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12 微塵切りや銀杏切り、その他諸々

「お疲れさま。これで最後だね。血溜まりを埋めとくから、火起こしは任せて良い?僕はその後に、肉と野菜の下準備をするよ」


「あれ?今日はいつもみたいに、作り置きの美味しいごはんを、出すだけじゃないのね?」

別にそれでもいけないことはないけどさ。


「せっかく、取れたてのオークがあるんだから、かまどもあることだし、味見くらいしてみたくない?」


「したいしたい!オーク肉の焼き肉に、スープ!涎が出そう!」

だよね。

そのために材料も用意してきたし。


「ただし、言うまでもないけど、残党が帰ってくるかもしれないから、警戒は解かないでね?」


「それはもちろんよ。命かかってるもの、大丈夫よ」

プロの盗賊職だものね。

わかっては居るけど、一応ね。


「よろしくね」



 流れ出た血の処理は、事前に掘った穴に血を落とし込んでおいたので、埋めるだけで済んだ。

 普通の解体なら、流れ出た排泄物や血を洗い流すために、水がどこかに大量に溜まる。

 だけど、排泄物は事前に分別して収納の中だし、血抜き後の血も分別の時に、欠片も残さず分離されるので、全く水を使う必要がなかった。

 手間が省けるのはありがたいけど、230キロ位の血だけが染み込んだ地面って大丈夫かな……


 怖い考えは脇に置いて、手を水で洗い、まな板の上で、スペアリブを骨ごとに切り分け、下味をつける。

 巨体だけあって、一つ一つのブロックがでかい。

 数本まとめて焼くと、生焼けになりそうだから、面倒くさいが切り分けておいた。

 塩と胡椒の味だけでは、臭みが気になりそうなので、ミョウガとシソとショウガを細かく刻んだものをまぶして、ボウルに並べておく。


「後は、モツの煮込みが作りたいなぁ…だけど、醤油もミソもないんだよな…」


 内臓一体分を取り出してみるが、どう考えても二人前には多すぎる。

 腎臓以外で、適当に200グラム位を見繕った。

 腎臓もアンモニアと尿素を分別してあるから、多分臭くないけど、初回から冒険する意味もない。

 一応の水洗いを済ませて、ザルにあげて水切りしておき、臭み消しに、牛乳とワインを混ぜたものに、つけこんで良く揉みこんで、下ごしらえ完了。

 何度か茹でつつ、湯を変えてから、赤ワインで煮込んで味を整えてみよう。


「胸肉はネギとサンドイッチにしてみるか…」


 大きな塊では、調理しにくいので、200グラムに切り分けて、皮付に残る毛を処理しておく。

 火で炙って、綺麗にしてからもう少し細かく切り分けよう。

 挟むパンに切れ目を入れたら、ネギの下ごしらえだ。

 白髪ネギをささがけにしたものに、これでもかというほど塩をまぶしておく。

 ある程度水が出て、しんなりしたら、少量の胡麻油で和えて終了。


「よし、準備できた。モンスリー、調子はどう?」


「こっちも、火が起こせたよ。しかし……毎度、下準備が速すぎない?レベルとか関係ないわよね」

慣れてるだけだね。

よし、とりあえず、炙って肉の毛を焼こう。

で、モツの入った鍋を火をかけて、と。


「前から料理は好きなんだよ。これでも20年以上自炊してたからね。手抜きで大雑把な男料理しか出来ないけど。モンスリーの血抜き作業と同じだよ」


「いや、あの料理の数々を手抜きとか言われたら、私の立つ瀬がないじゃない……」

モンスリーは、料理に慣れてないだけだよね。


「僕の場合は、面倒くさい下ごしらえの多くを事前にしておいて、必要最低限の準備をしているだけだから、まぁ手抜きだよ」


「野菜とか切って収納してあるものね」

便利なんだよね。


「これのおかげで、凄く楽だよ。時間経過しないし、野菜の種類ごとだけじゃなく。切り方にも対応してくれるから、安い時に買って、刻んで入れておけば、使いたい放題なんだよね」


「嬉々として話す蚕登に、色んな部分で負けた気がするのは、何故かしらね……」

そこは、僕にはどうしようもないね。

楽しんで貰えると嬉しいです。

今日の更新はここまでです。

次回は、来週の日曜を予定しています。

ただ、モチベーション次第なので、登録と評価次第で素早く更新できるかもしれません。


普段は、女神とともに転移した世界がまるで地獄(エロゲ)でした。という作品を書いています。

そちらも読んで頂けると喜びます。

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