少しは機嫌が直ったかな?
「 あんっ・・・」
何か柔らかい物が手のひらに収まっている。揉みごたえのあるそれを揉み続けてみた。
「んっ!・・・声でちゃう」
バンッ!!突然部屋のドアが開いた。
「ミーーーーーーーーシャ!!!!!」
「!!!!!えっ!咲良!?」
微睡みの中にいた錬太郎は一瞬で現実に戻されると、俺の隣にはパンツだけ履いたミーシャが顔を赤くしてこっちを見ていた。
「もっと・・・・」
何をーーーっ!寝惚けて回らない頭を巡らしてみた、、、微睡みの中での感触はミーシャの胸だったのか!めちゃめちゃ柔らかくて張がある胸の感触を思い出した。
パチィーーーーーーーン!!!!
思い切り左頬を叩かれた。
「今、顔が凄くスケベな顔してたっ!変態!」
「ミーシャ!ここは入っちゃダメだって、何回も言ったよねェェェェェェェェェェ!!」
「!!!ごめんなさいーーーーーーーーぃ」
半泣き状態のミーシャは物凄い勢いで部屋を出ていった。っていうか、滅茶苦茶お怒りモードの、ささく良がががががが、足が震えて声がかすれる。
「ごごごごごごかい、だヨォォオォォォ」
「何言ってるか分かんないんだけど!」
ジリジリと壁際に追い詰められる。
「おおおねががっががい、やっっやめてて」
「やめーーーーーーーぎゃーーー!」
―――――――――
「と言う訳で今日の荷物係は絶っての希望をしてくれた錬太郎君がしてくれるそうです。」
錬太郎の体は所々焦げて包帯が巻かれていた。キズは回復力を高めてあるので2・3時間で完治してしまうが、心のキズは癒してはくれないので、幾分しょんぼりしていた。
レイカに関してはケダモノを見るかのような冷たい視線だ、今朝の事件の真犯人であるミーシャは、わたし知らなーーーい、ってな感じの態度で俺に目すら合わせない。咲良に至っては、ずっと機嫌が悪い、かなり悪いのでご機嫌取りのため、買い物の荷物係をかってでた。
《助かった、今日は錬太郎が荷物係か》
《尋常じゃない量の荷物を持たされるニャ》
いつもは、乱丸とトラ吉が荷物持ちをしているが、寮に着く頃にはヘトヘトでご飯も食べれない程だ。ただ、今日は俺が荷物係なので寮でお留守するらしい。
「今日は、ミーシャの服と日用品を買いに行きましょ、ついでに街も案内するね」
「ありがとう、島を飛び出してきたから、何も持ってこれなくて、助かるよ、エヘヘヘヘヘヘヘ」
まぁ、どんな理由で島を飛び出してきたから分からないが、あの島で出会った時より表情が明るくなった気がする。咲良達と出会って変わったんだろうな。
女3人の少し後をボーッと歩いていると、咲良がこっちを振り返り、歩くスピードを落として俺の横に付いた。
「荷物係さん、いっぱい買うから覚悟してね」
「犬猫と一緒にするなよ、あいつらよりは持ってやるぜ」
「アハハハハハハ、頑張ってね」
そう言う、咲良はレイカとミーシャの所に駆けていった。
「・・・・少しは、機嫌が直ったかな」
楽しそうに話している3人の後ろ姿を眺めてると、なんだろう・・・自分でも分からない気持ちが沸き上がって、頑張ろう!って思った。
だが・・・このあと、メチャクチャ頑張る事になる。