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突然の来訪者
どうして今あなたは私の前にいるの?
これは幻?
ようやくあなたの夢をみなくなったのに‥‥
やっと心安らかにすごせるようになったのに‥‥
あなたは珍しいものでも見るように私を見て残酷な一言をはく
「お前は何者なんだ?」
ああやはり私の事など覚えていないのだと打ちひしがれる。
あなたは変わらない。燃えさかる太陽の炎のようなオレンジの髪。好奇心いっぱいの七色の光をやどしたこの世のものとは思えないほど美しい瞳。まだ10代後半にしか見えないあどけなさを残した絶世の美少年。
いつからだろう‥‥彼がまぶし過ぎて正視できなくなったのは。彼の噂を聞くのが辛くてひとけのないこの森で暮らし始めたのは‥‥