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6-4

“pulse”

 それが彼女達のバンドの名前だった。

 サンプル楽曲を聞いてみると、想像していたよりもハードなロックが流れる。

 見た目で勝手にポップスだと思っていたのが、どちらかといえばパンク。

 けれどもそのスキルは確かで、切り裂くようなボーカルに合わせられるベースは隙を見てはフィルインを入れ、ギターはダウンピッキング主体ながら時折鋭いカッティングを見せる。

 パンクではない。

 けれどその根底にそんなものを感じるサウンドだ。

 いつの間にか夢中で聞いていた。

 ため息を一つ吐いてヘッドフォンを置く。

 パソコンの画面には彼等のサイト。

 楽器屋で見た男性はどうやらベーシストのようだ。

 ダブルのライダースを着て、サンバーストのプレベを提げた姿は渋いクールさを感じさせる。

 あの女性はやはりロングスカートで、緩やかにウェーブした髪も合わせて清楚な印象。

 その姿からは想像できない鋭い声で歌う。

 そしてフェンダージャガーを提げたギタリスト。

 皮肉気な笑顔のよく似合った、如何にも、なバンドマン。

 そしてドラム。何か諦観したような虚空を見る目が印象的。

 黄昏色とフェンスの背景がよく似合うバンドだった。

 ふと気になってライブの日時へと画面をスクロール。

 そして気付く。

 この日時は、僕らのライブの日ではないか。 ……この人達と対バンするのか?

 僕はまた、ボーカルとギターとベースとドラムがぶつかり合い、戦うサウンドへと沈みこむ。

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