俺の能職は..
「きえぇぇぇぇぇ!!」
ボスと呼ばれる老人が叫ぶ。
俺は少し面白くて笑いを堪えていた。
「ほぉ...これは...」
ボスは目を丸くさせていた。予想外の結果という顔をしていた。
「あの、どうでした?」
「お主...才能あるかもしれんぞい」
「えっ!?ライトが!?」
「リーネ。彼をこのチームに所属させることにするぞい。」
「なぁ、俺の能職は?」
「とりあえず剣士でいいぞい。」
「とりあえずってなんだよ。」
「いずれまた説明するぞい。」
と言うとボスは去った。
「とりあえずあんた認められたってことね。」
「みたいだな。」
「ここ寮みたいな感じだから空いてる部屋案内するなら来なさい。」
俺はリーネに付いていった。所属する人たちの部屋は石畳になっていた。
「夜は下の食堂で食べるから。よろしく。」
その日俺は部屋の掃除を済ませて夕食を食堂で摂った。今まで食べたことない食事で躊躇したが思ったより美味しかった。
夕食を食べ終えるとリーネが話しかけてきた。
「明日から仕事行くから。そこんとこよろしくね。」
「仕事?」
「また明日詳しく説明するわ。それじゃあおやすみ。」
「おやすみ」
翌日俺はリーネに叩き起こされた。
「こんな朝早くから行くのか?」
「今日の仕事は中級モンスターのゴーレムの退治よ。」
「よく分からんが俺は剣を振って戦わないといけない訳だな?」
俺たちは城を出て森へと入った。すると昨日のスライムの仲間がやって来た。
「スライム来たなっ!」
「試し斬りしてみなさいよ。」
「任せとけ!おらぁっ!」
俺はスライムに剣を振る。一刀両断した。がスライムはすぐに元に戻った。
「き、効かねえ!」
「離れなさい。火魔法 火炎衝波」
リーネが杖をスライムに向けて唱えた。
スライムは燃え上がった。
「す、すげえ。」
「まぁ朝飯前よ。これぐらい。」
「俺もスライム倒してえなー」
「剣士でスライムを倒すには属性を纏うことね。」
「属性!?そんなことできるのか?」
「まぁね。」
「教えてくれよ!!」
「自然に身につくものだから頑張って。」
俺はこの世界で生きていける自信がなかった。
しばらく森を歩くとピリピリした気配を感じた。
「なんだこの気配。」
「恐らく近いわ。ゴーレムが。」
ふと俺たちの足元が暗くなる。
「まさか上!?」
ゴーレムの足が押し寄せてくる。
「避けるわよ!」
俺はリーネに引っ張られてなんとかギリギリ避けることができた。
「こいつ強いわよ。気を緩めると死ぬわよ。」
「斬ってやる!」
俺はゴーレムに斬りかかるが傷1つ入らない。
驚くのもつかの間ゴーレムは殴って来た。
避ける暇もなく直撃して地面に打たれる。
「ぐっあっ。こいつ強い。」
「水魔法 水流玉砲」
リーネの唱えた水魔法がゴーレムに直撃する。
「ライト!今よっ!斬って。」
俺は全身打撲でキツかったが何とか立ち刀に力を込めて思いっきり振り下ろす。
「これで終わりだっ!ゴーレムっ!」
斬られたゴーレムはよろっと体勢を崩した。
「一気に畳み掛けるわよ。」
俺たちはトドメを刺そうとした瞬間ゴーレムが爆散した。
「久しぶりだな。リーネ相変わらず弱いみたいだが。」
「中級に苦戦するなんてまだまだなの。」
木の上には1人の青年と1人の少女が立っていた。
「誰だこいつら。」
リーネの方を見ると2人に向かって目を睨みつけていた。
「ドレファスとルーシェ」
どうやら面識があるみたいだ。