25 恋愛感情と概念
主人公の煩悩爆発。
GL表現ありです。ご注意ください。
俺は本日徹夜の作業に明け暮れていた。飯なんか取らず、代わりに勢いを落とすまいとドリンク剤を一気に飲み干した。ここまで何をしているかって?
ついに来たんだよ!!俺の完璧な常時実体化の経費!!!
これは念願のハーレム創造をするしか無いだろう!!!
そんな訳で俺は夜なべして、俺好みの美少女達の造形を数え切れない程創っていたのだ。
「つるぺた!もぅ、まな板くらいも良い!ちょっとツンデレで胸触ろうとすると、気にして恥ずかしがったり最高!!!」
本当に好き勝手に少女を創った。前に創ったオタク文化のギャルゲーみたいに、カラフルな髪も沢山創ったりしている。
「ね……猫耳装備!犬とかも……しゅんとした時に垂れた耳と尻尾……!!!!………お尻に尻尾を装着させる楽しみも好きだが……自由に動かせるのも可愛いじゃねぇか!!」
人間以外に獣人要素や翼の生えた天使風、人魚なんかも創っている。
俺は好みが幅広い為か、全部を創るのにかなりの時間がかかっていた。巨乳だとか貧乳だとか、尻の大きさ、髪の長さ、身長、肉付き……思いつく限りのパターンを創っていたのだ。………デブ専ではないのでその手は居ないがな。
どうせ崇拝されるなら、こんな風に俺好みの美少女が勿論良いに決まっている。そんな、ごっついおっさんとか年寄りとか要らん。
その為、今回のハーレム世界は少女のみの世界!!
なんて素晴らしいのだ!理想郷・ユートピアここにあり!!!
あとちなみに、美少女達は皮膚細胞、声帯、筋組織、髪などが老化しない。永遠の命は与えられないが、見た目の老化がおきず、死ぬギリギリまで皮膚細胞の新陳代謝は行われ、みずみずしい若い肌をたもっている。
代わりに少女達の寿命は内臓の老化によってくる。腎不全だとか、循環器障害とかだ。病気が進行すれば、黄疸なども出てはくるが、見た目は若い娘の姿である。なのでいつまでも美しく、可憐少女達が見ていられるって寸法だ。
さて、女しか居ない少女達の繁殖方法についてだが。いつだったかの俺的最強人類には、俺の存在の重要性を知らしめるために繁殖が行える者を最初の二人に絞ってみた。
が、その結果は繁殖力のある二人を親とした、家族意識が高い種族となってしまった。俺は別に家族が欲しい訳ではないし。いやまぁ、可愛い妹に優しく健気に慕われるのは悪くは無い。むしろ大歓迎なくらいだ…………けど……姉貴は要らない……。
まぁ、俺教ハーレムを作るためには、恋愛感情が少なからずあった方が良いな!生殖を行わず、分裂によって増える者は恋愛感情という概念が発生しにくい。
俺に惚れさせ、よりスムーズなハーレムを創るためにも恋愛感情と生殖活動があり……月経なんかがあると一ヶ月周期で発情期が起きるし……おぉ!そういう緩急があるのも素晴らしい!普段はおしとやかでも数日だけ凄い積極的な美少女………それはいいなぁ……。
………あ、でも……みんな機嫌悪い日とか困るわ……いやいや。ハーレムなんだから、みんな周期バラバラにすれば困らんか。気にしなくていいや。
んん?しかし俺が行為を行うとして、器官はそのままだとすると……男が居ない中で他の遺伝子を入れ……る?女同士で………?
え。じゃぁ、時期になると雌雄同体で息子が生えたり出てきたりする訳……?
待て待てまだ俺は特殊な趣味に開眼してはいないし、なにより美少女をはべらかして崇拝されたいだけなんだ。アレがついてるとか少女とは………いやいやいや!…………まとめ直そう。
寿命のある美少女を生存させるためには、少女達自身で繁殖しなくてはいけない。
↓
恋愛感情を芽生えさせるためも、相手のある繁殖活動が必要だ。
↓
俺も楽しみたいから元の器官は保持したまま、しかし男性遺伝子との生殖機能は無くし、違うアプローチで少女達だけでの生殖機能を考える必要がある。息子は生やしたくない。俺の貞操の危機にもなる。←これを解決しなくてはいけない。
という訳でこのあと俺は延々と、百合色の妄……いや生物繁栄の為の新たな発想を探すべく、思考の海へと潜って行ったのだ……………グヘヘへへ。
全てのプログラムを創り終わった時、朝も昼も過ぎて、翌日の夜になっていた。しかし、俺は大満足である。
世界を開始させた俺を見て、久振りに会った先輩は
「前にも三日徹夜とかやっていたが……お前。それ、そのうち死ぬぞ」
と言ってきた。これから美少女の世界へ行くのである。腹上死本望だ。
さて、問題だった少女達の繁殖方法についてでも説明しておこう。
少女達の性行為は口内で行われる。ディープキスである。唾液腺から卵子の様な遺伝子細胞が出て、お互いの唾液を混ぜ合う事で受精する。
行為中の唾液は食道には落ちず、唾液腺に吸収後、伸びた管から子宮に着き、そこで子供を育てる。ちなみに、二人とも妊娠する。
子宮もその後は通常の人間と同じように活動するので、月経とかホルモンバランスの必要性もあるのだ。
「勿論、発情期も大切すっよね!」
と同意を求めて先輩に殴られた。
それから十ヶ月程で出産。ちなみに、勿論処女のままでの出産である。
「言わばあれっすよね!受たっ……!」
また先輩に殴られた。今度は舌を噛んだ。
キスで妊娠というのは俺の趣味である。可愛い顔がどろどろエロい!!!!
構造や器官の辻褄なんてどうにでもなる。見た目のエロさ大切。
「いやー、女の子同士でベロチューとかマジでエロいっすよねー!これにして良かった〜」
なんて、少女達のアレなシーンを見ながら満足げに言ったら、先輩にまたまた殴られた。今日はいつにも増して拳が飛んでくる。
そのくせ、世界が映し出されているディスプレイをチラチラ見ているのだ。バレバレ過ぎるが何も言わないでおいた。同じ男としての優しさだ。自分を棚に上げて殴るのは許せんが。
少女達の世界は豊かなものにしてある。やはり食糧を得るには力仕事が多くなるしな。負担を減らす為に、果樹や農作物等を多く自生させておいた。川を罠の仕掛けやすい形状にしておき、魚も適した物を多く生息させる。
気候も温暖で暑さ寒さが厳しくない、春から初夏みたいな陽気に設定。本当に天国の様な楽園である。俺、ここに一生住みたい。
一番問題に感じていたのは、住まいについてだ。重たい木や石などを切り出して運ぶのは、少女達には荷が重い。
最も手軽で頑丈さがある物として、俺は竹を選んだ。一人でも切り倒せて少人数で運べるし、頑丈さも十分ある。ロープとして使える強い蔦類を近くに群生させて、初期の頃は切り出した竹を縛ったりして家を作って貰おう。
細身の竹も用意し、周辺の土質を良くした。文明が発展してきたら土壁でも造ってくれるとさらに良い。
さて、俺の視線の先には可愛い美少女が二人、村の近くにある温泉に来ている。仲良さそうに手を繋ぎながら着替えを抱え、目的地に着いた。
温泉を沢山湧かせているため、本当に上から眺めているだけで眼福である。お。脱いでる脱いでる。ひへへへへっ……。
蚕や羊も近くに生息させてるので、女性らしくファッションも好きな美少女達はそれを大いに活用していた。
今の時期は初夏に近い為、二人の衣服は薄い。絹糸で作られたワンピース型の服を脱ぎ、下着だけになる。
一人は長髪のウェーブが綺麗な青い髪。身長は百六十半ばくらいか。かなりの巨乳だ。ヒップも柔らかくもっちりしてそうで、くびれからのカーブが良いよな。二人目は赤く、外ハネ気味の髪が肩にかかる程度の髪型をしている。身長は百五十前半だろう。まな板まではいかないが、僅かに膨らみが感じられる成長期の身体だ。全体的にほっそりしていて、幼さが際立ちとても可愛らしい……うん。少女は凄く良い!可愛いは正義!!
全て脱ぎきった二人は桶で湯を汲んで被り、オリーブ油で作った石鹸で体を洗う。お互いの背中を流し合い、ベタベタと抱き付いたり触れ合っている。胸や尻を流れる泡に、青髪少女胸が柔らかく歪むさま……赤髪の屈んだ姿勢で見える……楽しそうな声から段々と艶かしい息遣いと声へと変わっていく……全くもって堪らない光景。
ま……まじでこれは……降臨するのが楽しみ過ぎる……!!!!!
俺は少女と何をするかご機嫌で考えながら、入浴風景を眺めていた。
ハーレムなんだから、四六時中一緒でも平気なのだ。触りたい放題で、風呂に入って背中を流して貰う。ふわふわの泡でヌルヌルすべすべな肌が密着。こっちが洗ってやるのは勿論、少女に洗われるなんて夢心地だろう。その後は一緒に添い寝も。抱きしめ心地がいい奴もいるし、抱き枕として、豊かな胸に顔を埋める。絡ませた太ももの柔らかさ。髪から香る甘い香り。他にも膝枕。耳かき。下から見上げる胸なんてのも素晴らしい。そりゃぁ、本番だって昼夜関係無くできる。俺一人で一体何Pまで出来るのであろうか。大勢に抱き締められ、代わる代わる押し倒せる。プレイだって好き放題出来る訳だし。全員処女だから、一から手取り足取り出来る。従順な子から羞恥心の強い子、ツンデレみたいな素直じゃない子もいる。それぞれに合わせて、一番乱れる姿へと育て上げるとか良い。純愛ちっくなのも良いが、俺は羞恥心を煽るような奴が結構好きだ。露出とか本人に実況させたり、動物の真似させたり。縄で縛って身動きが取れないのも凄くそそる。柔らかい肌に縄が食い込む様は芸術だとも思うし、羞恥心と快楽と少しばかりの辛さが混ざり合った顔とか、ヤバイくらい好みだ。ハーレムとして多人数でやらずに、一人に絞って徹底的に快楽を与える。なんてのもやりたい。もぅ、俺無しではいれないくらい、俺色に染めてしまうのだ。そしてその後に放置して、少女が我慢の限界を迎えてよがり狂ったりなんて素晴らし過ぎるじゃないか。最終的には一度で良いから、綺麗な白い肌の華奢な子を育て上げたい。胸とか尻とかは勿論あっても良いが、細身の骨格の持主だ。その白くて細い首筋に両手を当てがってだな……ギリギリと……そう一線を越してやり過ぎては意味が無いんだ。そのギリギリの状態を維持してこそ意味があって、今にも折れてしまうんではないかと思う首の感触を感じながら、生きようと絶え絶えな息を漏らして、しかし同時に何処かへと行ってしまいそうな少女の顔がっ………っはぁ……まずいまずい。この辺の事まで考えると、妄想しているだけで俺の頭が何処かへ飛んでしまいそうだ。
……俺はかなりいい趣味をしている自覚もあるし、世間一般的な常識や認識だって勿論把握はしている。これは相手をきちんと選ばなくてはいけない事だとも。少し落ち着こう。そう、人によっては多大なトラウマとなる行為である事もだ。だから、厳選して良く下準備をした状態でなくてはいけない。俺は紳士な男である。女性に苦痛のみを与えたい訳では無い。あれらを快感に感じるよう、少しずつ育てれば良いのだ。
他の奴は俺には自制心が無い等と言うが、卒論の最中に少女に囲まれて暮らしたい。だとか、少女を押し倒したい。だとか、抱き枕が少女だったら良いのに。なんて言っていた事なんて、ほんの氷山の一角である。その程度の言葉に抑えて犯罪にも走らない俺は、とても堪え性の強い人間なのではないだろうか。
まぁ、そういった事は最後のメインディッシュとして取っておいて、まずはもっとソフトな所からセオリーにやり始めよう。
先ほどの二人は湯船の中で深いキスを交わしていた。お互い顔中を舐め合い、唇を重ねる。長い間二人は抱き合いながら貪り続け、とろりと糸を引いて口を離した。
………………………………………。
生物の繁栄とはなんて虚しいものなのだろうか。この積み重ねによって生物は多様な進化を遂げて、種族を発展させる。生きて命を繋げ、己の中にある情報を只々次の世代へと伝えているのだ。そう、それは生物としての身体的な情報だけでは無く、伝統、文化、知識、思想、ありとあらゆるものを伝える為に生き物はひたすらに生き続けていると俺は思う。それなのに、人間は殺し合い、目的である情報、歴史を塗り替えて生きて行くのである。段々と自己を正当化した情報のみが残っていく。生残る事が出来た者の特権である。しかし、嘘偽りの情報に何の価値があるのだろうか。敗者が居るから勝者が居る訳で、それらを無かったこ事にしてしまう。この少女達に争いが起こらないことを強く俺は願う。そう、それが神が本当にすべき事なのではないだろうか。
俺は一瞬悟りの境地へ旅立ったが、程なくして天から降りてこれた。
うん…………色々妄想を膨らませた後のエロ風景。いつもより何かの反動がデカかった気がする。
まぁまぁ、そんな事を思い出しても仕方が無い。地上に堕ちて来れた今の俺は、少女達の姿にもぅニヤニヤが止まらない。
さーて。言語発達も終わってるし、衣食住もかなり整った。俺も不自由無く一緒に過ごせるだろう。
俺は徹夜二日目の夜を美少女と過ごすため、実体化のEnterを押したのだ。
よく晴れた青空。日の光をバックに、俺はいつもの炎を輪のようにして作った。今回はその火輪の中からカッコイイ俺の登場って感じでな。
少女達はみな、空中に浮かぶ俺を驚いた顔で見上げた。そこへ、ゆっくりと威風堂々と俺は降りてきたのだ。
「我は天地創造の創造主である。そなた達を創り生み出した神だ。そなたらへ神の加護を与えにこの地へと降臨した」
少女達はみな、ぽかんとしながら俺を見ていた。俺の言葉が終わると、ヒソヒソと何やら話している。
「あのひと……人なのに全然可愛くないですわ……」
「でも、神……だから。人じゃないのかも……」
「それにしても、胸もお尻も硬そうで、全然魅力無いわね」
「失礼ですよ!……きっと、まだ成長期が来てないんです……」
「お目々ぱっちりしてないし。なんか、つり目の可愛くない目……綺麗系でもないし……黒目の大きなつぶらさも無いわね……」
「髪がパッサパサでゴワゴワ……もっと手入れをした方がよろしいんでは?」
「柔らかそうな感じしないわね……くびれも無いし。胸もお尻もぺったんこで成長して無い変なバランス」
……………………なんか、散々言われてんだけど。俺。
まぁ、女しか居ない世界なんだから、美的感覚が女性を元にしているのだろうな。
好感度を上げるために、プレゼントの一つくらいしておこう。
「では、我が神であるという証拠に、一つこの自然を操ってやろう」
俺が指パッチンをすると、セットしていたプログラムが作動する。そして少女達の周り、この村一帯に花が咲き花畑へと一瞬にして変わったのだ。
足元に咲き誇る様々な花に、その場の全員が驚きの声をあげた。ふふふん。俺の凄さ思い知ったか!
美少女のすごーい!可愛いー!きれい!などの言葉と共に、俺はこの世界に認められたのであった。今夜からハーレムきたあああああ!!
「神様〜!絹糸!絹糸出して!」
「この前、綺麗な石を見つけてね」
「違うわ!お砂糖!きび砂糖が好きなの!」
「そんな物より、いい香りのする木の方が素敵よ?」
俺は少女達からおねだりの猛攻撃にあっていた。あれ?美少女にもみくちゃにされてるけど。これ、なんか違う気がする……。
「私が先に話しかけたの!」「ズルい!あんたいつもそう!!」「やめようよ〜、困ってるよ〜」「ちょっと、泣くのやめなさい!」「うるさいブス!」「どいてったら!」「わたしも入れてよ!!」「少し可愛いからって調子のらないでよ!」
周りでは凄まじい言葉の応酬が繰り広げられている。柔らかい胸や尻の感触はあったが、それよりも人数が多くて圧死しそうだ……。
「えぇい!神になんたる無礼だ!褒美は我を愛し、尽くす者だけに与える!!」
とりあえず群がっているのを押しのけて、騒ぎの人集りから抜けて言い放った。
「愛して……尽くす?」
誰かが言った。
「そうだ。我を恋人として愛し、愛し合える者にこそ、我は応えよう」
それを言うと、少女達のお喋りはピタリと止まった。
『ないわー』
凄まじい人数の声がハモった。
他の娘は「無理ですね……」「それは……」「………」みたいな返事が混ざっている。
「か……神の祝福は要らないのか………?」
「だって、恋人にする程愛するんでしょ?あなた全然魅力無いし。その姿、生理的に受け付けないのよねー」
一人の娘が応えた。
「やっぱり、付き合うなら好きな人よねー」
「あの唇絶対柔らかくないでしょ」
「ちょ!ちょっと下品ですよ!」
「お付き合いはえっと……ご………ごめんなさい……!」
「もうちょっと可愛くなったらね〜」
などと言いながら少女達は村へとぞろぞろ帰って行く。
俺は一人、花が咲き乱れる可憐な村を無言で眺めていた。
ええ、そりゃ書く為には勿論、自分も生物繁栄の為の新たな発想を探すべく、一晩費やしましたよ。
…………主人公と違うところは、辻褄合いそうな、それっぽい仕組を先に考えたこ……いや、でも見た目のエロさも大切だよね。うん。凄く重要だよね。描写的には、なろうに載せられるけど、行為の意味的にはヤバイな。よく考えるとギリギリアウトかな。
主人公の趣味は中々酷いですが、根がいい奴なので、多分興味があるだけで妄想するだけです。
次回26話更新は
5月2日(土)深夜0時頃更新。
本編最終回は27話。
あと少し、馬鹿な神様に付き合って頂けると幸いです。その後続く番外も面白いから。
主人公、男子定番の憧れをやる。
 




