲良も一緒に出迎えていたと分かったとき、暴れださないか気が気ではなかった。そんな錬太郎の気持ちを尻目に咲良は…嬉しさで今にも踊り出しそうだった。


 「シズちゃんと会うの久し振りだから、楽しみッ!」


 対照的な二人の姿は、過ぎ行く人の目の視線を十分に惹き付けた。


 錬太郎はそんなことは気にせず到着出口から出てくる人から、妹の姿を探した。



 「そろそろ到着しても良い頃なんだけど…」


 「…ちょっと遅いね」


 時間は12時45分、到着時間を30分も過ぎていた。


 まぁ、そういうこともあるだろうとロビー中央にあるテレビの宣伝を観ていると、咲良の携帯が鳴った。


 どうやら相手はレイカらしい。彼女も今日は用事が有るらしく朝早くから出掛けていると咲良が言っていた。


 電光掲示板に視線を移す、妹が乗っている飛行機の到着はまだだった。


 突然、咲良の大きな声が聞こえた。


 「ハ、ハイジャック!?」


 


 

 


 

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