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私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!  作者: たけのこの里
第三章 神の器
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クロノス計画

 

 会議室ではサイクロプスと錬太郎(れんたろう)の戦闘の様子が映し出されていた。


 研究者や出資企業の社長・幹部達は一様に驚いていた。サイクロプスと互角以上に戦える人間などこの地上にいるはずなかった。ECchildrenでも、よほどの能力者でない限り、サイクロプスの一撃を受けただけで、肉塊になる。それを、あの者は何度もサイクロプスの攻撃を耐えていた。


 そして、サイクロプスの敗北が決まったところで映像が切れた。


 「レベル4の宝生 咲良(ほうじょう さくら)星月(ほしずき) レイカのどちらか一方をサイクロプスで仕留める作戦は失敗した」


 「No2000号だけでレベル4の2人を相手にするのは不可能だ」


 「確かに、だがNo30001号の入れ替えさえ出来れば、レベル4が何人いようが相手ではない」


 「うむ、クロノス様復活計画は、我等ティターン族の悲願、必ず成功させなければならない」


 「では、星月の方はNo2000号で足止めし、その間にNo30001号をGH‐66の実験室へ誘導し、計画を実行する」


 「捕らえた女が使えるだろう」


 「みなさん、もう失敗は許されない、No30001号はもう最後の希望です、心してかかりましょう」


 会議室にいる全員が、壁に飾ってある大きな石碑をみた。


 その石碑には、アマダスの大鎌を持ち、背中には大きな翼、そして顔は、ティアにそっくりだった。


――――――― 監禁部屋


 ルナはあれからずっと、ここに監禁されていた。


 ティアがあの後どうなったのか、誰に聞いても教えてくれなかった。


 ただ、私が生かされていると言うことは、私に何かしらの利用価値があるのだろう、私に研究者としての価値などない、だとしたら考えられることは1つ、ティアだろう。


 ティアはまだ捕まっていない。そして、彼等の力だけで捕まえる事が出来ずにいる。


 彼等の力が及ばない、大きな力がティアを護ってくれている。


 さっきから、大きな破壊音が外から、ひっきり無しに聞こえ、建物の内も人の動きが激しい。


 嫌な予感がする。間違いであって欲しい。


 研究所が攻め込まれている、しかも、この慌てようからすると、彼等の劣勢だろう。それなりの警備体制を敷いている研究所が劣勢となると、相手はかなりの戦力で来ている。劣勢側がやることは・・・・相手の弱点をついく。


 ティアにとっての弱点・・囚われてる私だ


 足手まといになりたくない、利用されるくらいなら・・


 ルナは机の引き出しにあったハサミを取り出し、刃先を胸に当て、目を閉じた。


 「・・・ティア、幸せになってね」


 ザクッ!


 赤い鮮血が床に広がった。


――――――


 レイカ達は、すでに咲良達が侵入した建物の前にいた。


 「乱丸ここで間違いないのね」


 《ああ、この中にいる》


 周りの建物とは明らかに違っていた。


 ドーム状の屋根に、円形上に続いているコンクリートの壁、高さは10階建の建物に相当した。


 ミーシャが辺りをキョロキョロして不思議がっていた。


 「ねぇレイカ、人間の兵士がさっきから全然いないね」


 レイカ達がここにたどり着くまで敵の兵士と遭遇しなかった。だから、早くここまで着く事が出来た。


 「フフフフ、今回は多くの人間の兵士がいると思って、いちいち相手するのも面倒だから、お父様に頼んで応援を呼んでもらったのよ」


 レイカが寮から出るときに電話をしていたのは、世界有数の大企業、星月グループの社長でレイカの父親、星月 清一郎だった。あらゆる方面に影響力を持つ清一郎(せいいちろう)は、日本に基地を持つ国連軍のイエガー将軍に連絡を取り、1個旅団をこの研究所に派遣してもらったのだ。


 その部隊がようやく到着し、警備の兵士達の相手をしてくれていたのだ。正規軍と警備の兵士では、練度や装備にも差がある。決着は早々に付くだろう。


 ただ、人外の力には、咲良やレイカのような者が当たらないと、いくら国連軍といっても甚大な被害は免れない。これから先の援軍は期待できないことになる。


 「ここから先は、私達だけで何とかしなきゃならないわ!気合入れていくわよ!」


 トラ吉がさっそく威嚇の姿勢に入った


 《来るニャ!》


 ドァガーーーーン!!


 建物の大扉を突き破って盛大に登場してきたのは、巨躯に牛の頭を載せ、両刃の斧を持った、牛人間・ミノタウロスだった。


 《ここで全員死ね!モォォォォォォ!》


 


 


 

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