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666年物語 運命を覆すために  作者: コノハナ
第二章 仲間との交流
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第七話 パーティ―の始まり

 レスティアさんを屋敷まで連れてくるとかなりの準備ができていた。料理の方もあらかたできていて後は運ぶばかりだ。女性陣は料理の手伝いをしていたが、魔族の女性二人、メリッサとベルベネリウスさんとクリスティーナは手伝いをしていない、というか料理はできない三人だ。

 レスティアさんもパーティーの手伝いをしようとしていたが、招待客にそんなことをさせる訳にはいかない。

 

 そうこうしていると、アネッテさんがやってきた。もちろんスレイナさんも一緒だ。

「ツカサ来たよ。今日とれたてのおいしいフルーツを持ってきた。これをみんなに食べてもらって。」

「ありがとうアネッテさん。フィロメナさんに持って行って切ってもらうね。」


 しばらくするとアインスがシレナスを連れてやってきた。

「待ちきれなくて少し早めに来たよ。ベレルの実は楽しみだね。ちゃんと人数分あるんだろうね?」

「アインスさん久しぶり。ちゃんと私が持ってきたから安心してよ。」

 アネッテがアインスに近寄りながら話す。

「さすが、アネッテさんだ。準備がいい。今日はあなたに会うのも楽しみだったんだ。お互いここに来るタイミングがなかなか会わないから。」

「お互いに寿命は長いけど、アインスさんは時間に余裕がないのかな。私の方は時間があるからいつでも遊びにおいでよ。」

 ツカサはアインスとアネッテが話をしているのを見て、美人二人が話しているのは非常に絵になるなと思った。二人とも手助けをしてくれる人なので仲良くしてくれるのは、とてもいいことだ。


 レスティアがアインスが来ているのに気づき、挨拶にいく。

「アインス様もこのパーティーに招待されたのですか。私もツカサさんに招待されました。」

「レスティアさんも来てたんだ。ツカサはいい仕事してるね。最近は忙しくてそちらに行けなくて、ストレスが溜まってたんだ。レスティアさんはベレルの実のデザートを食べたことないでしょ?楽しみにしててよ。」

「はい、食べたことないです。アインス様がおすすめなら、とてもおいしいんでしょうね。」

「そう、とてもおいしいんだよ。これも楽しみでこのパーティーに来た。」


 マーガレットは台所でフィロメナの手伝いをしていた。

「そこのお野菜とって。」

 フィロメナがマーガレットの指示をだしながら料理を作ってる。マーガレットは小さい頃から料理の手伝いをしているので、手つきは慣れたものだ。

「ツカサさんの印象はどうですか?」

 フィロメナが料理をすすめながらマーガレットに尋ねる。

「とても、優しい方ですね。私よりも見た目が年下なのは不思議な気はします。」

「そうなんです。みんなにやさしい方ですよ。だから、いろんな方が……あなたと大きくかかわりがあるアリリオさんも、ツカサさんのやることを手伝っていたのです。」

「なぜそこまでみんなが協力しているのか不思議に思う事もありましたが、レスティアさんの態度を見て納得しました。お母さんもそこに魅かれたのでしょ?」


 会場ではジェイラスがレスティアさんに話しかけてた。100年前よりも彼は成長し、たくましい青年へと姿を変えていた。

「レスティアさん久しぶりです。また、教えに行きますからその時は遠慮なくいってください。」

「ありがとうございます。ジェイラスさんの授業はとても人気があるのでまたお願いします。」

 ジェイラスは時々エウロパの教会の学校で授業を教えていた。剣術、体術の授業だ。この世界は冒険者でなくても魔物に襲われるし、凶暴な野生の動物もいる。習っていて損はない。

 ジェイラスの体格はかなりいい、竜人族の特性でもある。どうせ教えてもらうなら強そうな人から習った方がいいという事だ。

 それと、ジェイラスは『白銀の舞姫』がおこなっている寄付とは別に定期的に教会に寄付していた。

 ジェイラスはレスティアに好意を持っているのは明らかだったが、いまいち伝わっていないらしい。それでもめげずにレスティアさんに話しかける。


 しばらくすると、最近エレーナの試験で新たに加入したパーティーがやってくる。並びつつある料理にとても驚いた様子だった。

「こんなに豪華な料理を食べていいんですか?」

「儲かってるパーティーは違うな。」

「いくら会費を払えばいいんだろ、俺たち払えないぞ。」


「いや、会費とかいらないから、好きなだけ食べていいよ。」

 ツカサが慌ててフォローする。入りたての新人からお金を取るわけにはいかない。

「ひょっとして、あそこで話している人はアインス様でしょうか?」

 このパーティーのリーダー―のプロスペールが尋ねる。

「そうだよ。ここにもたまに顔を出すけどよろしくね。ここに来てる事はいいふらさないでね。アインスさんの立場もあるから。」

「アインス様までここに顔を出すとはすごいパーティーなんですね。」

 プロスペールがしみじみと話す。


 料理が出来上がり会場の準備も整った。

 ツカサが帰って来たこととマーガレットの里帰りの歓迎もかねてのパーティーが始まった。

「久しぶりに皆さんの所に帰ってきました。今までありがとうございます。僕の予想以上に皆さんうまくやってくれています。マーガレットとも無事会う事が出来ました。今後一年間は精力的に動きますのでよろしくお願いします。」

 ツカサの簡単な挨拶が終わる。

 今日はみんなとの親睦会の意味もあるので、わいわい騒いで楽しんで飲み食いするパーティーだ。


 アインスの所にエミーリヤとマーガレットがいた。エミーリヤは二人に恩があるのでかかわりがあるのだろう。ここで会うとは思わなかっただろう。

「ツカサさんはマーガレット様の父親だったとはな。私はびっくりしてる。アインス様に勧められてこのパーティーに入って正解だった。恩に報いるために、手助けをしてやる」

「うん。よろしく。何か困ったら僕に相談して。できる限り助けるから。」

「今の所問題ない。アインス様のおかげで、前の道場との関係もよくなった。」

 

 次はエルフのステファンさんの所に行ってみる。エリアス、マリーナ、ステファンとエルフの三人で固まっていた。

「50年前はうまくやったみたいだね。被害が少なければよいと思っていたけど、ほとんど被害がなかったのは見事だよ。」

「私は率いてただけで実際には戦ってないですよ。ティーナとナタリーがアウレールのパーティーに参加したのが成功した要因でしょう。いままで原因がわからなかったのは、外からしか監視できなかったからだと思います。」

 かなり冷静な分析をしている。エレーナの試験を取り仕切ったのは結局エリアスさんだし、かなり頭がいいのだろうと思った。


「ステファンさんはなぜこのパーティーに入ろうと思ったの?」

「エリアスさんが『白銀の舞姫』で活躍されているのはエルフの里でも有名になっています。僕はされにあこがれてここに来ました。」

 エルフ全体に言えることだがステファンさんも美形だ。

「そこまで、有名になってたんだ。でも、よく出てきたね。」

「エルフの里は今も閉鎖的です。外にでようとする人は少数派です。」

「植物魔法ってどんな魔法なの?」

「植物の成長を促したり、木や草を使って攻撃を行うことができる魔法ですね。土の魔法の応用魔法ともいわれています。エルフの中にはこの魔法が得意な人がたまに出てきます。」


 



 






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