父には内緒でお願いしますね
レイカ達は、バイオテック・イノベーション社の幹部達に、この島が開発から開演までのプロセスと、特に経営状況を細かく説明された。
つまり、星月グループの社長であるレイカの父親に、娘から良い報告をしてもらえば、星月グループでの評価が上がると少なからず思っているのだ。
「というわけで御座いまして、来年度は更に来場者が増え収益があがる見込みでございます」
「わかりました、私はまだ未熟者で経営のことは勉強中ですが、大変分かりやすい説明で、父にはそのように伝えておきますね」
「ありがとうございます、ところで園内のアトラクションの方はご覧になられますか?」
「ウフフフ、遊びに来たと父に怒られるでしょうか?」
「いえいえ‼施設に足を運んで頂いた方が、良り分かっていただけると思います」
「私共も同行して、説明させて頂きます」
「皆さまも、こんな小娘に構っていられるほど暇じゃないことは分かっていますわ、ウフフフ、親友とも合流したいので・・父には内緒でお願いしますね」
まだまだ子供っぽい感じを残す仕草とウィンクをした。
「か、かしこまりました、それではご親友の所まで送らせて頂きます」
幹部は、携帯で部下に、咲良と錬太郎が何処にいるのか聞いている。
「やっと咲良達の所に戻れるわ、トラ吉も、乱丸もよく大人しくしてたわね、後でご褒美あげるわ」
《お腹が減って倒れそうニャ、咲良達の所に行く前に、腹ごしらえしてくニャ》
《オレは、ギャートルズ・ストアに売ってる、マンモス肉が食いたい》
(・・・・面倒臭い生き物達ね、やっぱり留守番させてくれば良かったわ)