第10話 衝撃
10話目投稿しました!
今回は短いです。
20時頃に11話目投稿したいんですが色々と忙しくて間に合うかわかりません!
研究所へと戻り、赤井姫乃とエレベーターに乗ると
「すみません、私3階に用があるんで先に行っておいて下さい」
と言って彼女は3階のボタンを押した。
3階に着くと
「じゃあ、また」
そう言うと彼女はエレベーターから降りる。
4階に上がり、ガラス張りの部屋まで向かう。
扉を開け、中に入ろうとすると
「きみたけ! オカえり! ダメ!!」
チカはそう言って私を部屋に入れないよう私の体を押す。
「チカ、一体どうしたんだ?」
「ワタシひメノヤダ!きみたけナンデ!?」
「ごめん、ごめんよ。そんなに怒らないでくれ」
大分お怒りの様子だ。
私が姫乃と出掛けたのがそんなに嫌だったのか?一体なぜ……
「何か一つお願いを聞くから許してくれないか?」
「ホント!? ジャアねぇーウントネぇー」
なんとか機嫌を取り直したか、そう思い一息つく。
部屋の中に入ろうと思った時、
「紀見塚さん、院長がお呼びです」
男性職員が、話しかけてきた。
「チカ、ごめん。呼ばれてるみたいだからまた考えておいてくれ」
「えェー!! ……ワカッた…」
チカは悲しそうに俯くと手元にあった国語辞典を読み始めた。
「すみません、もう大丈夫です」
「そうですか、では行きましょう」
男性職員のあとに続き3階に向かう。
「紀見塚さん、よくあの怪物と一緒にいれますよね? いつ喰われるか分からないのに」
プチッ、と何か切れる様な音がした。
「怪物? 確かに得体の知れないのは確かだが、いつ喰われるかという部分には反論させてもらう。彼女には理性がある、教育して来た私が一番知っている。彼女の事を怪物としか見ていない君はここに居る資格がないのではないか?」
「ッ……!」
何故私はここまで腹を立てているのだろうか? 教え子が侮辱されたから?
分からない……
部屋の前に辿り着く。
男性職員は扉をノックし、
「紀見塚さんを連れてきました」
「入りたまえ」
私は部屋の中に入る。
この部屋に入ったのはあの日以来か……
内装は変わっておらず目の前の原崎院長の姿も変わっていない。
変わっているとしたら、壁に背を預け、私の事を睨む色黒いがタイの良い男がいるところだ。
「貴様が紀見塚か、貴様……」
男は私の前に近付くと、
「貴様、どこまで知っている?」
いつの間にか私の首筋にナイフが向けられていたのだった。
「な、なんの事ですか?」
「正直に話せ、でなければ殺す」
私は惚けようとしたが、男はナイフを首に
当てる。鋭い痛みと共に血が流れ出るのを感じる。
私は察してしまう、殺される、と。
「わ、私の研究よりもっと酷い事をしようとしているのは知っている」
「そうか」
男はそう言うと私を殴りつけた。
途轍もない衝撃とともに私の意識は刈り取られた。