閉じ込められたもの
思いつくがまま書いてみました。
誰でも思いつくような内容です。何番煎じか分かりません。
同じようなお話を見たことがあっても偶然です、パクリではありません。
以上、予防線。
私は、暗い空間にいた。
硬さと丈夫さが自慢の手と足は決められた位置に拘束され、自慢の尻尾はぐるぐる巻きにされて、狭い場所に押し込められた。それだけでなく、重い扉で俗世と隔絶されている。この場所には、外気すら入ってこない。
閉じ込められてから、どれだけの日数が経っただろう。最初は数えたものだが、やがて億劫になりそれも止めた。分かるのは、幽閉されて一年は経過していないだろうということ。理由は不明だが、決まった季節に私の牢獄生活は終わりを告げる。そんな暮らしを、もう何年続けているだろうか。
私は、熱を操る力を持っている。魔法と言ってもいい。とある“力”を熱へと変換し、それを自在に行使する。だが、熱を扱えると言っても、私にできることは熱量を上げることのみ。冷やす、といった事は全くできない。外の世界で、私はその能力を遺憾なく発揮し、勤勉に働くのだ。
ああ、早く陽の光が見たい。闇の中で年老いていくのは嫌だ。熱量を操る力は、稀有なものではないのか。何故、私は閉じ込められなければならないのか。理解に苦しむ。だが、私には毎年行われる収監に、抗う術がない。抵抗らしい抵抗もできず、一方的に蹂躙され、そして牢獄へと追いやられてしまう。
解放の時はまだか。次こそ、次こそは。私は明るい世界に生きるのだ。闇の世界へと追いやられてなるものか。深淵の底、埃っぽくかび臭いあの場所には、絶対に戻りたくはない。私の働きが足りないというのなら、今まで以上の活躍をしよう。そうすれば、私を闇へ追いやろうなどという考えは、起きないに違いない。
――外から音がする。解放の前に聞こえてくる音だ。ああ、その時は近い。
「はー、やっぱ冬はコタツね」
「暖房やストーブも悪くないけどさ、やっぱ冬はコレだよね」
「母さん、みかん持って来てくれ」
「はいはい、お茶も淹れますよ」
時節は冬、家族四人団らんの時間であった。
最近、寒くなったので。




