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最強パーティ『白夜』


『またまた快挙達成です!!高校生で構成された探索者パーティー、【白夜】がレベル6ダンジョンを攻略したことが分かりました!』


テレビに映ったニュースキャスターのお姉さんが、興奮を隠せない様子で語っている。



「ぶふぅーー!?」



それと同時に僕は飲んでいた牛乳を吹き出した。



「ゲホッ、ゴホッ……みんなクリアしたんだ……」



今から数十年前。

全世界にダンジョンが突如として現れた。


そこには地球に存在しない未知なる物が多数存在していた。


現代の技術では到底作り出すことが出来ない未知なる物を各国は求めた。


しかし、ダンジョンには見た事のない凶悪な怪物・・・・モンスターがはびこっており、入る者は多大な犠牲をはらった。



それでも各国は人を送り込んでいると、その中で生き残った者達は、モンスターに死力を尽くして倒し、モンスターの肉片を食し、次第にダンジョンに適応していき、次第に体が強靭になり、通常の人とはかけ離れ、遥かに人を凌駕した肉体と能力を手に入れた。



これが『探索者』と呼ばれる者達が誕生した瞬間だった。



そして【ダンジョン】は世界で数ヶ所しか存在しない。



ダンジョンがある国が探索し、未知なるものを独占することになると、世界のパワーバランスが崩れてしまう。


逆にダンジョンがない国がダンジョンの所有権を奪おうと戦争を起こし兼ねない。


それを恐れた各国は、全世界の首脳を集め、【ダンジョン協定】が結ばれ、ダンジョンがある国は、ある程度の恩恵は受けるが、資格をもった『探索者』は他国の者でも拒絶する事は出来ない。



初めて全世界トップの全会一致で結ばれた協定だった。




【白夜】は、2年前より全世界に一気に名前を轟かせたパーティーだ。



圧倒的な強さも理由の一つだが、最大の理由は年齢の若さだ。



【白夜】の名前を有名にしたのが、レベル4ダンジョンの攻略動画だった。



ダンジョンの難易度はレベルによって分けられている。



ちなみに最大レベルは8だ。


探索者資格は中学生になれば取得することが出来る。

だが、当たり前の話だが、中学生はダンジョン探索の経験がない。高校生も、普通は高校生だけのパーティというのはレベル2のダンジョンでも危険である。


だからこそ、高校生だけで、しかも4人で構成された若いパーティーが、レベル6ダンジョンを攻略した、証拠に動画も揃っているということがまさに異常だった。




「さすが……みんなは凄いなぁ……」




テレビに映るみんなを見て、僕は呟いた。



そう、トップクラスの最年少パーティー【白夜】のメンバーは、僕の幼なじみで、大切な親友達だ。



『今回は、なんと【白夜】のパーティーのリーダーに、取材陣の中で初めてインタビューすることが出来ました!』


興奮した様子でリポーターさんが言った。


テレビの中では、たくさんのマイクに囲まれた1人の美少年が画面に映りこんだ。


金色の髪をなびかせた爽やか風なイケメンだ。

もちろん、性格もイケメンだ。



『今回、皆さんはレベル6ダンジョンを攻略した……ということですが、リーダーのナツさん、レベル6ダンジョンはどうでしたか?』



「仲間たちのおかげで大した怪我もなく攻略することが出来て良かったと思います」



『た、確かに怪我とかないですもんね』



ナツの一言で質問したリポーターさんが軽く引いていた。



『今まで、学生で、しかも4人でレベル6ダンジョンを攻略したパーティーがいた事はなかったので、皆さんが最年少攻略パーティーとなりますが、ナツさんはこのことを1番にどなたに伝えたいですか?』



それは僕も気になった。



やっぱりここは無難に家族に伝えたりするのかなぁとか考えたが、画面に映るナツは、爽やかな笑みを浮かべながらカメラ目線で言った。



『やはりリーダー《・・・・》のシオンですね』



『えっ!?ナツさんがリーダーではないんですか??』



『えぇ。よく4人パーティーって勘違いする人が多いんですけど、実は5人のパーティーなんです。多分この中継見てると思いますよ』



ビクッ!!っと、僕の体が震えた。




そう、【白夜】のパーティーのリーダーは………僕だ。






………やっぱりなんで僕なの?

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