番外4 その後のいつか
十二歳の誕生日まで、あと五分をきった。
私は一人部屋のベッドで毛布を被りながら、カウントダウンをして時計とにらめっこをしていた。
明日はお祝いに、私の大好きなお店の果物たっぷりのケーキとご馳走があるらしい。ご馳走は私の好きな物ばかりと言っていた。お肉なら鶏が好き。こんがり焼いたのとか美味しいよね。お母さんのローストチキンは記念日にしか出ない限定品だから、今回出るかもしれない。スープなら、クリームシチューが好き。とろっと野菜も柔らかくて、優しい味がする。
プレゼントは何があるんだろう。下の弟や妹は私に隠してなにか準備している様だった。楽しみにとっておこうと、見ないでおいた。お父さんもお母さんも楽しみにしてなよ。って今晩笑顔で言っていた。何が来るんだろうか。とても楽しみだけど、私にはもっと楽しみで不安な事があった。
0時まであと二十秒。秒針に合わせて、私は声に出してカウントダウンをした。
「10.9.8.7.6.5.4.3.2.1……」
0と口を開いた瞬間、部屋の中が真っ白に光った。頑張って目を見開いていると、あの、姿があった。
「我は天地創造の神である!!貴女に神の祝福を与えに来た。我は常に、貴女と共にある!!」
ずっと、ずっと聞きたかったあの声だった。あんなに見たかった顔なのに、私の視界は既にぐちゃぐちゃに歪んでいた。
「神様!!!!」
私はあの人に抱きついた。暖かい腕が、私を優しく包んでくれた。
それは、夢の中では無かった。
彼女は12年主人公を待ちましたが、主人公の住む世界では不老不死が実現できる文明です。
彼が本編最終話の葛藤を、どれだけの年月かけて乗り越え、吹っ切りれ、受け止め、解決したのかは、皆さんのご想像にお任せしようかと思います。
おまけとして、Twitterでの宣伝会話劇のまとめ、アンコールの3本を続けて更新致します。
8話・幕間がバッドエンド
本編最終話がノーマルエンド
番外4がハッピーエンド
アンコールは……お楽しみに。
泣いた後は、取り敢えずまた笑ってくれよ。




