東方二次創作のススメ(住人達の老化編)
幻想郷には、数多くの謎があります。
今回はその一つを、一般的な解釈や、私独自の考察も交えてご紹介します。
住人達の成長、老化
現状、幻想郷の住人は、基本的に成長も老化もしていない。しかし、書籍等の文面を見る限り、年数は経過している。どうして歳を取らないのか、四つの説がある。
一、別時間軸説
幻想郷は、この外の世界とは時間の流れが違うのではないか、とする説。
基本的には、東方求問史紀の記述が根拠とされる。一つに、吸血鬼が幻想郷に来て数百年という記述から、霊夢が巫女に就任してから吸血鬼が来たという事実に反するという事。幽々子が千年以上幽霊をしていると書かれているが、父親と目される西行が亡くなったのが一一九〇年で、まだ千年経っていないという事、迷いの竹林で発見したメリー(と思われる人物)のメモが、数百年前に発見したとされているが、メリーは紅魔館等を訪れており実際はもっと最近の出来事だと思われる事、等が理由とされる。
ただ、この説は、幻想郷縁起にあまりに不確かな情報が多い点と、彼岸の時間の流れとの関係で、時間軸がズレている可能性を否定出来ない点から、疑問視されている。
二、神主の制作手腕説
実はちゃんと成長しているが、上手く誤魔化しているだけ、という説。
近頃の作品の立ち絵で、頭身が少しずつ上がっている事や、登場人物が不死について度々言及し、寿命や年月の経過を認識している事が参考に上げられる。
否定は出来ないが、根拠が存在しない。
三、属性説
霊夢、魔理沙、咲夜、早苗の置かれている特殊な状況によって、成長が阻害されているという説。
霊夢は、神社の巫女であるのが原因とされる。詳細は解釈する者によってまちまちだが、結界に関わっているという要素を入れる者が多い。
魔理沙は魔法の森の瘴気に浸っている為。多くの人間には毒となり、魔法を扱う者には力を授ける瘴気が、生き物としての成長を阻害しているとされる。アリスが魔界から幻想郷に引っ越し、急に成長した事を根拠とする事もある。
咲夜は言わずもがな、時間を操れるので、寿命も制御下にあるのでは、と考えられる。ただ、レミリアからの吸血鬼化(=不老不死化)の誘いを断ったり、東方文花帖で時間を止め過ぎて老けるとネタにされたりと、少し不安の残る根拠ではある。
早苗は生まれ付き神に近い存在なので、ある意味では半霊や半妖の様な、人間を凌駕する寿命を持っているのではないかとされる。
四、吸血鬼吸収説
彼女らは既に不老不死、或いは非常に長い寿命を得ているという説。
古来、吸血鬼に関する伝承は、寿命の拡張と関連する物が多い。吸血鬼の肉を食べると不老不死になる、太陽に触れて気化した細胞を吸うと長寿になる、等である。何より、吸血鬼に噛まれて吸血鬼になるというプロセス自体、傷口から吸血鬼の体液が入る事による。
レミリアは、紅魔館の外を出歩いたり、博麗神社の花見に顔を出したりしているが、日傘で遮ってはいても、皮膚表面の細胞が微かに気化していると思われる。その為、その場に居合わせた人間は皆、寿命が長くなっているのではないか、と考えている。