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666年物語 運命を覆すために  作者: コノハナ
第一章 この世界の概要とアインスに会うまで
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第七話 意外な方法 

 「最初、アインス様が泊まる部屋に忍び込む方法を考えたんだ。だけど、警備が厳しいと思う。ばれないようにするのは多分無理」


 ツカサがさらに続けて話す。


 「次に治療に訪問する場所に紛れ込んで会うこと事は、できると思う。行く先々はほぼ教会だから行く先を推定するのは難しくない。ただ、指輪を渡す渡して受け取ってくれるかは別問題、アインス様は教会では治療で忙しいはず。忍び込んだ相手―怪しい奴から指輪を受け取らないと思う。それに、周りの警備に止められるよね。」


 フローリアはうなずく


 「つまり、現状ではうまくいって会うことはできるけど、話までして指輪を渡す事は不可能と思う。だから、その前提条件を変える行動をする。」

 

 フローリアは不思議な顔をしてツカサを見つめる。

 「えーっと、ツカサはどうやって指輪をわたすのかな?まわりに迷惑がかかる方法はだめだよ」

 

 「いや、そんな方法じゃなくてね。」

 ツカサはフローリアに自分が考えた方法を話す。


 話している内にフローリアは段々楽しそうな表情に変わってくる。

 「これは、面白そうだな、ぜひやってみてよ。」

 フローリアはいたづらっぽい目でツカサをみつめる。


 「で、そのためにはフローリアの助けが必要なんだ。たすけてくれる?」


 「もちろん!! 指輪を渡すの時が楽しみだ。明日が待ち遠しいね」

 

 

 まず、最初に昨日行った教会にフローリアと一緒にいく。幸いにもまだ。レティシアは出かけていなかった。

 

 「おはようございます。ツカサさん昨日はありがとうございます。」

  明るい声でレティシアが話しかける。


  相変わらず優しそうな表情だねー 朝からうれしいな


 「僕と一緒に旅をしてるフローリア。彼女は治療のスペシャリスト。僕の先生みたいなもの……昨日治療できなかった怪我人を直そうと思って連れてきた。」


 「え、本当ですか?」

 レティシアはツカサとフローリアを交互に見つめる。


 「ツカサがしたい事に興味があってね。私も協力することにしたよ……あっ、お礼とかはいらないよ私たちも得るものがあるからね」

 「あなた達の得るものが何かわかりませんが、ありがとうございます。これも女神さまの思し召しなのでしょう。」

 レティシアが手を結び軽く拝む。

 「フローリア様……私は気配を感じる練習してはいませんが、あなた様からは強力な気配を感じます。どうぞよろしくお願いします。」


 「条件があります。僕達が治療していることを内緒に、治療している所を見られないようにお願いします。誰が行っているかと聞かれれば、アインス様から遣わされた人とお伝えください。」


 この人たちは何を得るのだろうか?レティシアはよくわからなかった。

 寄付をする商人、冒険者などはいるが、自分の名前を出さない人はいない。教会に寄付すると世間の評判がよくなる。それがまわりまわって自分の身を守ることになる。

 特に商人などは周りの評判が悪くなることが多い。それを緩和するために教会を利用する。前にレティシアも大口の寄付をした商人……商人ギルドの長を決める時に挨拶を行ったことがある。そしてその商人は当選した。

 「その条件を守ります。よろしくお願いします。」

 レティシアは頭を下げた。


 「まず、この教会の患者から治療しよう。昨日直しきれなかった人たちが何人かいたよね。」


 教会の庭に白いカーテンで囲われた場所を作る。そこにフローリアとツカサが入った。

 カーテンの向こう側にレティシアと患者がいた


 レティシアとフローリアが手をつないでいるもう一つのフローリアの手をツカサがつないでいる。


 最初の患者は片目が見えなくなっている男性だ。魔物にやられてしまったそうだ。


 レティシアがその患者に手を当てる、魔力がツカサからフローリアそしてレティシアへと流れ、患者に届く。患者の目に魔力が集中し目が復活する。


 「目が見えるようになった!ありがとうレティシアさん」

 男性が喜びの声をあげる。

 「これ、少ないけど寄付だ。何かの役に立ててくれ」そう言うと金貨を置いていった。


 「治療の仕方はわかった?患部に魔力を集中させること、直す部分をイメージして魔力を流すとより早く治せる」


 次の患者が入ってきた今度は左足の先がない女性だった。畑を耕していたところ蛇にかまれてそうなったらしい。

 「こういった場合はね目を直した時よりも魔力がいる。今回はツカサがいるから魔力の心配はないけどね。まず麻酔をする。邪の魔法だね。そして患部の部分だけ時を止める、時空魔法。で患部の表面を水魔法で切ってそして再生魔法をかける。」

 フローリアはツカサの手から魔力を吸い取りながら説明する。


「工程が複数あるけどこの方法が一番早い。次の患者からはツカサがやってみて。」


 次は肩に大きな傷をもった男性だった。

 

 カーテン越しにレティシアとフローリアを両手につないでいる状態だ。肩の傷が治るイメージをして魔力を流す。細かいところはフローリアが直す。

 男性の肩が徐々に治っていくフローリア程早くないが無事治った。


 「レティシアさんありがとう。カーテンの向こうで誰が直しているんだい?」

 「アインス様から遣わされた人ですよ。ありがたいことです。」

 レティシアはそう答える。


 その後ツカサとフローリアは次々に直していく。この教会の患者は全部治療がおわった。次はレティシアが行こうとしてた教会にいった。ここでもドンドン治療していく。


 この教会での治療が終わるころにはツカサがフローリアの手を借りなくても、直せるようになっていった。


 宰相がこの町にくるまでに、レティシアの手を借りながらツカサとフローリアは次々と患者を治療していく。

 教会だけでなくギルドでも治安があまりよくないところでも


 いったい誰が直してるんだ?町中にうわさが駆け巡る。

 「アインス様から遣わされた人」だという声と実はレティシアが「アインス様の使者」だという声が上がっている。

 エウロパの町ではアインス様とレティシアの人気がどんどん上がっていった。


 アインス様が来る前日の最後の治療が終わる。


 「治療が終わりました、ツカサ様とフローリア様にはどんなに感謝してもしたりません。」

 治療中につかんだ手をまだずっと握りしめたままだった。レティシアの頬が少し赤くなった。


 「様はつけなくていいよ。照れくさいから。この手紙をうけとってくれる?」


 そういってツカサは手紙を渡す。


 「アインス様がこの町に来た時、レティシアに会いに来ると思うその時にこの手紙を渡して。」



 


 

 


 

 

 

 



 

 


 



 

 

 

 


 




 


 

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