コロナ後の世界 HANKO編
コロナ感染の第2波が心配される中、日本の仕事文化が批判にさらされている。
一つはFAX。
こんなにFAXを使っている先進国は日本だけだという。
それが明らかになったのは、コロナ感染の集計がやたら遅いということ。
医者はFAXで、保健所に送信。
それから保健所の職員が入力、集計するという。
コロナ感染対応で忙殺されながらの作業である。
集計が遅れるのは当たりだ。
コロナ感染サイトを立ち上げ、直接入力できれば、
集計も素早くなり、2度手間も省けるだろう。
しかし、それをやらない。
多分こういう理由。
だれがチェックするのか。
確かに直接入力する時、
ミスがあれば誤った数値がでてしまう懸念があるからだろう。
でも、それは技術で確率を減らすことも可能。
だから、FAXを使い続けるのは文化というべきだろう。
もう一つはハンコ。
印鑑である。
会社の紙文書には印鑑が必要である。
そのため、テレワークが可能でも、
出社しハンコを押さなければならない。
こんな文化は日本だけだろう。
数年後に消滅するのに違いない・・・
新型コロナウイルス感染収束後、世界は一変した。
それはAI、人工知能だった。
開発が一気に進んだのだった。
なぜなのか。
AI開発者も会社経営者も知っていた。
テレワークの会社員を全員クビにできることを。
AIに置き換えられることを。
人事や経理、資材発注や品質管理は当然のことながら、
新製品の企画もAIが行うのだ。
そもそも新製品と言っても、機能の追加とアップグレードだ。
新技術を論文や特許うから見つけて、
市場動向を調査するなどAIの方が得意なのだ。
でも、AIは新分野のまったくオリジナルな新製品を作れない?、って。
確かにそうだ。
でも、一般企業でも上司はリスクを恐れ、実績がないモノは製品化されないのである。
サラリーマンはAIに仕事を奪られた。
しかし、真に仕事を奪ったのは経営者であり、
経営者に利益を求める株主や投資家だった。
こうして大失業時代の到来したのだった。
失業率が30%を超えた時、注目されたのは共産党だった。
中国ではない、日本でだ。
首を切られたサラリーマンは思った。
復讐するには、共産主義化し、
資本家がわが世の春を謳歌する世界を終わらせるのだと。
共産党の議席は30%を占有し、
連立すれば政権を取れる勢いだった。
政権与党は危機感を持ち、
雇用の維持を企業に義務付けた。
それにより復活したのだ。
ハンコが。
AIにはぜったいに押せないハンコが。
これによりある程度の人間が雇用を得た。
このシステムは、同じ問題で悩む世界各国で注目された。
そしてHANKOが世界共通度になったのだった。
2020年、ハンコをなくそうと主張した人々には、
想像できない世界が待っているのだった。