釈明配信
「え、どういうこと??」
高速で流れるコメントを読んでいくと、
『【白夜】の配信でタケルさんが言ってました!』
『タケルがボロっとこぼしたぞ』
『その後ナツとレオナにボコボコにされてた』
『ユイちゃんの無言の笑みが怖すぎた』
バカヤロぉぉぉぉ!!!タケルぅううううう!!!何やってんの!?
言わないでって言ったじゃん!!
恐る恐る僕は視聴者に向けて話した。
「ど、どんな感じで言ってたんですか?」
すると、懇意にしていたTwitterの友人からから 僕のDMに切り抜き動画が送られてきた。
これが初めての【白夜】の配信だけど、見ていいのかな……見るなって言ってたけど、でも、見ないと分からないし。
ええい、全部見ないから良いと思う!!
というか失言したタケルが悪い!
見よう!
画面には、ナツ達4人がダンジョンの中にいる様子が映っていた。
「これって、どこのダンジョンですか?」
当たり前だけど、僕はレベル1ダンジョン以外のダンジョンを知らない。
視聴者の中に、探索者の方や探索者の配信を見てる人がコメントしてくれた。
『レベル4』
『海が特徴』
あー、そういえばレベル4ダンジョンに挑むって昨日言ってたっけ。
「そろそろ配信を終了しようかな」
ナツが提案し、ほか3人が頷く。
あ、最後の方で言ってたんだ。
なんか4人とも嬉しそうな表情してる気がする……。
「ん、なになに、『みんな口元がニヤけてるけどなんかあるの?』だって、あ、分かる?」
「決まってんだろ!今からシオンの配信を見ーーぐはぁぁあああ!!」
タケルぅぅうううううう!!!!!
もろ言ってるじゃん!!
誤魔化し効かないやつじゃん!!!
ナツ、レオナのダブル腹パンが決まるが、もう遅い。
『シオン?シオンってリーダーの??』
『この反応、絶対そうだよな!』
『てか配信者だったんですか!!』
『アカウント見つけないとな』
「こ、この辺で配信は終わります。本日も見てくださってありがとうございます!!」
慌ててユイが配信を終了する。
これで動画が終わった。
と同時に、特定班の行動の速さに驚く。
配信が終わったのって僕が生配信する30分前だよ?
早くない?
「特定早くないですか?」
『【シオン】【配信】で待機画面があったのですぐでした』
『せめて名前さえなかったらもう少し時間かかったかもしれません』
『でも、ユイさんの声を初めて聞けたので、SHIONさんに感謝』
『ナツとレオナちゃんの動揺した顔も初めて見たから嬉しかった』
タケルぅぅううう!!!
全ての元凶はタケルやないか!!
『あなたがリーダーのシオンなんですか!』
『めっちゃ強いって噂のリーダー!!』
『なんでダンジョン潜らないの?』
『Twitterアカウントってこれですか?』
?????
Twitterも特定されちゃったの??
あ、すごい爆速でフォロワー増えてる……。
視聴者数5万なってる???
ピコンッと、グループラインにメッセージが届く。
『まじすみませんした』
巻物とかに書いてある、膝の上に石を載せる石抱されたタケルの写真が送られてきた。
「気にしないよ。説明会をしないといけないね」
っと返信して、僕はカメラに向き合う。
と言っても顔は映ってないけど。
「初めての演奏配信をする予定でしたが……まずは説明からやっていきたいと思いますね……。色々と皆さんも気になることが多いと思うので、良い機会ですし」
説明会が始める。
ちなみに視聴者数もどんどん増えていく。
「それでは、質問に答えて行きます……」
『Q.【白夜】のリーダー?』
「はい。一応僕はリーダー……ということになってます。ナツがニュースで言っていたように、【白夜】は、5人のパーティーになります」
『Q. 一応ってどゆこと?』
「自分もよく分かっていません。パーティー申請した時に、勝手にリーダーにされてました……」
『Q.ダンジョン潜ったところ見たことない』
「僕はダンジョンに入ることはありません。4人から禁止されてます」
『Q.実際のところ、強さってどんくらい?』
「僕は一般人側です。その証拠は……この探索者カードは初心者を示す黄色と緑のカードです」
探索者カードとは、探索者であることを示すためのカードで、身分証明書の代わりも務めている。
色によって、階級が分かれており、攻略したダンジョンのレベルによって違いがあり、レベル1を攻略していない初心者は黄色と緑のカードになる。
運転免許を初めて取った人が付けるようなあの若葉マークの色をしてる。
『まじで!?』
『めっちゃ弱っ……』
『俺でもレベル1は攻略してるのに?』
『逆に安心できるかも……』
『分かる、一般人にとって【白夜】ってまじで異質な存在って思ってたから、シオンみたいな一般人がいるってだけで安心したわ』
『Q.普段何してる?』
「基本的にこのアカウントで、動画投稿してます。基本的にダンジョン攻略は4人に任せて、僕は演奏とか料理とかしてます」
『え、ふつう( ˙꒳˙ )』
『あ、でもこういう動画投稿してる人いないから、逆にありがたいかも』
『マジでダンジョン行かないん?【白夜】の配信の裏方やってるとかでもないん?』
「基本的に【白夜】のアカウントは4人で管理してます。本当に僕はリーダーという肩書きがあるだけです。探索者としてみんなと肩を並べて戦いたい気持ちはありましたが、今はどんどん突き進むみんなに喜んでもらいたくて、料理や音楽に勤しんでます。だから、【白夜】の4人は大切な親友です。世間の評価で僕はすごい人物だと噂されましたが、本当の僕はこんなにもちっぽけで弱い存在です」
呼吸を整える。
「本来ならゆっくりと登録者を増やして、世間に認知されるようになったら改めてリーダーだと知らせようと思いました。今回こんな形になるとは思わなかったけど、先延ばしにするよりか、今伝えておいてスッキリすることが出来ました。その点でタケルにはすごく感謝してます」
タケルに非難が行くことがないように、僕は言った。
虚言しかないけど、まずは大丈夫だろう。
「今もたくさんの視聴者さんが見に来ていただいて、最初は驚きましたが、今は僕の初配信にも関わらず、見に来てくださってありがとうございます。僕のことはただの一般人として、扱ってください。どうかこれからも【白夜】をよろしくお願いします」
「長くなりましたが、今から演奏配信、始めていきたいと思います。勉強や作業のお供に、お昼寝に、聞いていただけると助かります」
本題となる演奏配信を開始した。
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時間は1時間程。
流行りのアニメソングや、4人にやったように、コメント欄から○○っぽい感じのコメントを募集して、演奏した。
重要なことは話し終えたから、きっと視聴者数も減るだろうと思ってた。
でも、そんなことはなくて。
「これで僕の配信を終わります。最終的に1、、10万人……たくさんの視聴者さんに来て頂き、ありがとうございます。動画投稿は今後も行っていくので、どうぞよろしくお願いします」
と、配信を終えた。




