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朝ですよ

 

 花柄のカーテンが太陽の日差しを遮る、薄暗い部屋


 部屋のドアが開く音が聞こえたが、まだ眠たく目を開けたくない。


 おそらく一人であろう足音が、畳を通して分かった。誰か分からないけどもう少し寝かせて、そんな願いをするも、無情にもカーテンが勢いよく開け放れた。

 

 「朝ですよ、起きてくださいッ! 」


 射し込む光にも負けないくらい、大きな声が響く


 太陽の光でゾンビのように悶え苦しむ3人を尻目に、咲良は昨夜の宴会で散らかった部屋をテキパキと片付け始めた。


 「もう、こんなに散かして…子供じゃないんですから、しっかりして下さいね」


 改めて明るくなった部屋を見渡すと、あちこちに転がっている空き瓶や缶ビール、乱れた布団や座布団、散らかった食器類……、どうしてそうなった?って思うほど、その惨状に苦笑いするしかなかった


 「「「……申し訳ありません」」」正座をして反省する3人


 「良いですから、早く顔を洗って食堂へ行ってください、他の人達はもう行ってますよ」


 洗面所で顔を洗って戻ると、ベラランの風格をした仲居さんも加わって散らかった部屋を片付けていた。 視線が合うと仲居にお尻を叩かれた

  

 「しっかりした美人で可愛い彼女さんね、それに引き換え……」部屋の惨状を見てため息を漏らす仲居。「貴方はもっとしっかりしないと愛想つかされちゃうわよ、アハハハハハ」高笑いするとまた清掃に戻った


 「……すいません」反省の事で頭がいっぱいで、彼女という部分を訂正出来なかった。


 肩身の狭い思いだったので、二人の邪魔にならない程度の片づけをしてみる。っていうか、これって誠一郎さんやセルフィーが散かしたやつだよな……、その犯人達を探してみたが、もう部屋に姿がなかった――


 (……逃げやがった)


 なんだか、全部おれがやったみたいじゃんか――― 


 深いため息を付き肩を落としていと、ベテラン仲居と咲良が何か話していた。


 「優しそうな彼氏さんみたいだけど、ちょっと頼りないわね」


 咲良は、クスッと笑うと「そうなんですよぉ」と二人で大笑い。


 聞こえてないフリをしたが、恥ずかしくて顔が赤くなっているのが分かった。


 「さぁ、後は私の仕事ですので、御二人は朝食に行ってください」


 「ありがとうございます」咲良は丁寧にお辞儀をすると、「行きましょ」と俺の背中を押して部屋から出された。


 


 


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