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9-2

「振られちゃったね」

 ミヤが話かけてくる。

 背後に立った彼女に、答える事もなく、私は煙草を取り出す。

 口にそれをくわえた所で、後ろから抱きしめるように手が回される。

 その手にはライターが握られている。

 頬に僅かに髪の感触。

 有り難くその火を使わせてもらう。

 同じようにフィリップモリスをくわえたミヤが言う。

「フェイスレスの失恋担当だもんね」

 レインは。

 そう言って笑うミヤ。

 ユウキくんといいさ。

 と続ける。

「ユウキは違う、奴はただの従兄だ」

 失礼な事にミヤは笑う。

「そういう事にしといたげる」 少し、大人気なくも腹が立った。

「まぁ、おまえの恋は成就しようがないけどな」

 少しだけ、廻された腕に力が籠もった。

「酷いなーそういうこと言うんだ」

 少しだけ拗ねたような声。

 背中に感じていた熱が離れる気配。

「私はずっと好きだからね」

 リナ。

 そう言い残して、ミヤは降りて行く。

 タバコを投げ捨て。

 私は一人、心中に合わない真っ青な空を見上げた。

 吸い込んだ煙は、いつもより苦い気がした。

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