第二話 この世界について
「まず、この世界について説明しよう」
フローリアは話し出す。
「まず。お礼をいいたい。君がここに来なければ、もうこの世界は魔物のあふれる世界で終わってた。」
フローリアはツカサを見ながら頭を下げる。
「お互い様だよ。君は僕の命を救ってくれた。それに報いないと。」
お互い見つめあう。少しの間沈黙がながれた。
「君の世界にには、ほんの少ししかいなかったから、詳しくはわからないけどこの世界とは成り立ちが全く異なるだろ?君の世界では魔法はないみたいだね。が、この世界ではある。君最初にそれを確かめただろ?」
ツカサはかるくうなずく。
「最初は魔法について話をしよう。火、水、風、土これは基本的な魔法だ。この世界では誰もがどれか一つは必ず使える。それぞれ得意分野もあるし。威力もまちまちだ。」
そういうと、フローリアは手のひらを天井に向け小さい火、水、風、土をつくりだす。
「それの応用で雷、雪、噴火など様々な魔法を使えるようになる」
フローリアは手のひらを下に向け小さい雷、雪を降らせていた。
「次に光。闇。聖。邪この系統の魔法がある、これは誰もが使えるわけじゃない。使い手を選ぶんだ。おおむね光を使える人は闇が使えない。聖の魔法が使える人は邪の魔法は使えないことが多い」
フローリアは右手に聖なるオーラを左手に光をかざして見せる。
「ただ、後で話すがスキル持ちならば、両方の系統を使える」
手と手の間を10センチほど開けながら右手に闇の玉を左手に邪のオーラをまとって見せた。
「よし。この手を握ってくれ」
そういうとフローリアはてをツカサの方に差し出す。
ツカサは恐る恐る手をにぎる。体全体がぞわっとする感じがした。
「少し体がゾクッとしたでしょ。人間族は闇、邪に本能的に弱いんだ。だから人間族で闇と邪を使える人はあまりいない。」
「後は特殊魔法がある。時、空間を操る次元魔法などは有名だね。生物を召喚する魔法などもある。色々な種族がこの世界には住んでるから、その種族特有の魔法もある。」
「ちなみに私の種族は精霊族だよ。長生きしたおかげで人の形をとることができるようになった。種族魔法ももってて、花とかきれいな水とか美しい物を作ることができる。」
「今、言った魔法はツカサなら全部使えるはずだよ。私のスキル術を受け継いでるから。話が終われば練習しよう」
「さてここからが重要な話だ『世界魔法』についての話だ。」
フローリアの握りしめたツカサの手をもっと強く握りしめる。ツカサもフローリアの瞳をみつめなおす。吸い込まれそうな瞳とはこのことだと思った。
フローリアの頬がほんのり赤くなった。
「今まで話した魔法は威力の大小はあるが。『世界魔法』は桁が違う。」
フローリアの手が少し汗ばんでるようだ。
「世界魔法は文字どおり世界を変えるんだ。君がこの世界に来たあの乗り物、あれもおそらく誰かが唱えた世界魔法で、取り寄せたものだ。私はあの乗り物を使うことはできたけど、仕組みはさっぱりわからない。」
「確かに、あれとこの世界は全く違う感じだね。どちらかというと僕がいた世界 科学の粋を集めて作られたもの、もちろん僕がいた世界でも理解できない技術が使われてる。未来の技術だ。」
「ここからが本題だ。君の世界で私があなたを送り出した時に、「666年この世界を守ってくれって」いったよね」
ツカサが深くうなづく。
「エリンシアそれは私の出身国、その首都がニフルハイム。そこで『世界魔法』を唱えてる最中。」
「そして、魔法が唱え終わるのは今から666年後なんだ。」