表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/15

15 逆鱗

「モンスリー、しっかりしてよ。別に掴まってなくても大丈夫だけど、そんなに、くたっとしてると揺すられて気分が悪くなっちゃうよ?」


「うぐっ、だ、だって!こんな……これで肩に腕を回したりしたら、蚕登の顔がすぐ近くに来ちゃう!」

ん?

そんなに嫌がられるほど顔の辺りに変なものでも付いてたかな?

一応プロポーズされたんですけれども。

ちょっと泣きたくなる。


「そりゃ、そうなるでしょ?普通だよね?何か気になるものでも付いてる?」


「もぅっ!この世で一番お気に入りの蚕登の顔が、ついてるじゃない!こんなに至近距離じゃ、ドキドキしちゃうに決まってるでしょ!」

おぉ……

そっちですか?

良かった……

そして、可愛いなぁ…


「ドキドキして、もし手を放しちゃったとしても、大丈夫なように抱き締めておくから、心配しなくていいよ?」


「違うの、違うのよ……こんなに至近距離で蚕登の香りに包まれてると、ダメになっちゃいそうなの……」

どう、ダメになるのか気になるなぁ…


「あと、5秒で村から二キロ地点まで離れるから、一段落だよ?もう少しだけ我慢してね」


「えっ?もう?くっ!覚悟を決めなきゃ!えいっ!」

えっと……

さっきまで、くたっと力を抜けた状態だったのに……

急に抱き付いて首筋に舌を、這わせるとか。

何してくれてるのさ!

僕の理性を削りにくるのは止めてくれ!


「音を発てながら何てことしてるのかな?」


「ん?この機会に、蚕登を存分に味わっておこうと思って」

待て待て!

僕らはキスもしたことないのに、何をしている!?


「僕からは味わうような出汁は、出てないはずなんだけど?」


「蚕登の肌にキスしてるだけで、頭の芯から蕩けそうね。最高だわ!」

うぅむ。

そんなに気にいってもらって嬉しいけど…

反応が危険すぎるね。


「さて、一段落。はい、降りてね。今度は背負って行くからさ」


「えっ?そういう事なの?いっ、いい、いやぁ…本気?他の方法にしない?私は今のままで構わないわ。というか、今のままが良いの」

何を今更?

とりあえずモンスリーを降ろして、しゃがもう。


「そんなに慌ててどうしたの?流石に長時間移動するのにお姫様抱っこだと危ないでしょ?はい。僕の背中に乗ってくれる?」


「えっ?あぁ!鎧を着てたわね。なら、良いわ」

は?

混乱の最中に、ふわりとモンスリーの体が背中に密着して、鎧越しでも、その柔らかさが主張された。


「でも、さっきから、何を気にしてるの?」


「だって……私の胸が……蚕登の背中に直接当たったら。その……嫌……なのよ」

さっきまで、僕の首筋を舐め回してた人の言葉とは思えませんな。

だが……

それが良い!

つまり、その類い稀なる貧乳を恥ずかしがっての事だよね?

最高です!

貧乳を恥じらう乙女…

そんなの素晴らしすぎる。


「モンスリー……僕は君の魅力の虜だ。その可憐さで僕をずっと魅了し続けてね!」


「もうっ!可憐だなんて……初めて言われたわ。嬉しいけど本気?」

初めて言ったもの。

それに、この世界の男どもは、貧乳を有り難がる奴がいないみたいだしね。


「僕はモンスリーの愛らしい胸も含めて、大好きだよ!」


「可憐かどうかって話と、私の胸が愛らしいって話が、どうリンクするのか……興味があるわね」

おっと……

逆鱗に触れた感触がする…

楽しんで頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ