1章:2丁目の煙page1
午前8時。絶望的と思われたレポート課題の完成の糸口が見えた。
唯一無二の友、足立正弘、通称まさから着信があり、レポートが終わっていない旨を伝えると
「そんなこったろうと思った。。」
といい、徒歩2分ほどの距離にある僕の家に訪れレポートを手伝ってくれた。
こいつは幼稚園からのいわゆる幼馴染であり悪友でもある。
そしてことある事に僕を助けてくれる。
公園のブランコで告白されて1時間もの沈黙を作り出してしまった哀れな男がクラスで孤立しないようにフォローしてくれたのもまさだった。とにかくこのまさのおかげで又しても数学教師米倉のゲンコツを食らわずに済んだのである。
まさは気さくないい奴だが、少しお節介なところもある。僕が昨夜思いついた素晴らしいアイディアを彼に話すと
「俺ならそんな回りくどいことせずに名前を聞くけどね」「俺も一緒に行ってやるか?」「どんな女性なんだ?」など、よくもまあここまで他人に関して興味をもてるな。というくらひつこかった。
だが彼がいう事にも一理ある。なんせ今から僕がやろうとしている事は、ちょっとした犯罪であり、ストーカー的行為なのだから。