東方二次創作のススメ(大結界騒動編)
幻想郷で起こった、数々の出来事。
その中には、過去の出来事として、多くが語られていない情報不足の事柄も数多くあります。
今回からは、それらの出来事を一つずつ、私の独自解釈を交えつつご紹介します。
大結界騒動
この騒動は、かつて幻想郷が成り立った時に発生した、妖怪同士の紛争である。
発生時期に関しては、幻と実体の境界が作られた約五百年前とする考え方と、博麗大結界が作られた百数十年前(東方project非公式データブックを出されている胡玉書厨様は一八八五以降と推測)とする考え方があるが、後者が主流である。
この騒動においては、紫とその他の結界に反対する妖怪が争ったと伝えられているが、現状の幻想郷において、紫と直接争える程の妖怪は、新参者や風見幽香を除いて、確認されていない。
ならば一体、誰が反抗したのか。その仮説を三つご紹介する。
一、鬼
これは非常に可能性が高いと思われる。当時の文明開化、技術革新による妖怪の勢力低下に対し、鬼も独自の対策を練っていたはずであり、それが紫と相容れなかったとして、不思議ではない。当時の鬼の人間との関係は、他の妖怪のそれとは、大きく異なっていたからだ。
そして、博麗大結界が作られると前後して、鬼は地上から姿を消している。これも、大結界騒動による結果ではないだろうか。ただ、これでは、対立していた妖怪も最終的に、紫に同意したという記述と反するが……
二、幻想郷の神々
これも、ある程度の可能性はあるだろう。山の神々やかつての映姫などの、人間に近しい神々が反抗したのではなかろうか。
現在の記述で妖怪とされているのは、誤りか、或いは人間と妖怪の不要な対立を防ぐ為、阿求や慧音が揉み消したか、はたまた、霊夢の言う様に、信仰の少ない神は妖怪と変わらないという解釈か。
三、ルーミア
可能性は低いが、有り得なくはない説。
東方の世界観において妖怪とは、時が経てば経つ程強力になる。藍、てゐ、マミゾウなどが良い例だ。そして、妖怪とは、単純な時間経過や人の思念、怨念以外にも、畏怖や恐怖によっても生まれる。ならば、紫やルーミアの様な、境界や闇など、根源的事象を司る妖怪は、人類が誕生して以来、数万年以上に渡って存在し続けてきた事になる。
また、根源的事象を司る妖怪は、たとえ科学によって妖怪の存在が否定されつつあろうとも、人心に刻み込まれた畏怖、恐怖が残り続ける限り、その力を失う事は無い。
ならば、大結界騒動当時、幻想郷を隔離しなくとも存在を維持出来て、かつ紫に対抗可能な程の力を持っていた妖怪は誰か。
その争いに負け、札によって半封印状態にあるのが、現在のルーミアではなかろうか。