番外1 お部屋訪問
それは彼が高校生の頃。まだ姉と一緒に暮らしていた時の話。
姉は好奇心半分、からかう材料半分に弟のお宝データを覗き見した事がある。
そこには年頃の少年らしく厳選したあれやこれやの画像や動画、バーチャル体験やゲームなどなど、結構な量のデータがあった。
とりあえず一通り見回してみて姉は、弟の趣向を把握した。
SM・調教
縛ったり、言葉を使ったり……やり方は様々だったが、大半が可愛い少女を征服し、従属させ、自分好みに教育する内容である。
年代は主人公と同年代かそれよりも下。このまま大人になれば、ロリコンと言われるのは確実だ。
対して年上のお姉さんものや熟女などといった物は一切ない。
欲しかった物となんか違う気がして、姉は頭をかいた。
同時に、少しやり過ぎたか……と、なんとも複雑な感情を抱いた。
弟にした事は中々なものだと自覚はあるが、後悔も反省もしていない。だが、まさかこんな所まで自分の影響が来ているとは思っていなかったのだ。
……しかし、あの愚弟はこれに喜びを感じているわけだし。良いだの悪いだの何か言うのもお門違いな気がするわねぇ。
しばらくデータを眺めた姉は、これらを見なかった事にした。
ま、危ない事をしでかしそうだったら殴ればいいし。
姉はそうそう。と楽しく頷きながら弟のデータを元通りにしたのだ。小さい頃によく歌っていた鼻歌を思い出して、歌いながら彼の部屋を後にした。
そうだ。このお姉様に翻弄された人生を送る哀れむべき愚弟には、後で私の限定プリンでも分け与えてあげよう。
その後なぜか上機嫌な姉からプリンを押し付けられ、一緒食べることになった弟は、よく分からないが素直に食べることにした。
嬉しそうに自分を見ながらプリンを頬張る姉の笑顔に、彼は満更でもない気持ちがあった。
いまいちその気持ちを理解出来ない彼は、やはりここのプリンは美味いな。と、納得した。
ちなみに、姉貴様は
「なーんだ。愚弟は巨乳好きなの?ちっちゃい頃は私によく抱きついてたもんねープププ」
くらいのノリでからかおうと、お宝データを見ようと思ってました。
思っていた以上にコアでガチに集めてたので、今回みたいに結論づけました。
そっと知らないフリが1番本人にも優しい。と思います。
次回は連続姉貴様。姉貴様最強の所以。
絶対読んでください。
本編何話か読み飛ばしてもいいから。
次回、番外2の更新は
5月16日(土)深夜0時頃
完結である最終更新は、番外4の23日になります。
もう少しだけ、お付き合いください。




