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666年物語 運命を覆すために  作者: コノハナ
第四章 商売を始めるために
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第三話 ツカサの覚悟

 レベッカのお願いにしたがって、プライアのダンジョンを終了した。スピードを上げてクリアーしたが、とりあえず大きな事故なく良かったと思う。ボス戦を何週もしたせいで、かなりのドロップ品を手に入れることができた。レベッカの父親のレックスさんにドロップ品を何品か渡した。最終的に呪いを解くことはできたが、赤字だったので補てんする必要がある。

 自分たちでもいずれは商人を雇うか仲間にして運営する予定だ。そのためにレックスさんにノウハウを教えてもらう必要がある。そのための投資だと思えば問題ない。

 それと、いまさらながらだが、敵を倒せば倒すほど強くなる。ゲームのレベルアップみたいに区切りはなく、徐々に強くなるそうだ。ジェイラスとティーナの戦いを見て感じた事ではあったけれど。最初の50階のボス戦と、最後の方のボス戦の魔法や剣の威力は明らかに違った。


 今度はプロビデンスのダンジョンに行ってみよう。みんな強くなっている、行っても大丈夫だと思う。

レイカーヒルの町の郊外に出て森の中にいく。そこにダンジョンがある。簡易な出店がでていてポーション、毒消しなどの消耗品が売っていた。その中に見知った顔がいた。グランベルさんだ。

「ツカサもこのダンジョンに来たのか?順調に来てるみたいだな。また、新しい仲間が増えたな。会うたび仲間が増えてる。」

「ええ、おかげさまで仲間を増やすことができました。」

「『白い花の精霊』も人数が増えてきた。いいことだ。」

 グランベルさんはそう言うとジェイラス、ティーナ、レベッカに自己紹介をしていく。グランベルさんは大雑把に見えるが、面倒見はいいんだよなとツカサは思っていた。

 グランベルさんは今日は『白金の舞』の皆と一緒にダンジョンに行くそうだ。ボス戦で協力して先に進めるらしい。

「このダンジョンはな、森、浅瀬、砂漠とか階層ごとにステージがかわる。プライアのダンジョンとは様子が変わる。だから、それぞれの地形に合わせた戦い方を考えなければいけないぞ。砂漠の中からサンドワームがでてくるからそれには気をつけろよ。」

 グランベルさんがアドバイスをしてくれる。


 まずは地下一階に潜ってみるここのステージは森だ。なぜ、ダンジョンの中に森があるのかは謎だが、様々な場所で戦えるのはいい経験になると思う。獣系、昆虫系の敵が多く出てきた。木の陰から巧妙に物を投げつけて攻撃してくるスローモンキー、いきなり出てきて、毒の鱗粉をまき散らしていくポイズンバタフライなどが手ごわかった。まともに戦えばそんなに苦労しない敵でも、特徴を生かした攻撃をしてくる敵は厄介だ。初心者のダンジョンであるプライアとは難しさが違った。

 それでも慣れてくれば余裕が出てくる。地力の違いもあるのだろうが地下5階まですんなり行けた。ティーナはレベッカに魔法の出すタイミング、間合いなどを教わっていた。魔法使いのうまさはツカサよりレベッカの方が高い。レベッカは丁寧にティーナの面倒を見ていた。ティーナのキャラクターもあるのだろうとツカサは思っていた。


 ダンジョンの冒険が終わり。転移で家に帰ってくる。レベッカも前のまま住み続けている。父親のレックスさんの所に住むのかと思ったが、こちらの方がいいと判断したようだ。その理由はフィロメナさんの作るご飯のようだ。確かに彼女の作るご飯はおいしい。ツカサも毎日の朝と夕ご飯を楽しみにしている。


「レベッカさんにいままで、どんなパーティーでダンジョンに潜ってきたの?」

 ツカサが疑問に思っていたことを聞く。

「最初は魔法を教わった師匠のパーティ―ですね。その後は一人で行くことが多かったです。一時期、女性剣士と自分とのパーティーでダンジョンに潜っていたことが多かったのですが、彼女が結婚して冒険者をやめると言い出しまして、それでそのパーティーは自然解散ですね。」

 レベッカさんは魔法使いとしての技量は高い。自分に合ったパーティを見つけるのも大変だったかもしれない。今回のように何か特別なことがないと、ツカサのパーティにも来なかったはずだ。それに、自分一人でダンジョンに潜った方が、稼ぎもよかったのだろう。

「冒険者ランクを聞いてもいいかな?」

「Aランクですね。ツカサさんは達はどうなってますか?」

「僕とフローリアはGランク。クリスティーナはAランク、ジェイラス、ティーナはCランクだね。」

 エウロパのボスを倒し続けたことでクリスティーナ、ジェイラス、ティーナのランクが上がった。

「ツカサさんとフローリアさんはランクを上げないのですか?」

「いろいろ事情があってね、上げるのはやめてる。」

 二人の間に少し時間が流れる。

「ツカサさん達には秘密が多いようですね。私が信頼できるようになったらその事情も教えてくださいね。」

 レベッカがツカサを見つめ話しかける。


 そう、いつかはその事情を教える必要がでてくる。この時代には一年、もう一か月位経過したので残り11か月の間で、後を託す必要がでてくる。

「そうだね。その時が来たらすべてを教える。その上でレベッカさんに助けを求めると思う。」

 レベッカさんの目を正面から見て話す。まだ先の話だが、別れは必ずくるその覚悟を少しづつでもしなければいけない。


 プライアのダンジョンに行き続けることにしたが、まだまだ順調だ。様々なステージがでてくるが、攻撃をくらうのは最初の方だけで、あとはくらわなくなった。ドロップアイテムの一部を商人のレックスに頼み売ってもらってもいる。その方がギルド買取より高い時もあるからだ。


 アネッテさん達にあって、一ヶ月経過した。あの二人に会いにいく必要がある。クリスティーナとアリリオを連れて会いに行ってみよう。アリリオはどんなことにでも興味を持つ。そして頭の回転が速い。何か僕たちに浮かばない考えを持つかもしれないので、一緒に連れていくことにした。


 リンデリウムの森の最深部にいく。最初はアネッテさんに会った洞窟の近くに転移しようとしたが、結界が貼ってあるようで、転移できなかった。

 仕方ないので近くまで行き、そこから歩くことにした。

「結界が貼ってある。この結界は注意しないと自然と結界の中に行かないようするものだね。なかなか高レベルの結界だよ。」

 ツカサは注意して歩いていく細心の注意をしないとわからない結界だった。ツカサは結界を破り中に入ってく。

 スライムのスレイナさんがあらわれた。

「やっぱり、ツカサさんでしたか。ご主人様の結界を見分け、破れる人はそうはいないですから。」

「アネッテさんの力と記憶は戻りました?」

「ご主人様さまは力は順調に戻っているのですが、記憶の方はまだ時間がかかるみたいです。」

「そうか、それは残念ですね。こちらは新しく仲間になったクリスティーナとアリリオです。」

 ツカサは二人を紹介する。

「はい、よろしくお願いします。では、こちらにどうぞご主人様がおられます。」

 スレイナの後をついていくと森の中に開けた一角があった。丸太でロッジを組んでいた。平屋でかなりの面積がある。そのそばには水の澄んだきれいな大きな池があった。絵になる景色がそこに存在していた。

 一ヶ月近くものの短期間でここまで森を開拓している。スレイナとアネッテの力はやはり大きいと改めて確認した。

 スレイナがドアを開け中に入りツカサを案内する。

「ツカサさんが来るのをまってました。」

 アネッテがあらわれ話しかけてくる。

「強い剣士の方もつれてこられたようですね。そちらの少年も賢そうだ。ツカサはいい仲間に恵まれたようですね。」

 優しい口調でツカサに話しかけてきた。

「ツカサ達と一緒に行くには、まだ、力が戻っていません。が、それでもツカサに助けてくれた。恩返しはできそうです。」


 

 

 

 


 



 


 

今年もよろしくお願いします。

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