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夜空の下で 園田夏海

 ねえ、君は覚えているかな。あの日の約束。

 きっと覚えているんだって、君は言うんでしょうね。

 笑ってみせるけれど、目が泳いでいる、そんな君の姿が目に浮かぶわ。


 ねえ、本当は覚えていないのでしょう?

 嘘は吐かないで頂戴よ。


 これで、お互い様かしら。

 私も君も嘘吐きだもの。よくわかったでしょう?

 覚えてもいない約束を、君は覚えているって、嘘を吐いたわ。

 してもいない約束を、覚えているかなんて、私も嘘吐きよ。

 これでわかったかしら。

 私の嘘の上に、君は嘘を吐いたの。



 ねえ、君は見えているのかな。未来の道すじ。

 ずっと見据えていたんだって、君は笑うんでしょう。

 そうして後から頭を悩ませるのよ。忘れていた決意を取り返そうとね。


 ねえ、本当に見えているのでしょうね?

 夢は見せないで頂戴よ。


 これで、お相子になるかしら。

 私も君も求めてきたわ。よく知っているでしょう?

 掴みたいと、手を伸ばしてきた。求めていたものは、二人同じ。

 その道が違えることなど、決してなかったはずなのよ。

 それなのに。

 君は道半ばに去ってしまい、私は一人で残されて……。

「別に、私は一人でも大丈夫よ。最初っから、君には期待もしていなかったんだから」

 私は夜空を見上げて、大きな嘘を吐いたの。


 共に叶える夢。私も君も求めた夢。

 私と君とで実現する、予定だった夢。

 私と実現したい夢、君がそう言ってくれた夢。

 必ず二人で辿り着く、君が約束してくれた夢。


 これが、あの日の約束だったのね。

 もしかして、君は、この約束を覚えていてくれたのかしら。

 それだったら、嘘吐きは私だけになってしまうじゃない。


 また私は嘘を吐いてしまったのね。

 でも最後に君は、もっともっと、大きな嘘を吐いたわ。

 絶対に帰ってくるって、私を抱き締めてくれるって、言ってくれたくせに。

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