8話:子供って...子供って言うなぁー!!
よろしくお願いします!
スフィアと仲直りをし、少しの間雑談をしたところで俺はある質問をした。
「ところでどうしてここにいるんだ?なんかギルドがどうとかって」
「あ、その事なんだけど...」
スフィアが言い終わる前に、ロリ妖狐が俺を呼ぶ声がした。
「仁さーん、部屋の準備出来ました」
そう言って、俺のもとに駆け寄ってきたロリ妖狐は俺の目の前に立っていたスフィアに気付いたみたいで、
「ん?その方は?」
と、小首を傾げながら俺に聞いてきた。
「ああ、こいつはスフィアって言って俺をここまで案内してくれたやつだ」
俺がそう紹介すると、スフィアはペコリとお辞儀をして、ロリ妖狐はなるほどというような表情をした。
「これはこれはうちの仁が誠にお世話になりまして」
そう言って、ロリ妖狐も深々と頭を下げる。
「お前は俺のお袋か」
俺はそれに対して心のこもってないツッコミをした。
「もう!ツッコむならもっとしっかりしてください!」
「じゃあ、もっとしっかりボケろや」
「なんですとー」
「なんだよ」
俺たちが睨みあっていると、それを見ていたスフィアが急に笑い出した。
「あははははははは!」
「お、おいどうした?」
「だって、ふたりの漫才おもしろいんだもんw」
「漫才じゃありません!」
「漫才じゃねぇ!」
俺とロリ妖狐は口を揃えて答えた。それがまたツボに入ったのかスフィアはさらに爆笑して涙目になった。
「はははwほんと仲良しなんだね」
「「ちがーう!」」
俺たちは怒ったつもりだったが、スフィアの笑いは止まらなかった。すると、ロリ妖狐が俺の耳元で話しかけてきた。
「ちょっと!何なんですかこの人!?」
「これはあれだ。ただのバカってやつだ」
「なるほど、バカですか」
俺たちは耳元で話しながらしっかりスフィアに聞こえるような声で言った。もちろんスフィアに聞こえたみたいだったが、
「もう、誉めてもなにもでないよw」
「冗談で言ったつもりだったが...こりゃマジだな」
「...相当ですね」
俺はこれがあって、スフィアに抱いていた憧れが少し揺らいだことは言うまでもない。
この状態が続くのもあれだったので、もう一度あの質問をしてみた。
「それで、このギルドになんか用か?」
「あ、そうそう。つい楽しくて忘れてたよ」
そう言って、スフィアは持っていたバックをごそごそし出し、そこからチラシのようなものを取り出した。
「あ、あったあった。これ見て来たんだ」
そこには、『ギルドメンバー募集!』とあった。
「あ、これって...まさか」
そう言ったのはロリ妖狐。何か心当たりがあるみたいだった。
「何だ?なんか心当たりあんの?」
「心当たりも何も...これ私が書いたやつです。」
「えっ?てことはまさか...」
俺は恐る恐るスフィアの方を見た。そして、スフィアは笑顔でこう言った。
「うん!私このギルドに入団したくて来ました!」
「「...えーーー!!」」
俺はギルメン探しを頼まれて、たったの10分で一人目を見つけたのだった...俺のおかげではないけどね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スフィアがこのギルドに入りたいと言ってからのロリ妖狐の態度は一変した。
まず中に上がってもらい、ここにある座布団の中で一番綺麗だという座布団を出して、さらにお茶やら菓子やらを出し、もてなしをした。
そして、もちろん言葉遣いも俺の時なんかより遥かに違うものになった。
「だいぶ歩かれてお疲れでしょう。肩でもおもみしましょうか?」
「いいの?じゃあしてもらおっかな」
「それはもう喜んで...仁さん!はやくこのかたの肩をおもみしなさい!」
「なんで俺がそんなこと....」
「大事なお客様ですよ!何ですかその態度は!つべこべ言わず、ほら!」
「...はいはい」
俺はしぶしぶスフィアの肩をもんだ。
俺だって疲れてんのになんだこの差は!俺の時は座布団しか出なかったぞ!しかもきったねぇやつ。
「おっ、仁うまいじゃん。すごい気持ちいいよ」
「そりゃどうも」
「仁さん手が止まってますよ!休まない!」
くっ!うぜぇ...お前が男だったら完全にぶん殴ってるぞ!
「あ、そういえば...」
俺がスフィアの肩をもんでいると、スフィアが何か思い出したようで何かを探すように中をキョロキョロし出した。
「どうしたんだ?」
「いやー、そういえばここのギルマスどこかなぁって思って」
「それなら...」
と言って俺はロリ妖狐を指差した。
「ずっとそこにいるぞ」
「えっ!?嘘でしょ?」
「そうです!私がこのギルドのマスターことキュウコと申します!」
自信満々に言うロリ妖狐。そんなロリ妖狐にスフィアはとんでもないことを言った。
「子供なのに?」
「おま!それは!」
俺は止めようとしたが、すでに手遅れだった。
「...子供って...子供って言うなぁー!!」
「うわ!どうしたの!?」
「はぁー...お前やっちまったよ」
俺の予想通り、ロリ妖狐はマジギレしてしまった。こうなったら、俺にはどうしようもできない。スフィアもスフィアで臆するどころかまだロリ妖狐を子供と思っていると言わんばかりの顔で見ていた。
「私は由緒正しき妖狐で、1000歳で、天狐何ですよ!それを...それを子供とは何ごとですか!」
「...そうなる夢でも見たの?」
「現実に決まってるだろーが!!」
...俺はしーらねっと。
俺は我関せずという感じで、少し距離をおきふたりの様子をうかがった。しかし、ロリ妖狐のある行動でそれは出来なくなった。
「仁さんこいつうざい!どうにかして!」
「おいおい、何言ってんだ!せっかく来てくれたんだぞ!それに、こいつ逃したらまた一からだぞ」
「嫌だって言ったら嫌なんです!一からになろうと仁さんが何とかしてくれるんでしょ!?」
「無茶言うな!正直10日はきつい!」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だー!!」
ロリ妖狐はとうとうすねてしまい、しまいには泣いてしまった。
お前...それじゃあホントに子供にしか見えねぇぞ。
「仁、ホントなの?」
「ああ、ホントだよ」
俺はロリ妖狐のことについてスフィアに話して、謝ってくれるよう頼んだ。スフィアもやっと理解したらしく、ロリ妖狐のもとへ行き、
「キュウコ...さん?本当にごめんなさい。私が無知なばっかりに...」
「ぐすん...」
「まぁ、こう言ってるんだしさ、許してやってくれよ?」
「...私も大人げないところをお見せしてしまいました。それでも今回だけですよ」
「ははー、ありがとうごさいます」
そう言って、スフィアは深々と頭を下げた。
ふぅー、なんとかなったか。
しかし、そう思えるのもつかの間だった、
「分かればいいのです分かれば」
「おい、そろそろあれ書いてもらった方が良くね?本当に逃げないうちに」
「それもそうですね...じゃあ仁さん、例のものを」
「って、俺が持ってくるのかよ!」
と言いながらも俺は言われた通り例のギルドメンバー名簿も取りに行き、ロリ妖狐に渡した。
そして、それをロリ妖狐がスフィアに渡し、
「それではスフィアよ、ここにそちの名前を書くのじゃ」
お前誰だよ。
「ここにですか?」
「そうじゃ、さすればそちも今日からこのギルドの一員となれる」
なんか宗教に勧誘してる教祖みたいになってるんだけど。
「ほんとですか!?是非書かせていただきます!」
「ほっほっほ、そう急ぐでない。別にこれは逃げたりはせん」
きもっ!てか、いつの間にか立場逆転してね?
そう、俺が今見ている光景はさっきとは真逆の光景だった。
「...書きました!」
「うむ、これでそなたもこのギルドのメンバーじゃ」
「ありがたき幸せー」
この茶番...いつまで続くの?
「それではスフィアよ。早速我のために他のギルドメンバーを探してくるのじゃ!」
「イエス!マイマスター!」
今思った...こいつらどっちもバカだ。俺、これからこいつらと一緒で大丈夫だろうか?
こうして、スフィアは俺たちの一員となった。
そして、やっと長い長い1日が幕を閉じたのだった...
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