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666年物語 運命を覆すために  作者: コノハナ
第二章 リンデリウムの森の冒険
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第四話 リンデリウムの森の探索 2

 次はリンデリウムの森の中層に入ってみる。『風の戦団』とツカサ達が話し合って、行っても問題がないだろうと判断した。

 中層に入る時目立つ目印はなかったけれど、入った途端、体がゾワッとした事でわかった。

 レプリーが先頭に立ち『風の戦団』の目標であるビックタイガーのいそうなところをさがす。ツカサは時々蛇の気配を感じ軽く火の玉で焼き払っておく。噛まれると毒が入って大変だ。

 上層にいる時よりも皆緊張している。魔物を見つけたレプリーが手で合図を送る。ビッグタイガーではないらしい。ブラッドホーンという魔物がみつかった。

 エステルが風の刃を放つ、と同時にダイスとプレザンスの二人が魔物に斬りかかる。

 しかし、ブラッドホーンの皮膚が固く風の刃では深い傷をおわせていなかった。魔物も頭の角を振りかざしながら、突進してくる。ダイスがいなし、勢いを殺したところでプレザンスが攻撃を受け止める。そこにリプリーが魔物の顔に攻撃を仕掛け魔物の動きを封じる。と同時にエステルが風の断頭台ともいうべき魔法を放ちブラッドホーンの首を刈った。

 相変わらず連携がいい。流れるような作業で敵を倒していく。

「ブラッドホーンはね、角を人に向けて突進してくるの。そこさえ注意すればそこまで強くないよ。」

 レプリーがツカサにアドバイスをする。

 しばらく索敵を続けるともう一匹ブラッドホーンが見つかった。今度はツカサ達が倒す意思を示す。

 ツカサはブラッドホーンに近づいた。それに気づきブラッドホーンがツカサに角を向けて走り出した。ツカサは土の壁を出してブラッドホーンにそなえる。壁にドスンとぶつかる。もしまともにぶつかるとかなりのダメージをくらうだろう。壁に角が食い込んでるうちに、ツカサは大きく素早い風の刃を作り首を刈り取る。

「ツカサの魔法の威力は相変わらずすごいね!下手な魔法使いの土の壁だと簡単に突破されるのに、ツカサのはびくともしない。私じゃ無理」

 エステルが感心したように話す。


 午前中いっぱいビックタイガーを探したけれど、見つからなかった。それでも見つけた魔物を順次倒していく。いい狩りができて『風の戦団』の面々は満足そうだ。

 たおした魔物で結構な実入りになるそうだ。

「ビッグタイガーの倒し方を教えておくね。ビッグタイガーは体格のわりに素早い魔物で、敵に近づき、鋭い牙で敵にかみつく魔物なの。まともに受けたらプレザンスさんでも吹っ飛ばされるの。だから少し工夫する。敵が5メートルぐらいまで近づいたら私が真横に避ける。それでもビッグタイガーは私の方に急に方向転換してくる。そうしたら勢いは減るんだよねで、そこに待ち構えてるプレザンスさんの所に私は隠れる動きをする。そしたら、プレザンスさんが盾で攻撃を受け止める。後は私とダイスさんとエステルさんでひたすら攻撃。その時ビッグタイガーに勢いをつけさせないようにする事が重要。敵を自由にさせない事が必要ってことだね。」


 敵の長所を殺し、その間に叩き続けるってことなのか。


 午後からも狩りを続けていったがビッグタイガーは見つからなかった。今日はあきらめて、また明日にしようと思ったところビックタイガーを発見した。

 打ち合わせどおりレプリーがひきつける、で横に避ける。プレザンスが攻撃を受け止め、残りの三人が攻撃を続ける。ビッグタイガーも牙をむき出しにして攻撃を続けるが、威力を殺されているためにプレザンスさんに軽くいなされる。ダメージを与え続け、最後はダイスの剣が首に突き刺さりビックタイガーは崩れ落ちた。

 ダイスは軽く手を握りしめる。うれしさを押し殺している様子だ。

「今日はこの辺で終わろう。」ダイスが皆に話しかける。

 レプリーがキャンプしやすい場所を探しだして、そこにテントを張ることにした。


「俺たちは明日戻る予定だけど、ツカサたちはどうする?」

 

 意外だった。この調子で、明日以降も狩りを続けていくのかと思っていた。


「おれたちのパーティの基本方針は「無理をしないこと」なんだ。命を大切に、体を大切に、その次にお金がくる。このことを俺たちは徹底している。」

 リーダーのダイスが話し出す。

「そう、今回の目的はビッグタイガーを倒すことそれができたし、ほかの獲物も狩れた。それで十分。これ以上欲を出して狩りを続ける必要がないわ。」

 エステルさんが続けて話す。


(フローリアどうする?)

 ツカサ心話でフローリアに話しかける。

(ツカサに任せるよ)

(そう、それなら『風の戦団』の人たちと一緒に帰ることにする。まだまだ、僕は余裕があるんだけど、リンデリウムの森に来るときに盗賊に襲われたでしょ。その残党が気になって。冒険者を襲う盗賊は何かしらの不自然なところを感じてね。だから、『風の戦団』の人たちが帰るときに襲われる可能性もあるかなと)

(それと、さっき『運命の煌き』を使ったら、レプリーさんが以前より輝いて見えた。そういう人を失う可能性は少しでも減らしたいから。)

(ツカサがそう感じたならそうしよう、案外ツカサの勘も馬鹿にできないかもね。)

(それに、リンデリウムの森に来たければ転移で来ればいいだけだしね。時間が対してかかるわけでもない)


 ツカサ達と『風の戦団』はリンデリウムの森の入り口に帰り、馬車を待ってエウロパの町に帰ることにした。

 何も起こらなければそれでいいとツカサは思いつつ、帰りの馬車に乗った。




  


 

 


 



 

  

 


  


 

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