表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

10 新食材発見の過程

「うーん。見た目的には、干からびている感じはしないけど……どう思う?」


「見た目が凄く綺麗!カラバル愚連隊の肉にも、ひけをとらない色ね!ちょっと切ってみようよ!」

まぁ。大事なのは中身だからね。


「とりあえず、バラ肉と、モツをだしてみようか。ちょうどモツを見たいところだったし。よっ……と」


「凄いね!切ったところから全然血が滲まないわ!モツも綺麗!でも……これは水分が無くなってるわけじゃなさそうね」

血液限定で分離したから、その他の体液は残るから。

……はっ!

そっか、これはダメだわ。


「この方法は、お手軽に使うのは無理だね。残念だけど諦めないといけないみたいだ」


「え?いきなり何?なんで諦めないといけないの?解るように言ってよ」

確かに言葉足らずだったか。


「結論から言うと、普通の血抜きの後に、仕上げで使わないと、ダメだってことに気がついたんだよ」


「普通の血抜きって……同じことを2回に分けてするの?そんなことする意味がわからないわよ?」

同じじゃないって事に、モンスリーの言葉で気づけたんだ。


「実は同じじゃなかったんだ。普通の血抜きは血液のみを抜いてるわけじゃないって事さ。確かに血液が主に抜けるんだけど、血液が流れ出るときに、一緒に別の体液や老廃物が体外に除去される。ここが重要なんだよ」


「つまり、さっきの方法で最初から血を取り除いたら、臭い成分が残っちゃう?」

端的に言うとそうだね。


「そうなるだろうね。該当する物質をいちいち指定して取り除けば、素晴らしい肉になる可能性もあるけど…その数は最低でも数百種。もしかしたら千単位。更に言うと、僕が物質名を知らないという無理ゲーですな」


「蚕登でも知らないことがあるの?」

買い被りすぎだね。


「その通りだよ?そもそも知らないことだらけだって知ってるよね?僕がモンスリーにどれだけお世話になったことか。ありがとうっ」


「うぅ、凄く良い笑顔で、素直にお礼言い過ぎ!他の子には、やったら駄目だよ?その笑顔は、こ、恋人の私のなんだからね?」

何をおっしゃる?


「僕の笑顔ごときで、何かが起こるとは思えないし、お礼は大事だからね。そのお願いはきけないな。失礼はしたくない」


「くっ、なに、この可愛い生き物!もう、萌え死にそう!わかったわ!私を殺っちゃう気なのね?」

殺っちゃわない殺っちゃわない。


「とにかく、無理だってわかってくれたよね?」


「もうっ!流されたし!わかったけど、排泄物みたいに、全部一緒に分けるくくりは無いのかな?」

あぁ、それ。

僕も考えたんだよ。


「考えてみると体液とかがそれにあたるんだけどさ。多分無理、違う意味でね」


「別の問題に突き当たるってこと?」

バカでかい問題にぶち当たる。


「そうだよ。僕らの体重に占める水分の割合は、7割と言われてる」


「そんなに!?」

ビックリするよね。


「体液ってくくりだと、この水分の全てを引き抜いちゃう。つまり、100キロのオークが30キロになる計算だね」


「あの大きいオークが30キロ?それって、カラカラ……よね?」

間違いなくね。


「水分が抜けきって、カッチカチの干し肉よりも硬い何かになりそうなんだよ」


「それ……歯が欠けそうね」

鰹節にかじりつく感じになるだろうね。

ん?


「あぁ!削って食べれば良いんだ!オークの削り節として売ってみたらどうかな?」

楽しんで貰えると嬉しいです。

次回は17時です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ