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7-3

 つまらない授業。

 つまらない人達。

 そう思っていた。

 そっと目を黒板から離してカイリを見る。

 部室で言っていたミヤと一緒に練習しているというのはどういう事なのだろう。

 その言葉が、私の胸に重いしこりのように残っていた。

 どれくらいぼんやりとしていたのだろう。

 いつの間にか時計の長針は五十分を指し、授業は終わっていた。

 カイリは組んだ腕の上に頭を乗せ、すっかり睡眠モード。

 私はと言えば、部室での発言の意味を尋ねることも出来ずに、足をぷらぷらと振るだけ。

 授業中に書いた落書きに線を足していくとどこかカイリに似てきた。

 一番見てきた人にどうしても絵が似てくるのだ。

 美術で自画像を書けば自分の顔に。

 そして今は、カイリに。

 いつ、この短い間に私にとってカイリは大きな存在になっていたのか。

 すやすやと眠るカイリの顔を見る。

 その男性にしては長い睫毛が伏せられて、いつもの微笑みが無い顔にどきりとした。

 ああ、何故だろう。

 つまらない筈の学校でこんなにも胸が高鳴るのは。

 ただ一人のクラスメートの行動に、気持ちが揺らぐのは。

 何故なのだろうか。

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