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666年物語 運命を覆すために  作者: コノハナ
第三章 魔族の国へ
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第六話 洞窟の中で 5

 あと少しでジャイアントスパイダーの所に着く、このボスを倒せばこのダンジョンはクリアーだ。

 事前にどんなボスかベルベネリウスさんに聞いてみよう。備えあれば憂いなしだ。

「ジャイアントスパイダーはその名の通り大きな蜘蛛だ。糸による拘束に注意が必要。それと定期的に子蜘蛛を吐き出すので、それも倒す必要がある。巣を作って待ち構えているから、動きすぎると捕まってしまう。糸は火に弱いからそこが攻略のポイントだ。」

 ツカサがどうやって倒そうか考えているとエレーナが自分たちで作戦を考えると言ってきた。このダンジョンで彼らは成長したはずだ。彼らの作戦に乗ってみようとツカサは思った。

 エレーナ、アルノー、サンドラが集まって話し合っている。どんな作戦が出るか楽しみだ。

 しばらく三人で話し合っている。エレーナが中心となって話をリードしていて、それに対してアルノー、サンドラが意見を言っている構図だ。

 話がまとまったらしくツカサの方に歩み寄ってきた。猫耳がピクピクしている。この作戦は期待してもいいのだろう。

 エレーナが話し出す。

「アルノーがボス蜘蛛を引き付ける役にします。サンドラがその補佐を。私は次々に出てくる子蜘蛛を炎で退治します。ツカサはさんはその補佐をお願います。ベルベネリウスさんとフローリアさんは糸を燃やして皆を拘束させないようにしてください。マーガレットさんは怪我をした人への治療をお願いします。」

 役割を決めて戦いをうまくいかせようとする方針のようだ。アルノーとサンドラがジャイアントスパイダーを倒すことができるならうまくいくだろうとツカサは思った。

「その方針で行ってみよう。」

 ツカサとベルベネリウスとも話し合って、その方針で行くことを確認した。フローリアも異存はない。

 三人が中心で動く形だから、もしなにかあったら手伝いに行くという事にした。万一の備えは必要だ。

「エレーナの合図で行こう。今回の戦いはエレーナが指示を出して。」

 ツカサは今回の戦いはエレーナをリーダーにする。経験を積ませるのにいいと思う。

 エレーナが手を上げボス戦に入る合図をする。アルノーとサンドラがジャイアントスパイダーに真っ先に向かっていった。


 名前の通りかなりの大きさの蜘蛛だ。さっそくお腹の所から糸を吐き出し罠を張っている。一番近いアルノーとサンドラにも糸を飛ばしている。アルノーとサンドラの方に飛ばしている糸は燃やせないが、他に飛ばしている糸はフローリアとベルベネリウスが確実に燃やしている。

 アルノーとサンドラは軽く糸をかわし攻撃を仕掛ける。アルノーは剣で、サンドラは火の玉で攻撃を仕掛ける。ジャイアントスパイダーは長い足を振りかざしながら攻撃を防ぎ、その勢いのままアルノーに殴りかかる。

 アルノーは素早くかわし足を切り付けるが、剣の勢いと魔力ののり具合が足りないらしく敵にはじかれていた。サンドラの火の玉も足で追い払われていた。

 その隙にジャイアントスパイダーは腹から子蜘蛛を飛ばしていた。それに気づいたエレーナは子蜘蛛を火の玉で倒している。逃した子蜘蛛はツカサが火の玉で燃やしている。

 ほとんどの子蜘蛛はエレーナが倒していた。耐久力自体はほとんどない敵だけれども数が多い。器用に火の玉を出して敵を倒していた。魔力を操る能力はかなりのものだとツカサは感心した。

 アルノーは剣に魔力を溜め一撃を狙っている。その間のジャイアントスパイダーの攻撃はサンドラが魔法で防いでいる。

 糸と子蜘蛛の援護がなければジャイアントスパイダーはたいした敵ではない。アルノーの剣に雷の魔法がまとっていて、ツカサにもまぶしい光を確認している。

 アルノーが勢いよく剣をジャイアントスパイダーに振り下ろす。足で防ごうとするが今度ははじくことはできず、足を切り取った。ただし勢いが鈍ったおかげで頭の方には届かなかった。

 切り飛ばした蜘蛛の足から緑色の液体が出ている。バランスを崩したらしく前のめりになっている。これは勝てたなとツカサは思った。

 その感想はアルノーも思ったらしく戦い方に余裕が出てきた。次の一撃に備えて剣に雷の魔力を集めている。

 ところがジャイアントスパイダーに魔力を溜めて行って、足が切り取られた部分から生えてきた。

「うそでしょ!」

 エレーナが思わずつぶやく。計算外だったらしく動揺しているのがわかる。どうやら一気に倒さないといけない敵のようだ。

 それを見たアルノーも魔力の溜めのスピードを速くして一気に蜘蛛を切り裂いていく。またも足をとばした。

「ツカサさん子蜘蛛をお願いします。」

 どうやらエレーナも攻撃に加わり一気にかたを付けるつもりだ。剣を抜き魔力を溜めエレーナは自ジャイアントスパイダーに斬りかかる。剣には炎をまとっている。敵は子蜘蛛をだしながらエレーナの邪魔をするが、ツカサは子蜘蛛を燃やし続けエレーナの手助けをする。

 残った足を出しジャイアントスパイダーは剣による攻撃を防ごうとするが、エレーナはその足ごと胴体を切り裂いた。緑入りの液体が出てきてた。かなりのダメージが入っているはずだ。

 魔法も剣の威力もエレーナはアルノーよりも一段上だ。

 敵が頭から地面に崩れ落ちた。


 ジャイアントスパイダーの後ろの門が開いた。これでこのダンジョンをクリアーしたも同然だ。。門をくぐると洞窟が少しあったが敵も出てこない。

 青空が先の方に見えた。

 ついに魔族の国に到着した。



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