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6 帰ってきたお肉への讃歌

「うーん。オークとはいえども、苦悶の表情を浮かべてる生き物を回収するのは、気持ちの良いもんじゃないね」


「そう?私的には、単にお肉を集めてる位の感覚だけどな」

うむ。

日本人の釣った魚に抱くイメージ位の感覚かなぁ……

まぁ、この辺は食材として、いかに身近なのか、ってところに影響されるんだろうね。


「さて、モンスリー。手早く28頭全てと、犠牲者の遺品を収納出来たけど、何か僕に伝える事があるんじゃないの?」


「あ、やっぱり気付いてた?あっちの方向からオークが1頭近づいて来てるの。集落までの距離は300メートル。移動速度は遅いわ」

狩りにでも行っていたのかな?


「それならまだまだ、脅威まではならないか。単独なら今の僕でも十分に相手ができるね。モンスリーが気付いた時の距離は?」


「集落から400メートルだったわ。115秒前ね。その後の歩みの速さに変化がないから約6分後に集落に到着予定ね」

そのままの速度なら、そうなるね。

でも…


「そっちの方向から来るなら、多分、そろそろ走り出すから、迎撃の準備を始めよう」


「え?あっ、ホントに走り出した。なんで走り始める事がわかったの?」

戦利品として収納した中に、牧草収穫用のでかいフォークが何個かあったから試しに使ってみよう。


「匂いだよ。僕らの……ねっ!!」


 モンスリーに説明しながら、ぐんぐん近づいてくるオークに向かって、槍投げの様に投げつけたフォークは、回転しながら轟音をたてて飛んだ。

 飛んでいくフォークは、狙いより少し下にそれて、オークの右太ももの筋肉を破壊して引きちぎり、フォーク自身はそのまま100メートル近く村の外に向かって飛んで、土をえぐるように刺さり、そのまま突き立つ。

 左太ももから大量の出血を撒き散らしながら、フォークの方向から類推して僕らを視認したオークが、目を血走らせながら野太い雄叫びをあげた。

 続けた第2投と第3投のフォークが、動きの鈍ったオークの首をかすめて頸動脈を切り裂き、左太ももに突き刺さって左足を破壊した時、オークの前進が止まる。

 よたよたとたたらを踏んだ後にオークが膝を折り、3ヶ所から血を噴き出しながら、前のめりに倒れ伏したと同時に僕は経験値を手に入れた。


「匂い…か……さっきまであの辺りに居たもんねぇ、私たち。それに気付いたってことか」

猪や豚はかなり鼻の良い動物だからね。

僕らという獲物を見つけて、勢い込んで走ってきたんだろう。


「そう。だから、僕らに気付いた瞬間に走り出した。まぁ、ここに辿り着く前に獲物である僕に倒されたわけだけど」


「倒されて美味しいお肉になったのね。さてと、脅威は取り除けたけど、これからどうする?」

まだ血抜きが途中だね。


「美味しいお肉になりかけの、今倒したオークに本格的な血抜きをした後に、収納してある28頭もきちんと処理したいな」


「どこでやるの?途中にあった川のほとりなら、血をすぐに洗い流せそうだったわよ?便利なんじゃない?」

それは止めとこう。


「一気に大量の血を流したら、川下の住人に迷惑だからね。ここで処理を終わらせてから帰ろう。井戸もなんとか使えそうだし」


「ここの村も捨てられてから、5年たってるから……ホントになんとかって感じだけど」

周りの石積が崩れかけてるからね。


「この井戸、オークも使ってたみたいだね」


「あ……確かに使った跡がある。でも、これ。水瓶を使ってる感じがしないわね」

確かに、バケツに歯形が着いてるな。


「直接バケツから飲んでたみたいだな」


「うぇ……」

待て。


「そんなに嫌そうな顔しないでよ。食材として食べてるんだから、そこまで露骨に嫌がる理由がわからないってば!」


「ネバネバした涎が、汲み取り桶に着いてると思うと、そこで色々なものが繁殖してるような気がするの!その嫌悪感から逃れることは無理だわ!」

ゴメン。

なんかオークが急に可哀想になってきた。


「ふぅ……一応、言ってることはわかるけどさ。そこまで嫌う理由にはならないと思うな……でもまぁ、なんとかはなるかな」


「なんとかって?なんとか出来ちゃうの?」

出来るかはわからないけどね。


「やってみないとわからないな。先に試してみよう」

楽しんで貰えると嬉しいです。

次回も本日13時更新です。

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