帰ってきました
そんなこんなで一泊二日の旅行から帰ってきた。
行きよりなぜか膨らんだボストンバックを部屋の片隅に投げるように置いて。中身の片付けは後で……そのままベットに倒れ込むようにダイブ。
静かな部屋。
ただ、ここは寮なので壁、扉越しに誰かしらの足音や話し声も僅かに聞こえる。むしろ嫌いじゃない、何故なら、旅行前には当然のように聞いていたBGMだったから。
そう、一泊二日だったが常に誰かと一緒だったから静かな部屋が妙に落ち着く。元々、騒がしいのが苦手な性格なので、今回みたいな大勢での旅行とかは本当に疲れた。
それに加えて、昨夜の咲良の一件も気になる。しかし、オレが心配したところで今の咲良には、それが咲良を困らせてしまう事態になってしまうのではないかとも感じている。
(どうしたらいいもんか…………)
ふと机に視線を向けると時計が12時を少し回っていた。
「とりあえず、昼飯の時間だな」
部屋着に着替え食堂へ向かおうとしたとき――携帯の着信音が鳴った。
画面に表示された名前を見た瞬間、心臓が大爆発した。
「どうしよぉおおおおおおおおおお」
携帯を持つ手の汗と震えが止まらない。鳴り続ける着信音に鼓動が高鳴る。焦る気持ちからオロオロと部屋を歩き回る。
(どうする、どうする、居留守使うか!?いやダメだ、もっと酷いことになる、でも出たくない! でも出ないともっとヤバい)思考回路が無限ループを起こしてショート寸前。
かくしてその相手は――――
(雫ッうううううううう)





