第一話 この世界を体験してみる
二章のはじまりです
最初の試練をクリアーはできた。ツカサは安堵していた。
「六ヶ月間はとりあえずたいしたことは起きない、それまでは好きに動いていいよ。」
これはフローリアの言葉だ。
まず自由にこの世界を堪能してみよう。そこから、何か得られるかもしれない。そうツカサは思った。『アインス様の使い』の時にも行った冒険者ギルドが気になっていた。行ってみよう。
フローリアとつれだって冒険者ギルドに入る。見渡す。テーブルで飲み食いを何人かがしているくらいだ。
窓口があって女性がいる。あの女性が受付してるのかな?とりあえず話をしてみよう。
「こんにちは、冒険者ギルドの話を聞きたいのですが?」
「こんにちは、ここは初めてですか?」
「はい、いろいろ教えてくれませんか」
「いいですよ。ギルドに依頼にこられたのですか。それともギルドに加入にこられたのですか。」
「両方教えてもらいたいのですが。」
「はい、いいですよ」
受付嬢は嫌な顔をせず話す。
「冒険者ギルドでは様々な依頼を受け付けています。隣町への護衛依頼、魔物から得られる部位の獲得依頼、薬草などの取得依頼などが一般的ですね。お金を提示してそのあっせんをギルドがしています。指名依頼もできます。ランクによる指名、個人な指名も受け付けています。ランクが上の方が、高名な冒険者の方で当然依頼金額が大きくなります。個人指名は決闘の代理人の依頼がほとんどですね。」
「ランクはA~Gまでがあり、一般的にAクラスが最高のランクです。その上には特別のランクでS,SS,SSSがあります。」
「次はギルドの加入について説明します。加入には金貨一枚必要です。犯罪者でなければ誰でも入れます。」
「最初はGランクからスタートでGランクの依頼を10回クリアーすれば、Fに、Fランクの依頼を10回クリアーすればEにと上がっていきます。それで、Dランクまで上がることができます。それ以上はギルドの判断によって上がっていきます。」
「Dまでの依頼はギルドが常に素材買取で出してますので、実力があればすぐにあがりますよ。で、受けることができる依頼は自分のランクの一つ上の依頼までです。何回も失敗するとランクが下がりますのでご注意を……大まかにはこんな感じですね。」
受付の女性の説明が終わる。
「ありがとうございます。では、今日は登録をお願いします。」
ツカサは金貨2枚を支払う。
「では、こちらの書類に名前のサインをお願いします。で、その後こちらのカードを強く触ってください。」
ツカサとフローリアはサインをしてカードを触る。
「はい、これがカードです。なくさないでくださいね。再発行に金貨一枚かかりますから」
ツカサは依頼版を見てみる。Gランクの依頼は薬草などの収集。Fランクが森の奥に入っての薬草、花などの収集、Eランクから魔物の討伐と差材集めといったところか。
「あたりまえだけど上のランクほどクリアーに強さが必要ということだね。今の僕の強さはどれぐらいの強さに当てはまるの?」
ツカサがフローリアに聞く。
「魔力の強さ大きさならSSS級、使い方に慣れてないから総合力でA級ぐらいかな。ちなみに、アインス、シレナスは余裕のSSS級だね。私はコピー人形だからS級かSS級ぐらいにはなるのかな」
さらっととんでもないこと言ってるな。まあ、あの二人が強いのは明らかにわかってたけどね。
「ツカサも慣れてくればSSS級ぐらいの強さはすぐになるよ。私とほとんど同じスキルをもってて、異世界人特有のスキル『大地の恵み』もあるから」
「それなら、魔物の討伐にでも行ってみよう。魔法の訓練もかねて」
自分の強さを実感したいな。
ギルドの掲示板を見てみる。
Aランク依頼「ワンダーゴリラ」の討伐。
リンデリウスの森深くに生息
倒してその毛皮を持って帰ること
集団に襲われないように注意
よし、これに決めた早速準備をして出かけよう。
まず、食料と水だな。ギルドの近くに売ってる店があるので、早速買った。
よし次は「武器と防具だ」店の中に入ってみてみよう。
「ん?ツカサって剣とか使えるの」
フローリアが疑問を呈す。
「使えないけど。長い武器を持った方が攻撃しやすいのでは」
「遠距離から魔法をぶっぱなせばいいから、別に要らないよ」
そういえばそうだな。剣より魔法の方が射程が長い
それなら、防具屋に行ってみよう。何かあった時のために、防具は必要だ。
「ツカサはオートで魔法防御してるよね。防具なんているの?」
ここでもフローリアの突っ込みが入る。
「いや、魔法の防御が破られた時のそなえにね。」
「いやいや、ツカサの魔法防御が破られるくらいの攻撃をくらったら、ここらへんで売ってる防具なんて何の役に立たないよ。」
続けてフローリアが話す。
「それとね、魔力をアップさせる、この辺で売ってる杖とか指輪はいらないよ。ツカサのレベルの魔力に対しては、誤差程度のアップしかしない。」
武器と防具は必要なしということか。さらに装備品もなしとかね。異世界にきた雰囲気がでないな。
この世界には、まずは形から入るということがないのだろう
まあいい、気を取り直してリンデリウスの森に出発だ。




