ライト才能の片鱗
「俺たちが試してやろうか?お前たちの力をな。」
ドレファスは余裕の表情で見下ろしてくる。
「私たちならあなたたちなんて余裕なの。」
「いや戦う気なんてさらさら....」
俺はゆっくりと後ずさりする。
「望むところよ!」
しかしリーネはやる気満々だ。
「水魔法 沸騰水砲!」
熱を持った水がドレファスとルーシェに直撃する。
ただし2人の前には大きな盾が塞がっていた。
「なんだあれは。」
「ドレファスはガーディアンなのよ。」
リーネ曰くガーディアンは自分の体のどの部分でも盾にすることがでるみたいだ。
「リーネその程度の攻撃では傷1つつかないぞ。」
「次は私なの。」
ルーシェは人差し指を俺たちに向ける。
「植物魔法 大樹操作」
と唱えると太い木の根が俺たちを覆った。
縛られて全く動けない。
刀を当てるが切り傷1つつかない。
「くっ。ルーシェは植物の魔法に特化してたけど前よりも強くなってる。」
リーネは余裕が大分なくなっているみたいだ。
俺は冷静になって考えてみた。植物ということは火属性が効果的だ。
普通の刀では木の根を斬れない。ただしリーネが言っていた刀に火を纏えばどうにかなるのではないのか。
俺はそう思っていた。
目を閉じて集中する。何と無くだが集中して刀に神経を研ぎ澄ませば何か行ける気がするような気がした。
目を閉じて集中していると手に熱を感じる。
その熱は少しずつ大きくなっていく。
「よしこれならいける!」
俺は刀をゆっくりと振りがさした。
すると根が燃え上がりながら斬れた。
「これだ。」
俺はリーネの木の根も斬った。
「ライトが刀に火を纏わせた!?」
俺は刀をドレファスとルーシェに突きつける。
「燃える刀の出来上がりだ。」
「面白い。俺は防御だけではないぞ。」
ドレファスが腕を盾にして特攻してくる。
盾で俺を殴るつもりだと思う。
「ライトぉ!気をつけて。」
「うおっらぁ!」
炎の刀を振りかざすと盾にあたる。盾は少し溶けていた。
「くっこいつ。」
「いくぜ一刀両断だ!」
盾を一刀両断する。ドレファスは後ろに下がった。
「トドメだ!爆炎両断斬り!」
俺は燃え上がる刀を上から思いっきり振りかざした。
ドレファスの盾は溶けてしまい身体にも切り傷が入った。
「ぐわっくっ。中々やるな。お前。今回は引くぞルーシェ。」
「分かったの。」
2人は素早く逃げて行った。
おれは刀の炎を消した。
身体中から汗が出ている。おれはその場で倒れ込んで気を失った。
力を使い過ぎたかもしれない。