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私が、宇宙の女王になるわ!だから、貴方は私を守りなさい!  作者: たけのこの里
第二章 竜族の姫
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もう咲良には近づかないで!

 気分が悪くなった錬太郎の為に、飲み物を買いに行って帰ってくると、錬太郎は見知らぬ美少女に膝枕をされていた。それに、嫉妬した咲良は、錬太郎に怒りをぶつけた



 「!!!アツゥゥゥィイ」


 錬太郎(れんたろう)は背中を押さえながらのたうち回っている。理由は、この間、咲良(さくら)に飲まされた黒炎(こくえん)刺青(いれずみ)のように背中に浮かび上がって、熱を発っしているのだ。


 「咲良、違うんだ!これはっ!ギャァァァ」


 「私がいない隙に、良い度胸ねぇ」


 背中を熱がる錬太郎を抱き止めたのは、さっきの美少女だ。


 「錬太郎様、大丈夫ですか?」


 レイカ位の大きな胸に顔を埋められた錬太郎は、だらしなく顔が緩んでいる。


 「錬太郎!何してるのよ、こっちに来なさい」


 更に温度を上げると、錬太郎の悲鳴があがる。


 「乱暴な娘ですね、錬太郎様は私の方が合ってますわ」


 美少女はチラりと咲良の可愛らしい胸を見ると、不敵(ふてき)に笑みを浮かべ、錬太郎の顔を強く胸に押し当てた。


 咲良の温度が急上昇した。髪型がロングのツインテールになり、黒炎の衣装をまとった。すると、錬太郎の黒炎の刺青が実体となり、体を包んだ。


 美少女は自分に黒炎が移る前に、錬太郎から離れると、冷や汗を拭った。


 ビックリしたわ、あの黒炎、かなりヤバイわね、でもあの能力は使えるわ、作戦変更して、あの貧乳娘(ひんにゅうむすめ)を連れて帰るか


 「あれぇ、逃げられちゃった、エヘヘヘヘ」


 「じゃ、今度のは逃げれるかな?」


 咲良は炎の玉を2つ作り出すと、槍に変形させた。


 1つは、アッサルの槍、光りの神・ルーの槍で、呪文を唱えれば手元に召還でき、必ず的に命中すると言われている。


 もう1つは、ゲイ・ボルグ、投げれば30の(やじり)となって降り注ぎ、突けば30の(とげ)となって破裂する、傷は治らないと言われている。


 「嘘でしょ・・、あれは、あの武器は本物なの?・・・なんで貴女(あなた)召還(しょうかん)出来るの⁉」


 「もっとあるよぉ、これから逃げれたら見せてあげる、アハハハハハハ」


 あの2本の槍から逃げれることは絶対に出来ない事を、少女は遥か昔に嫌というほど見ていた。


 少女はあの2本の槍が投げられる前に、攻撃に移った。


 右手の人差し指を空に向け、左手は咲良に向けて水平に空間を切った。


 人差し指からは稲妻(いなずま)が上空に放出され、誘導され咲良の真上から襲い掛かった、左手から放たれた真空鎌(かまいたち)は咲良の首を狙った。


 少女の異なる攻撃が咲良に直撃する瞬間 、咲良が(まと)う黒炎が頭の上で布のように広がり咲良を包んだ。


 「天の羽衣(あまのはごろも)!!」


 羽織っている者に危害を加える攻撃をすべて無効化する。


 「もう、なりふり構ってられないわ」


 少女は気を失っている錬太郎の元に行き、錬太郎を起こした。


 「錬太郎様!助けてください、あの()が私を(いじ)めるんです」


 「イテテテテ、あの娘って・・」


 上空に浮かんでいる黒炎の(まゆ)があった。


 あの黒炎には見覚えがあった。


 「げっ!あの黒炎は・・咲良か」


 少女が攻撃を止めると、繭が開いて咲良が姿を表した。


 「錬太郎、こっちに来て、その子は危険よ」


 咲良は、地上に降りると少女に盾にされている錬太郎を呼んだ。


 「錬太郎様!貴方がいなくなったら 、私はあの槍で叩かれてしまいます」


 少女は錬太郎の背に隠れ(おび)えながら、錬太郎の体にしがみついた。


 咲良は黒炎を纏い、空中には2本の槍が少女に狙いを定めている。


 状況から、錬太郎は少女を(かば)った。


 「咲良!いい加減にしろ!怖がってるじゃないか」


 「でも錬太郎、その娘は・・・・分かったわ」


 悔しいとも悲しいともとれる表情をして、咲良は黒炎を解除し、槍を消した。


 その隙を見逃さなかった、少女は錬太郎の前方に出ると、両腕を前に突き出し特大の衝撃波(しょうげきは)を咲良に飛ばした。


 咲良は後ろに吹き飛んで気絶してしまった。


 「咲良っ!!!」


 少女は咲良を背負うと、森の奥へ飛んでいってしまった。


――――――


 ティラノサウルス・アドベンチャーに高級車が着くと、レイカ達が降りてきた。


 「もう!あなた達が食べ過ぎるから時間取っちゃったじゃない!お馬鹿!」


 《旨かったニャ、帰りにまた行くニャ》


 《まだまだ食えたぜ、レイカはケチだな》


 「何ですって!店の肉を全部食べちゃったのよ!」


 レイカ達が(うるさ)く口論していたが、周りの人達の関心はある場所に集中していた。


 「やけに騒がしいわね、どうしたのかしら?」


 乱丸が突然、人だかりをすり抜けて行ってしまった。


 レイカは胸騒ぎを感じたが、この胸騒ぎと咲良達が関係ないと思いたかった。


 人だかりをかけ分けた先には・・・・


 錬太郎が救急隊員に手当を受けていたが、咲良の姿が見えない。


 レイカは錬太郎に駆け寄ると、声を荒げて問い詰めた。


 「咲良は!?どこっ!!!!」


 「・・・・連れてかれた」


 「誰にっ!!」


 「知らない同い年位の女の子だ、しかも能力者だった」


 「錬太郎!ただ見てたの!?信じられない、見損なったわ」


 「・・・・・すまない」


 「私に謝られても仕方ないの!乱丸!匂いで追える?」


 《ああ!そう遠くにはまだ行ってない!今なら追い付けるぞ》


 乱丸は両足を踏ん張ると、人一人乗れる位の大きさになり、レイカとトラ吉を乗せた。


 《レイカ、咲良以外の匂いだが 、恐らく恐竜達の高位種族の可能性があるニャ》


 「高位種族って何によ!?とりあえず話しは追いながら聞くわ!」


 レイカは錬太郎に冷たい視線を送ると


 「咲良に何かあったら許さない 、もう咲良には近づかないで」


 「俺も一緒にっ!」


 「足手まといよ!来ないでっ!」


 レイカの声を遮るようにして、乱丸は錬太郎に近付いた。


 《ここにいるんだ、心配するな咲良は必ず連れて帰る》


 乱丸は錬太郎の顔をを()めると、猛スピードで森の中へ入っていった。


 錬太郎は地面に拳を叩き付け、ゆっくり立ち上がると、森へ駆けていった。


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