東方二次創作のススメ(秘封倶楽部との関係編)
今回ご紹介するのは、東方Project最大の謎です。
幻想郷と秘封倶楽部の関係性
東方Project考察界隈において、最も盛んに議論されていると言っても過言ではない謎。
神主の同人CDに端を発した、遥か未来の世界に暮らす秘封倶楽部の二人と、現代(と思われる時代)に存在する幻想郷の関連性についての未公開設定である。
秘封倶楽部に属するマエリベリー・ハーンは幻想郷を夢見の形で時々訪れる。その痕跡として、阿求が数百年前に発見したメモ、メリーが持ち帰った紅魔館のクッキー等があるが、その年代があまりに離れており、その上現代にも秘封倶楽部、それも彼女らが所属するそれとは別物(或いは別の時代)が存在する事が、この事案を難解にしている。
星暦から年代を測定する、理論物理学の観点から推察する、心理学から幻想郷を読み解く等、様々な考察が存在する。
どのアプローチから挑むかで極端に結論が変化する為、一人の人間が何通りもの解釈を生み出す事もある。また、その全てを受け入れるのが幻想郷である。
一、星暦を元にした年代測定
現在、蓮台野夜行、大空魔術で語られている月、金星の運行と、大空魔術が蓮台野夜行の二年後という条件から、年代は二一五〇年代だと特定されている。
二、理論物理学を用いた原理考察
特殊相対性理論、多世界解釈(多重世界論)、ワームホール理論、量子テレポーテーション、遡測等、現在提唱されているあらゆる物理理論を活用して、境界を見る程度の能力、境界を操る程度の能力、更には永遠と須臾を操る程度の能力を解明する。
大きく分けて、二通りの考えに分類される。
・一、特殊相対性理論及びワームホール理論による空間転移の時間への影響
紫やメリーが用いるスキマとは、常にあらゆる場所に存在し、感知出来ない程に小さいワームホールを拡張して用いている、という説。
メリーのタイムスリップは、ワームホールを拡張する際に、物質量ゼロの純粋な空間を拡張している為に拡張スピードが光速の制限を超え、ワームホールの出口との時間的な差が発生している為だとする。
メリーが夢の中だけで移動しているのは、ワームホールを実体のある物体が通過出来ないとし、紫が自在にスキマを移動出来るのは、妖怪の本質は実体ではなく精神体であり、実体はそれに付随して構築されているに過ぎない為となる。
・二、多世界解釈と遡測による過去世界への干渉
メリーが見ている結界とは異なる複数の可能性世界との綻びであり、メリーはそれを認知、通過しているとする説。
この説の延長線上で、輝夜の複数の歴史を同時に体感する能力も語られる。須臾、豊姫曰くフェムトの一瞬に、世界の全ての可能性は分岐し、それぞれの時へ進む。その瞬間を拡張し、全てを同時に把握するのが輝夜の能力だとする説。
幾つかの解釈の中でも特に難解であるが、分析は鵺箱様の「Report」に詳しい。
三、心理学を用いた原理考察
メリーが夢の中でしか幻想郷に行っていない事、菫子が夢で幻想郷に侵入出来る事、幻と実体の境界の具体的な効力が不明な事等から発生した考察。
幻想郷が、実は実体の薄い精神的な世界で、実体を持ち込む事も可能であるが精神体だけでも質量を持てる世界であり、夢の世界に近い場所に位置しているとされる。
幽々子が精神体でありながら実体を持っている事や、妖怪の本質が精神体である事等も引き合いに出される。
メリーの夢に関する考察通り、幻想郷は、その名の通り幻想、人々の深層心理の心象風景が現れた物であり、様々な要素も全て人間の心の喜怒哀楽や記憶、トラウマの具現化であると言われ、この解釈において、幻とは実体の無い精神体その物だと考える。
幻想郷、即ち非常識や幻に近しい物は、幻想郷の外からでも干渉が可能で、メリーはそれを利用しているとされる。