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666年物語 運命を覆すために  作者: コノハナ
第二章 リンデリウムの森の冒険
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第三話 リンデリウムの森の探索 1

 ツカサとフローリアは『風の戦団』の人たちと一緒に森の中に入っていく、森に足を入れたとたん、ゾクッとした。なるほどこれが魔物のがいる領域なのかと感じた。

 レプリーさんが先頭をきって探索している。猫耳をピンと立てて注意深くすすみ、敵の気配を感じ取ろうとしている。


 ツカサの役割は味方の回復と遠距離からの攻撃。フローリアの役割は戦闘時のリプリーとエステルの護衛に決まった。

「まずは『風の戦団』で戦うからみててね」

 エステルはツカサに話す。


 ツカサも気配察知の魔法を使ってみる。範囲を20メートルぐらいにしてみる。もう少し歩いたら敵と出会う。レプリーさんも敵の気配を察知したみたいで、仲間に注意を促していた。

 エステルが風の魔法を放つ、と同時にダイス、プレザンスが敵に切り込む不意を突かれた敵はあっけなく倒された。もともとの戦闘力の違いはあるが圧倒的だ。

 倒された敵を見てみるとバトルウルフだった。体地球にいた狼の大きさの2倍ぐらいあった。レプリーは鋭いナイフを取り出すと素早く牙をとっていく。

「リンデリウスの森で最初に注意するのはこいつだ。強さはたいしたことないが、こいつらは仲間を呼ぶ。そうすると危ない。素早く敵に呼ぶ暇を与えないように倒す。」

 ダイスさんが僕たちにアドバイスをする。

 

 今度は僕たちがやってみると言って、ツカサが前に出て敵を探す。バトルウルフが見つかった四匹いた。

 敵に仲間を呼ばせてはいけないんだよな。ツカサはそう考え敵に気付かれない近づくと風の刃を四つだして素早くバトルウルフの首を刈り取る。

 あっけなく敵を倒した。

 なかなかいい出だしだ。

「すごいねツカサさんは」

「普通初めてここの森にきた冒険者は、バトルウルフに苦しむんだけどね。」

 レプリーとエステルが感心の声を上げる。

「盗賊を倒した魔法、仲間を助けた魔法。両方すごかったからこれぐらいは朝飯前だろう。」

 ダイスさんの言葉に『風の戦団』の皆がうなづく


 それから『風の戦団』とツカサとフローリアのパーティは順調に獲物を刈っていく。所々で、リプリーさんが森の目印、ギルドに売れる草などの採取物の案内もツカサたちに教えていく。夕方になり森の開けたところでキャンプの準備をしていく。

「明日は中層に入る予定だ。今回はツカサさんフローリアさん達のおかげで順調だ。だが、好事魔多しということもある。明日も気を引き締めて頑張ろう」

 ダイスさんが自分にも言い聞かせるように、皆に話す。

 見張りを順番に立てて休みについていく。二人で三交代で見張りをすることになった。

 ダイスさんとプレザンスさんがフローリアと一緒に見張りをしようと画策したが、エステルさんとレプリーさんに却下された。

 結果、ダイスとプレザンス エステルとフローリア レプリーとツカサという組み合わせになった。


 ツカサはフローリアに見張りの交代だと起こされた。なぜか非常に満足した様子だった。エステルさんは顔を真っ赤にして、フローリアの手を握ってる。

 フローリアはエステルさんに何をしたんだ?深く考えてはいけないんだろうとツカサは疑問を口にしない。

 

 たき火にあたりながらレプリーとツカサは並んで座ってる。深い森のなか、たき火を見ていると自分が異世界にきたのだなと、いまさらながらに実感する。


「レプリーさん。少し聞きたいことがあるんだけどいいですか?」

「私が答えれることならなんでも聞いて。そのかわりツカサたちのことも教えてね。私も有名な冒険者の事は良く知っているつもりだったけど、ツカサたちの事は知らなかったの。」

「ダイスさん達とは長くパーティを組んでるの?」

「二年ぐらい前から組んでるよ。はじめ私は別の冒険者と組んでいたんだよ。だけど、その途中でその組んでた相手が負傷して冒険者を引退したんだ。でも、私はまだまだ冒険者を続けたかったから、しばらくは一人で稼いでたんだ。だけど、やっぱり一人は危ないし、なかなか稼ぎづらいから、――気楽な立場だったけど、仲間を探してたの。その時にエステルさんに誘われて、一緒に行くことに決めたよ。あ、ダイスさんとエステルさんは幼馴染、でそこにプレザンスさんが加入して。そして、最後に私が加入したパーティだよ。」

「僕たちも、仲間を探していきたいと思うんだけど、どうやって募集したらいいかな?」

「一般的にはね、ギルドに募集するところがあって、そこで、募集をかけることが多いね。例えばツカサたちなら、前衛がいないから、『前衛募集。当方魔法使いとヒーラー』みたいに募集かけることが基本になるのかな。」


 役割を決めて、魔物を狩っていくのが基本なのだろう。『風の戦団』の人たちの戦いは非常に連携が取れてた。


「それと、仲間に求める役割も重要だけど、強さが同じくらいの仲間がいいよ。弱すぎたり強すぎたりするとトラブルのもとになる。分け前を決める時にもめる原因にもなるよ。お試しで組んでみて、だめなら解散良かったら一緒に戦う。そうやってパーティを組んでる人たちもたくさんいるね。」

「ただ、エウロパの町はさまざまな冒険者がくる町じゃないから、仲間を探すには少し難しいかもね。仲間を集めるならたくさんの人種、種族が集まるレイカーヒルの町がおすすめ。」


 レイカーヒルの町かリンデリウスの森の探索が終わったら、行ってみてもいいかもしれない。


「今度はツカサ達の事を聞いてもいい?」

 レプリーが耳をピクピクさせながら聞いてくる

「うん。答えれる範囲なら何でも答えるよ。」

 興味津々ってことかな。

「最初に聞きたいのはフローリアさんとはどこで知り合ったの?ツカサの恋人?あれだけのきれいな人と二人旅なんて恋人以外は考えられないんだけど。」

 ツカサは狼狽する。いきなりそこから質問が来るのか。フローリアはきれいだとは思うけど、恋人にしようなんて、思いもしなかった。

「フローリアは恋人じゃないよ。ここよりもはるかに遠いところで知り合って、お互い助け合って、目的を果たしていく仲間だよ。」

「うーん。ようわからないような答えだけど。ツカサはフローリアさんの事は好きなの?」

「大切な仲間だしこの先ずっと一緒にいく仲間だけど、男と女の関係で好きってことには、今のところなってないね。―恋愛に関しての質問はこれぐらいにしてほしいなー」

ツカサは少し困ったように話す。

「それなら、ツカサの恋愛話はここでやめるね。ここからはもう一つの質問。ツカサも相当な魔力を持ってるのは盗賊討伐の時わかったんだけど、魔物討伐には慣れてなかった。アンバランスに思えたのね。もしかして冒険者になって間もない?」

「うん。リンデリウスの森に行く数日前に冒険者になったばかりだよ。」

 レプリー自分の考えが当たったことに驚く。(普通はそんな人はいないのにな)

 

「それとね、フローリアさんについて聞きたいけど、彼女は熟練の魔法使いに見えたの。本人はなるべく目立たないように動いてたけど……私、盗賊に襲われた時彼女の動きを見てたの。フローリアさん、さりげなくカバーをしてみんなが怪我をしないように動いてた。彼女、身分を隠した有名な魔法使い?」

「フローリアは僕の先生みたいな立場だね。」

(エリンシアの宰相アインスのコピーなんてことは言えないよね)

「なるほどね―正体は教えられないってことだよね。まあ、当然だね」

レプリーは一人でうなづくい、納得した。

「それと、ツカサの方の質問に改めて改めて答えるね。ツカサさん達の強さを確認して思ったんだけど、仲間を探すのは相当厳しいかも。強い人たちはもうパーティは固まっちゃってる人たちが多いから、ツカサたちに合う人たちは少ないと思う。」


 それは少し困ったな。フローリアと少し相談してみよう。自分たちがいない100年の間うまく動いてくれる仲間は必要だ。


「いろいろ、教えてくれてありがとう。それと最後に頼みがあるんだけど聞いてくれる?」

「うん、ツカサさんの頼みならいいよ。ツカサさんは今後冒険者として有名になっていくのは間違いなしだから、……後で自慢するんだ。ツカサに色々教えたのは私だって……そんな人の頼みは断れないよ、で、頼みって何?」

「レプリーさんの猫耳をさわらせて!」

 ツカサははにかみながら話す。

「そんなことでいいの、いいよさわって、でもあまり強くはしないでね。」

 ツカサはレプリーのそばにより、頭をなでるように軽く猫耳をなでる


 とてもいい感触だ。やわらかくてふさふさしてる。レプリーさんが少し恥ずかしそうに見えるのは気のせいかな?


 ツカサは心ゆくまで猫耳をなでた。

 




 



 


 

 

 

 

 

 




 


 

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